イタリアの世界遺産と世界有数のリゾート地を訪ねて~フィレンツェ・ローマ・カプリ島・イスキア島・ポジターノ~

イタリアの世界遺産と世界有数のリゾート地を訪ねて~フィレンツェ・ローマ・カプリ島・イスキア島・ポジターノ~

先日から8日間出張でイタリアに行ってきました。今回の訪問先はフィレンツェ→ピサ→ローマ→イスキア島→カプリ島→ソレント→ポジターノ→ポンペイ→ナポリ。飛行機と宿以外はノープラン。スケジュールの関係上、十分とはいいきれませんが、主要な場所は周りきりました。その内容を一部ご紹介します。


2日目:フィレンツェ・ピサへ
今回フィレンツェ滞在が月曜日にあたってしまった為、主要な美術館が休み。よって仕方なく午前中にピサ観光、午後をフィレンツェ散策にあてることにした。
斜塔で有名なピサはフィレンツェからFSの普通電車で約一時間で行ける手軽な観光地。そんなに近いなら行かない手はないですよね。フィレンツェ発着のツアーもあるようですが、ツアーだと予約が必要な斜塔に登ることも出来ないようなので、個人で行くのがおすすめ(ただし斜塔は混みあう場合があるため、絶対に登りたい人は事前に予約サイトで予約することをお勧めします)。 列車とバスを乗り継いでドゥオーモが見える広場前で下車。広場へ抜ける門を抜けると、手前のドゥオーモの奥に斜めっている建物が!!「あれが斜塔かあ」としばし感慨にふけ写真を撮る。もちろんここでの定番の記念写真といえば「倒れそうな斜塔を支えているところ」「斜塔を押し倒そうとしているところ」ですよね見ず知らずの方に頼むにはちょっとはずかしい写真ですが、ちゃんととってもらいました。これは傍目から見ると結構・・・な風景なんですね(笑)。その後、斜塔入場の予約をするために斜塔の近くの受付へ。幸運にも30分後の予約が取れました(混んでいると数時間待ちの場合もあるようです)。しばし広場内を散策し、その後、手荷物を預けて斜塔の中へ。 ピサの斜塔屋上までの階段はなんと293段!螺旋階段自体も斜めっているのでかなり登りづらいです。上からの眺めはいいのですが。

その後、フィレンツェへ戻り、ホテル視察。フィレンツェの中央駅サンタ・マリア・ノヴェッラ駅近くには小規模ながらたくさんのホテルがあり、観光に便利。宿泊するならこのあたりにした方がいいですね。その後、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会、 ダビデ像のレプリカのあるシニョリーア広場、ドゥオーモなどを散策。フィレンツェの街はとてもきれいでぶらぶら歩いているだけでも絵になる建物がたくさんあり目を楽しませてくれます。フィレンツェのシンボルであるドゥオーモの白とピンクを貴重とした華やかな建物はとても印象的で街に馴染んでいてとてもきれいで、邦画「冷静と情熱の間」でおなじみのクーポラからの眺めは絶景です!時折鳴る鐘の音と美しい街並み。日が沈みかけるフィレンツェの風景は最高です。絶景を見るのは463段の階段を登らねばならないのですが、体力に自身があればがんばって登ることをお勧めします。 クーポラを登る途中にあるフレスコ画「最後の審判」も必見です。さらに、フィレンツェの街全体を見渡すには、ヴェッキオ橋を渡った対岸の高台にあるミケランジェロ広場がおすすめ。夕刻前に行けば、夕日に染まるフィレンツェの街を拝むことができます。 まさに絶景です。
その後、トラットリアで夕食を済ませホテルへ。休館の為に主要な美術品の数々がみられなかったのは残念ですがまた次の楽しみということで。

ホテル紹介:
セレクト
ベストウエスタン系列のこぎれいなホテル。駅から徒歩20分。エアコン、冷蔵庫あり。

デッレ・テーレ
駅やドゥオーモから徒歩数分の立地抜群のホテル。部屋も清潔で広さも十分。
レストランはないが、ブレックファーストルームがある。

マキャベリパレス
駅から徒歩数分の立地抜群のホテル。部屋も清潔で広さも十分。
レストランあり。

3日目:ローマ・バチカン市国へ

ローマのみを観光するのもいいが、折角イタリアへ来たのだからまずはヴァチカンにいかねばと早起き。特急AVに乗りローマへ着くと、駅近くの今夜の宿に早々に荷物を預け、地下鉄でヴァチカンへ。最寄の駅オッタヴィアーノ駅まで20分ほど。着いたのは8時過ぎ。既に美術館目当ての行列が城壁を取り囲むようにできてましたが、観光シーズンではなかったためか並ぶこと20分ほどで入れちゃいました。某アミューズメント施設なみに1,2時間待ちを覚悟していたので超ラッキー! 特に、ラファエロ・サンティとその弟子らによるフレスコ画のある4つの部屋からなるヴァチカン宮殿の「ラファエルロの間」、システィーナ礼拝堂の、ミケランジェロが数年の歳月をかけて描いた大天井画の『創世記』と『最後の審判』の壁画は圧巻でした。やっぱり百聞は一見に如かずですね。 ほかの美術品も見たかったのですが、このあとローマ観光が控えているため早々に退散。 サン・ピエトロ大聖堂のクーポラへ登った後、サン・ピエトロ広場へ。広場は284本の、ドーリア式円柱で装飾された回廊により取り囲まれ、回廊の上には、140体の聖人の像が飾られています。その1つ1つが完成度が高く見事としか言いようがありません。
その後、ローマへ戻る。映画「ローマの休日」でお馴染みの「スペイン広場」へ行き評判のジェラテリアでジェラートを食べたり、後ろ向きでコインを投げ入れると願いがかなうという言い伝えがある「トレビの泉」でコインを投げ入れたり、 トラットリアの多い「パンテオン」、「ナヴォーナ広場」付近を散策し本場のティラミスを食べたり、夕日に染まる古代遺跡コロッセオ、フェロ・ロマーノを観光したりするなど主要なポイントをぶらぶら。ローマは見所満載でこのほかにも廻りきれないくらい観光ポイントがありますが、忙しくなってしまうのでこれぐらいに絞るのがお勧め。この日は天気にも恵まれ、ヴァチカンとローマを満喫しました。

ホテル紹介:
ホテル・アフロディーテ
テルミニ駅より徒歩3分。個人まりとしながらも、清潔感のあるホテル。
部屋も十分広い。テレビ・冷蔵庫・エアコン

ホテル・キャピトール
テルミニ駅より徒歩3分。個人まりとしながらも、清潔感のあるホテル。
部屋も十分広い。テレビ・冷蔵庫・エアコン。ホテルの隣には日本語メニューのある軽食屋さんがある
4日目 温泉の島イスキアへ
さて、イスキア島をご存知だろうか。イスキア島はナポリ湾の西の端に位置する火山島で、8月はナポリの人々が大挙して押し寄せるバカンスの地である。ナポリ港から、高速艇を利用して約40分の所に有る。島の大きさは三宅島程度で、火山から急斜面で海まで落ち込む為に、ほとんど平らな土地が無く、急斜面に密集する街と、ごく限られた場所に砂浜が有り、島と言うよりも山に遊びに行った感じがするような土地である。島内は6つの地区(コムーネ)に分かれていて、それぞれその中だけで十分楽しめる町となっています。地区間を移動する場合は、坂や山道が多いため、頻繁に走るバスが便利。バスの路線もそれほど複雑ではなく、乗り換えも慣れてしまえば簡単、料金も1.3ユーロと庶民の値段です。なんとバス停に次のバスの時刻まで電光掲示されます。
今回のイスキア滞在の目的はホテル視察はもちろんですが、イタリア式の温泉を楽しむというのも自分の中での主要な目的の1つでした。実はイタリアは日本にも負けない火山の国で特に南イタリアには火山地帯が集まっているんです。あの古代都市遺跡ポンペイもヴォヴィオ火山の噴火により一夜で滅亡したといわれていますね。このイスキア島も火山地帯となっていて、町の至る所に温泉がわき出ているそうで、テルメと付くホテルが数多くありました。インターネットで調べて特に興味を引かれたのがイスキア島の南西にあたるセッラーラ地区にあるという「天然海水温泉ソルジュート」。90度の温泉が海に流れ込んでいる天然浴場とはどんなものなのだろう!ぜひ入ってみたい。
そんな気持ちを抑えつつ、まずは港で翌日のカプリ島行きのフェリーのスケジュールを確認し(シーズンオフのため、一日2便しかない。窓口は当日券のみ購入可です。ご注意ください)、その後、島の展望でもと、フェリーの発着地イスキア・ポルトよりほど近いアラゴン城へ(車で5分)。修復もされているのだろうが、外見からまさに中世のお城そのもの。1400年代半ば、当時ナポリを支配していたアラゴン家のアルフォンソ王によって建設されたお城だそうだ。荷物を受け付けに預け、階段と坂道の城の敷地内へ。要塞だったこともあって城敷地内は迷路のようにたくさんお部屋や教会が連なってます。投石用の武器や囚人監禁用の道具などの展示室があるほかは特に見所はありませんが、高台からのイスキア島やヴォスヴィオ火山を望める景色は絶景です。城内にはレストランもあるので登った後は展望を楽しみながら一休みできます。約一時間散策後、城近くのおみやげ物店でバスのスケジュール付きの地図をゲット(島巡りには必須です)。ホテルへ荷物を置いたら、いざソルジュートへ。
宿があるカサミチュラ・テルメ地区よりソルジュートの近くのパンザというところまでバスでいき、そこからひたすら標識に従ってソルジュートを目指し歩くこと30分。ブドウ畑の続く閑静な住宅街を抜けついに到着!「あれ?」入り口に網があり、クローズの文字が。居合わせて地元の人にきくと「今年は終わったよ」とのこと。がっかり。。。
途方にくれてもと来た道を引き返していると、パルコ・テルメ(温泉プールの有る有料レジャー施設)を発見。微妙~と思ったが、テルメもあるというし、これも体験と入ってみることにした。確か半日で10ユーロほど。地元の人や特にドイツ人観光客には人気のようだ。バカンスとは程遠い気がしたがなにはともあれゆっくりテルメにつかり休憩。1時間ほどでこの施設を後にし、再び町の散策へ。ホテル視察もかねて島の西側フォリーオ地区へ。絶壁の海岸が広がるこの地区には豪華な5つ星ホテルから、個人まりとしたペンションまで宿泊施設が軒を連ね、その近くには新鮮な海の幸を料理するレストランが並ぶ。季節営業の店が多く、この時期は開店休業状態の店も多かったが、きっと夏のピークには大勢の人々でにぎわうのだろう。ホテル視察を終えて、島の玄関口イスキア地区の繁華街へ。季節営業のレストランやホテルは閉まっていたが、それでもブランド品の店が軒を連ねるメイン通りは夜になると観光客で一杯でそれなりににぎやか。トラットリアで軽い夕食をとり、ホテルへ戻ることにした。
明日の天気がよければ「青の洞窟」が待っている。晴れることを願い就寝。
ホテル紹介:
ホテル・テルメ・プンタ・デル・ソル
フォリーオ地区の中心から徒歩15分の住宅街にあるテルメホテル。宿泊者は無料でテルメを利用できる。カラフルな外観がかわいらしい。レストラン、バー、マッサージルーム、
ホテル・フィオレンティーナ
島の北部カサミチュラ・テルメ地区の中心部より車で10分の閑静な住宅街にあるペンション風ホテル。家族経営でオーナーは気さくで親切。部屋は広く、清潔。レストランあり。ホテル前を通るバスは一時間に1本。オーナーに相談すれば、ふもとのバス停まで送ってくれる。フェリーの着くイスキア・ポルト地区より車で25分。
5日目:世界のリゾートカプリへ
翌朝朝食後、カプリ島行きのフェリー乗り場へ行くと、なんと今日は悪天候でカプリ行き直通のフェリーはでないという。思わずうなってしまった。仕方なくナポリ経由でカプリへ向かった。ナポリ→カプリの高速船は大揺れ(必ず酔い止めを持参しましょう。)やっとのことでカプリ島に到着すると、大雨。青の洞窟は絶望的となった。とりあえずバスに乗り込み、アナカプリにある今夜の宿へ。荷物を置き、ホテル視察を終えるとやることもなくなった。ほんとはここで島の最高峰ソーラ山へ登れるリフトにのり、カプリ最高峰からの展望を楽しむはずだったのだが、この雨でそれもクローズ。とりあえずアナカプリの軽食屋で昼食をとり、島の中心カプリの散策へ行くことにした。 カプリ島の主な交通手段がイスキアと同じくバス。アナカプリからカプリまではバスで20分ほどで到着。カプリの町はイスキアの1/4の大きさということもあって、イスキア以上に縮図のように小道に所狭しとブティック店や可愛いお土産屋さんが並んでいました。 歩いていて一際香ばしいいい香りがするのがフェラガモのブティック近くのジェラテリア「ブオーノコーレ」。ここのジェラートは焼きたてのコーンにいれてくれるので本当においしいです。また、カプリ随一の広場ウンベルト1世広場からの眺めは絶景です。これでもう少し天気がよかったらいうことなかったのですが。 その後、カプリ島名物「リモンチェッロ(Limoncello)」(レモンのリキュール)を試飲したり、レモンのお菓子やチョコレート、レモンの石けんや香水など友人へのお土産を買いホテルへ戻ることにした。 明日は果たしてフェリーが出るのだろうか。そんな心配をしつつ就寝。

ホテル紹介:
ホテル カサ・カプリ
アナカプリの閑静な住宅街にある白と水色を貴重にしたかわいいホテル。
部屋も清潔で出窓があったりと雰囲気がいいです。
ホテル ブーゲンヴィレ
アナカプリの中心より徒歩15分のバスも通る道路沿いにある家族経営の温かみのあるホテル。全12部屋。部屋も清潔で調度品もかわいい。レストラン、バーあり。
6日目:ソレント、ポジターノ、そして古代都市遺跡ポンペイへ
早朝5:00起きるとあいにくの雨。こればやばいと思ったがとにかく6:00のバスでフェリーの出るマリーナ・グランデへ。運良くあったフェリーでソレントへ。雨は相変わらず降り続いていた。天気がよくないためソレントからこのままナポリへ戻るべきか迷ったが、せっかくなのでバスで約1時間のポジターノへ(ちなみにソレント→ポジターノ間のフェリーは悪天候のため運休)。
ポジターノはつい最近俳優の石田純一さんが某TV番組で紹介するなど日本でも名前が知られはじめた隠れ家リゾート。アマルフィ海岸一の景勝地で小さな入り江の崖沿いに立ち並ぶ家並みが美しい街です。ギリシャのような白い家々が斜面いっぱいに広がっている姿はまるで絵葉書を見ているようです。広い道は一本だけで、あとは奥まった急な階段があるばかり。車は途中の広場までしか進入できないためビーチ近くのホテルへは、広場からポーターを呼ぶシステムになっているようです。街の中心には坂道や階段に沿って可愛い店が並んでいます。海に面したレストランがいくつも張り出すように立っていて、あのミシュランに名を連ねるような有名レストランもあるそうです。この日はシーズンオフということもあり人はまばらでしたが、ピークシーズンには狭い路地は多くの人で埋め尽くされるそうです。約1時間散策後、軽い昼食をとり、再びバスでソレントへ。
ソレントより私鉄ヴォスヴィオ周遊鉄道でポンペイへ。ポンペイ遺跡の入口は地下鉄駅ヴィラ・ミステリ駅から徒歩1分。荷物を入口に預け遺跡へ。
ポンペイは約2000年前ローマ人によって築かれた古代都市遺跡(世界遺産)で、噴火前の人口は1万とも2万ともいわれてます。一度は噴火による火山灰で埋もれてしまったが、1748年以降の発掘調査によって、広大な敷地を持つ古代都市の姿が明らかにされてます。入り口でもらった地図を頼りに観光するのですが、ともすると迷ってしまうほどとにかく広い遺跡です。ローマ遺跡は数多く見てますが、この遺跡は古代の人々の日常生活にかかわる痕跡が残っている点に興味を惹かれました。他のローマ遺跡は、神殿・宮殿・円形劇場・市場・広場が主で、日常に縁遠い感じがしますが、ここには、そうしたローマの遺跡によくあるものばかりでなく、貴族や庶民の家・69のレストラン、24のパン屋、いくつかの娼婦の館の跡が残っており、当時生活していた人の息づかいまで感じることができます。。もう1つ遺跡の中でひときわ目を引くのがヴォスヴィオ大噴火の犠牲者の石膏像。これはミイラではなく、堅い火山レキの中にできた生物体腐食後の空間に石膏を流し込んで型をとった人間の石膏体だそうです。しかしあまりにもその姿は生々しく断末魔の叫びまで聞こえてきそうなリアルな像です。
雨も再び強くなってきたので約2時間ほどで遺跡を後にし、ナポリへ。
翌朝帰国の途へ。
今回訪れた都市は遠出しなくとも、バスや徒歩でも世界遺産など見所を見れてしまう場合が多かったが、じっくり見るにはやはり8日間ではとても足りないようです。次回は今回ほとんどできなかった美術館巡りをし、ミラノ・ベニスもぜひ訪れてみたい。治安も心配するほど悪くないし英語も思った以上に通じるため、初めてのことばかりでしたがなんとかなりました。また是非訪れたいですね。
2009 10月 渡邊竜一

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