3月下旬、初めてのトルコへ。
弊社でもかなり人気の高い国である。
今回メインの観光都市であるイスタンブールとカッパドキア、それに加え日本人にはあまりなじみのない地中海のリゾート都市アンタルヤへ行った。アンタルヤは情報がまだまだ少ない場所なので参考になれば幸いです。
1日目 成田→イスタンブール
アエロフロート航空を利用。10時間かけてまずモスクワへ。
アエロフロートは以前も使ったことがあるが、パーソナルテレビがついて快適になっていた。
モスクワ着後トランジットカウンターにて手続き。荷物検査のあと5時間空港にて待機。ビジネスクラスのラウンジが有料でつかえるかなと思ったが駄目であった。
仕方なくベンチで座っているとアメリカから来たという青年が話しかけてきた。彼等もトランジットでかなりの時間をすでに空港で過ごしているらしい。
暇で暇で仕方ないのであろう。私にトランプのマジックやハンカチが消えるマジックなどをやって見せた。よくありそうな類だがなかなか上手で、全くタネがわからず私も十分楽しめた。カザフスタンでキリスト教を教えるらしく有り難いことに私の旅行がよいものになるよう祈ってくれた。見知らぬ人に祈ってくれるなんて幸先のよい。
その後イスタンブールの飛行機に乗り込み、日本出国19時間後トルコについた。
入国審査を終え(EDカードは不要)ゲートをぬけるとガイドさんがボードを掲げて待っていた。3月のイスタンブールは日本よりも少し寒く感じた。
ホテルはグランドヤブス。空港からは渋滞がなければ30分でつく。
ホテルの詳細はのちほど。とにかく疲れたので就寝。
2日目 イスタンブール観光、イスタンブール→カッパドキア
朝から市内観光。
大競技場跡、ブルーモスク、アヤソフィア、トプカプ宮殿、グランドバザールというイスタンブールの観光名所をまわった。
大競技場跡はかつて馬車の競技が行われていた場所である。今はその面影はないが、エジプトから運ばれたというヒエログリフが刻まれているオベリスクやコンスタンティニス1世がペルシア戦勝記念としてアポロン神殿から持ってきた蛇の柱がある。
ブルーモスク、またの名をスルタンアフメットモスクという。イスタンブールのシンボルである巨大なイスラム寺院。外観は大理石で真っ白だが何故ブルーと呼ばれるかというと内部にはトルコ石が使われているため淡いブルーに見えるからである。
アヤソフィア、ブルーモスクと隣り合うイスタンブールの代表的なビザンツ建築。ギリシャ正教の大聖堂であったがビザンツ帝国が崩壊したあとにイスラム寺院と利用されることとなった。内部の美しいモザイクが見物である。
トプカプ宮殿は15世紀にメフメット2世が建設してから19世紀まで使われたオスマン朝のスルタン(首長)の邸宅である。見所はスルタンの財宝を展示した宝物館。あらゆる宝石を施した装飾品の中でも86カラットのダイヤモンドは息をのむ美しさ。
昼食はトプカプ宮殿の敷地内にあるレストラン。ボスポラス海峡を眺めながら舌鼓。
トルコの食事は美味しい。世界三大料理とは言うけれどなかなか侮れない。
基本はバケットとサラダ、スープがまず出てくる。そのあとにメイン。大抵、羊肉、鶏肉、牛肉、魚のいずれかである。その後、甘~いお菓子。最後にチャイ(インドのチャイとは違い、紅茶)かコーヒーがでる。
グランドバザール
日用品、衣類、貴金属、土産物屋が軒を連ねる巨大なモール。ガイドさんと20分後に待ち合わせしたのだがもう元の場所にもどれないのではないかとヒヤヒヤしたほど広いので注意。
その後、イスタンブールホテルインスペクション。
イスタンブールのホテルは2タイプに分けられる。プチホテルか、そうでないかだ。
プチホテルは個人の邸宅を改築したホテルで、文字通りこじんまりした部屋数がすくないホテルではあるが調度品などセンスがよく、雰囲気重視のカップルや友人同士にお勧め。
プチホテルではないホテル、いわゆるシティーホテルはプチホテルよりも設備やサービスはしっかりしている分雰囲気はそこまで重視されていない。ファミリーにお勧め。
グランドヤブス
ブルーモスクから徒歩5分の観光に便利なスタンダードホテルである。宿泊するだけの目的であれば十分満足させることができる。ドライヤー、セーフティーボックス、ミニバーあり。
スイソテルボスフォラス
イスタンブールで3本の指に入るという最高級ホテル。部屋はボスポラス海峡を望み、ホテル自体は文句の付けどころがないくらい高いホスピタリティを誇る。ただ立地が新市街の北側なので各自で歩いて観光するには不便。
ジェラールスルタン(プチホテル)
アナソフィア近くのプチホテル。オシャレで清潔、手軽にプチホテルの雰囲気を味わいたい方にオススメ。ミニバー、ドライヤーあり、セーフティーボックスはない。屋上のレストランからの眺めも格別。
イェシルエブ(プチホテル)
プチホテルの中でも最も厳格な雰囲気漂う高級プチホテル。調度品も豪華で、とにかく雰囲気を求めるのなかここ。ミニバー、ドライヤー、セーフティーボックスあり。場所はブルーモスク近くでありながら、ここは麻布か青山かというほどの閑静な立地。
セブンヒルズ(プチホテル)
アヤソフィア、ブルーモスク近くの高級プチホテル。新しくはないがプチホテルにしては部屋が広め、もちろん清潔で洒落ている。屋上からの眺めもすばらしい。ミニバー、ドライヤー、セーフティーボックスあり。
そしてカッパドキアに向かうため飛行場へ。
カッパドキアへはイスタンブールからカイセリまで飛行機でいきそこから車で1時間半ほどかかる。
宿泊するにはホテルは洞窟ホテルのSOS。
翌日はバルールフライトが控えているためすぐに就寝。
3日目 カッパドキア観光
朝4時に起きてバルーンフライトのための準備。5時50分くらいに係の人がきてフライト出発場所まで案内してくれる。車で5分、すでにいくつか気球が膨らんでいる。
参加者にはパンケーキとコーヒーが振る舞われ、気球が膨らむのを眺めながら自分の腹を膨らます。
気球に乗り込み出発。フライトは約1時間半に及んだ。あいにくの雨だったがそれでもカッパドキアの摩訶不思議な風景をおおいに楽しむことができた。上空から俯瞰すると奇岩の風景は局地的なものということがわかる。周りは田園風景が広がる田舎。あとでガイドさんに聞くとこの地形は火山活動によって溶岩や火山灰が積もり自然に発生したものだそうだ。そのために火山の周りのいくつかの地域にしかこの景色は存在しない。パイロットは上手に岩と岩の間を抜けたり高度を上げたり下げたりして楽しませてくれた。
終了後はシャンパンで乾杯。気球参加証明書を全員に配り、出発前にとってくれた写真を販売してくれる。1枚3ドルだった。ユーロでいいか聞いたら2ユーロだった。
ホテルに戻り、ホテルの朝食。パンを山盛り食べる。トルコの人はパンをホントによく食べる。ガイドさんに聞くところによると、日本人が米を好きなレベルより遥かに高い水準でパンが好きなのがわかった。なにしろ、ご飯も食べるのだがおかずとして食べるのだという。日本人はもうタコ焼きだとかお好み焼き云々という場合ではない。
その後市内観光。
カイマクル地下都市、ウルフララ渓谷、アバノスの陶芸工房を訪ねた。
カイマクル地下都市
紀元前にキリスト教徒が迫害を逃れるために住んでいたとされる地下都市である。当然光が入らない地下であるのにここまで長く入り組んだ地下道を掘ったことも驚きだし、数万人がこの都市に暮らしていたとは信じがたい。カッパドキアに来たなら是非訪れたいポイントの1つ。
ウルフララ渓谷
崖の高さ約100メートル、全長12キロもある巨大な渓谷。崖には住居や礼拝堂などがあり、今でも村人が住んでいる。
フラスコ画の残るモスクを見た後、1時間程度の軽いトレッキング(途中でチャイの休憩)。トルコの自然を満喫した後、渓谷の村人のレストランで鱒の丸焼きを食べる。うまかった。
アバノスの陶芸工房
アバノスは陶芸で有名な街である。塗りものも日本人の目から見てもクオリティがたかい。陶芸工房のイチ押しはトルコ石の色素から彩色してトルコブルーの皿。ほかの土産物と比べると品質もよいし実用的なのでお土産としてはなかなか良いと思う。
そしてホテルインスペクション。全て洞窟ホテルである。
ちなみに洞窟ホテルにはほとんどテレビがありません。
SOSホテル
スタンダードの洞窟ホテル。原始人の住居のようなものを想像していたがちゃんと電気も通るし、ホットシャワーである。ドライヤーあり、セーフティーボックスやミニバーはない。経済的に泊まるならここ。
ギョレメの中心地まで徒歩10分程度。
キャニオンビュー
ギョレメ中心地のホテル。ロケーション、眺めは文句なし。部屋も広めで清潔。ミニバーやドライヤー、セーフティーボックスはない。ロケーション、ホテルの質を考えるとコストパフォーマンスは高いと思う。
カッパドキアケイブスイート
ギョレメの丘の上に位置する最高級ホテル。ロケーションもばっちり、洞窟ホテルで1番のオススメ。バスタブもテレビもミニバー、ドライヤー、セーフティーボックスもあり。
ユルギュップエビ
ユルギュップの中心地から徒歩10分以上。部屋は広め、雰囲気もよい。ドライヤーあり、ミニバー、セーフティーボックスはない。
ユナックエブレリ
ユルギュップの最高級ホテル。カッパドキアの洞窟ホテルの中ではオシャレ度No.1。カッパドキアケイブスイートがよりも洞窟度は高い。ミニバー、セーフティーボックス、ドライヤーあり。
4日目 カッパドキア→ボアズカレ→アンタルヤ
今日はカッパドキアからアンタルヤへ。
途中ボアズカレに立ち寄りハットゥシャシュ遺跡とヤズルカヤ遺跡を観光した後、アンカラから飛行機でアンタルヤへ。
ハットゥシャシュ
カッパドキアから約3時間、ハットゥシャシュは紀元前18世紀頃につくられたヒッタイト王国の都で、現在世界遺産に認定されている。残っているのは城壁とそれに囲まれて神殿や住居跡など。
1番興味深かったのがスフィンクス門。その名の通り城壁の中と外を繋いでいるのだがその長さなんと約70メートル。こんなに長い門を、もちろん機械なんてない時代に全て人力で石を積み上げてつくったのだから驚きである。
ヤズルカヤ
ヤズルカヤは紀元前13世紀につくられたヒッタイト王国の神殿である。
さすがに風化しているものもハットゥシャシュの遺跡と比べるとはっきりとそのレリーフが残されている(ちなみにハットゥシャシュのレリーフのオリジナルはアンカラの博物館にある。)
昼食をとり、アンカラへ。途中休憩を挟みつつ、さらに約3時間半移動。
アンカラの空港に到着。
ここでお世話になったガイドさんとはお別れ。
アンカラ行きは18:10発だったが遅延で19:30発となった。
アンカラからアンタルヤまでは約1時間。アンタルヤ空港出口でドライバーさんが待っていてくれた。
市内ホテルまでは空港から約30分。ジェンデルホテルに宿泊する。
5日目 アンタルヤ観光
朝起きると窓の外には美しい地中海が広がっていた。アンタルヤ初日は暗くてわからなかったが、ジェンデルホテルは全ての部屋がシービュールームであった。
ドライバーさんと会ってまずはホテル視察。
アンタルヤで快適に過ごすにはホテル選びが大切だ。
アンタルヤのホテルは3つのタイプに分けることができる。
1、カレイチ(旧市街)外のホテル <とにかく安く宿泊する方にお勧め>
2、カレイチのホテル <旧市街の雰囲気に浸りたい方、各自で待ち歩きなどされたい方にお勧め>
3、コンヤアルトゥ海岸、ララ海岸の大型ホテル <とにかくゆったりのんびりしたい方にお勧め>
まず1のカレイチ外のホテル、ビジネスホテル風が多い。
ジェンデルホテル
部屋から臨む地中海の景色はすばらしいが、いたって普通のホテル。ドライヤー、ミニバー、セーフティーボックスあり。宿泊者にはビュッフェの夕食がついてきます。
そして2、カレイチ内のホテル、ペンションやプチホテルが多い。
テケリコナックル
カレイチにただすむプチホテル。調度品もオシャレで雰囲気よし。豪華さはそれほどないが、カレイチの中のプチホテルに泊まりたい方にオススメ。ドライヤー、セーフティーボックス、ミニバーはなし。
アルプパシャ
カレイチでも指折りの名ホテル。邸宅を改築したホテルで70部屋以上があるが予約はなかなか取りにくい。部屋は広めで清潔、雰囲気も抜群。ドライヤー、ミニバー、セーフティーボックスあり。ホテル内には改築の際に掘り出した歴史的な彫刻など展示されている。
最後3、ビーチ沿いの大型リゾートホテル。
トプカプパレス
カレイチから車で10分程度。観光には便利とは言えないが、スライダーつきの大型プール、テニスコート、託児所、ジム、スパ、ボーリング、ショッピングセンターにレストランが5店と至れり尽くせり。部屋は若干古さを感じるが広めで清潔。のんびりリゾートを楽しみたい方や家族連れにオススメ。
ホテルを見たあとアンタルヤ観光。
アスペンドス
アンタルヤ市内中心地から30分程度。紀元前2世紀に建造された古代劇場。15000人という収容規模を誇り、なおかつ保存状態が良いという珍しい例。アンタルヤを訪れた際には是非観光したいポイントだ。
クルシュンル滝
アンタルヤ市内中心から車で15分。高さは15メートル位で中規模だが、川の幅が広いため水量は多い。滝周辺はバーベキュー広場になっており、休暇を楽しむ外国人や地元の人々が家族でバーベキューをしている。雄大な自然とポカポカ陽気が合間ってまるでオーストラリアにいるような風景だった。
イブリミナーレ
カレイチにあるアンタルヤのシンボル的搭。カレイチでは石畳の赴きある古い町並みが続くが、道が入り組んでおり迷いやすい。そんなときこのミナーレを目印にするとよい。
そんなこんなでアンタルヤの観光終了。
数あるホテルと観光地をめぐったが日本人どころかアジア人にすら見かけなかった。
個人的にはアンタルヤに来たからには絶対カレイチのホテルがお勧めです。
6日目 アンタルヤ→イスタンブール
今日、アンタルヤを出てイスタンブールにもどる。
朝8:30にホテルを出て空港へ。アンタルヤのドライバーさんとはここでお別れ。
イスタンブール行きは30分のディレイ。これで今回、国内線3便の内2便がディレイ。まぁしょうがない。
イスタンブール着後、ガイドさんと再会。そしてホテルへ。ホテルは初日と同じグランドヤブス。
今日はガイドさんなし、自分自身で観光してみる。
目標はイスタンブール市民の足、トラム(路面列車)をつかいこなすことである。
トラムにのるには駅の売店でジェトン(チケット)を買うか、アクビルというデボジットして使用するアクビル(日本で言うスイカやパスモみたいなもの、見た目は磁石みたい)を購入する必要がある。
グランドヤブスからの最寄りのトラム駅はチェンベルリタシュ。そこからカラキョイ駅へ。カラキョイ駅では乗り換え。テュネルという地下鉄をつかってテュネル駅へ。テュネル駅からはイスティクラール通りという、若者向けのカジュアルブランドやオシャレなカフェが集う繁華街に繋がる。
そこをいろいろ散策した後、フランスズソカウというその名のとおりまるでパリに入り込んだような路地などを見て回る。
路地を抜けてイスタンブール現代美術館に行こうとしたら運悪く月曜日は休館。ならば他の美術館にいこうとガイドブックで調べたがイスタンブールの主要美術館・博物館は月曜日休み。
しかたなくアヤソフィア近くの地下宮殿観光に変更。現代美術館近くのアメリカンバサルを抜けてトラムにのり地下宮殿最寄りのスルタンアフメット駅へ。
アメリカンバサル
アメリカンバサルはソファー式のオープンカフェが並ぶ一画であり、イスティクラール通りのカフェよりも幾分フレンドリーな感じだ。のんびり過ごしたい方にはぴったりのスポットである。
地下宮殿
地下宮殿は4世紀のビザンツ帝国時代から6世紀まで利用された貯水池である。コリントの円柱が立ち並び異様な雰囲気を醸し出している。奥にはメデューサの首をかたどった柱が鎮座している。不気味だ。
夕食はホテル近くの割と感じが良いレストランで食べた。
7日目 イスタンブール→成田
12:50発のアエロフロートに乗るため10時にホテルを出て空港へ。
イスタンブールのガイドさん、トルコでもここでお別れである。
今回の旅行は特に順調でトラブルは1つもなかった。ガイドさんも極めてレベルが高く、不満もない。思った以上に効率的に観光できて満足。最初モスクワに祈ってくれたお兄さんのおかげで神のご加護でもあったのかな。
感謝、感謝。
あ、でもトルコアイスたべたかったなー。(探したけどまだイスタンブールは寒いので売ってなかった)
旅の感想
トルコを旅行して思ったのはとにかく多面体の国だなぁと。地域によって大きく方言や人々の容姿が異なっているのはもちろん、例えばアンタルヤはイタリア風だと強いて言うことはできるけれど、イスタンブールに関してはヨーロッパとアジアの掛橋と言うフレーズのようにどちらだけに例えることはできないし、カッパドキアに関してもイエメンや中国のウイグル地区とも違うし独特な場所だ。
捕え所があるように見えて、それは葉に過ぎず幹でも枝でもない。まさにトルコとしか言いようのない不思議な国でした。
以下、基本情報です。
食事は大衆食堂などの安いところであれば一人10~20トルコリラ(500円から1000円)程度で十分食べることが出来る。外国人向けの少し雰囲気がよいレストランだと40~60トルコリラ(2000円から3000円)位を大体の食事の予算としてみておけば良いと思う。
お金をなにで持っていくか。ドルやユーロであれば観光客が立ち寄る店で使えるが、大衆的なお店ではあまり使えないので現地で使うごとにトルコリラにある両替したほうが無難。
治安は比較的良い。一人歩きをしたが特に危険な雰囲気は感じなかった。日本語で声をかけてくるトルコ人もいるがカーペット店に連れていかれるなどするらしいので無視するのが良い。
タクシーは余り使わないほうがいい。ぼったくられることはもちろん、遠回りされることもあるようなので利用の際は十分注意を。
2009年3月 橋本