北の国からー2013冬(フィンランド・アイスランド)―

北の国からー2013冬(フィンランド・アイスランド)―

何か降ってきた、雪かな・・・
ん?雪じゃない、降ってない!何だこれ!!!
ダイアモンドダストだ・・・・・!!!!
ダイアモンドダストとは、空気中の水分が凍って、太陽や光に照らされてキラキラ輝く現象のこと。
これが今回のフィンランド・アイスランド出張、1日目、北極圏のサーリセルカに到着した夜に初めて体験した北欧の自然。寒い。-10度か、これからどうなるんだ私・・
ということで今回は、冬のフィンランド・アイスランドの大自然を満喫してきました!

レイキャビクにて

☆アイスランド☆
この旅で1番紹介したいのはアイスランドだ。
今回の出張で、アイスランドに行くといったら、どこだそれ、といわれたり、アイルランドと勘違いされたり、とにかく日本人にとってアイスランドはまだまだ馴染みがない。
実際に私も出張前に調べないと、「氷の国かな・・(アイスランドを和訳しただけ)」くらいのイメージしかなかった国。だが!アイスランドはすばらしい!!!!絶対に再訪したい国。
そして、おすすめの季節は冬。もちろん、観光にとって快適な季節は夏だし、アイスランドの写真集なんかを見ると夏の写真が圧倒的に多い。だが冬に行ってみて思う。絶対に冬の景色のほうが美しいと。
アイスランドの大地は、よく月面に例えられるらしい。それは特に冬のことだろう。だだっ広い大地に地球の息吹を感じたい、地の果てのようなところに行ってみたい、そのような人に冬のアイスランドはピッタリだと思う。


アイスランドは「氷の国」という強烈な印象の名であるし、実際に首都レイキャビクは世界最北の首都。だが、アイスランドは国名でイメージされるほど寒い国ではなく、暖流によって冬でも-10度を下回ることはほとんどない。そんなアイスランドで最初に訪れたのはブルーラグーン。
<ブルーラグーン>
ケフラヴィーク空港から車で15分のところにある、世界最大の温泉施設、ブルーラグーン。
青い乳白色のお湯で有名で、温泉というよりは湖のような広さと開放感をもつ。肩までお湯に使っても、目の前にアイスランドの広大な大地が目に入る。


そのお湯は皮膚病にいいとされ、入った人はみんなお肌ツルツル。
また、お風呂の端に泥が置いてあり、その泥を塗ると一層ツルツルになる。
サウナや打たせ湯も楽しもう。

ブルーラグーンは水着を着用してお湯に入る。水着とタオルはレンタルできるが有料なので持参したほうがいい。施設にはレストラン、売店、お土産店などが揃い、1日過ごすことができる。また、入場券のほか追加料金を払えばお湯の上でマッサージを受けられたり、特別ラウンジを使うことも可能。

夜のブルーラグーン

そのブルーラグーンに隣接する素敵なホテルがある。ノーザンライトインは、まるで誰かのお家に遊びにきたような暖かみを感じるホテル。この辺りは周辺にレストランはないが、このホテルで朝食・昼食・夕食を頂くことができる。ブルーラグーンまでは車で3分。ホテルの人にお願いすると車を出してくれる。ちなみにノーザンライトインに宿泊すると、ブルーラグーンで必要なタオルを無料で借りることができる。
また、ブルーラグーンでオーロラを見たい!と熱望される方もいるだろうが、この辺りでもオーロラは観測可能。事前にお願いしておくとオーロラが出た夜はホテルのスタッフが部屋に連絡にきてくれる。



<ゴールデンサークルツアー>
アイスランドに来たならぜひ見たいのが、グトルフォス!!「黄金の滝」という意味だ。グトルフォスを見るなら、ゴールデンサークルツアーに参加しよう。滝は残念ながらスタンダードのゴールデンサークルツアーに参加しても見ることはできず、オプションとして滝をつけることになる。だがそうしてでも見ていただきたい、壮大な滝!!
まずゴールデンサークルツアーは、バスで気軽にアイスランドの見所を周ることができる。アイスランドの歴史的に重要な場所や、地球の活発な活動を肌で感じられる場所を、ほぼ1日かけて回る。ちなみにアイスランドのツアーは基本的にホテル発着だ。
さて、グトルフォスは、バスが「ここです~」と到着したときは、まだ見えない。音も聴こえない。その滝は突然、目の前に現れる。あれ、ここじゃないのかな・・と思った頃にズドーン!うわー!大地が割れてる!

そしてグトルフォスは1つの場所から見ただけで終わりではなく、絶景ポイントが4箇所ほどある。
同じ滝なのに、その4箇所全てが驚くほど印象が違う。また、グトルフォスの周りの何もなさにも注目したい。本当に地の割れ目!




☆フィンランド☆
<サーリセルカ>
フィンランドの北、北極圏に位置するサーリセルカは、首都ヘルシンキから国内線で1時間半。リゾート地として人気が高いその街は、徒歩で端まで歩けるこじんまりとした街。街にはレストラン、ホテル、お土産物店、スーパーマーケット、小さいショッピングモールが揃う。こじんまりといっても、冬は正直、寒くて端から端まで行くのがやっとなので丁度いい大きさの街だ。


これでも朝

ここで私の基本的な防寒対策について紹介したい。(-10度~-30度)
※注※私は寒いのが平気な方

下:コットン靴下→ウール靴下→スキニーパンツ→裏地フリースパンツ
上:あったか下着→長袖Tシャツ→薄手のセーター→スキー用ダウン(腰下くらいの長さ)
登山用靴、帽子、手袋 マフラー ※オーロラ鑑賞時はカイロ必須



日中はハスキー犬サファリ、スノーモービルなど様々なアクティビティをして楽しもう。子供が参加できるアクティビティもある。アクティビティに参加しない子どもは街中でソリで遊んでいる。ソリも楽しそうだ・・・

<ロバニエミ>
ロバニエミは北極圏から南へ8キロ。つまりサーリセルカより南へ下るわけで、私は油断していた。
暖かくなるだろうと・・・
だが現実は-30度。
-30度に近い世界は、どんな世界かというと、10分歩くのがやっとだ。実際、風が強いと2分が限界だ。つまり、長い距離を歩こうとすると、途中のホテルなどに入って休憩しないと寒くて歩けない。よく言われる、目の水分が凍るとか、まばたきできないとか、そういうことはないのだが、とにかく外に出ると一瞬で体の芯まで冷える。室内で暖められた防寒着の中の空気など、すぐに冷えてしまう。
タクシーの運転手さんは、え?-40度とかになることもあるよ~~えへへ と言っていた。えへへって。
ロバニエミでは、トナカイそりのアクティビティに参加した。ハスキー犬ソリのアクティビティに比べスピード感やスリルはないものの、ゆっくりと雪の針葉樹林を眺められる。サンタさん気分だ。もっとも、飛べるような軽快な雰囲気は微塵もないが。


大きいソリに数人で乗ってトナカイにひいてもらうので、子どもでも大人とソリに乗れば安全に楽しむことができるアクティビティだ。また、前でプリプリと動くトナカイのお尻もかわいい。

トナカイはシャイだそうだ。トナカイを見つめると少し目をそらすものの、こっちを気にしているのが分かる。猛烈にかわいい。

トナカイなんてそう間近で見られるものではないし、サンタさんの村にせっかく来たなら、トナカイソリに参加するのも面白いだろう。
<オーロラ>
さて、私がオーロラを見たのはロバニエミだ。モイモイ号と呼ばれる、日本語オーロラバスツアーに参加した。日本語ガイドさんが、その日の天候からオーロラが観測できそうなポイントへ連れていってくれる。
とりあえず、この日本から離れたフィンランドの辺境ともいっていい土地に、こんなに日本人がいるのか、というほどツアーバスいっぱいに日本人がいる。私が参加した日は全員日本人で30人ほどだった。この日は凍った湖のほとりに到着。まずはトイレの場所を確認と、コタと呼ばれる暖をとる場所に案内してもらう。コタでは中心に暖炉があり、用意されているソーセージをそこで炙って食べることができる。コーヒーや飲み物も充実。少し暖まったら、カメラや三脚などを準備し、いざ外へ。


コタ

私たちが到着した日は、いきなりもうオーロラが出ていた。縦や横やウネウネしている。なんとなくこれがオーロラか!と面食らってしまった。考えてみたら当たり前だが、オーロラは音もなく、静寂の中ウネウネしている。きっとここに人間が誰もいなくても、誰も見ている人がいなくても、毎日毎日ウネウネしているのだろうというくらい、静かで穏やかなウネウネ。自然に対する静かな感動。
オーロラは、実物を見るまで想像していたような「光のカーテン」「キラキラ」「うわー!すごいー!!」とは違うものだった。いや、実際「うわー!すごいー!」とは叫んだし、感動したのだが、想像していたオーロラよりも自分がみたオーロラのほうがよりオーロラらしいというか、反対に遊園地のアトラクションみたいに派手に「オーロラやで!!うねるで!」のような自己主張の強い光だったら幻滅していたかもしれない。とても綺麗だった。オーロラは今日も静かに人知れずウネウネしているだろう。うまくいえないが、そんな風に思う光だった。

北欧の冬は美しい。ダイアモンドダスト、朝日に照らされた真っ白な針葉樹林の輝き、神秘的なオーロラ、シンと静まり返った世界。寒い冬は寒いところへ。さあ冬は、あなたも北欧へ!
2013年12月 楠本悠子
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