モロッコ北部、フェズから車で約5時間。オリーブの木が一面に広がる道を走り、リフ山脈の奥深くに摩訶不思議な町が現れる。
正式名称:シェフシャウエン
一般的にはシャウエンと呼ばれ、なんとも可愛らしい響きの町である。
メディナ(旧市街)に一歩足を踏み入れると、そこは一面青の世界!
メディナ内の家々は、漏れることなく綺麗な青色に染められている。
全て色が統一されているわけではなく、限りなく白に近いアイスブルーや、水色、濃い青と白の二色使いのお家など様々である。また、扉や窓の格子も同様に、センスよく青く染められている。
ミントカラーの家を発見!
地面が青く塗ってあるところとそのまま土の道があるが、青く塗ってあるところはその先の道がない(家やお店の敷地内など)、土の道はまだ先がある、という意味があるそう。
ついつい青いところへ引き寄せられてしまうが、個人宅の場合は入り込み過ぎないようご注意。
また、カラフルな織物や手工芸品がいたるところに飾ってあり、どこもかしこも絵になる風景。
ちりとりまで絵になるシャウエンマジック!
シャウエンの女性達は、このリフ地方特有の織物・フータと呼ばれるストライプの布を腰に巻いており、シャウエンブルーの町並みに素敵にマッチしている。
青い服を着ている人もたくさん見かける
また、女の子好みのメルヘンチックなこの町にも、ねずみ男の様な民族衣装・ジュラバ(フード付きのコート)を身にまとった、濃いお顔のおじさん達がたくさん。
しかしこのおじさん達も、シャウエンの町に不思議とよく溶け込んでいた。
そして、至る所に猫!猫!猫!
角を曲がれば猫に遭遇する。
本当は犬派だが、このシャウエンに犬を想像してみると・・・なにか違う。
やはりシャウエンには、いるべくして猫がいるのであり、その姿は思わず何回も写真に収めたくなる程よく似合っていた。
歴史的背景からスペイン語が深く浸透しており、あちこちから「オラ!」と声をかけられるのも新鮮。また、他都市のメディナとは違い客引きがほとんどいないので、ゆっくり街歩きを楽しめるのも魅力。お土産物屋さんへ行っても、あれこれ欲しくもない品を次から次へと並べられ…という様な事は一切なく、素朴で親切な人たちが温かく迎えてくれた。
職人技をゆっくり見学できる
ホブス(パン)職人
看板娘
最後に、今回滞在したシャウエンのホテルをご紹介。
アトラス・シャウエン(旧:アスマホテル)
シャウエンのメディナを見下ろす高台にあり、夕日に染まるシャウエン、幻想的な夜景のシャウエン、朝日に包まれるシャウエン。色んなシャウエンの姿を見る事が出来る。
広々としたロビーラウンジやバー、プール、スパもある。
メディナを見下ろす高台にあるため、メディナの入り口であるアイン門まで徒歩20分程。タクシーを使うと、所要約10分(15~20ディラハム/約150~200円)。
明るい時間に健脚な方であれば、ホテルからメディナへと下る遊歩道の様なショートカットコースがあり、行きの下り道なら徒歩5分でメディナへたどり着ける。
ただし、一部急砂利道があるので、雨の日など足場が悪い日はタクシー又は遠回りでもちゃんとした道路を通るのがおすすめ。
山あいの清々しい空気に包まれた、素朴でかわいい癒し系の町・シャウエンブルーの不思議な世界へ立ち寄ってみてはいかがでしょう?
2011年11月 冨樫