笑撃!氷点下24度でお口にフリスク!防寒のポイントは耳と顔!スウェーデン&フィンランドへオーロラを求めて!初めての北極圏体験

笑撃!氷点下24度でお口にフリスク!防寒のポイントは耳と顔!スウェーデン&フィンランドへオーロラを求めて!初めての北極圏体験

旅した期間はクリスマス前の12月。町にはクリスマスの装飾が

今回の視察旅行の目的はいくつかありましたが、その最大のものはオーロラ鑑賞でした。これまで何人もの弊社スタッフが挑戦しましたが目的を達成したのは極々わずか。なかなか出会うことができません。ここ数年太陽の表面活動が活発でオーロラ鑑賞にとっては当たり年が続くと言われ、世界中にオーロラブームが起きています。ただ、オーロラが発生しても雲が空一面にかかっていると見ることはできません。逆に、雲ひとつない夜空に満天の星空。しかも満月の夜。すばらしく美しい夜空の天体ショーにはなるでしょう。でも、明るすぎてオーロラに気がつかないこともあるそうです。このようにオーロラ鑑賞はいくつもの条件が揃って初めて出会える非常にやっかいな代物なのです。通常オーロラ鑑賞は、ほんのわずかな変化も見逃さないように周辺に何の光もない人里離れた場所に移動してオーロラを待ちます。ただ、氷点下20~30度にもなる場所にずっと佇んでオーロラを待っているわけではないのでご安心を。どの場所にもちゃんと待機場が用意されていて寒さに耐えられなくなったり、疲れたら、そこで温かい飲み物、ソーセージなどの軽食をいただきながら休憩できます。今回初めて氷点下2桁の世界を体験しました。どれほどの寒さか端的に説明しますと、たとえ一粒のフリスクでも口に入れると激痛を感じて思わず笑ってしまいます。口で息をすることはできず鼻で息をすると鼻の粘膜が凍ってしまいます。そんな環境の中で過ごした7泊9日のスウェーデン&フィンランドの旅をご紹介します。


<ワクワクぶるぶるオーロラ観測>

バッテリー保護のためにカメラにもカイロを装着

最初に報告させていただきますと、今回、オーロラ観測は失敗に終わりました。1日だけ快晴の夜空に遭遇したのですがオーロラは現れてくれませんでした。たっぷり期待していたので残念でなりません。「オーロラ体験は一生に一度あるかないか」と考えますと、もう見ることはできないかもしれません。でも、「オーロラ鑑賞を目的にした旅をすることも一生に一度できるかどうか」と考えますと貴重な体験ができてよかったと今は思っています。現地の情報によりますと、12月に入った途端、きびしい寒波が襲来し雪の日々が続いていたそうです。私の滞在中も毎日が雪模様。雪が降っていないときの方が確かに少なかったです。その快晴の夜も、午後2時の時点ではどんよりした雲に雪模様。きっとその夜は晴れることはないだろうと皆あきらめムードだったのですが6時頃から天気は急変。冬の北欧の天気は予測不能です。天気予報も刻々と変わるので天気の急変に備えてオーロラ鑑賞ツアーには申し込んでおくだけ申し込んでおかなければ、いざ、天気がよくなったからと言って申し込んでも満席になってしまっている可能性が高いのです。ですから天気予報に関係なくオーロラ鑑賞ツアーに申し込むようにしましょう。ツアーによって悪天候の場合の対応はかわります。直前になって全く可能性がない場合はツアーはキャンセルとなり翌日に持ち越されるか返金となる場合、また、ツアーは強行されとにかく現地に向かうツアーもあります。その結果、たとえオーロラを見ることができなくても北極圏の真っ暗な森や何の音もしない世界を体験できるのも一興です。また、北極圏の人々の伝統的な森の住まい「コタ」でオーロラを待っている間も退屈することなく過ごせるよう自分で工夫することもできます。天に身を任せ期待を込めて積極的にツアーに参加することをお勧めします。ホテルの周辺だと客室などの灯り、道路の街灯などオーロラ観測には適さない邪魔な光が多いので、やはり、オーロラ観測ツアーに参加するのが無難です。

オーロラ観測ツアーの退避小屋
北極圏の人々の伝統的な森の住まい「コタ」

そしてまた、重要なことがひとつあります。オーロラに出会ったときのための撮影機材の準備です。もし、運良くオーロラを自分の目でみることができたなら、それは間違いなく一生の思い出になるでしょう。そしてそれを写真に残せたら最高です。だから、しっかりとした機能を持ったカメラを用意しておきたいですね。シャッタースピードは少なくとも10秒以上、絞りはF1.4~F5.6、ISOは400~1600に設定できる一眼レフカメラ。そして三脚は必須です。動くオーロラを撮りますからシャッタースピードを上げて瞬間で撮影したいところですが、暗い場所なのでしばらくシャッターを開いたままにしないと画像を取り込むことができません。この矛盾した状況を緩和するために、光を最大限に取り入れてくれる広角レンズも用意したいところです。そして、手動でシャッターを押すことによるブレを防ぐための電子レリーズも用意するに越したことはありません。でも、これまで経験のない初心者の方がこのような情報を聞いただけだと何のことかちんぷんかんぷんでしょう。オーロラをカメラに収めたいなら、この際、ある程度の学習は必須です。少なくとも、シャッタースピード、絞り、ISOの相関関係は簡単でよいので知っておいた方が間違いなくオーロラ撮影時の役に立ちます。インターネットで初心者用から中級、上級者向けとたくさんの情報がすぐに取り出せますのでトライしてみてください。
<もちろん防寒も大切ですが乾燥肌にも要注意!>

私の防寒着

人生初の氷点下2桁でしたがさすがに刺すような寒さを感じました。私が現地で常用していた防寒着は、下着、薄手のスポーツシャツ、ユニクロのフリース、ユニクロのウルトラライトダウン、コロンバスの薄手のフリース一体型の防風ジャケット合わせて6枚重ね着。下は、よくマラソンランナーが競技中にはいているランニングウェア、ズボン、そして、綿の入ったスポーツ用のウォームパンツ合わせて3枚の重ね着です。これで十分寒さを凌げるのですが、耳と顔が無防備だと衣服は何の意味も果たしません。特に耳はわずか10秒で激痛を感じるほどで、耳と顔の防寒対策は目出し帽が最も適していると感じました。または、マフラーで耳と顔を覆うでもOKです。でも、しっかりした防寒対策をすればするほどレストランなど暖房でしっかり暖められた建物の中に入ったときの脱ぎ着はとても面倒でした。それと、外出中にちょっと山道を歩いたりして体が温まると汗をかきます。それを放っておくとおそらく一瞬で風邪をひくことになるでしょう。

すぐれものの防寒靴

あと、現地発の犬ぞり、トナカイぞりツアーなどに参加するときは無料で防寒着を貸してくれます。(防寒着だけの1日レンタルというのもあります。<有料>)この防寒着は本当にすぐれもので特に靴がすばらしかったです。私が普段履いていたのは登山用の革靴でした。雪道を歩きますとつま先はとても冷たくなりましたが貸してもらった靴はまったく冷たさは感じませんでした。寒さ対策は「さすが」の一言です。ところが、寒さを凌ぐ手段はいろいろありましたが、意外なところに落とし穴がありました。4日目に入った頃、体のいろんなところが痒くなってきました。見てみると赤い発疹がちらほら。そう、乾燥肌です。普段日本ではあまり症状は出ないので、今回は全くのノーマークだったのですがやられてしまいました。急いでコンビニで乾燥肌用のクリームを買うことはできましたが一旦出た症状はなかなかよくなりません。予防が何よりも大切でした。
<スウェーデンの旅>

ホテルから眺めるキルナの町並み

ホテルからキルナ駅へ(朝の8時30分でもこの暗さ)

私が最初に訪れたスウェーデンの都市はキルナです。成田から飛行機を2回乗り継ぎ、コペンハーゲン(デンマーク)、ストックホルム、ウメオ(スェーデン)の3都市を経由し、待ち合わせの時間も含めて約19時間半かけてやっとたどりつきました。スカンジナビア航空から発表された今冬のスケジュールではオーロラの時期に合わせて日本からキルナまで直行便が運行されます。その話から想像してそれなりに大きな空港かと思っていたのですが、実際に到着してみるととても小さな空港でした。飛行場にはATMはなく、スウェーデンの現金を全く持っていなかった私は、少々青くなりました。ホテルまではタクシーに乗らないといけなかったのです。国際線のフライトが発着する空港に、まさかATMがないなんて思ってもいませんでした。でも、スェーデンも、そして、フィンランドもそうだったのですがタクシーには必ずカード精算機が置かれていました。どんなに小額でも基本はカード精算らしいのです。スェーデンもフィンランドもカード社会で、クレジットカードが日本以上に人々の暮らしの中に浸透しているのを実感しました。予約していたホテルにチェックイン後、近くにあったATMで無事、スウェーデンクローナの現金を引き出しました。

アイスホテルの入口

アイスホテル敷地内にある氷加工工場

次の日は、今回の視察旅行のビッグテーマのひとつの「アイスホテル」訪問です。アイスホテルには世界中から注目されているアイスルームがあり、毎年12月から営業が開始されます。アイスホテルのアイスルームは、その言葉通り、氷でできた部屋です。ホテルですからゲストはその部屋に泊まります。「え!本当なの!?」と思う方もいるでしょう。氷でできた部屋の氷のベッドで一夜を過ごすのです(マットレスはさすがに氷ではありませんのでご安心を)。アイスホテルはキルナ郊外のユッカスヤルビにあり、キルナからタクシーで約30分の距離です。その年ごとに世界で活躍するデザイナーたちがオリジナリティあふれるアイデアでひとつひとつ美しく作り上げる氷のお部屋は見所満載です。それらはまるで芸術品。

アイスルームのレセプション


アイスホテルのアイスルームのお部屋一例

建設中の氷の教会

すべてのお部屋は見学可能で、ミュージアムの中で一夜を過ごす気分になることでしょう。室内はほぼ氷点下5度で保たれ、外の気温があまりにも寒いため寒さを感じないのが不思議です。トナカイの毛皮でできたとても暖かい毛布をかぶって寝ます。でも、今回私が訪れた12月10日は、世界の芸術家たちのデザインはまだ未完成で完全な形をみることはできませんでした。本格的なオープンは毎年クリスマス直前からだそうです。大人気なので早め予約が必須です!実は、今回、アイスルームに泊まる予定だったのですが、満室で予約することができずやむなく暖かい部屋のホテルルームに泊まりました。ここでも一生に一度の体験を逃しとても残念でした。その代わり、併設されているアイスバーで楽しいひとときを過ごしました。そのバーには、体が冷えてしまうビールはおいていません。アルコール度の高いカクテルが主流です。テーブル、椅子、そして、お酒を飲むグラスまでも氷でできているという徹底ぶりです。でも、何杯飲んでも体はあたたまりません。私は3杯で退散しました。

アイスバーのカウンター

照明器具も氷

氷のグラスに入った「リンゴンベリー&ウォッカ」

そして、次の日も今回のビッグテーマのひとつの「ツリーホテル」訪問です。ツリーホテルは森の中の奇想天外なアコモデーションです。キルナ駅からちょうど3時間南へ下ったボーデン駅から、さらにタクシーで約1時間行ったハラッズという村にあります。もしも、森の中で道に迷ったハイカーが偶然ツリーホテルを見つけたらどう思うでしょうか。もしかすると4次元の世界に迷い込んでしまったと思うかもしれません。

「THE CABIN」

「THE CABIN」の内装

「THE UFO」

「THE UFO」の入口

「THR BIRD’S NEST」

これがホテルだとは思わない

「THE MIRROR CUBE」

「THE MIRROR CUBE」のロフト

「THE BLUE CONE」
※Q:赤いのになぜブルーコーンか?
A:設計時は青かったから名前はそのまま

ツリーホテルのスタッフ

私が訪れた2012年12月現在でツリーホテルは「THE CABIN」「THE UFO」「THR BIRD’S NEST」「THE MIRROR CUBE」「THE BLUE CONE」5種類のアコモデーションを提供しています。それぞれコンセプトは異なり、カップル向け、グループ向け、ファミリー向けなどあらゆる層に対応できるよう造られています。外装のデザインはもちろん、内装も凝った作りで森の中の異空間世界を見事に演出しています。さすがはデザイン王国の北欧ブランドと唸らせてくれます。写真をご覧頂くと一目瞭然なのですが、そのすぐれたデザイン性から各国のあらゆるジャンルの有名雑誌の取材を数え切れないくらい受け、レセプション棟のラウンジには所狭しとそれらの雑誌がうず高く積まれていました。私は、「THE CABIN」に宿泊しました。

重厚な内装も素晴らしいガンメルスタード教会


周辺の町並みを含めガンメルスタード教会街として
世界遺産に登録されている

そして、知る人ぞ知る世界遺産の町が次に目指すルーレオ近郊にあります。その町は、ツリーハウスのあるハラッズからルーレオの途上にあるのでタクシーで移動するついでに気軽に立ち寄ることができます。この世界遺産の町は、ガンメルスタード教会を中心とした教会街で、現在のルーレオの町が移転する前にルーレオの町があった場所なのです。いわば、ル-レオの旧市街となる町です。15世紀初頭に建築された石造りのカトリック教会、ガンメルスタード教会の周辺に、合わせて教会の行事のために遠方から訪れる礼拝者の為の宿泊施設として400軒以上の平屋建ての木造家屋が建てられ、今も尚、その役割を担っています。すべての建物の壁面が渋い赤色で統一され、かわいらしい印象を受けました。今回は、雪がかなり積もっていて雪の白と建物の壁の赤とのコントラストがとても素敵でした。のんびりと周辺を歩いてみたかったのですが雪が深く断念しました。
次の目的地はフィンランドのロバニエミです。
<スェーデンから国境を越えフィンランドへ>

スェーデン側の国境の町・ハパランダのスーパーマーケット

パトロール中のフィンランドの親切な警察官

スウェーデンからフィンランドへの移動はバスを利用しました。国境を越えるのもバスです。でも、国境とわかる目印はまったく目立っていないのでバスの中からはわかりません。話によると、警察とは別に国境パトロール隊という部署もあるそうなのですが何をしているのでしょうか。スウェーデンとフィンランドはシェンゲン協定に加盟する国同士なので国境を越える際の検査は何もありません。何もチェックしないということはすべてがOK。パトロールする必要性は何なのでしょう。それはさておき、この移動中驚くことがありました。スウェーデン側の国境の町ハパランダからフィンランド側の国境の町トルニオまでの距離はわずか1キロ弱。徒歩でも移動は可能です。でも、1時間の時差が存在するのです。1時間時計を進めることになりますのでわずか1キロの距離をタイムテーブル上は1時間以上かけて移動するように見えてしまいます。だから、時差があることをあらかじめ知っていないと混乱の元です。私は気がついていませんでしたのでとても戸惑ってしまいました。その後は、スウェーデン側の国境の町ハパランダでバスを乗り換えフィンランドのケミへ。

ロバニエミへ向かう列車

ケミのバス停から徒歩2分ほどの距離にケミ駅があります。ここで、列車に乗り換えロバニエミへ向かいました。スウェーデンのルーレオからハパランダまで約2時間。ハパランダからケミまで約30分。ケミからロバニエミまで約80分です。
<フィンランドの旅>

ロバニエミの町のクリスマスツリー

サンタクロース村のかわいいハスキー犬

フィンランドにはオーロラ鑑賞の拠点となる都市がいくつかあります。今回、私が訪れたのは、その中のひとつ、ロバニエミです。列車で到着した場合、駅から町の中心部まで歩いて10分ほどなのですが、雪がある場合はもう少し時間をみた方がよいでしょう。タクシーの場合は駅に設置されたタクシー乗り場に電話番号が書いてありますので携帯電話で連絡します。するとほんの数分でタクシーがやってきます。料金は約9ユーロ。もちろん小額でもカード払いOKです。ロバニエミの町はとてもコンパクトなのですが、ショッピングセンター、レストラン、銀行、旅行会社、そして、世界最北端のマクドナルドもあり、旅行者にとっても非常に便利な町です。ロバニエミはオーロラ鑑賞の拠点となっているほか、スノーアクティビティのほとんどすべてが体験できる町です。

出そうと思えば時速100kmでも走るスノーモービル

森の中を縫うように走る犬たち

トナカイを珍しそうに眺める少女

サンタクロースと記念撮影(40ユーロ)

犬ぞり、トナカイぞり、クロスカントリースキー、スノーモービルなど、初心者から上級者までが楽しめる各種アクティビティーが取り揃えられています。ツアーによっては毎日催行されていないものもありますから、特別な目的がある場合は事前にツアー内容を確認した方がよいでしょう。また、犬ぞりツアーなど、人気のアクティビティーは当日申込みだと既に満員になっていることもありますので事前予約をおすすめします。そしてそして、ロバニエミには、サンタクロースを生んだフィンランドならではのサンタクロース村があり、必見のポイントです。ここでは、気軽に、安価に、でも、それなりに楽しめる犬ぞり体験、トナカイぞり体験ができます。犬ぞり体験ではハスキー犬たちと直接交流ができます。とてもかわいい子犬たちもいて犬好きにはたまらない体験となるでしょう。また、トナカイもとても慣れていますので気軽に触れ合うことができます。そして、サンタクロースとの記念撮影、北極圏内滞在記念証の発行、サンタクロース村の特別消印が押された絵葉書を発送することができいろんな楽しみを提供してくれます。お子様から大人までが楽しめるおすすめの場所です。

建設中のロバニエミのスノーホテル

スノーサウナもある

ロバニエミには、私が今回、スウェーデンのユッカスヤルビで宿泊したアイスホテルのアイスルームと同じようにスノーホテルがあります。毎年、クリスマスに合わせて営業が開始され3月末または4月の頭までオープンされます。私は、建設中のスノーホテルを見学しましたが、とても楽しそうでした。スノーサウナも併設され、今後、機会があれば是非訪れてみたい場所です。
極寒の地を旅するとどうしても荷物が増えてしまいます。私は、レストラン、ホテルのロビー、列車の中など、いたる場所で手袋や、マフラーを置き忘れそうになりました。忘れ物には十分注意しましょう。
2012年12月 森

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