エジプトでシュノーケリングデビューしました!

エジプトでシュノーケリングデビューしました!


海が大好きだけど、もっぱら海上のマリンスポーツと海水浴のみ。そんな私が今回、エジプトで、しかもあの紅海でシュノーケリングデビューをした。とはいえ、もちろんそれだけではない。欠かせないエジプトの古代遺跡や文化も堪能、思いきり充実した内容の今回のプランをご紹介したい。



旅のスタート地点はルクソール。日本を夜に出発し、乗り継いでルクソール空港に到着したのは翌朝。そのまま観光へ向かった。
ルクソールの町はナイル川を隔て、東岸と西岸に分かれていて、王家の谷やハトシェプスト女王葬祭殿などは西岸、カルナック神殿やルクソール神殿などは東岸にある。これは、古代から東岸(太陽の昇る側)は生きる者の町、西岸(太陽の沈む側)は死者の町と考えられていたからだそうだ。
現在は西岸でも農業がたくさん行われており、人々も暮らしている。
ルクソールの観光地の中でも、特に女性として気になったのはハトシェプスト女王葬祭殿である。

ハトシェプスト女王は、エジプトの女性初の女王。クレオパトラよりずっと昔、紀元前1470年頃に葬祭殿を建設した女性だ。初めは夫(トトメス2世)の死後、幼いトトメス3世の摂政となり、その後自ら王となり、統治したとのことだが、ときには髭をつけ、男装をしていたらしい。歴史に名を刻んだ女性リーダーはたくさんいるが、この時代、王=男性とされていた時代に、ファラオ(王)として権力を持ち人々を信用させ、統治したことには本当に驚いた。

ルクソールを駆け足で観光した翌朝、アブシンベルへ向けて発った。
アブシンベルは今回の旅でも特に楽しみにしていた場所のひとつである。アスワンハイダムの建設により水没の危機にさらされた遺跡をユネスコが中心となって移動したのは有名な話である。
アブシンベルでは、とにかくその遺跡の大きさに圧倒される。アブシンベル大神殿の前には神殿を建設した約3300年前のファラオ、ラムセス2世の4体の像が並ぶ。

大神殿の隣には小神殿がある。これは、ラムセス2世に最も愛されたという王妃ネフェルトアリのために建設された神殿といわれている。この神殿の見どころが夜に行われる音と光のショーである。大神殿と小神殿をスクリーンに見立て、美しい映像が映し出され、その迫力はなんとも言えない。このショーを見るにはアブシンベルの町に泊まらなければならないが、その価値は十分にあるのだ。

翌日、アブシンベルからアスワンに戻った後はファルーカでナイル川をクルージング。ファルーカは、ナイル川で古くから利用されてきた帆船(ヨット)のことである。今回の船長はこのおじいちゃん。

ファルーカは現代よく見られるようなセイル(帆)のついたクルーザーとは異なり、エンジンはついておらず、本当に風の力だけで動く。これには元ヨット部の私も興奮!!構造が気になってしまう。

ところで、エンジンのついていないファルーカ。風がなかったらどうするのかと心配になったが、そのときは手で漕ぐらしい。運良く適度な風が吹いていたので、何度か方向を変えながら、風上の目的地を目指した。

アスワンからは寝台列車でカイロへ。カイロではやっぱりピラミッドとスフィンクス!



定番だけど絶対外せない観光地をまわり、そのままシャルムエルシェイクへ向かった。
さて、ようやくシャルムエルシェイクに到着したので、少し説明を。シャルムエルシェイクのあるシナイ半島は、東にイスラエル・ヨルダン・サウジアラビア、西にアフリカ大陸の間に位置し、まさにアラブとアフリカの文化が混ざったような場所である。これまで旅してきたルクソールやカイロとは全く違っていた。シナイ半島の南には紅海。世界中のダイバーが憧れる地といわれている海が広がる。
シャルムエルシェイクはそんなシナイ半島の南、先端近くに位置している。街には5ッ星ホテルが並び、1年中マリンスポーツを楽しめる環境から、多くのダイバーやリゾート客が訪れているのが特徴である。
このシャルムエルシェイクで参加したのはラス・モハメッド国立公園のツアーである。シャルムエルシェイクよりさらに南、シナイ半島の最南端に位置するこの国立公園は、スエズ湾とアカバ湾がちょうど交わるところにあり、アフリカ大陸側が珊瑚礁、アラビア半島側が砂浜となっている。
ツアーは他国の観光客と一緒にまわる。初めに案内されるのはレンタルショップ。ここでシュノーケリング用のフィン、マスク、スーツなどを借りる。全く無知であった私も無事レンタル完了。フィンとマスクで10ドルであった。

車を走らせ公園内へ。厳重に管理された国立公園だけあって、入るためにはパスポートの提示が必要となっている。自然の保護も行われているのだ。10分程度走ったところで最初の目的地に到着。
世界にはたくさんのリゾートがあり、美しい海もいろんな場所で見られるが、その中でも指折りの場所ではないだろうか。透明度も抜群だ。

この写真を見ると良く分かると思うが、手前と奥で海の色が異なっている。これは色の濃くなる部分(写真だと奥のほう)で急に水深が変わるからである。

この色の濃い海(水深が深くなる場所)でシュノーケリングを行うのだが、その透明度ゆえに海底深くまで見ることができ、ちょっと足がすくんでしまうくらいだった。海の中は想像以上の美しさ、色とりどりの魚、珊瑚礁など、何時間見ていても飽きないくらいの世界が広がっていた。
もしシャルムエルシェイクに行くなら、数日間は滞在し、ちょっと良いホテルに泊まって、時にはダイビングやシュノーケリングに出掛けてみるのがおすすめだ。
振り返ってみると、駆け足の旅ではあったが、エジプトの見所をぎゅっと体感できる内容であった。エジプトの古代遺跡も文化もビーチも、たくさん知りたい、学びたい、体験したい、そんな人には心からお勧めしたい旅である。

2013年4月 西田

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