ネパールに‘ちょっと’ハイキングへ

061219_1.jpg自分の足で山に登ったのなんて小学校の校外学習の時以来、自転車にはのるけれど、日ごろから乗り物に頼りきりで歩くことをほとんどしない、そんな私が突然ネパールの山なんて登れるのか??渡された日程表にはハイキングとあるけれど、ネパールはハイキングをするところではないはず。体力的不安に襲われながらネパールへ。


061219_2.jpg天気がよければポカラ(チャンドラコットをはじめ、ヒマラヤの山々へのゲートとなるネパール第二の都市。カトマンズから飛行機で30分)の街からでも8000メートル級の山々が見える。だけどポカラより少し高いところに登るだけで「ネパール人の誇り」が見えるとガイドさんは言っていた。ネパールの人の誇りをそんな簡単なハイキングでみられるはずはないよね・・・期待と不安な気持ちでいよいよトレッキングの朝、4時半に起床。5時に出発。日中は半そででもいいくらいの陽気だが、その日の朝は10度を下回っていた。
今回はチャンドラコットという山から日の出をみる。ネパールには~コットという地名が多い。ヒンドゥー教で神にささげる動物をいけにえする(した)場所という意味があるそうだ。
061219_3.jpgポカラから車で40分かけ、チャンドラコットへの入り口ルムレまで。車を降りて、頂上まで続く石段を登っていく。ただそんなに段差が高いわけでもないのでけっこう楽々登れる。山の斜面には村落があって、まだ真っ暗だが住民がシャワーをしていたり、頭にバケツをのせ水を運んだりしている。とっても人なつっこい子供は私たちについてきて、どこから来たの?と聞いてくる。ガイドさんはネパールのことをいろいろ教えてくれるし、素朴な村の人たちの暮らしを眺めて、あっという間にチャンドラコットの上に到着した。ほんとうに45分もかかったとは思えないくらいあっという間だった。
頂上で私の味わった感動は実際に見た人にしか伝わらないかもしれない。(できるだけ伝わるようにがんばります。伝わらなければ横の写真をみるか、次の旅行先をネパールにしてください。)手に届きそうなくらい近くにアンナプルナとフィッシュテイル(山の形が魚の尾みたい)が見える。さえぎられるものがないので本当によく見える。それに日の出までの数分間、山の色は一時も同じではなかった。何色ともいえない色のグラデーションがほんとうにきれいだった。ポカラからでもネパールらしい山は見える。でもほんの少し朝早起きをして山に入れば、もっと近くにすばらしい景色がみえるのだ。これを見ずにネパールを去るのは惜しい!
061219_4.jpgトレッキングのスタートは朝早いので普通、朝食はポカラに戻ってから食べる。ネパールの食事はダルバートかカレーとナン(インドのナンともすこし違い、ぱりぱりしている)で質素だ。トレッキングのあとの質素で素朴な食事も、山に行った人にしか味わえないような特別な味がするように思う。
いつもこんなにすばらしい山に囲まれて暮らすネパール人がうらやましく思えた。山がちな土地で苦労も多いはずだけど、それに適応して暮らすネパールの人にも頭が下がった。チャンドラコットは都会生活どっぷりの人でも登れる山。ネパールに行くときにはぜひ臆することなく、カトマンズから先のチャンドラコットやダンプスを目指してください!山の美しさ、ネパールの人の優しさ、暮らし、本当にいろいろなものが見えてくるはず。
061219_5.jpg最後に、ガイドさんが頂上で言っていた言葉が今でも気になる。「最近は空気が汚くなって山がはっきり見えない日があるし、山の途中までもごみがあって汚い」と。確かにカトマンズではすごい排気ガス、ポカラやトレッキング中はごみが気になった。今度はチャンドラコットの山から見えた山に登ってみたい。そのときにきれいな山が見たい、私はもう少しだけ暮らし方を改善しないといけない・・・
吉木真耶

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