アグリツーリズモとグルメ、イタリア旅行~本場では耳を残す~

アグリツーリズモとグルメ、イタリア旅行~本場では耳を残す~


4月初旬、イタリアに行く機会に恵まれました。
今回の目的はポンペイ・ポジターノ・アマルフィのアマルフィ海岸を周遊する専用車観光と
ナポリから約1時間半、ピショッタという町のアグリツーリズモへの滞在ともう一つの青の洞窟の訪問。
それからローマでのお料理レッスンです。
これからベストシーズンに入るイタリアを一足早くレポートします。


4月6日 ナポリ着
アリタリア航空で成田からナポリまで。
ローマにて国際線から国内線に乗り継ぎだが、ローマ空港ではトランジットエリアをでることなく国内線に乗り継ぎができ、成田で預けた荷物はそのままナポリにて受け取れる。
空港の小さなフードコートで夕食。
以前ルーマニアにいったときもアリタリア航空を利用したため同じ店でピザを食べた。やはりイタリアのピザは空港といえども美味。
ナポリ空港についたのは22:30。
荷物をピックアップし、空港から市内行きのバスにのった。アリバスという名前で、空港から出て右端にバス停がある。車内にてチケットを買い(3ユーロ)、検札機に入れる。
空港から中央駅前のガリバルディ広場までバスで約10分。
市内まで非常に近い空港である。
この日のホテルは駅近くのラマダホテル。
<ラマダホテル(ナポリ)>
ランクとしては3つ星程度のホテル。
外観やホテルロビーは美しい。
室内は広めだが至ってシンプル。
シャワーのみバスタブはない。なぜかシャワーの温度があまり高くならなかった。セーフティーボックスはなし。WIFIは24時間で9ユーロ、ドライヤー、ミニバー、無料の水あり。駅からは非常に近く夜着いた時には便利だが、ホテル自体の周りにはお店はあまりない。

4月7日 ポンペイ、ポジターノ、アマルフィ周遊
朝7時に起床。
ラマダの朝食はビュッフェ式。
ハムやパンにポテト、ベーコンなど。
ドーナツが出来立てでおいしかった。
9時にホテルの前で今回お世話になるドライバーさんと待ち合わせ。ドライバーさんの名前はカルロさん。27歳男性。英語と日本語が少ししゃべれる。
イタリア人はスーツをばしっと着ていても、レイバンをしていてもベンツに乗っていても嫌みがないのはなんでだろ?これはカルロさんだからなせることなのだろうか。
すごく感じの良いドライバーさんでした。
ポンペイ遺跡
ナポリから車で30分。
ヴェスヴィーオ火山の噴火により、2000年もの間、火山灰に埋もれていたという古代都市。
その敷地は広大で、まるで紀元前にタイムスリップしたかのよう。じっくりみて歩くと6時間もかかるという。
入場料11ユーロ。英語のオーディオガイドはあるが、日本語のものはない。詳しく知りたい場合は遺跡のレストハウスに売っている日本語版のガイドブックを買うのがよさそう(8.5ユーロ)。
個人的には2時間の観光で十分。
「ヴェッティの家」など、入れないところが多数あったのが残念。日中は暑さ対策を。また石畳の道なので歩きやすい靴がおすすめ。
ポンペイ出てしばらく走ると美しい、アマルフィ海岸が車窓から見えてくる。
ドライバーさんに降ろしてもらい、写真をパチリ。
こういった撮影ポイントにはレモンジュースのスタンドや果物屋、タラノというドーナツを売っている売店もある。いかにも南イタリアという美しい風景。
アマルフィ海岸に沿って山道を走るため、くねくねしており酔いやすい。酔ったらこういったところで降ろしてもらうとよい。

ポジターノ
ポンペイからおよそ1時間半。
白い町並みが美しい地中海の保養地。
所々に生えているレモンの木が清涼感を与えてくれる。
細い路地の両脇にはお土産屋さんが立ち並び歩くだけでも楽しい小さな街だ。
アマルフィと比べると幾分静かで大人の雰囲気。

LA CONCA AGGURRA のレストランで昼食。
ここはホテルとレストランとお土産屋さんが一緒になっている施設である。エメラルドの洞窟のすぐ近くにあり、ここからのアマルフィ海岸は絶景である。
バターで蒸したムール貝、レモンを搾って食べる。
アサリとムール貝とトマトのパスタ。
イタリアで食べるパスタは常にアルデンテ。期待は裏切らない。

アマルフィ
さすが世界遺産だけあり、すごい人出である。
街の中心には大きな教会が鎮座し、その周りには土産物屋やカフェが軒を連ねている。
街の前はビーチとなっており、さすがにまだ4月で入っている人こそいないが肌を焼いている外国人観光客多数。
5月以降は混雑していて簡単に歩けなくなるそうだ。
弊社よくつかうオーロラホテルを訪ねる。気さくなオーナーの感じの良いホテル。少し古めだが海の真ん前。周りは静か。ホテルから街の中心までは歩いて5分程度、若干離れている。
1時間街をめぐって、ナポリに出発。
アマルフィからナポリまでは1時間半。


カルロさんとはホテルの前でお別れ。
ホント良い方でした。
<プラザホテル(ナポリ)>
駅から徒歩5分程度の場所に位置するベストウエスタン系列のスタンダードホテル。
外観は古めかしいが中は改装したのか新しい。部屋は狭い。WIFIなし、シャワーのみ、ドライヤー・ミニバー・セーフティーボックスあり。セーフティーボックスの鍵はフロントでかりる。1階にはバーとビジネスセンターもある。スーパーマーケットも歩いてゆける。

夕食はプラザホテル近くのミミというレストランでリゾットを食べる。うまい。イタリア料理というとピザやパスタを想像しがちだが、リゾットもあるのだ。つまりパン、緬のほかに米も食べられる。改めて日本人にとってイタリア料理のありがたみを感じた。
日本語のメニューもある。飲み物やチップも含めて一人だいたい20ユーロ。
4月8日 カプリの青の洞窟、日帰り観光
朝7時に起床。
ホテルプラザの5階にて朝食。
コールドビュッフェ。
ホテルをチェックアウトし、大きい鞄のみ受付に預けた。
8時半、ホテルから歩いてベヴェレッロ港へ。
歩いて40分ほどかかった。
スーツケースなど大きな荷物も持っていく方はタクシーを利用することをおすすめする。
早速チケットオフィスに行くとわりと混雑。
なぜかチケット販売員とお客さんが喧嘩している。
無事9:30発のチケットを買えたからよかったものの、あまりぎりぎりに行くとカウンターが混んできて希望の便にのれないかもしれないので1時間前には着いていることがおすすめ。
高速船のチケットは16ユーロ。バウチャーをお持ちの方はバウチャーと引き換え。

9:30に出発、窓が無い席にすわっていたためか、多少酔う。約1時間後にカプリ島到着。
カプリ島につくと、青の洞窟のチケットオフィスが見えた。青の洞窟をみるのが第1の目的なのですぐチケットを購入。洞窟の入り口までのボート代12ユーロ。
マリーナグランデからは約20分程度で青の洞窟の入り口へ。
ここで4人乗りの小舟に乗り換える。小舟の代金と入場料で別途11.5ユーロを小舟のチケット売場で支払う。
入場できる船の数が限られているので待つこと30分、青の洞窟に突入。
入り口が狭いためかがまないと頭を打ってしまいそう。
中に入と真っ暗な洞窟。
にわかに振り返ると青い光が水面をゆらゆらしているのに気づいた。見渡すと入り口が大きな光となり、それを中心として青い光が集まってきているような幻想的な光景だ。
3分くらいの滞在だけだったがいまでもその美しさは脳裏に焼き付いている。

船員にチップ1ユーロ渡し、もとの船に乗り込み、マリーナグランデに戻る。
出発から約1時間半の旅路だった。
その後、ナポリ行きのフェリーの時間を確認し12:50発のチケットを購入。
それまでケーブルカーにのってカプリ地区を簡単に観光。
ケーブルカーのチケットはフェリーチケットの近くのスタンドにうっている。片道1.4ユーロ。この売場のおじさんは釣り銭をごまかそうとするので要注意。
カプリ地区のトイレはきれいだった(0.5ユーロ)。
12:50発のフェリーに無事乗船。
ナポリに到着したのはちょうど14時。
かなりおなかが減ったので、せっかくナポリにいるのだから、ピザの発祥地と言われるナポリでピザを食わなければ、と思い一路ピザ屋を目指す。
ブランド店が立ち並ぶにぎやかなトレド通りをぬけ、庶民的なお店が軒を連ねる細い路地に入る。
残念ながらロンバルディというピザ屋は潰れたのか休みなのか、ときにかくやっていなかったので、しかなくほかの店をめざす。次にめざしたのはトリアノンというピザ屋。
お店も程良くすいており中に入る。
釜でピザを焼くのが見える、うまそうだ。
注文したのは5つの味が1度に楽しめるというピザ。欲張りだ。待つこと5分程度。
想像以上にでかい。日本人だったらカップルで調度いいくらいの大きさ。おいしかったしおなかも減っていたので一人で全部食べてしまった。
地元の人が食べるのをみていたのだが、だいたいが耳を残していた。耳がうまいと思っていたが本場では残しているのだなぁとしみじみ思った。

列車の出発まで少し時間があったので、サンセヴェーロ礼拝堂を観光。チケットを50メートルほど離れた別の建物にて購入。7ユーロ。
「ヴェールに包まれたキリスト像」の、ヴェールの表現力は一見の価値あり。
以上でナポリ観光は終了。
ホテルプラザにて預けた荷物をピックアップし、ナポリ駅へ。
ピショッタに向かうべく、16:58ナポリ出発のIC555便に乗る。
ICの2等車は思ったより座り心地よく快適だった。
出発は定刻どおり。
約1時間半の移動、ピショッタに到着したのは予定より約5分遅れの18:40。
列車内での次の到着駅のアナウンスがあるため、あまり降りるのには迷わなかった。

駅には今回宿泊する宿泊施設のご主人のマウロさんが迎えにきていた。恰幅の良い白髪のおじさん。
駅から車で山道を登ること約20分。
お城みたいな煉瓦づくりの建物が見える。
もっとシンプルな住宅を想像していたのだが、それよりも遙かに立派な建物だった。
<ピショッタのアグリツーリズモの部屋>
部屋は広々としていて、かなり清潔。
ホテル並にベッドメイキングもしてくれるし、タオルも取り替えてくれる。
テレビ、ドライヤーあり。バスタブはなくシャワー。
もちろん正確にはホテルではないのでミニバーやポットなどはない。WIFIは入っておりロックされているので聞けば教えてくれただろうか?使用しなかった。


すでに夜7時だったので、部屋に荷物をおいてしばらくしてからウェルカムディナー。
ワインや水などの飲み物は食事に含まれている。
自家製のパン、チーズを挟んだカボチャソースのラビオリや、トマトソースやチーズをかけてグリルしたナスをいただく。
最後に冷凍された自家製のレモンのお酒(リモンチェッロ)、アルコール分が50パーセント近くあり凍っておらずとろとろの状態になっているものを飲んだ。
そのせいか食後、ベッドに横になると寝てしまった。

4月9日 アグモツーリスモ
朝7時に起床。
鳥の声で寝覚める。
8時に朝食。
自家製のケーキ、自家製のママレード、ハチミツを塗ったトーストを食べる。
この日はピショッタ周辺の観光。
まずチーズ工場で、出来立てのモッツァレラを食べに行く。この街はチーズやオリーブオイル、ワインが有名だそう。
宿泊施設からおよそ45分。
チーズ工場に到着。工場ではミルクの発酵したにおいが立ちこめている。

できたばかりのモッツァレラを小さく販売用の、おにぎりくらいのサイズにちぎってゆく。
出来立てのつるんとしたモッツァレラはまるで餅のように白くびよんと伸びる。

そうした過程をみていると次から次へと出来立てのモッツァレラを買いに地元のお客さんがやってくる。
私も出来立てのモッツァレラをいただく。
弾力があり、香りが重厚。日本で食べるようなざらっとした後味はない。
日本で言うと豆腐みたいな存在なのだろうか?
その後、ピショッタの港へ。
ここにはカプリとは違うもう一つの青の洞窟がある。
送ってもらったマウロさんとはしばしここでお別れ。また数時間後迎えにきてもらう。
海はエメラルドグリーンで、透明度がたかい。まだ4月だというのに海水浴に来ている家族もいた。
5月に入ると海水浴にくるお客の数は多くなり7月はピークだそうだ。

ドイツ人のグループといっしょに青の洞窟を観光。
7、8人乗りくらいのモーターボートで出発。
カプリの青の洞窟とちがい、いくつも特色ある洞窟が存在する。もちろんカプリの青の洞窟のように、日光が水面に反射して洞窟内が青く見えるものもある。
そのほかに赤の洞窟と呼ばれる、海水の影響で岩の壁が赤くなった洞窟や、酸性の蒸気により発生した硫黄の洞窟、また果てしない月日によって形成された巨大な石灰岩の沈殿物(石筍)のあるモンク(僧)の洞窟などさまざまだ。断崖絶壁の地形と地中海の途方がない年月を経て作り上げた見事な造形美である。

そして宿泊施設へと戻る。
昼食にリコッタチーズとトマトソースのパスタ、また今朝買ったモッツァレラを食べる。
朝食とモッツァレラを食べたのでおなかは空いていないのだがぺろっと完食。

昼ご飯を食べて午後3時。
予定の観光はすべて終了。
宿に置いてある日本の雑誌をみてしばらくのほほんと過ごす。
天気が良いのでマウロさんに自転車を借りて2時間程度サイクリングする。ずっと下りが坂だったので帰りが大変だった。(また日本と違い、右側通行なのでサイクリングされる方は気をつけてください。)

そして夕食を食べる。
この日はキノコのパスタと、ジャガイモとアンティチョークの煮物の2種類だった。
例によってワインをたんまり飲んでしまい、昨日の二の舞となった。
4月10日 ピショッタからローマへ
7時に朝食をたべ、8:05ピショッタ発のRVにのるため出発。
マウロさんとお別れ、無事に列車にのる。

ちなみにナポリから来たICには到着する数分前にはアナウンスが流れていたのだが、RVはながれなかった。
ナポリには約1時間半後に到着5分早く到着。
ナポリでESAV(高速ユーロスター)に乗り換え。
ナポリからローマは時間にして1時間10分。
シートは向かい合う4人席。私と一緒になったのは地元のイタリア人の男性1名と、チェコからカップル2名だった。
(後ほど、このチェコ人のカップルにテルミニ駅と駅の近くで2回も偶然会った。)
テルミニ駅からホテルへ移動。
今回ローマは2泊するのだが、1泊ずつ別々のホテルに宿泊する。
1泊目はパーカーだ。
<パーカーホテル(ローマ)>
テルミニ駅近くの3つ星ホテル。同じ3つ星でもナポリのプラザとは少し劣る。
地図上だとテルミニ駅のすぐ近くだが、意外に遠い。正面の出口からだと約10分。大きな荷物がある場合はタクシーを使ってもいいと思う。
部屋は狭めだが、清潔。
バスタブ、スリッパ、ポット、WIFIはなし。
セーフティーボックス、ドライヤーはあり。
なお冷蔵庫はあるが、中身は入っていない。
テルミニ駅の端のスーパーまで徒歩5分程度。
レストランもホテル近くにぼちぼちある。

なおパーカーのすぐ隣のホテルがセンターという、こちらも弊社がよく使うホテル。
<センターホテル(ローマ)>
パーカーの隣、質もパーカーと同等。
違うのはWIFIが有料で使えることとセーフティーボックスがないことくらい。

グレードアップするのであれば、ロイヤルサンティーナがテルミニ駅のすぐ近くでおすすめ。
またクイリナーレも共和国広場で買い物やレストランに事欠かないロケーションだった。
この日はローマを自分の足で観光。
以前ローマに来たときは、コロッセオ、フォロロマーノからパンテオン、トレヴィの泉を一通り見た。
今回はスペイン広場からナヴォーナ広場までを歩いた。
相変わらずスペイン広場はすごい人出。
ここに純粋なイタリア人は何割程度いるのだろう。9割以上は観光客だろう。
スペイン広場を横切るバブイーノ通りには高級セレクトショップ。スペイン広場からまっすぐ延びるコンドッティ通りには高級ブランド店。ポポロ広場から延びる中央のコルソ通りにはティーン向けのお店、といったところ。

コンドッティ通りからナヴォーナ広場へ。
ナヴォーナ広場の噴水「四大河の噴水」はバチカンのサンピエトロ広場を設計したベニーニの作。こういった歴史的な作品が町中に突如現れるのがローマのすごいところだ。
ナヴォーナ広場はカフェが多数、また大道芸人も多く、街行く観光客を楽しませてくれる。
いろいろ土産物を探したが、特になにも決まっていないのであれば共和国広場の三越が意外におすすめ。
ガイドブックに載っているお土産のだいたいは置いてあるし、日本人の店員がいるので聞きやすいし、ちょっとした食材なんかもある。スーパーで食材を探すと、英語の表記すらないものが多いからイタリア語から推測して買うしかないがここであれば日本語の説明がある。
この日の夕食はおとなしくヨーグルトなどをスーパーで買ってホテルで食す。
4月11日 バチカンとローマ料理教室
朝7時半におきる。
この日は12時からバチカン博物館の予約を入れている。
それまでに次のホテルのチェックインと昼食をすませたい。
次なるホテルはクリスホテル。
3つ星でテルミニ駅から2駅の、policlinicoという地下鉄から徒歩3分程度のホテルだ。
テルミニ駅の近くとは違い閑静な住宅街のなかにホテルはある。ホテル自体もマンションを改装したような感じ。
テレビ、ドライヤーあり。バスタブや、WIFI、ミニバー、スリッパ、ポットはない。他の3つ星と比べて取り立てて大きな違いはない。駅から近いのが利点。
周りにレストランは2件ほどある程度。売店はないが地下鉄の駅に販売機があり、それが便利。

クリスホテルにチェックイン後、バチカンのサンピエトロ大聖堂を目指す。
ガイドブックによると観光時間の目安に30分とあったので時間の余裕を見ずそのとおり30分間で見ようとたかをくくっていたら余裕で1時間はかかるだろう長蛇の列。これはさすがに博物館の入場時間もあるので見てられない。仕方なく、サンピエトロ広場のみ見学し近くのカフェで昼食。
多少予約時間の12時を越えたが、バチカン博物館入場。
予約しておいて本当に良かった。こんなに長蛇の列になっているなんて。
インターネットで予約すればすんなり入れる。
ふつうに待っていれば時間帯にも拠るだろうが2時間くらいかかりそうな長い列だった。
入り口で予約のバウチャーを入場券に引き替え。
オーディオガイドは日本語もあった。
バチカン博物館はとにかく広い、また人が多い。
人の流れに流されないように気をつけたい。そうしないと見たい作品を見逃してしまう。
もちろん一回見終わっても建物から出なければもう一度最初からみることはできるが、入り口と出口は違うため、また1周するのに少なくとも2時間はかかる。

ちなみにバチカン博物館には郵便局があり、バチカンからエアメールをおくることもできる。バチカンならではの切手も売っているので、お土産に迷っているならバチカンからのエアメールもいいかもしれない。

16時からはイタリア料理教室に参加。
テルミニ駅から約20分、地下鉄EuroFermi駅地上出口すぐのバルにて集合。

先生はロレーナさん。
ロレーナさんは主婦業の傍ら現役のソムリエであり料理教室を主催しているスーパーイタリアンマンマである。
以前日本の雑誌の企画にて、平野レミさんと一緒に料理対決をしたことがあるほどの腕の持ち主でもある。


料理の品目は下記の4品目。
赤キャベツのリゾット
平打ちパスタ(フィットチーネ)
トマトソースのニョッキ
夕食用ティラミス(ノンカフェイン)
品目は事前にリクエストできる。私がなぜこの4品にしたかというとただ単にイタリアといえば、というだいたいのイメージでリクエストした。
もちろん種類やソースのリクエストも可能。
エプロンや材料は事前に先生が用意してくれる。
基本は英語。調理時間は約3時。
ここではティラミスの作り方だけ公開。(6人分)
1、牛乳250ML、バニラビーンズ少々、ココアパウダー適量を鍋で暖めます。
2、1とは別に卵3つをそれぞれ卵黄と卵白にわけます。
3、卵黄に砂糖スプーンで大盛り3杯程度を色が変わるまでハンドミキサーで十分混ぜます。そこにマルカポーネチーズを250g加えて再度混ぜます。
4、卵白を堅く泡立てます。
5、3と4を混ぜ合わせてます。
6、スポンジのあるビスケットを用意し、それらを軽く1に浸します。それらを大きめの器に敷き詰めて、上に5を広げます。その上にもう一度ココアを軽く浸しビスケットを敷き詰めます(2層)。
7、6のクリームの上にチョコレートとナッツのパウダーを振りかけます。
8、それを冷蔵庫の中に1時間程度寝かせ、一人分ずつに切り分けて出来上がりです。
イタリアンマンマ直伝のティラミスが完成。

すてきなテラスでみんなで食事。
知り合いの方もやってきてわいわい楽しい夕食会だった。
終了はだいたい9時ごろ。
ロレーナさんが地下鉄の駅まで送ってくれる。
心温まるひとときとなった。

4月12日 フィレンツェ
朝6時半に起きて、朝食。
クリスホテルの朝食はバンキング形式でなくパンとお茶かコーヒー、コーンフレークもあった。
8:15のユーロスターに乗るべくテルミニ駅へ。
今回最後の目的地のフィレンツェへ。
ローマからは1時間40分。
フィレンツェに到着。
駅の外にはサンタマリアノベッラ教会が鎮座している古い町並みだ。近代的なビルが並ぶローマとは違う。
<レックス(フィレンツェ)>
最後の宿泊ホテルはレックス。
SMN駅から徒歩5分のサンロレンツォ教会すぐの路地にある3つ星ホテルだ。
部屋は小さめだがロビーの雰囲気はよい。
ドライヤー、セーフティーボックス、バスタブ、スリッパ、ポットはない。ミニバーはあり。レセプションに頼めば無料でWIFIを利用させてくれる(ロビーのみ)。

ホテルをでてフィレンツェ観光へ。
サンロレンツォ周辺では露店が軒をいくつも連ねていた。
ここに限らず、目立つのは革製品のお店。
フィレンツェは革製品が有名で、ここの発祥の有名ブランドも珍しくはない。

中央市場はフィレンツェの台所。
その日揚がった魚介類の他に、パスタなど乾物やワインセラーもある。
食品や調味料でお土産を探すのであればほかにもドォーモ近くのペーニャという高級食材店が、パッケージがいかにもヨーロッパ風なものが多くおすすめ。

もちろんフィレンツェのシンボルであるドォーモも観光。
中はひんやりしていて気持ちがいい。
また隣のジョットの鐘楼には6ユーロで登ることができる。フィレンツェの街をここから一望。赤茶色の屋根が美しく広がる景色の写真はガイドブックなどで使われている。階段は長く急なので息切れ必至。

ダビデ像を見ようとアカデミア美術館までいったのだが、その混みように見る気をなくしてしまった。
あまりに待った人たちが、自分たちの番がきたのだろうか、雄叫びをあげて喜んでいた。
フィレンツェはこの1泊しかしないので潔くあきらめてダビデ像のポストカードを購入。

ウッフィッツィ美術館の予約を15:00にしていたため、それに間に合わせるため急いでピザの昼食。
ウッフィッツィ美術館に到着。
やはりこちらもかなり並んでいる。
予約しておいてよかった。
入り口は3つある、ルーム3でまずチケットに引き替え、それからルーム1から入場。
バチカンの時と比べ、それでもしばらく待たないと入れなかったが、待った後はスムーズだった。
通路もバチカンと比べ広いためか、人の波ができず自分のペースで鑑賞できた。
さすがにボッティチェッリやダ・ヴィンチの「受胎告知」などの有名な作品の前ではかなりの人がいたが、それでも満足のいく鑑賞ができた。
1日でアカデミア美術館とウッフィッツィ美術館にいくのであればどちらも予約することがおすすめ。
特に集中してみたい美術館には早起きしたほうがよい。
ヴェッキオ橋を渡り、ぶらぶら散歩。
その後ドーモォ近くのカフェで夕食。
カプレーゼを食べる。
4月13日 フィレンツェOUT
朝7時に起床。
11時30日のローマ行きアリタリア航空に乗るべく、朝食(パン、コーンフレーク、ヨーグルトの簡単なビュッフェ)を食べて8時にホテルをでる。
今回利用する空港はペレトーラ空港。
フィレンツェには2つ空港があるが、基本はこちらのペレトーラ(別名ヴェスプッチ)空港である。
SMN駅からバスが出ている。
どのバスに乗ればいいかわかりにくいので、乗る前に空港行きかどうか確認したほうがよい。
チケットは車内で販売しており5ユーロ。
購入後検札機に通す。
ペレトーラ空港まで約30分。小さな空港だ。
アリタリアのチェックインは1STフロアと電光掲示板に書かれているので、1階でしばらくまっていたら、そういえば、イタリアでは1階は日本でいう2階を指すイギリス式であることを思い出した。
無事(日本で言う)2階のアリタリアのカウンターにてチェックイン完了。問題なくローマ乗り継ぎで日本に帰国となった。

ローマは最初その建物と街のデザインを見たときの衝撃はものすごく大きいのだが、バロック建築の派手さがしばらくいると食傷気味になる。フィレンツェの街も美しいことに変わりはないが建築様式の違いだろうか、ルネサンス様式の町並みが私には落ち着いた。職人の街であることもおもしろい。一つ路地に入ると小さなお店があって街歩きも楽しい。大きな道路で車の往来も激しいローマではそうもいかない。
もちろん、今回ローマやフィレンツェのほかにもいろいろな街を巡ってきたわけだけれども、どこが1番かと答えるのは悩ましい。もちろん、アグリツーリズモはすごく印象的だったし、カプリ島の青の洞窟は噂に違わずすごかった。ポジターノの白い街も忘れられない。料理レッスンも比較することができないほど楽しい雰囲気だった。
大抵海外にでると食事に関しては100パーセント満足することはないのだが、イタリアに関してはほぼ満足。日本人からするとオリーブオイルが入ってない、あっさりしたものが食べたくなるが、食べるときになるとなぜか食欲がわくのが不思議。
今回が初めてのイタリア滞在だったのだが、北部のもっと洗練された町並みも見てみたいし、南部の南国の風景も味わいたい。
一つの国で、これだけいろんな魅力を持ち旅人を引きつけてやまないのは私が知る限りではイタリアだけである。
2011年4月 橋本

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