羊の写真集を作りにイングランドへ ~湖水地方&コッツウォルズの旅~

羊の写真集を作りにイングランドへ ~湖水地方&コッツウォルズの旅~


雑貨屋さんなどでよく、羊の枕やアイマスクなどの癒しグッズを見かけるが、この旅でようやく羊という動物が持つ、癒し効果の偉大さを理解することができた。
最初にイギリス出張を告げられた時は正直、イギリスかぁ↓↓と、あまり期待していなかった。しかし、ロンドン・ガトウィック空港到着間近に見える景色の緑が多い事!ロンドンから湖水地方へ向かう列車の車窓から見える美しい自然と、そこで戯れる羊たち!湖水地方の玄関口であるオクスンホルム駅に到着した頃にはすっかり、イギリス♪♪になっていた。




湖水地方では、半日ツアーの“ピーターラビットの故郷ウィンダミア湖クルーズ”に参加した。湖水地方の玄関口であるオクスンホルム駅のホームで現地ガイドさんの出迎えを受け、いざ湖水地方最大の湖ウィンダミア湖へ。
このツアーは英語ドライバーガイドでの案内となるが、車内ではそれぞれの要所を日本語のオーディオテープを流して案内してくれるので、英語が苦手な方でも安心。ウィンダミア湖周辺のビューポイントやピーターラビット由縁の地を巡る。作者であるベアトリスクス・ポターが住んでいたヒルトップファームや、ピーターラビットのギャラリーと湖水地方のもう1人の有名人、詩人ワーズワースが通ったグラマースクールがあるホークスヘッドなどを巡り、アンブルサイドからボウネスまでウィンダミア湖のクルージング。ボウネス到着後はフリータイムもあり、充実の内容。

ヒルトップのあるニア・ソーリー村

レイキャッスルからの眺め

ウィンダミア湖

ボウネスの街並み

ピーターラビットで有名なヒルトップファームはもちろん、個人的に気に入ったのはホークスヘッド。すごく小さな町だが、かわいいティールームや雑貨屋さん、手作りのジャム屋さん、アウトドアショップもあり、特に女子は楽しいひと時を過ごせるはず。

ホークスヘッドのティールーム

ホークスヘッドにある手作りジャムのお店

また、ボウネスにあるベアトリクス・ポターのアトラクションは、とってもかわいいピーターラビットの世界に入り込める、意外とクオリティーの高いスポット。


しかし、何よりも感動したのは移動中車窓に広がる美しい景色!目にも鮮やかな緑の大地にきらきらと輝く湖。そして至るところで佇む羊・羊・羊!そのモコモコした容姿に、無心に草を食み続ける姿勢。ピーターラビットの世界に来たつもりが、気付けばすっかり羊に夢中になってしまった。

車窓に広がる景色は湖と緑と羊



そして、この素晴らしい景色に誰よりも感動していたのは何故か湖水地方在住のドライバーガイドさん。
なんて美しい景色なのだろう・・エクセレント!!
見て!ここからの眺め!最高だよ!!あぁ・・本当に素晴らしい・・
途中何度も景色に見とれてため息をついていた。こんなにもガイドさんが感動しているツアーは初めてでびっくりしたが、この湖水地方を本当に愛している気持ちが伝わりとても楽しいツアーになった。

翌日は1日フリータイム。何をするか無計画でやって来てしまったが、ちょうどこの日、4月9日よりウィンダミア湖湖南にある保存鉄道・ハバースウェイト鉄道が冬期の運休から明け、運行開始の日とのこと!特別、鉄道好きではなかったが“今日から”と聞くとなんだかテンションが上がり即決。ハバースウェイト鉄道へは、ボウネスからフェリーでウィンダミア湖湖南のレイクサイドまで行き、そこから保存鉄道に乗り換える事になる。ボウネスの埠頭でフェリーと鉄道の往復チケット(14.5ポンド)を購入。約40分間のクルージングを楽しみ、レイクサイドに到着すると、すぐ目の前に汽車の駅があり、そこには実写版(?!)機関車トーマスが!!

ボウネスの埠頭

ボウネスからアンブルサイドへ

実写版(?!)機関車トーマスに会えるハバースウェイト鉄道

かわいい外観はもちろん、石炭を燃やす車掌さん、古いけど味があり、温かみのある車内に大興奮!車窓には、湿地帯や湖、谷間の町並みを見る事ができる。
レイクサイド駅からハバースウェイト駅までは片道18分。12分後に折り返しレイクサイド行きが発車するが、駅の周りは特に見所はないので、この時間は皆一斉にトーマスの撮影会になる。また、レイクサイドの埠頭前には、レイク・アクアリウムという、湖に生息する淡水魚や動物などを集めた水族館もあり、自然以外の楽しみもあり、お子様連れの方には自然以外の楽しみもあるのでおすすめ。




滞在中時間があれば、近くのパブリックフットパスを歩いてみたり、ボウネスならばビスキービューポイント、ウィンダミアならばオレストヘッドという小高い丘の上にあるビューポイントへ足を延ばしてみたい。今回、ビスキービューポイントにしか行く事ができなかったが、少し町から歩いただけで、途端に周りの喧騒が鳥のさえずりに変わる。夕暮れ時に鳥のさえずりを聞きながら湖を眺める時間は、心洗われる一時となった。

ビスキービューポインからウィンダミア湖を眺める

ボウネスにあるパブリックフットパス

人と羊が歩くパブリックフットパス

イギリス国内にある国立公園の中でも最大級の面積を誇る湖水地方国立公園。今回ボウネスに2泊し、ウィンダミア湖周辺にポイントを絞って観光したが、まだまだたくさんの景勝地がある。短い滞在日数でたくさんの場所を訪れたい場合は、オプショナルツアーにご参加いただくのが一番。弊社でも、9つの湖を1日でめぐるオプショナルツアーがございますのでお問合せ下さい。
湖水地方からコッツウォルズへの移動日。
この日は日曜日。湖水地方、コッツウォルズなどの地方都市では列車の本数も極端に少なくなり、バスは運休になる最もふさわしくない、日曜日!!更にこの時期、オクスンホルム駅近辺の鉄道工事も相成り、予定していたウィンダミア駅からコッツウォルズの玄関口であるモートンインマーシュ行きを検索すると、到着時間が夜の10時に・・。この日の宿泊は、モートンインマーシュからだと車で約20分のコッツウォルズのベニスと称されるボートン・オン・ザ・ウォーター。夜中に到着してタクシーなんて捕まるのか・・?!これはいかんと現地会社の方にも相談しアドバイスをいただき、出発駅をオクスンホルム駅、到着駅をコッツウォルズの西の玄関口であるチェルトナムに変更した。それでも、少し乗っては乗り換えて・・の繰り返しで約7時間を要したが、この日宿泊するボートン・オン・ザ・ウォーターに夕方4時過ぎには到着する事ができた。
この時期のイギリスは、夜の8時半まで外が明るく、到着後に小さな町を見て回るには充分な時間だった。
コッツウォルズにはいくつかの鉄道駅があるので、何パターンかの方法でルートを探した方が良い。

休日や工事中は代替バスが運行

ボートン・オン・ザ・ウォーターのティールームにて

翌日は貸し切り専用車でコッツウォルズの村々を散策。こちらも案内は英語ドライバーさん。しかしこの日は日本の英会話学校で教師をしていた経験のあるジェームズさん!英語が不得意な私は、ヤッター!!と心底喜んだが、せっかくはるばるやって来たネイティブの国。心を鬼にして中学生英語で挑み、優しい先生に何度も説明してもらいながら、たくさんの話をすることができた。
パンフレットに掲載しているモデルルート以外にも、コッツウォルズには小さなかわいい村がたくさんある。今回は研修ということもあり、たくさんの村を訪れた。
○ボートンオンザウォーター
コッツウォルズのベニスと称えられ、町の真ん中にきれいな小川が流れる。スーパーやレストラン、ミュージアム、郵便局もあり、田舎町ながらも快適に過ごせる。


○ロウアー・スローター、アッパー・スローター
どちらもすごく小さな村で観光客も少なく、コッツウォルズストーンで建てられた民家や農家が静かにたたずみコッツウォルズ本来の雰囲気が味わえる村。二つの村を繋ぐフットパスは是非歩いてみたい。

ロウアー・スローター

アッパー・スローター

フットパス

○ストウオンザウォルド
ローマ時代の歴史的街道の上に位置する小さな町で、マーケットタウンとして人気。多くのアンティークショップやギャラリー、クラフトショップ、ギフトショップなどが建ち並び、ショッピングが楽しめる町。


○ブロードウェイ
コッツウォルズの宝石と呼ばれるブロードウェイは大通りに、オシャレなお店やカフェが並び、小さな町ながらもとても華やかな雰囲気。かわいい雑貨屋さんにて、かさばるのを承知で4つも食器を買ってしまった。


○スノーヒル
静かで小さな村だが、映画「ブリジットジョーンズの日記」で、ブリジットジョーンズの実家の舞台として撮影に使われたこともある。7~8月には35エーカー(142,000平方メートル)にもおよぶラベンダー畑が見られる。


○チッピングカムデン
ウール産業で14世紀から栄え、ウールチャーチと呼ばれるセント・ジェームス教会やマーケットホールなど17世紀のモニュメントを見る事が出来る。町の中心地には中世の面影を色濃く残した町並みが、少しはずれにいけば藁葺屋根のかわいい家々が見られる。


○バイブリー
詩人ウィリアム・モリスに「イングランドで最も美しい村」と称えられた村。14世紀の家並みが残る小さな村アーリントン・ロウは、まるでそこだけ時が止まったような、当時のままの姿を残すその空間に感動!


○ヒドコットマナーガーデン
ナショナルトラストによって管理されている、有名なイングリッシュガーデン。野菜栽培や豚の飼育、もちろんここにもたくさんの羊のが戯れ、お花以外でも楽しめる。バラが満開になるベストシーズンの6・7月はたくさんの人で賑わう。



この他にも、たくさん魅力的な田舎町がひしめき合うコッツウォルズ。ご希望の村があれば、どんどんお伝え下さい。
そして湖水地方同様、ここコッツウォルズでも、移動中車窓に広がる景色の美しいこと!!それぞれの村と村の間には、緑豊かな大地で羊が草を食む感動的な程のどかな風景が広がっていた。




コッツウォルズ2泊目は、バイブリーにある貴族の館を改装したマナーハウス・バイブリーコート・ホテル。緑溢れる広大な敷地に風格あるお屋敷。とってもフレンドリーなスタッフでサービスも満点。レストランアワードを受賞したレストランも併設し、旅の思い出に是非滞在してみたいホテル。1番安いカテゴリーの部屋でも広さに設備に大満足!



翌朝、このバイブリーコートからスタートするフットパスを歩いてみた。
広い庭を抜け、小川を越え、たんぽぽの群生が広がる野原を抜け、アーリントン・ロウへと抜けられる。途中、かわいい小鳥やリスと遭遇したり、ひとりでお散歩している放し飼いの犬にも遭遇したり。自然と動物に癒されながら、ゆっくり歩いても30分程でバイブリーの中心地、トラウトファーム(鱒の養殖場)やランドマーク的な存在のスワンホテル前に出られる。(アスファルトの道を歩けば10分で行ける。)




そして、ゴール地点のスワンホテルでクリームティーを頂く!
小さな村で時間を気にせずゆっくり過ごすことができ、この旅1番の思い出に残る時間となった。


湖水地方もコッツウォルズも、どちらも本当に自然溢れる素敵な場所だった。
日程的にどちらか片方しか行けないという方は・・・
わたしの今回の滞在で得たイメージでは、
湖水地方の方が、湖もありリゾート地気分も味わえる。また、今回行く事はできなかったが、ハイキングなどのアウトドアも充実している。
コッツウォルズの方が、田舎のかわいい町並みが見ることができ、雑貨屋さんやティールームも多くゆっくりと時間の流れる癒し系の場所。
どちらも是非とも行って頂きたい場所であり、是非とも2泊はして頂きたい場所である。
そして、どちらを選ばれてもかわいい羊が温かく皆様をお出迎えすることでしょう!

2011年04月 冨樫聡子

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