リビアの砂漠はとにかく面白い!

リビアの砂漠はとにかく面白い!

070113_1.jpgリビアの砂漠はとにかく面白い!特にこれがあるからということではないのだけれど、イメージする砂漠がはるか彼方地平線まで続く。瓦礫の砂漠・砂の砂漠・悠久の自然が織りなす奇石・・・。そして、砂漠でのキャンプ。エキサイティング&デンジャラス?な旅をご紹介したい。
1、砂漠へ向かう一日目、前日に首都トリポリより砂漠へ向かう入り口となる街セブハに来ていた。朝6:30起床も晴天のため気分がいい。午前8:00屋根の上まで荷物を積んだ4WD車で砂漠へ向け出発。
同行者はドライバーのモハメッドとコックのアハメッド、及びトリポリから同行した現地旅行社の責任者の4人。


車を走らせ約1時間、砂漠へ向かう途中のちいさな村にてガソリンや食料・備品を購入。また、砂漠対応のため自分のリビアン服も購入した。出発して約3時間近く経っているが、舗装されたアスファルトの道路をひた走る。但し、GPSではすでに「ウバリ砂漠」となっている。何度かガソリンスタンドに立ち寄り(スタンドを見つけたら常に少量でも補給が必要。砂漠の中に入ったら車以外の交通手段がないため)万全の準備で砂漠へ向かう。どこまで続くかわからない砂漠の中の舗装されたアスファルトの1本道。道の先には蜃気楼や砂漠の中にはオイルを掘っている現場の黒い煙が見える。右手側には地平線、左手側には赤茶けた岩山とさほど変わらない景色とエアコンのきいたご機嫌な車の中で、ついウトウトと居眠りに興じる。
セブハを出て約6時間、オフロードの入り口にあるキャンプサイトの片隅を借りてランチタイム。
ここでやっとアハメッドの出番。食事はサラダとスパゲッティ。
070113_2.jpg15:00出発。ここからアスファルトの道をそれてアカクス山(砂漠)へ向かう。ここは、瓦礫の砂漠が中心で自然に造られた奇形の奇石が多く見られる。例えれば、アメリカのグランドキャニオンの谷底を走っているような雰囲気。ここでは砂漠の景色のほかに、トワレグ族の先住民が残した岩絵が多く残されており、それらを見て周るのも観光のひとつとなっている。車外の基本は摂氏50℃にもなろうという感じ。時折り岩絵や奇跡を見るために車外へ出ると、ジリジリと肌を焦がすような痛ささえも感じる。帽子やサングラス・日焼け止めは必需品。一通り(といっても広大な瓦礫の砂漠の一部に過ぎないと思うのだが)見て周った後、今晩の寝くらになる場所を探す。20:00頃には日が落ちてしまうので、それまでに良い場所を探しテント設営など準備をしなくてはならない。場所も決まり(ある程度めぼしの場所はあるのだそうだが、風などで地形が変わってしまうため適しているかどうか確認しながら探す)早速テントの設営。コックのアハメッドは夕食の支度にかかった。
070113_3.jpgロウソクと星&月明かりのみの中での、もちろん野外での食事は格別。広い砂漠の真っ只中、私たち4人だけの夕食はなんともいえない充実感がある。*予断だが砂漠では毒蛇やさそりも潜んでいる。砂漠滞在中の鉄則では石や瓦礫は動かしてはいけないらしい。夕食後はたき火をおこし、リビア風のティタイムで一服。ドライバーのモハメッドが、ある意味儀式的な形でお茶をたててくれる。グリーンティーといっていた。あとはやることもないので早めに就寝。
070113_4.jpg2、砂漠滞在二日目
日の出を見るため6:00に起床。初めての砂漠の真っ只中での目覚めは気分爽快。とりあえず砂漠の岩陰に身を潜め、トイレットタイム。開放的な自然の中で気分爽快に・・・。太陽が顔を出したのが約1時間後。それまで何をするでもなく、心地よいそよ風の中で物思いに更ける。まだ暑くない。
傍らでは、アハメッドが朝食の支度をしている。朝食はどこで仕入れたのか、日本の米を鍋て焚いたご飯と即席味噌汁&玉子焼き。と日本風の朝食には驚いた。今後の朝食も、同じようなメニューではあったがちょっと嬉しかった。
8:00出発。ワンカザ砂漠へ向かうのだが、途中いくつもの岩絵を見学。
色の付いた人や動物のプリンティングやただ何かで削っただけの紋様など数百から数千年前に描かれたとは思えないような見事なものである。
又、この日はきれいな砂だけの砂漠をひた走り、遠くに砂の山が見えるだけで360度砂ばかり。
070113_5.jpg4WDは砂煙を上げながら、かなりのスピードで走行する。車外はやはり50℃に達しようという暑さ。途中、車を降り裸足で砂の上に立ってみたが、同じ場所に10秒といられない。息苦しくもなる。今日は、ほぼ終日走りっぱなしである。
夕刻になり今日の宿泊場所を探す。小高い丘の上の360度大パノラマ(砂だらけの景色ではあるが)の絶好の場所に決定。ちょっと強めの風があるものの、テントが飛ばされるほどではない。むしろ、昼間の暑さを思えば心地よいくらいだ。今日も晴天のため満天の星空と妙に近くに見える月。今日もティータイムの後は早めに就寝。
070113_6.jpg3、砂漠滞在三日目
今日もちょっと早めに6:00起床。すでに当たりは明るくなり始めている。とそこで、テントの周りに何かの足跡があるのに気づいた。たて5cm幅3cmほどの足跡は、私のテントの周りをきれいに1周半している。
聞いたところ、デザートマウスとのこと。後で実物を見たのだが、体調10cmほどの後ろ足でピョンピョン跳ねながら移動する、とても憎めないかわいらしい奴。昼間は暑すぎるため砂に潜っており、日が落ちると行動するらしい。毒蛇やさそりでなくて良かった(後で毒性のかなり強い、一刺しされると人間でもイチコロという白いさそりを見たのだが・・・)。朝食後、砂丘の山をジェットコースターのようにいくつも越え、ジェルマという街へ向かう。ジェルマからはアスファルトの舗装道路になるため、最後の砂漠ドライブを楽しんだ。午後からは砂漠の中の湖(オアシス)へ行くため、入り口に立つ「アフリカツアーロッジ」の一部屋を借り休憩。久々のベットとシャワーで一息(アフリカらしい三角帽子のロッジ内はエアコンがなくファンのみ。シャワーは共同で水シャワー)。
この暑さでつくづく思ったが、砂漠に入る前に購入したリビアン服は本当に快適で正解だった。
070113_7.jpg16時ごろオアシスに向け出発(それでもまだ暑いのだが)。暑さのピークの12~15時ごろだと、暑すぎて、今まで以上の急勾配の砂漠を走るのでエンジンがいかれてしまうとのこと。そんな時間に行くのはクレイジーだと言っていた。現に、湖に行く途中にオーバーヒートで立ち往生している車を見かけた。
湖へは急勾配のいくつもの砂丘を越える。もちろんジェットコースターばりのアクティブ&デンジャラス走行だ(約30分)。と、突然遠くに緑に囲まれた湖が現れる。
全部で12の湖がありそればかりをめぐるようなツアーもあるのだが、今回は2つのみ。一つ目は水が干上がり、緑のみの湖。二つ目は緑もさることながら、水がたっぷりある湖で泳ぐこともできる。但し、塩分が強いため飲用ではない。泳ぐには何もしなくても浮くことができるので良い。070113_8.jpg二つ目の湖のほとりでは、どうやってここまで来たのだろうと思ったが、トワレグ族の若い青年達(5~6人いたかな?)が、風呂敷を広げてお土産を売っている。手作りの楽器や民芸品・銀細工などだが、ピンと来るものがなかったので買いはしなかった。それにしても一番近い街でも4WDで30分かかるのに、どうやってきたんだろう?まさか暑すぎてクレイジーといわれる時間帯に歩いてきたのかなあ?
今回の3日間での走行距離は約1300km。
一部アスファルトの道路はあったものの、かなりのものである。
ここまで砂漠ばっかりの旅は初めてであったが、宿泊・食事も含め快適な旅であった。
砂漠好きにはたまらない、スケールの大きな砂漠を体感できる旅であると思う。
また行ってみたい国がひとつ増えた。
(2006年5月20日~29日の一部・砂漠体感ツアー 酒井光浩)

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