リビア・チュニジア旅行記

リビア・チュニジア旅行記

リビアの入国は、まず入国審査をうけ、それからすぐ近くにあるビザカウンターで日本で用意されるA4の紙、インビテーションとパスポートを提出するだけで、私の入国するときは現金1000USドルの所持しているかのチェックはなかったが、いつ急にかわるかわからないので念のため日本からは1000ドルをもっていったほうがいいと思われる。今や世界中禁煙ブームで厳しい国は全面禁煙、通常で喫煙スペースが必ず設けられているが、リビアの空港は職員が至るところで歩きたばこをしていて、ビザのチェックをするスタッフ達もたばこを吸いながら、旅行者のパスポートをまるでトランプでもするかのように放り投げてる様子をみてびっくり!私のパスポートにたばこの灰が落ちて穴でも開いたらどうしてくれるんだ!!と言いたかったが、そんなことを言ってビザがおりなかったら大変なのでその様子を見守るのみにしておいた。

リビアの街を歩いてみて、女性はみんなスカーフをかぶっていて、一人で歩いている人はそれほど多くなかった。東洋人の私を見る目はどこか遠巻きで向こうから声をかけてくるようなこともない。 今まで鎖国状態に近かったしなんとなく保守的な人たちなのかな、と思った。 リビアに住む東洋人は中国人、 マレーシア人が多いそうだ。街で至るところにカダフィ大佐の写真が飾られているが、 私が知ってるカダフィ大佐はガイドブックに載っている青いサングラスをかけたクールなイメージだけだったけど、飾られている写真の中にはカーリーヘアーでにこやかにほほえんでいて、ちょっと林家ぺーに似ている。

到着の翌日、1日かけてサブラータの観光に行くのにガイドさんとその娘さんイタールちゃんが同行することとなった。イタールちゃんは私が最初に感じたリビア人の印象とは違って社交的で、私はアラビア語を理解しないのに必死にアラビア語で話しかけて楽しそうに笑ったり、遺跡観光中もずっと手をつないでたりしていた。日本の子供は知らない人と話したりしちゃいけません!と言われてるので知らない大人、ましてや外国人と積極的にコミュニケーションをとろうとしないことを考えると、私の目にはイタールちゃんの行動がとても新鮮に写った。観光中、お互いの国の数字の数え方を教えあったり、昼ご飯の時にはおかずを取りかえっこしたり、言葉は通じないけれどリビア人の小さな女の子とコミュニケーションができたことがとても嬉しかった。また、彼女といることでレストランの店員さんにチョコレートや貝殻のネックレスをもらったりして、いろんなおこぼれに授かった。

サブラータ遺跡は世界遺産にも登録されている非常に保存状態もよくて大規模なローマ遺跡だが、その日観光している人は少なかった。青い海をバックに建つ美しい遺跡だった。

旅の3日目、チュニジアへチュニスエアーにて飛び立った。私の泊まったエクセルホテルは街の中心にあって、その通りはコロニアルな建物が多く、おしゃれなオープンカフェではたくさんの人が春の日の昼下がりを楽しみ、おしゃべりに花を咲かしている。私はパリには行ったことがないけれど、 パリもこんな風に違いないと思い鼻歌で「おーシャンゼリーゼー」と歌いながら、街ゆく人を観察した。  その日は大きなサッカーの試合があったようで、若い男の子たちがオープンカーに上半身裸でユニホームや旗をはためかせて大声で叫んだり、グループで肩を組んで歌いながら街を練り歩いていて街に活気をあたえている。女性は鮮やかなスカーフを身につけアラブ風のおしゃれを楽しんでいる人もいれば ヨーロッパ風のぴったりした服やジーンズを身にまとう人もいて、 いろんな服装を自由に楽しんでいて、きれいな人が多い。 客引きもいるけれど、チュニジアの人は明るく声をかけてくる人も多くて開放的な印象をうけた。 ホテルから10分ほどあるいたところに旧市街のスークがあって、観光客用のおみやげ屋さんも多いけれど庶民のためのお店もあって、観光客も地元の人も入り交じってとてもにぎやかである。ヨーロッパとアラブがミックスされた魅力をもつチュニスの町歩きはとても楽しいものだった。
翌日は朝7時にホテルをでて、砂漠へと向かった。4時くらいにサブリアという街に着き、そこからラクダに1時間乗ってキャンプ場に着いた。その日はたまたま砂嵐のひどい日でサングラスをしてても砂が目に入ってくるし、ラクダの揺れる背の上でカメラを砂から守るのに小脇にかかる姿勢がつらく、キャンプ場までの道のりは苦行のようで、三蔵法師がシルクロードをわたった時もこんなだったに違いない、なんて思ったりした。キャンプ場はスターウォーズの撮影にも使われたそうだ。シャワーもお湯がでて、トイレも水洗だし、キャンプにしては快適だ。簡易ベッドがあるがちょっと砂まみれなので、気になる人は寝袋があったほうがいいかもしれない。砂漠はクサールギレンとは違って白い砂だ。
チュニジアの旅行に案内してくれたガイドさんは幸運にも日本語ペラペラのラサドさんで、以前日本に住んでいたことがあるそうで日本人顔負けのまじめな人だ。日本で働いていたときは睡眠時間4時間で働いていたそうで頭がさがる。性格、感覚もチュニジア人よりも日本人にずっと近い。彼にはいろんなことを教えてもらった。私も最近の日本や日本人について話したりして、ちょっと前のドラマとかにもテーマになった日本人の不倫の話をしたりもした。その中で一番難しかったラサドさんの質問が「日本人の女性は全体の何%の人が不倫をしてるのか」ということだった。
私「うーん、不倫は秘密でするものだから正確な統計は絶対わからないでしょう・・・ でも、たぶん、たぶん私の予想では3%くらいでしょうか・・・」
ラサドさん「へー、チュニジアでは女性が不倫をすることは絶対ありえません」
私「じゃあ男性は何%くらい浮気をするんですか?」
ラサドさん「だいたい40%くらいです」
私「ほー結構高いですね、でも日本も同じくらいでしょうかね。これは世界各国同じですね」
イランに行ったスッタフから聞いた話だが、イランは既婚の女性が不倫をすると死刑で、既婚の男性がしてもそうではないらしい。理解しがたい。どなたか不倫に関する詳しい統計についてご存じの方がいれば教えてください。

チュニジアでの最終日、シディブサイドに行った。白と青の街、地中海に面したなんともロマンティックな街で、カップルやハネムーナーの方は是非、日帰りではなく1泊宿泊されることをお勧めします。
今回、私は行かなかったがガイドさんの話によるとリビアは何よりも砂漠が魅力だそうで時間がある方は是非砂漠のほうにも足を伸ばしてみてください。チュニジアは街、人、自然も多彩な国なのでどなたでも楽しめるはず。是非行ってみてください。
2008年4月  辻

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