イタリアのスローライフを楽しもう!!シチリア&マルタの旅

イタリアのスローライフを楽しもう!!シチリア&マルタの旅

今回の旅の目的はシチリアでホームステイをしたい!!マンマの料理が食べたい!!のんびりしたい!!という思いで久しぶりにヨーロッパに訪れる事にした。会社に入ってからはどうしてもディープなアジアや中近東に目が行ってしまいキレイな(個人的な主観ですが)ヨーロッパにはなかなか足を運べていなかったので急に行きたくなったのもあって妹も便乗しての2人での旅行となった。出発まで2週間と迫った時残念なしらせがシチリアから届いた。ホームステイ宅の事情の為急にホームステイが出来なくなってしまったのです。がーーーん今回の旅の目的がぁ~嘆いてばかりはいられないので再度探してみたところイタリア人のおばあちゃんが経営しているB&B(ベットアンドブレックファースト)を紹介してもらい今回はそこに宿泊する事に・・事前情報も少ないままに成田を出発した。


シチリア島はイタリアの南、地図で言うと長靴の先の島になる。子供のときは(いや高校生ぐらいまで)マフィアの島で結構危ない場所だと本気で思っていた。ヨーロッパの人がバカンスを楽しみに来る場所だとわかっていてもちょっと事前情報が少ない。10月はシーズンの終わりなのでビーチで泳げるのかしら?と旅行会社に勤めていながら現地の平均気温すら調べずに出発し、医者の不養生??かもしれないななんて考えつつ。なにはともあれイタリアの航空会社アリタリア航空を利用してローマ経由でカターニャの空港に到着。到着時間も夜だったので送迎を付けていたのですがいきなりのベンツの出迎えにびっくりさすがヨーロッパ。優雅な気分でマンマの待つ今日の宿ビルビューディロサへと向かった。
カターニャの空港からタオルミーナの町中まではだいたい1時間程度、到着後しょっぱなから入る入り口を間違えて違うB&Bに入っていって違う違うとイタリア人の姉さんに言われ、2階のビルビューディロサをなんとか発見!出迎えてくれたのは見るからにイタリアのマンマといった感じのたっぷりした体のおばあちゃん。
B&Bのオーナーのおばあちゃんと一緒に
にこにこしながら部屋に案内して下さった。なんか困った事があったらなんでも言ってねといろいろと面倒をみてくれる。ホテルには無い心温まるサービスだ。翌朝目がさめるとまぶしい日差しが部屋に入ってきて自然と朝早くに目が覚めた、各部屋にはベランダが付いていて共有の屋上に上がる事もできる。ベランダからの眺めは本当に最高だった。★でいえば2つ星のこのB&Bお値段も手頃で他にはない贅沢が楽しめる。
ホテルから見るイオニア海  (ホテルベロドーロ)
特にいいのは眺めのいいベランダで食べる朝食はなによりだ。イタリア産の緑色のレモンを入れたレモンティーを飲みつつ眼下に広がるタオルミナの街並みと奥に広がる海(イオニア海)・・ああ最高。まだ観光もしていないのに感動し妹と大騒ぎしながら朝食を終えマンマに『行ってきま~す』と挨拶をしていざタオルミーナの町へ出発した。天気は快晴、半袖1枚でOKの真夏の気候。よかった、よかった。町の中心までは約歩いて15分 世界中の人達の憧れるリゾート地と言われるだけあって町の入り口であるメッシーナ門を抜けるとおしゃれな街並みが広がる。メインストリートが真っ直ぐに一本通っているので迷う事もない。
タオルミーナのおしゃれなカフェ
とてもわかりやすい作りだ。 町の雰囲気は一言で言えば東京ディズニーシーそのものだった。(もちろんディズニーシーはイタリアをイメージして作られた物ですが。)遠くに見えるエトナ山、真っ青な空、美しい海、カラフルな色のオープンカフェ、おとぎの国のような街並み、広場では絵描きさんが街並みを描いていて、その横で楽しい音楽を弾く演奏家の方、その音楽にあわせて踊りだす人々 どこを写真で撮影しても絵葉書みたいにきれいな写真が撮れて、もうここはどこ天国?みたいな所でした(伝わるかしら?)そう広くはない場所なので観光ポイントとしては個人でまわることができる。紀元前3世紀に建てられたギリシャ劇場は今もなお現役で利用されている円形劇場で、劇場の背景には大きなエトナ山と海が広がっている。町中には教会もいくつかあり一般に公開されている。それから面白いのが有名なホテルでホテル・サン・ドメニコ・パレスという昔修道院だった場所を改装して作られた超豪華ホテルここはグランランブルーの映画でもつかわれた有名なホテルで、ここに泊まるためにタオルミーナに来る人がいるそんなホテル。1度ホテルの中に足を踏み入れると出かけたくなくなるぐらい雰囲気がある他にないホテルだと思う。今度来るならば絶対ここに泊まりたいなと思いつつガラスの回廊、眼下に海が広がるプール、よく手入れされたお庭、修道院だったためかとても幅の広い廊下(通常ホテルの廊下の、4倍ぐらいの広さになっている)くまなくチェックしてしまった。ため息がでるようなつくりに感動。ゴージャスな気分に浸ることができる。もちろんホテルスタッフの対応も◎仕事柄ホテルスタッフの対応1つをとってみてもいいホテル悪いホテルは一目瞭然だ、生意気な言い方かもしれないが、高級ホテルでもスタッフがばたばたしていると落ち着きがなく感じられてゲストがゆっくりすごす事ができない。ホテル内をみせていただくの際のきちんとした対応、清潔感のある制服(黒のスーツ・白いシャツ)、ネームバッジ1つを取ってみても金のプレートでできていて高級感が溢れていてぬかりがない。古い建物であるからこそきちんと手入れをしていないと老朽化がすぐみえてきてしまうものだが、そこを見せずに古さをのこしたまま新しいホテルにはない良さを最大限引き出しているというのがこのホテルの見せ所だ。ゆったりとした時間が流れるホテルのパティオで日光浴をしたり、読書をしたりとゲストは思い思いのリゾートライフを満喫できる。タオルミーナは町がとても小さいのでホテルを移動してもあまり苦にならないので、是非1泊だけでもこのホテルに泊まられることをお勧めしたい。2泊B&Bに泊まって家庭的な雰囲気を楽しんで、最終日は贅沢に5つ星ホテルですごす。そんなホテルの楽しみ方もあると思う。
それから、タオルミーナから列車でちょっと郊外に1時間ほど足を伸ばせばシチリアの玄関口であるメッシーナ(主な観光名所はドゥオーモ・巨大な鐘楼・オリオンの噴水)という町を訪れることも出来る。車窓からは透けるように美しい海を眺めながら列車に揺られていると旅に出たという満足感で溢れてくる、隣町のジャルディーニナクソスの海水浴場にはお洒落なパラソルが広がりヨーロッパのバカンスはこれだぁ~という気がした。
タオルミーナのイソラベッラ
タオルミーナの町から出ているロープーウエイに乗って海岸の方まで降りると、海に突き出た島イソラベッラの方に降りて行くことができるこの島は海が満潮になると渡らなくなり引き潮になると道が繋がって歩いて島に渡ることができる。この海の透明度といったらもうなんともいえない。海の底が砂地ではなく小石なのでさらに透けてみえる海の眺めは南の島に来たような雰囲気であまりに綺麗なので思わず長居してマルタ行きの飛行機に乗り遅れそうになるほどだった。このイソラベッラのある場所にもビーチがあってパラソルを借りてのんびりリゾートを楽しむ事ができる。レストランも併設しているのでお食事も安心だ。時間が無くてこの場所では泳げなかったが、タオルミーナに夏~秋に行かれた際は是非水着を持って訪れていただきたい。
タオルミーナ レストラン
もうひとつ、なんといっても忘れられないのはイタリア料理の味。観光客相手だからどうかな?と侮るなかれ日本語メニューも置いてあるタオルミーナというレストランで食べたトマトとモッツァレラチーズのピザただトマトだけのピザなのになんで?どうして?こんなにもおいしくなるの?なんでぇ~と思わず叫びたくなるほど美味しい。シンプルなものほど美味しくつくるのは難しい、新鮮な魚介類や、具材を沢山使えばいくらだって味をごまかせるがトマトソースのみで勝負できるそんな料理が町のどこでも食べられる。けっして値段的にも高くないし、正直思いっきり食べても1人3000~4000円ぐらいで贅沢可能である。ちなみに名物料理はウニのスパゲッティ・メカジキ料理・ライスコロッケのアランチーニ・いわしのパン粉焼き等があるが、それ以外のイタリア料理もいろいろあってさまざまなパスタ・リゾット・ジャガイモのニョッキ・魚介のマリネ食べたい物はなんでも食べてみたがどれもはずれがなくお世辞抜きで美味しかった。見て楽しんで、食して楽しむ幸せになれる料理がここにはあった。忘れてはならないのはデザート 定番のティラミスももちろん外せないが シチリア発祥と言えばジェラード。かなり昔にイタ飯が日本でブームになった時に日本でもブームになったがあのイタリアンジェラード。ここシチリアではパン(ブリオッシュ)にはさんで食べるのが主流だそうだ。町中には沢山のジェラードの店があるが、1番美味しいのはメッシーナ門の近くにある店で他店より数倍美味しいお近くに寄られた際は是非試していただきたい。
タオルミーナは本当にお勧めがありすぎて、特にハネムーンの方や女同士、熟年旅行にもいい場所。最高のリフレッシュをしに是非出かけていただきたいお勧めな街がそこに待っている。
青の洞窟
次に私達は中世都市マルタ共和国を訪れた。マルタってどこ?という質問をよく受けるのだが場所的にはイタリアの長靴形の下あたりになる。カターニャからは約 30~40分のフライト時間で到着するのでとても近い。地中海の真ん中に位置するのでここもヨーロッパの高級避暑地として名高い。到着したときは夜だったのもあって待ちの様子はあー町中にヨットハーバーがあるなあとしか見えなかったが、起きてみてビックリ!泊まっているホテルの目の前に沢山のクルーズ船が停泊いてまるで船のモーターショーみたいになっていた。私達が泊まったホテルはスレイマという地区にあって買い物にも、リゾート気分を楽しむにも1番便利な地区。さっそく観光という事で、島の南部にある青の洞窟に足を運んだ。有名なイタリアにあるカプリ島の青の洞窟に勝るとも劣らないその絶景ぶりは言葉を青の洞窟(本当に青い!!)
失う。楽しみ方としては、まずは上から洞窟を眺めてその後は小船を使って実際に洞窟内に入る事ができる。船を待っている時日本人はなに食べるとそんなに痩せてるんだ?とマルタのおばちゃんが私達に聞いてきた。(別に私は痩せてるわけではないがマルタのおばちゃんはかなりふくよかな方多いので日本人はみんな痩せて見えるらしい。)『野菜とか魚とかを多く食べてるからかも』と答えると、マルタの人も沢山魚を食べているよと嘆いていた。たしかに魚介類が豊富なのになぜ?調理法だろうか?アジアの女性はどの国も比較的痩せている人が多いのに欧米の方は年齢を重ねると特にぽっちゃりされている方が多い、やはりごはんが太らない原因かもしれない。旅行に出るとやはり白いごはんが恋しくなる。それはさておき、小船に乗り込むとなぜだか小船は関西人のおっちゃんグループと一緒の船になりどうして女2人できたの?めずらしいね~一緒に写真取る?などトークをしつつお待ち兼ねの青の洞窟に入っていった。太陽の光の差込具合で青の色がさらに鮮やかに見えるので、この日の天気はその意味ではばっちり。写真ではうまく写せないので残念だが、船の下を除くと透けるように底が見えて色は青い青い色をしていた。本当にすごく綺麗。しばし時間を忘れて海の世界に浸った・・・。洞窟の周りにはダイビングをしている人もいてとてもうらやましかった時間があれば青の洞窟でダイビングというのもおしゃれだと思う。
ハーバークルーズ(船の上で記念撮影)
その後、市内に戻りマルタエクスペリエンスショーを観て(マルタの歴史をわかりやすく映像と物語で案内してくれる。マルタの歴史背景をまったく分かっていない人でも1時間の案内で数々の歴史が刻まれたマルタの時代を知る事ができる。初めてマルタを訪れる人は騙されたと思って行ってみてほしい。その国の歴史を知らずしてその国を訪れたとはいえない。なんて偉そうな事私も言える立場にはないのだが、日本語での音声案内もあるので解りやすいし、訪れるべきだと個人的には思う。
ハーバークルーズから見た景色
午後はホテルの近くから出発するハーバークルーズに乗船、ゆっくり1時間半ほどかけて湾の中を周遊する。マルタは中世の要塞がそのまま残っているのでまるでその時代にタイムスリップしたような気分に浸ることができる。最近でもハリウッド映画のグラデュエイターやまだ公開されてはいないがこれから公開されるブラッドピッドの出演作も最近撮影があったらしい。下手にセットでというよりもやはり中世そのものを残しているマルタのようなところを撮影に使っているからリアリティがあるのだなといろんな事を考えた。映画の舞台にもなるなんでああなんて素敵。
どんな都市を訪れてもそうだが旅先で乗り物に乗るのはとても楽しい。
マルタバス
船もさることながら、マルタの街で印象的な乗り物といえばマルタバスだろう。あの有名な映画 「となりのトトロ」のに出てくる猫バスのモデルになったといわれているのがこのマルタバス。ボンネット型で形は丸みをおびていて黄色いバスが町中をいっぱい走っている。
停留所もいたるところにあり、観光客にも乗りやすいバスなので(路線が細かくないので)マルタを訪れた人なら1度は乗る事だろう。同じマルタバスでも微妙に形が違うバスが走っていてなかでもお気に入りは1番古そうなタイプのバス。自分が乗車するバスがお気に入りのタイプだとなんかうれしい気分になる。歩きながら目に入ってくる風景とバスに乗りながら目に入ってくる風景はちょっと違う、バス自体のスピードはあるのになぜか印象的に目に焼き付いているのはバスからみた景色かもしれない。バスに乗って訪れた場所でとても気に入ったのがサンジュリアンという場所。滞在中2回訪れたが、ここは高級リゾート地が建ち並ぶ地域なのだがバスの停留所の近くには夜になるとライトアップされてとても美しい景色が広がる。夕暮れ時にベンチに座って海をオレンジやピンク色に染めながら沈んでいく夕日をながめつつ次第にライトアップをはじめるオープンテラスのレストランを眺めれば心の中まで明かりが灯る。もちろん美しい景色のあとは美味しい料理に舌鼓。マルタ料理はイタリア料理に似ていて新鮮な魚介類をふんだんに使ったものが特に美味しい。この旅行で何キロ太ることやら、こんなに食べ物に恵まれた旅はいままでに無いかもしれない。それぐらい食事も美味しかった。
ショーウィンドウ(バレッタ市内)
マルタ観光最終日はバレッタ市内観光、町中には市が出ていてノミの市のようだ。おもちゃ箱をひっくりかえしたような町の中で私は歴史的な建物の中にあるマルタレースで作られたウエディングドレスのショーウィンドウに目は釘付けになった。生成りのレースの色はとても温かい色で、細かい刺繍が施されていた。ついついカメラのシャッターを沢山切ってしまい、またもや私は空想の世界へ・・いつかはこんなドレスを着てみたいなぁ~なんて考えていたら不意に歩いていたマルタのおじさんに予定はあるのか?と突っ込まれた。いや~予定はつくりたいところ(笑)現実に戻されたところでその場を離れた。マルタレース。いいなぁ・・午後は町を離れて古都メディナ古都メディナへそこはかつて王宮があった場所であるが、今は静寂の町。にぎやかなバレッタの町とは対照的にそこはまるで昔のまま時間が止まっているかのようで、観光客が訪れていてもなぜかざわついた雰囲気がなく静か~に時が流れている。そこにただよう不思議な空気が、寂しさを思わせつつも歴史を感じさせたたぶんあと100年後も、200年後もどんな地球になろうとも変らず、そのままの時間がながれる町そんな気がしてならない。
マルタは本当に小さな国だけれどもその歴史の流れの中では地中海の中心に位置するが故に、さまざまな争いの流れに巻き込まれた時代もあった。今だからこそ安心して訪れる事ができるリゾート地として名高いがそこにたどり着くまでにどんな道を歩んできたかも。
今回旅をしてみて初めてよくわかった。改めて平和であることがどんだけ素晴らしいか感じる事ができ、とてもよかったと思う。この1年本当にいろんな事件が世界中であって海外旅行をするということに恐怖を感じざるを得ない事も正直私でもあった。戦争もあった。テロもあった。でもこれからも私はいろんな国を見ていきたい。今は訪れる事が困難な国でもいつの日か平和が訪れて世界中の誰もが安心して訪れる事ができるようになればいいと思う。その歴史的事件を、出来事を忘れずに周りの人に伝えて行きたい。
今回の旅はスローライフといいつつ、ちゃっかり観光もしてしまったが、全体的にのんびりとすごせたのはイタリアとマルタの人々の温かさで、心が和んでいたからかもしれない。青い空に海、白い雲、美味しいご飯に美しい景色。お世辞じゃなくホントのんびりできた。疲れた体を癒すにはもってこい!是非機会があればの~んびりライフを試してみて下さい。ヨーロッパはブランド物を買いに行くだけではもったいない。(けっしてそれが悪いわけではないと思いますが今は日本でも買える訳だし)いろんな楽しみ方がありますから是非いろんな自分なりのスローライフを見つけにシチリア島やマルタに足を運んでみて下さい。
岡野 由里
2003年10月

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