南仏プロヴァンスとブルゴーニュ地方の極上の休日<フランス>

南仏プロヴァンスとブルゴーニュ地方の極上の休日<フランス>

赤く輝くルシヨン村

なんと響きのいい言葉だろう。プロヴァンス、ブルゴーニュ。聞いているだけでも優雅で洗練された土地を連想する。旅の始まりはかつてのプロヴァンス伯爵領の首都として栄えた「エクス・アン・プロヴァンス」からだ。町の象徴はド・ゴール広場にあるロトンド大噴水。そしてそこからまっすぐ延びているのは、パリのシャンゼリゼ通りのモデルになったミラボー通り。プラタナス並木がシャンゼリゼ通りより綺麗に思わせる。ここからセザンヌ街道とリュベロン地方の「フランスの最も美しい村」巡りが始まった。


ロトンド大噴水

パリのシャンゼリゼ通りのモデルになったミラボー通り

画家のセザンヌの名前を取って付けられたセザンヌ街道は、セザンヌが生涯描き続けたサント・ヴィクトワール山に繋がっている。セザンヌを引きつけて離さなかった山を見ていると不思議な感じになってくる。アトリエやサント・ヴィクトワール山を描いたレ・ローヴの丘などセザンヌを偲ぶ場所が沢山ある。

セザンヌ街道

次いでリュベロン地方の「フランスの最も美しい村」巡りだ。人口が2000人以内、2つ以上の遺産・遺跡、コミューン会議での同意があるという条件をクリアーした上で、認定されたフランスの最も美しい村々。村は大きくはならないけれど観光客は世界中から訪れる。実に賢い戦略である。先ずは、カミュが愛した村ルールマランは、畑に囲まれたまさに美しい村だ。沢山のおしゃれなレストランがあり、人々もゆったりしている。ルールマラン城が村のはずれに優雅な姿を見せている。

畑に囲まれたルールマラン村

お洒落なレストランが沢山

次のルシオン村は赤い村とも言われ、黄色顔料・オークルの産地だ。オークルの丘の上に村が築かれ、家々の壁もオークルで塗られている。陽にあたって輝く村の景色は形容のしようもなく美しい。

赤く輝くルシヨン村

オークル採取場跡

ルシオン村の風景

リュベロン地方のほとんどの村が高い丘の上にあるが、その中でも群を抜く景観の村はゴルド村だ。その天空に聳え立つ景観にはただただ見とれているだけだ。村に向かう途中の展望台からの眺めが最高だ。

天空に聳えるゴルド村

プロヴァンスの名前を世界にいっきに広めたのは、「南仏プロヴァンスの12ヶ月」のエッセイだ。その作者のピーター・メイルが住んでいたのがメネルブ村。この村は他の村とは違って実に素朴な村。お土産屋もレストランも無く全く自然体。有名になっても観光客に媚を売らない静かな村だ。残念ながらピーター・メイルの住んでいた家は分からないが、ピカソの恋人、ドラ・マーラの家は残っている。住むにはこの村の方がいいかもしれない。


メネルブ村の町並み

ピカソの恋人、ドラ・マーラの住んでいた家

泊まりはミシュラン2星のホテル・レストラン「ラ・バスティード・カプロング」。南仏きっての名シェフ、エドワール・ルベが2005年にボニューの村を見下ろす丘の上に開いた。南仏貴族の田舎の別荘を思わせる建物・客室。アイデアあふれる斬新な料理。プロヴァンスの休日を味うにはこれ以上ない設定だ。



ラ・バスティード・ド・カプロング

翌朝、ボニュー村の朝市に出かける。名物のミストラル(強風)に会い、体ごと吹き飛ばされそうになる。そんな中でも小さな朝市は賑わいをみせていた。頂上の教会まで上がればリュベロン谷の絶景が見られる。

カプロングから見たボニュー村

リュベロン谷

朝市

プロヴァンスには小さな可愛らしい町が沢山ある。リル・シュル・ラ・ソルグは運河に囲まれたアンティークの町。あちこちにある水車はかつて織物業が盛んだった時代の名残だ。アロマやシャンプーで有名なロクシタンの店がここにあり、他の町の店より種類も豊富に揃っている。

運河の町リル・シュル・ラ・ソルグ

昔ながらの水車

「アヴィニョンの橋で踊ろよ、踊ろよ、」の歌で世界中に知られるアヴィニョンの町は周囲4.3kmの城壁に囲まれたこじんまりした可愛い町。世界遺産のサン・ベネゼ橋、法王庁宮殿をはじめ、オペラ座、市庁舎、ノートルダム・テ・ドン大聖堂、プティ・パレ美術館など見所が多い。狭い町の中にカフェ、レストラン、ショップが立ち並び観光客で溢れかえっている。

サン・ベネゼ橋(アヴィニョン橋)

市庁舎

城壁

パリが外国人観光客にとってフランスの象徴だとすれば、ここリヨンはフランス人にとって最もフランスらしい所かもしれない。レストランは「ポール・ボキューズ」をはじめ、有名店が数多くあり、映画誕生の地でもあり、美術館・博物館も多い。ベルクール広場から市庁舎に向かうメインストリート「レピュブリック通り」にはショッピングのお客で大賑わい。その新市街からソーヌ川を渡るとルネッサンス様式の建物が立ち並ぶ旧市街・世界遺産リヨン歴史地区だ。

旧市街

ヴィクトル・ユーゴ通り

市庁舎

次に訪れたのはブルゴーニュ地方の町、ボーヌ。おもちゃ箱のように小さな町は半日もあれば歩き回れる。お洒落なお店・レストランが立ち並んでいる。とても居心地のいい町だ。そしてなんといってもブルゴーニュといえばワイン。近郊は黄金色に輝く葡萄畑群。ワインセラー巡りはワイン愛好家にはもちろん素人にも充実の時になること間違い無し。

オテル・デュー

上品で趣きのあるホテル・ル・セップ

コート・ド・ニュイ地区

ワインセラー:シャトー・ド・ムルソー

シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョ



プチホテル:マノワール

宿泊は近くの町、ニュイ・サン・ジョルジュにあるマノワール。300年前の館が見事にホテルとしてよみがえっている。驚いたことにほとんどイギリス人オーナーのマイクさんの手作りによるもの。いたるところにセンスの良さが感じられるのは、奥様のヒロコさんの感性によるところ大。夕食の手作りのブルゴーニュ風ビーフシチューには体も心も温まった。何よりもお二人の温かいおもてなしに、来てよかったと思わずにいられない。
帰りにパリに立ち寄ったが、フランスの田舎の良さを引き立てる脇役になっていた。
2011年10月 本山泰久

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