エジプト・まるで違う惑星にいるみたいな「白砂漠」

エジプト・まるで違う惑星にいるみたいな「白砂漠」

朝7時過ぎにカイロのホテルを出発。向かうは先ずは、温泉で有名なオアシス「バフレイア」。ギザ地区を抜けてしばらくするともうそこは砂漠の世界が続く。正しくは西方(リビア)砂漠。ナイル川の西側にあるのでそう呼ばれている。ちなみにナイル川の東側の砂漠は東方砂漠。道路はあくまでまっすぐ。道路に並走する線路(貨物車両用と思われる)とどこまでも仲良くしながら果てしなく続いていく。道の両側は美しい砂漠がどこまでも続く。まだまだ今回の目的地である白砂漠までは遠く離れているのだが、その美しさに早くも感動。もちろん人っ子一人いず、微妙な形の変化にただただうっとり。
約4時間後に「バフレイヤ」に到着。グレコローマン時代の遺跡や、白砂漠、黒砂漠もすぐ近くにあり、砂漠とオアシスの雰囲気が楽しめる場所として人気が出てきている。最近では100体を超すミイラの発見もあり、更に注目されているスポットだ。昼食後砂漠ツアーに出発。


黒砂漠
約1時間後「黒砂漠」に到着。黒い砂漠とははたしてどんな所だろうか。真っ黒い砂に覆われているのだろうか。遠くから見るとピラミッドに似た山はほとんど真っ黒。砂漠部分は白と黒のまだら模様で、黒の碁石を敷き詰めた感じだ。この石の正体は玄武岩。エジプトには火山が無く、地表に玄武岩があるはずが無いのだが、シナイ半島成立のとき地殻変動で地表に出てきたものだということだ。その後風化し、今では細かい石が山を、砂漠を覆っている。自然の創造物の美しさに感動!
クリスタルマウンテン
黒砂漠を後にして30分のドライブで着いたのは「クリスタルマウンテン」。名前のとおり山全体がキラキラ光る石で出来ている。しかしその石はクリスタルではなく「方角石」。
手ではがすと綺麗にはがれるので、以前よりだいぶ山が小さくなったとドライバーは言う。せっかくの綺麗な小山も後数年でなくなってしまうかも。その後もしばらくリビア砂漠(西方砂漠)を見たり、止まって西方砂漠降りたり するが、インディジョーンズの場面に出てくるかと思うほど迫力のある景色だ。砂漠の中に入って大きい白い壁の石の間をドライブしていくと今自分が映画の中にいるかのような錯覚になる。ふと見てみると石が積み上げられていて、そんなことをしてみたくなる厳粛さが漂っていた。


いよいよ「白砂漠」に到着。そこはまるで猿の惑星、いえ地球上とは思えない不思議な空間。まるで地球とは違う惑星。どこかで見たような、でもどこにも無い場所。幻想的な不思議な風景。マッシュルームや鳥の形をした2~5メートルの石灰岩が樹林のように立ち並んでいる。ある部分は真っ白い絨毯を敷き詰めたようになっている。この中にいると自分の体がふんわり上、下:白砂漠浮いてしまいそうななんともいえない心地よさを
感じる。ちょうど夕方にかけて漂浪していたのだが、キャンピングカーがおよそ6台、毛布やたくさんの荷物を積んで入ってきた。また家族連れのキャンピングカーも数台いた。僕は彼らに強い羨望を感じざるを得なかった。こんな素敵なところで夜を明かすことが出来るなんて。満天の星を独り占めにするなんて。次はキャンプするぞと心に誓った。
インターナショナル・ホットスプリング・ホテル
砂漠に落ちる真っ赤な夕日を見ながら、宿泊するバフレイヤの中で最大の村「バウィーティ」にある「インターナショナル・ホットスプリング・ホテル」に帰ってきた。沢山の緑に囲まれて素晴らしい環境の中にあるホテル。オーナーの奥様は日本人で親切丁寧にこちらの質問に答えてくれる。ご主人はドイツの方ですが日本語が実に流暢。温泉プールがあるからではないでしょうが、本当にあったかいおもてなしのホテルでした。
エジプトといっても遺跡だけではありません。砂漠とオアシス最高ですよ!!!
本山 泰久
2003年10月(10月4~11日)

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