ソンブレロをかぶり、マラカス持って“テキーラ!”と叫ぶ人はいませんでした。

ソンブレロをかぶり、マラカス持って“テキーラ!”と叫ぶ人はいませんでした。

~メキシコ周遊 素晴らしきマヤ遺跡とルイス・バラガン建築を訪ねる旅~

カンクンのビーチ

メキシコに行ったことのない方の漠然としたイメージ(あくまで私の考えです。)は、タイトルにも記載したが独特な帽子(ソンブレロ)をかぶり、マラカスを持ってテキーラ!と叫ぶメキシコ人だか、私の場合はオリンピックのサッカーで日本が負けた国のイメージが非常に強い。どちらにしろ日本のイメージを聞かれたときに“まだ侍がいる”といったレベルのはなはだメキシコの方には申し訳ないイメージであり、今回そのイメージをちゃんとしたものに変えるべくメキシコに旅立った。


○ビジャエルモサ・パレンケ
羽田の深夜便で飛び立った私はまず最初に、ビジャエルモサに降り立った。ビジャエルモサは世界遺産のパレンケ遺跡へのゲートウェイで、まずは1泊。翌日終日で世界遺産パレンケ遺跡の観光に出発した。パレンケ遺跡は7世紀にその地を統治したパカル王の都市で、10世紀に放棄されてからスペイン人宣教師が発見するまで800年の間、ジャングルに眠っていたマヤ文明の遺跡。今も発掘が終わった遺跡を観光できるが、周辺にはジャングルとまだ手のかかっていない遺跡が残され何とも秘境ムード満点。

まわりはジャングル。サルの鳴き声も聞こえる

まだ発掘されていない遺跡

パレンケでは宮殿跡や神殿の後を見学できるが、遺跡の広場に入ってすぐ目に入るピラミッドが何とも印象的。エジプトのピラミッドとは違い、階段上のピラミッドで残念ながら現在は上ることはできない為、外観のみ見学となる。周りのうっそうとしたジャングルの景色とマヤの巨大ピラミッドの姿には、何となくロマンを感じてしまう。遺跡好きにはたまらないスポットである。
宇宙人が作ったともされ、もしかしたらUFOも見れるかも?と思い空を眺めていたが残念ながら見ることはできなかった。

碑文の神殿

頭蓋骨の神殿

イグアナもいる

パレンケ遺跡全景

○メキシコシティ
ビジャエルモサからメキシコシティに降り立った際に気温の差を非常に感じた。それもそのはずメキシコシティは標高2240mにあり、そこそこ高地。高温多湿のビジャエルモサから比べると非常に過ごしやすい。ただやはり高地のせいか少し息苦しさを感じてしまう。1泊し、翌日は終日メキシコシティ観光。午前は世界遺産ルイス・バラガン建築の見学。2004年に世界文化遺産に指定されたルイス・バラガン邸やカプチーヌス修道院、ヒラルディ邸を見学した。一番よかったのはカプチーヌス修道院。残念ながら写真撮影が一切禁止の為、写真はないが空間と自然光を利用した建築は非常に素晴らしかった。なお今回は日本語ガイドでツアーに参加したが、このルイス・バラガン建築の見学はぜひ日本語ガイドをお勧めしたい。英語だと専門用語も多く、正直分かりにくい。また個人だと他の団体に入れられ見学をさせられてしまう場合もあり、じっくり見ることができない。ルイス・バラガンを堪能するにはやはり日本語ガイドが一番である。

カプチーヌス修道院の入口

ルイス・バラガン邸のリビング

自然光で十字架に見える

午後は謎の古代都市テオティワカンへ。テオティワカンは紀元前2世紀ぐらいからある巨大都市で、いつ・誰が作ったか今をもってはっきりしていない。巨大なピラミッドが2つあるが、エジプトとは違い墓ではなく神殿として使われたようである。太陽のピラミッドは高さ65mあり、頂上からはもう一つのピラミッドである月の神殿やケツァルコアトルの神殿などが一望できる。標高が高いせいか頂上まで登るだけでも結構しんどい。だがぜひ登ってパノラマビューを楽しんでいただきたい。

太陽のピラミッド頂上から

死者の道

太陽のピラミッド

○グアナファト
メキシコシティからバスでグアナファトに移動した。メキシコは鉄道がない代わりにバスが各都市間の移動をカバーしている。今回は1等のバスを利用したが、これが思った以上に快適。座席も広くリクライニングもできる。あえて言うと一昔前のビジネスクラスのようなお席。約5時間だか結構快適に過ごせた。

近代的なバスターミナル

グアナファトへの1等バス車内

グアナファトは現在世界遺産にも登録されている美しい街で、ヨーロッパのような街並みが続く。とてもメキシコにいるとは思えず、どこかヨーロッパの古い街にきたような錯覚を覚える。街自体は大きくなく、端から端まで歩いて約15分くらいだろうか。教会や博物館、市場など街を歩きながら立ち寄る観光が面白い。高台からは街が一望でき、特に夜景はお勧め。幻想的な景色が楽しめる。

グアナファトの街並み

バシリカ

ピサロ広場

グアナファトの夜景

○カンクン・チチェンイツァー
グアナファトで1泊した後、メキシコシティを経由してカンクンへ。カンクンは中南米屈指のリゾート地で、20kmにも及ぶ海岸沿いに立ち並ぶホテルは圧巻の一言。カリブらしい青い海と温暖な気候がハネムーンにも人気である。3泊し、チチェンイツァーやホテル視察を行った。
チチェンイツァーはカンクンから車で約3時間、マヤ文明の残した広大な遺跡だ。遺跡の周辺は切り開かれているが、いまもなおジャガーや毒蛇などがいるらしい。ここでもメキシコの今まで旅程でおなじみの巨大ピラミッドが見学できる。天文学を駆使して作られたこのピラミッドは春分・秋分にはピラミッドの階段があたかも大蛇のように見えるらしい。その時期には何と15,000人も見学に来るとの事でびっくりした。そういえば昨年年末もマヤの終末論で多くの観光客が訪れたらしい。世界が滅びなくてよかったが、遺跡の精密さには驚くばかりだ。遺跡には同時のマヤ文字も残されていて、こちらも遺跡好きにはたまらない。カンクンのビーチでゆっくりもいいが、ぜひチチェンイツァは訪れてみたい。なお今回は熱望していたセノーテのスイミング体験もできた。セノーテはいくつもあり、今回行った場所はそこまで透明度が高くはなかったが、十分その雰囲気を楽しめた。

ククルカン神殿

球戯場

聖なる泉 セノーテ

セノーテでスイミング体験

カンクンのホテル視察はさておき、午後の時間がまるまるあったのでジェットフェリーでイスラムヘーレスに行ってみた。カンクンの11kmの洋上に浮かぶ島でシュノーケリングやドルフィンツアーなどが楽しめる小さな島だ。時間もたくさんあるわけではないので、ゴルフカートを借りて島を一周してみた。島内は車も走っているがゴルフカートが多く、交通量も非常に少ない。気持ちいい風に吹かれながら乗るゴルフカートは思った以上に楽しかった。途中イルカと触れ合える観光地やウミガメの保護センターもあり、立ち寄りながら観光すれば1日遊べてしまう。リゾート効果で彼氏が運転してあげれば彼女の印象も急上昇するかも??残念ながら私は一人旅なので、寂しくゴルフカートの旅を満喫した。
なおスクーターも借りれるが、ゴルフカートの方が安全であるかと思う。

イスラムヘーレスへのジェットフェリー

借りたゴルフカード

青い空の下、快適なドライブ

イスチェル遺跡周辺

9日間でメキシコを周遊したが、全体的なイメージは思っていた以上に発展した国であった。カンクンは予想通りだが、各地の空港も非常にきれいでチェックイン専用の機械も置いてあり、日本の空港と同じような雰囲気であった。また各地で盗難やスリの被害に遭うこともなく、安心して過ごせた。メキシコシティは軽犯罪が多いとの事だか、通常の注意をしていればまず問題はないかと思う。食事もサルサと呼ばれるソースを中心にシーフードもあり、味も悪くない。有名なタコスも軽食として非常にポピュラーで、どこで食べる事が出来る。カンクンなどは高級レストランなどもそろっており、日本食などもあるので食事に困ることはまずないと思う。遺跡もあり、ビーチもあり、楽しむ素材に事欠かないメキシコであった。今度は1人ではなく、2.5人(うちにはちっこいのがいるので)で訪れてみたい。
2013年2月 菅原

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