ペルー・アグアスカリエンテス 温泉物語 -まぼろしのグッバイボーイ、復活

ペルー・アグアスカリエンテス 温泉物語 -まぼろしのグッバイボーイ、復活

061226_1.jpg10月下旬、ペルーへ行ってきた。遺跡や地上絵のすばらしさは他のスタッフも書いているので、私はマチュピチュ村、アグアスカリエンテスのことについて書こうと思う。マチュピチュ遺跡にいくためにはクスコからアグエスカリエンテスまで約3時間列車に乗り、そこからさらにバスに20分ほどジグザグ山道を登らなければいけない。せっかくペルーまで来たのにマチュピチュへ日帰りではもったいない、ということでアグアスカリエンテスに1泊して、クスコから到着して日と翌日も観光する方がほとんどだ。


061226_2.jpgというわけでアグアスカリエンテスはマチュピチュに行く人なら誰もが少なくとも通る街であるが、スペイン語で「温かい水」という意味でその名のとおり、温泉が沸いているのだ。街の中心部は日本の温泉街と雰囲気がそっくり、お土産屋さんとレストランが道沿いに何軒もあり、のんびりとした雰囲気だ。しかし、日本と違う点がいくつかある。一つ目は、日本であればこういったところはたくさんの温泉宿が競うように軒を連ねてるものだが、アグアスカリエンテスはたった一軒なのだ。こんなにたくさん観光客が来る町でせっかく温泉も沸くのだからおっしゃれーなスパのある温泉ホテルとか作ったら絶対はやるのに・・・と私などであれば思ってしまう。061226_3.jpg2点目はアグアスカリエンテスの温泉は温泉というよりプールの感覚で入る。露天で混浴、水着着用はもちろん、浴槽、というかプールの中に座って楽しむのではなく、立ってつかる。プールの底にはなぜか砂利が敷き詰められている。お湯は温水プールのようにぬるい。そのため、夜につかりに来る人には、湯冷めして風邪をひいてしまう人もいるらしい。その温泉は町の少し歩いていける距離にあるが、自然いっぱいの中にあり気持ちもいい。地元の人もたくさん来ていて、子供がはしゃいでたり、お年寄りがのんびりしてたりするのを観察するのも楽しい。水着を忘れてしまった!という人もご安心を、温泉の入り口にあるお店で水着、タオルを借りれるので、異国の地での温泉を、話のねたにもなるので是非楽しんでみてください。
061226_4.jpg とここで、グッバイボーイと呼ばれる少年たちのことをご存知だろうか。マチュピチュからアグアスカリエンテスへ下る山道にはジグザグが13回あるのだが、帰り道、バスに乗っていると、そのカーブごとに「グッバーイ」とバスに向かって叫ぶ、同一の少年がいるのだ。つまり、バスが車道を通りカーブを曲がる前に、少年は山道をショートカットで駆け下りているのだ。このマチュピチュの名物、グッバイボーイだが、チップ稼ぎのために少年達が学校に行かなくなってしまったため、2003年より政府より禁止令が出てしばらく見かけることがなかったそうだが、私は運がよかったのか、グッバイボーイに遭遇できたのだ!グッバーイ、と手を振る少年の顔は必死だったのが印象的だった。どこでチップを受け取るのだろう、と疑問に思っていたのだが、バスが最後のジグザグを通った後、突然止まって扉が開き、グッバイボーイがバスに乗り込んできたのだ!そうするやいなや、「グッバーイ、アディオース、××××・・・!」大きな声を張りあげながら、社内の通路をゆっくりと通り、チップを集めたのであった。消え去ったはずのグッバイボーイになぜ遭遇できたのかは謎だが、かの有名な少年の一人に会えて本当に驚いた。興奮のあまり、少し多めにチップをあげてしまったのだった。
ペルーは遺跡、地上絵のみどころも多いが、それ以外にも見るべき名物、豊かな自然が溢れていて本当に魅力的な国だ。
(2006年10月                         辻理恵子)

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