島めぐり&遺跡めぐり 神話の国ギリシャを旅する

島めぐり&遺跡めぐり 神話の国ギリシャを旅する


10日間の休暇があったら、そしてその10日間でギリシャにいくとしたら、私は迷わずエーゲ海の島と古代ギリシャの遺跡めぐりをおすすめすると思います。島でのんびりだけでもちろんいいけれど、ギリシャの遺跡はやっぱり偉大です。小中学生の時の歴史の教科書で、さらには高校の世界史の教科書で何度となく出てきたレオニダス像の写真とかコリント様式とドーリア様式の柱とか、「ああ、教科書で見たことある!!!」という遺跡がたくさんあります。今回の研修先はベストシーズンのギリシャ。真っ青な海があり、3千年前の遺跡があり、遺跡の近くには歩いているだけで楽しくなるかわいらしい村があり・・・ギリシャの島だけをみて帰ってくるのはちょっともったいないと感じた10日間でした。


ギリシャはのんびり旅したい

この旅では本土だけでも800キロを車で走りました。(諸島部の移動距離も含めたら全体で2000キロくらいになります)7泊ともすべて違うホテルに泊まるという、入社して初めて行ったインドに類似するスケジュール。当時は入社したてでよくわかっておらず、毎日移動することがそれほどハードだとは思っていなかったのですが、インドは結構忙しかった。もしや・・・と思いましたが、それが以外にも楽々!!それは専用車の移動だったから。国内の列車やバスなど公共の交通網がまだまだというより、ほとんどないのがギリシャ。電車もバスもシーズンにより減便したり、また運行があっても時間にアバウトだったり、限られた日数の中で旅行をするのなら専用車がおすすめ。何より効率的で早いのがいい。

サントリーニ島

ミコノス島

アテネの露店

エピダウルス遺跡

ミケーネ遺跡の獅子の門

ナフプリオン

ミストラ遺跡の修道院

オリンピックの採火式

デルフィ遺跡

今回、弊社のギリシャツアーで一番人気のサントリー二島、小さいけれども真っ白な旧市街が魅力的なミコノス島、その後アテネ(滞在時間12時間)、かつてギリシャの中心となったこともある海辺の町ナフプリオン(石畳の街並み、夕方から夜にかけてが美しい)、夏は3000年前の劇場で演奏会もおこなわれるエピダウルス遺跡、ミケーネ遺跡(高台にある世界遺産)、スパルタ(あのスパルタ教育の発祥の地!!気温40度にも達すると思われる中246キロを36時間かけて走りぬく(!)スパルタスロン開催中でした)、ミストラ遺跡(今回訪問した中では一番新しい遺跡、それでも14世紀頃。主に修道院跡が見られる)、聖火リレーが出発するオリンピア遺跡、アテネから比較的近い世界遺産のデルフィ遺跡を訪問しました。この10日間をすべてひっくるめて総括するのは難しいです。それは単純に行った場所が多かっただけではなく、それぞれがまったく違う顔をもつところでもあったからです。今回印象的だった2つの場所についてまとめたいと思います。

サントリー二島はギリシャの一大リゾート地。島で一番大きな街フィラタウン、フィロステファニ、イメロヴィグリという静かな2つの小さな村、そして夕日がきれいに見えるイアタウンこの4つが主なエリアとなります。火山が爆発してできたサントリー二島は島の片側はカルデラと呼ばれる断崖になっており、上記4つの村はその断崖にあります。反対側は穏やかな海に面していますが、多くのホテルがカルデラ側にあります。反対側も悪くないのに・・・という島を案内してくれたガイドさんの意見に私も1票!反対側はいくつかのビーチなどがあり、真っ青な海が本当にきれい。でもホテルはほとんどなく、家もぽつぽつある程度でひっそりとしていました。

マジェスティックホテル

サントリー二島に行くと決めたときにどうやって泊まるところを選ぶか・・・ということですが、フィラタウンには弊社が手配をするスタンダードクラスのホテルといくつかのお洒落リゾートホテルがあります。特に夏はバーなどが夜遅くまでにぎやかで、お土産やさんやスーパなどもあり便利です。フィラタウンの断崖にあるホテルによっては、階段がたくさん降りてやっとたどりつくようなところがあります。崖に沿ってホテルや家があるので、ある意味そうなっても仕方がないことで、それがサントリー二島の美しさでもあります。でも買い物に行くのにもそれを上ったり、降りたりはちょっと・・・という方には断崖も見えて平たいところにあるホテル、5つ星のマジェスティックホテルもおすすめです。
夜も楽しく過ごしたいとか、予算が限られているとか、平たいところで過ごしたいという場合にはフィラタウンがいいと感じました。

ダナヴィラス、お部屋によってはジャグジーも

ハネムーンヴィラス

フィロステファニ、イメロヴィグリの2つの地区には見晴らしのいいおしゃれなリゾートがたくさんあります。伝統的なサントリー二スタイルのダナヴィラスは珍しい通年オープンのリゾート。レインシャワーとかデザイン家具、室内ジャグジーなどが置かれたウルトラモダンなリゾートホテルが続々できている中で、伝統的な家具がおかれ、キチネットもついた便利なホテルです。メインプールは昨年リノベーションが完了しています。
ハネムーンヴィラスはもちろんハネムーンの方でなくても泊まれる、超おしゃれなホテル。名前のせいか、それとも偶然なのかわかりませんが、ハネムーンと思われるゲストでいっぱいでした。お部屋はたったの13室。スイートルームを見せていただきましたが、これは、これはスーパーラグジュアリー!!という印象。とにかく建物から何まで真っ白なのがサントリー二ですが、このリゾートは木目の日よけなどなど、少し他と趣の違う大人っぽいリゾートです。

イアタウン

雑誌の撮影??

最後にイアタウン。ちょうど日が沈む西の方角を向かっているので、夕方になると夕日を見に来る人でいっぱいになるエリア。ここから見る夕日は、サントリー二島で1番か2番目に、いやおそらく一番のハイライトです。日が沈むにつれて刻々とうす紫から濃い紫に色を変えていく、白い街並み(うむむ・・・わかりにくい・・・サントリー二に行かれる方はぜひご自身の目でお確かめください)は必見です。もしイアに泊まるならその色の変化をすぐ目の前で見ることができます。フィラと違うところは夜になると、静かな夜がやってくることでしょうか。バーやレストランが決して少ないわけではないのですが、イアのお土産やさんやレストランはフィラにあるのとは少し雰囲気が違います。こだわりのアクセサリを売るショップやギャラリー、ブックショップなどがあり大人っぽいエリア。メインストリートは車の乗り入れは禁止。フィラタウンと比べるとのんびりとしていて、歩いているだけで楽しくなるエリアです。

ゴールデンサンセット


カナヴェスイアスイート

アルメニヴィレッジでの朝食はテラスで

さてお泊りは・・・お値段重視のリゾートから5つ星まで選択肢は広がります。ゴールデンサンセットという、まさにサンセットがきれいに見えるベストローケーションにあるスタンダードクラスのホテルは、設備はイアの他のホテルと比べるとぐっとシンプルですが、なんといってもロケーションがすばらしい。私ならここで夕方限定のカフェをオープンさせるな・・・なんて余計なお世話なことを考えてしまうくらいいい場所にあります。さらによくサントリー二島の絵葉書で見かける風車が敷地内にあり、その風車もアパートメントタイプのお部屋になっているユニークなホテルです。ゴールデンサンセットっていう名前もぴったりすぎて突っ込みどころがありません!
ラグジュアリーなリゾートで人気があるのはカナヴェスイアスイート。カナヴェスイアの姉妹ホテルで、全室スイートタイプになるアップグレードホテルです。カナヴェスは洞窟という意味だそうで、洞穴のようなところにお部屋があります。タイプによってはプライベートジャグジーのついたお部屋もあります。目の前はもちろん海!朝食はプールサイドで。朝の気持ちのよい風に吹かれながら、おいしい朝食をいただく、これ以上すばらしい1日の始まりはないですよね?
忘れてはいけないのは上記ご紹介をしたホテルすべてでwifiが利用できます。場所が場所なだけにびっくりしましたが、いまどきのリゾートはこんなにイノベーティブなんですね・・・ゲストがタブレットなどを見ながらプールサイドでのんびりしている様子が印象的でした。もっとご紹介をしたいリゾートはたくさんありますが、この続きはぜひ弊社まで。お気軽にお問い合わせください。

オリンピアの町

ソチ五輪の採火式

続いて、終盤に訪問したオリンピアについてご紹介したいと思います。オリンピアは人口1300人にも満たないペロポネソス半島にある小さな村。オリーブやレモンの畑が広がる中にあります。町を少しはずれれば、イオニア海が広がります。アテネからまっすぐ車でくると4時間くらいの距離のところですが、多くの方はオリンピアに来る前にスパルタやミストラといった遺跡、もしくはデルフィなどといった他の遺跡を訪問し、その後に訪れるところです。村は15分もあればぐるっと一周できてしまうような小さな町です。オリンピアは言わずと知れたオリンピック発祥の地。オリンピックの聖火もここオリンピアの遺跡から採火されます。訪れた日は幸運なことに2014年冬のソチオリンピックの聖火リレーがスタートする日でした。そんな小さな村が世界から報道関係の人が集まり、さらに見物のロシア人がたくさん来ており、前日からわさわさ。現地に到着するまでドライバーさんもその事実を知らなかったそうで、今日は人が多くていつもと違う、といっていたくらいです。採火のセレモニーはだれでも見ることができ、私も見学をしました。朝から遺跡への入り口はセキュリティチェックで厳戒態勢、ペットボトルの持込みも禁止され、どこにも日よけなどのない遺跡、この炎天下「それはちょっと厳しい・・・」と思いつつ列に並びました。正午からセレモニーが始まり、IOCの会長さんやらいろんな偉い方のお話に続き、オリンピア遺跡内のヘラ神殿で採火され、最初のランナーがソチに向けてでかけていきました。東京でのオリンピックの開催についてもあまり関心がなかったのですが、このオリンピアの遺跡から聖火がやってくるんだと思うと確かにちょっと感慨深い・・・2020年の半年前2020年の冬はオリンピアが日本人でいっぱいになるのでしょうか。
これは余談ですけれども、1時間半ほどのセレモニーは古代スタジアムでおこなわれました。ここは一切の樹木もなければ日よけもない、さんさんと明るい太陽の光が降り注ぐようなところです。この時期のギリシャは暑い!!日差しが恐ろしく強い!!またもや40度にもなろうかというところで1時間半。赤ちゃんや小さな子供がたくさん見学に来ていましたが、やっぱり・・・熱中症で救急車で運ばれている子供がかわいそうでした。平和の祭典は未来の子供に夢を・・・の前に子供たちに水を配ってほしいと思いました・・・

オリンピア遺跡

文字が読めたらもっとおもしろいはず

どうしてこんな技術があったのでしょう

オリンピアの遺跡の入場料は一人9ユーロ。遺跡の入場券は考古学博物館の入場とセットになっています。ドイツの機関が遺跡の修復と復元の協力をしており、私が見学した他の遺跡より多くがある程度原形をとどめており、また復元されたものが多いのが特徴的です。ドーリア様式とコリント様式の柱、教科書の中にあった写真を覚えていませんか?教科書でみたあの遺跡がここにあるんです。主要な遺跡にはそれぞれギリシャ語と英語、ドイツ語での説明があります。その中にある復元図は必見です。瓦礫のように石がごろごろ転がっているところも、昔は巨大な神殿や人々の浴場だったのです。2千年も3千年も前にどうやってこんなに大きな建物を作ることができたのか不思議でなりません。また建物の土台をこれほどまで精密に作れたその技術の高さに圧倒されます。日本からもって行くガイドブックはそれほど詳しくないので、日本語での説明が必要な方は現地のお土産やさんで各国語のガイドを買われるのがおすすめです。
最後に、遺跡を夏場に見学される方へ。多くの遺跡は日陰がほとんどありません。遺跡の中に入ったらひたすら遺跡が続き、じっくり見て回るなら1時間半から2時間は必要です。木陰が少しあるくらいで、座って休むところもあまりありません。夏場は気温も相当上がります。帽子や日焼け止めなどをお忘れなく。予想以上の日差しの強さに私はやられかけました。もしかすると薄い長袖でもいいかもしれません。そして、遺跡内に水を売っている所はありません。必ず水をご持参ください。オリンピア遺跡の入り口でで水を取り上げられた私たちは、熱中症一歩手前でした。(通常は遺跡に水を持参することができます)そして世界的観光地にもかかわらず、遺跡の近くにレストラン、カフェなどがあまりありません。ランチをランチの時間に食べられないことも考えられます。日本からもしくはホテル出発前におやつをご用意ください。

朝から降り注ぐ太陽と透き通った青い海が似合うエーゲ海の島で、私は現実離れした景色とのんびり進む時間の中で、夢の中に居るような気がしました。静まり返った遺跡の中ではかつての神話の舞台でここが世界の中心であったことに思いを馳せつつ、一瞬どこか違うところにタイムスリップしたような気がしました。現実の世界から抜け出して、神話と夢に出会うことのできる国がギリシャだと思います。次回の現実逃避の目的地にギリシャはいかがでしょうか。
2013年9月 吉木
このエリアへのツアーはこちら

中近東・東地中海カテゴリの最新記事