ポルトガル カステラ修行の旅に出る!

ポルトガル カステラ修行の旅に出る!


ポルトガルと聞くと思い浮かぶワードはなんだろうか? ユーラシア大陸最果ての地
「ロカ岬」・「サッカー」・「エッグタルト」・「リスボン」「ワイン」私が思い浮かぶのはお恥ずかしい限りで申し訳ないのですが、出発前まで、大きくはそんな漠然としたイメージでした。


学生時代スペイン旅行に行った際に隣の国なのだしちょっと行けないの?と思ったのですが、いやー交通の便の関係があるから、日帰りでちらっとスペインからはなかなか行けないよというのを思い出し、行くまではなんとなくユーラシア大陸最果てというくらいなのだから、遠いかなと思っていた部分も少なからずありました。でも今回 KLMを利用してオランダ乗継でリスボンへ入りましたがアムステルダム→リスボンのフライトは約3時間、ほんとあっという間で、スペインまで行くのとかわらない時間で乗り継ぎもスムーズであった。遠いといのはなんとくイメージなのかもしれせん。
今回の旅の一番の目的は、リスボンのカステラ店で1日弟子入りし、カステラ修行の旅に出るという事でした。※こちらのお店「カステラ・ド・パウロ」は現在閉店しております。(2016年12月現在)

それでは、ここで急にですが問題です。
?カステラは洋菓子でしょうか?和菓子でしょうか?
正解は、・・・・・・和菓子になります。
カステラというとまず思い出すのはまず長崎、そしてそれは南蛮 ポルトガルの方から 入ってきていたのでは?というイメージを、もたれる方も多いかもしれませんが、カステラの原型といわれるのは、ポルトガル菓子で《パオン・デ・ロー》と呼ばれるお菓子になりまして、基本的な材料は似ておりますが、食感も見た目も異なります。最近日本のデパートなどでも販売している中が半熟のとろとろカステラが パオン・デ・ロー・になります。今回お世話なった、リスボン市内にある、「カステラ・ド・パウロ」は、店主のパウロさんが日本の長崎で修行して長崎のカステラをポルトガルリスボンで里帰りという形で販売しております。奥様がポルトガル菓子研究家でいらっしゃるので、お店ではカステラだけではなく、ポルトガルの伝統菓子も沢山販売しております。今回はそのカステラ作りを目で見てそして体験してまいりました。


私は、お店に到着するまで実は、お料理教室体験ぐらいを考えていたのですが、考えていたよりも内容は濃くそしてハードなものになりました。そしてそれは、私のポルトガルでの一番の思い出になったのも事実です。 それでは、カステラ修行/ポルトガルでホームステイのスケジュールをご案内いたします。
1、お昼にリスボンのパウロさんのお店に向かう。「カステラ・ド・パウロ」。



2、まずは、パウロさんの奥様智子さんにご挨拶。「大変ですが頑張ってくださいね」と声をかけられる。
3、お店にてランチをいただく。(私は ポルトガル風オムレツ&緑茶(日本の冷たいお茶) をいただきました。

4、早速お店の制服に着替えて、日本語べらべら関西弁のパウロさんとカステラ号にて アンパンに利用する小豆の買出しへ。
5、河向こうのセイシャルへ移動しカステラ工房に到着。パウロさんのご自宅からは徒歩2分カステラ工房の横にはパウロさんオーナーのカフェも併設。カステラの焼き時間の間にも何度もカフェを飲みにお店のカフェへ1日14杯は最低でもコーヒーを飲むそう。


6、つくったお菓子は販売用だから十分気をつけてねと言われ緊張。1枚目はパウロさんがカステラをつくってくださいました。2枚目はご自身ではどうぞーと言われてもかなり難しく。どうみても熟練の技が必要でみたからつくれるものでは、ありませんでした。
でもそこはやさしいパウロさん丁寧に教えながら2枚目もなんとか完成。(ちょっと私が手伝った方は膨らみすぎたー)つくりながらも前の日のカステラのはじっこの試食ができるのがうれしいとろ。木枠の型に型紙をセットするところから始まり、6キロの卵を割って、お砂糖・お粉・蜂蜜・お水と何でも計量から焼き上げまでお手伝い。



7、カステラ作りの後は時間があったので、パウロさんがセイシャルの町をドライブしてくれました。

8、パウロさんのご自宅でホームステイさせていただくので、バスタブつきのお風呂でシャワーを浴びて、その後お店から帰宅した奥様と近所のスーパーへ歩いて買い物へ。


9、お店のランチの仕込みの買い物をお手伝い、現地のお勧め食材を聞いたり楽しいおしゃべりをしながら楽しい買い物。

10、智子さんと一緒にまたまた試食しながら、夕食作り、好みにあわせてメニューもきめられ、美味しいチーズとともに楽しい夕食会。






11、翌朝は早朝4時起床で仕事、早々に寝てぴったり4時にはカステラ工房へ
昨日つくって寝かしておいたカステラをカットして包装し箱に詰めます。早速はじっこを味見。



12、パンの仕込み、全部で何種類か数えられないくらい(少なくとも10種類以上)
あれよ、あれよという間に、数々のパンが完成。

13、カステラ号でお店に到着しお店の開店準備(オープンは07:00)オーブンを温め余熱でパンを醗酵させ次々にパンを焼いたり揚げたりしていきます。

14、お店の在庫状況をみながら、ポルトワイン味 マカロンを1個ぱくり。今日はマカロンをつくることになる。でもまずは、シュークリームを生地からつくりはじめる。シューの皮も焼きあがったらぱくり。焼きたてのシューはフレッシュバターを挟んで食べるのが一番美味しいんだよとパウロさん。シュークリームができあがったらあわせて焼きあがった商品のパンをどれでも食べていいよとの事。焼きたてのパンと、入れたてのコーヒー最高です。




15、続いてマカロン作成、フランボアーズ味・レモン味・抹茶味・チョコレート味・塩キャラメル味・次々に1種類ずつ丁寧につくります。焼き上がりのマカロンも半端の皮をクリームつけてぱくり。(少なくとも5枚はいただきました。)


16、カステラの切れ端をつかって、復活!イチジクとイチゴのケーキ/フランボワーズのババロアケーキ息つく暇なくどんどん、パウロさんはケーキをつくります。フランボアーズのババロアも私の口の中へぱくり。


17、智子さんが出勤しランチの下準備開始、私も不慣れながらも付け合わせのジャガイモを洗って、剥いて、カットして、並べて塩ってオーブンへ 昨日スーパーで買出しした鮭のムニエルに添える付け合せ完成。
チーズ好きを昨日伝えておいたら、常連のお客様からチーズの差し入れで早速味見。
18、私も、お土産に持ち帰る カステラの原型 パォン・デ・ローを つくる。 とにかく 手作業まぜる・まぜる・まぜる。ポルトガル式お菓子屋さんの伝統の箱も手作りで作り方を教えてもらい。かわいくパッケージしてお土産に。


19、今度は、ランチメニューその2の親子丼の葱をカット。玉ねぎではなくポロ葱をつかうところが、ポルトガルらしい。黙々と葱を切る私。 ランチメニューその3の なすとパスタのトマトクリームグラタンにチーズをたっぷりのせるのもお手伝い。

20、次に、パウロさんがつくっているポルトガルの伝統菓子でアーモンドをつかった、飴菓子の飴付けのお手伝い。

21、厨房に入りながらも、洗った食器を棚に戻したり、出来上がった商品をお店に持っていったり、仕入れたオレンジを冷蔵庫にしまったり、智子さんの飲むコーヒーの準備、お店にいらしたお客さまへコーヒーを運んだり。(緊張)

ブラジル人のスタッフと共に私もできることをお手伝い。気がついたら、お昼12時をまわっていて朝から8時間 朝ごはんとコーヒー以外休憩なし。 お料理教室と思って参加したらいけませんよ。これは 職業体験です。修行です。まさにうるるん。1泊2日のホームステイ体験はこれでおしまいでしたが、せっかくなので今度は作業着を脱いでお客様としてグラタンランチいただきましたー。読み返すと味見ばっかりしておりますが、きちんと働いてまいりましたー。アルバイトみたいな体験なんて本当に学生時代以来 終了後の体の疲労具合は正直若い時と比べて体力の低下は否めませんが、貴重な経験でした。なにより、楽しかったのはパウロさんと奥様の人柄の良さで パウロさんは日本語でおしゃべりの時は楽しいおしゃべり満載のおとぼけおじさんなのに、いざお菓子と対面している時の姿はとても凛々しくかっこよく、その手から作り出される数々のお菓子は魔法のようでした。お菓子職人で無口で職人でまったくしゃべらないというのではなく、きっと時間に追われるお仕事なのにもかかわらずたぶんかなりの足手まといであったであろう、いやあった。素人の私にも丁寧にわかりやすく、そしてユーモラスに教えてくれました。今ここでこうして文章を書いていても、その時間を思い出し 大切な時間がすごせたことに幸せに思います。奥様の智子さんは、パウロさんに輪をかけて働き者で、休憩されている姿をほとんどおみかけしませんでした。
リスボンに住む日本人という事で、観光客の方が現地でトラブルになった際に相談をもちかけられたり、日本料理のメニューを教えてほしいと依頼がきたり、本業とは関係ない部分でさまざまな方に頼りにされることが多く、大変なのよーとお話されていましたが、それをお断りするのではなく、自分たちのお菓子を誇り持ってそして そのお菓子達の為に誠意を持っていろんなことに取り組まれている姿がなんとも印象的でした。智子さんとのおしゃべりは、尽きず、夕食のお買い物に行くときも、夕食の支度の時も、そしてディナータイムも時間を忘れておしゃべりを楽しみました。(←2人であまりにしゃべりすぎてパウロさんあきれ気味)はい、女性のおしゃべりパワーは場所も年齢も関係ありませんから。
実は、私はかなりの人見知りなので どうもなじむのに時間がかかるタイプなのでホームステイ というスタイルにちょっと心配をしておりました、最初にお店についた時には緊張していてコチコチしておりましたが、お二人の温かいもてなしとお店にすぐに自分のペースで修行をさせていただくことができました。お二人に感謝させていただくと共にこれからのお店の繁栄を願いたいと思います。このカステラ修業体験は弊社で手配が可能です。是非、大人になった今だからこそ(あっもちろん学生さんも大歓迎ですが。)職業体験をして観光ではないポルトガルを経験してみていただければと思います。




今回のポルトガルへの旅はカステラ体験だけではなく、駆け足でポルトガル中をまわってまいりました。私の回った順番に各地のお勧めポイントを 紹介させていただきます。
●リスボン(ベレン地区)
リスボン中心地から列車で約10分、世界遺産にも登録されている。かつて新大陸に向けて船が出港した地区になる。 大航海時代と聞くとなんとなくとロマンあふれる響き。エンリケ航海王子とヴァスコ・ダ・ガマの偉業を称えて建設された立派なジェロニモス修道院や、ベレンの塔(要塞)、発券のモニュメントなど リスボンを訪れた連れた人なら必ず立ち寄る場所。見ごたえもあり、運のいいことに天気もすごくよくて、鮮やかな空の色と建造物がなんともいえず美しかった。エッグタルトの有名店も忘れずに立ち寄りたい。




●ポルト
ワインで有名なポルトガルの北の都市ポルト 街が、世界遺産に登録されており非常に美しい町。お勧めはワイナリー巡りと、ドウロ河での観光クルーズ。特にワイン好きの人にはワイナリーが市内のドウロ川沿いに並んでいるので、たまらないと思われる。お酒が飲めない私が行くなんてもったいなかったかも。




●ドウロ河ワイン生産地域(レグア・ピニャオン・ラメーゴ)
ポルトからの日帰り旅行。世界的に有名なポートワインのふるさと 伝統的なワインの製造方法は世界遺産にも登録されている。ドウロ河の流れを見ながら、列車の車窓観光も楽しい。小さな町は、ブドウ畑や、大きな橋、ポルトガルでもっとも美しい駅の1つといわれる、ピニャオン駅のアズレージョ(←ポルトガル独特の装飾タイル/青が美しい)街歩きでは楽しめないより深いポルトガルを知ることができる。




●コインブラ
有名なコインブラ大学がある町。伝統的なマント姿の学生さんは 魔法使いのようなスタイルで印象的。ポルトガル民俗歌謡ファドの男性ボーカルのお店もありここにしかないファドを楽しめる。



●エヴォラ
世界遺産の町 エヴォラ。ローマ時代の城壁に囲まれた町。町全体が博物館のようで、静けさの中に独特の雰囲気がある。ここでは、修道院を改築した人気の ポサーダ(ポルトガル国営の宿泊施設)で ホテルライフも楽しみたい。





●モンサラーシュ
ポルトガルの最も美しい村の1つといわれる、モンサラーシュ。エヴォラから約車で1時間半程度、交通の便は良くないが、今回のポルトガル町の中で一番のお勧め。その白い町静けさ、雰囲気。そこにしかない独特の時間の流れがなんともいえない。いつも旅をしていて思うが、アクセスが悪い場所にこそその先にすばらしい風景をみることができることがあるのではないだろうか。時間があれば是非足を運ばれることをお勧めしたい。




●シントラ観光/ロカ岬
世界遺産のシントラ、緑豊かな森に囲まれた美しい町 この世のエデンとも言われるシントラには王宮や貴族、お金持ちの別送も点在している。

ロカ岬はいわずと知れた、ユーラシア大陸の最果ての地。深夜特急を読んだことがある人なら一度は訪れたいと思ったことがあるのではないだろうか、なんか日本人ってはじっこ好きです。もちろん私も大好き。最西端証明書やはり買ってしまいました。(10ユーロ)


以上、移動手段は主に今回列車を利用いたしましたが、ポルトガルの国内列車の本数は正直多くないので1本乗り遅れるとかなり不便です。もし、列車に乗り遅れた際には国内交通はバスが非常に便利なので、バスターミナルへ行き思い切ってバス移動手段に変更するのもいいかもしれません、臨機応変な対応が必要です。列車の中でお勧めしたいのは、リスボン→ポルト間の長距離を走るAP(アルファ・ペンドゥーラル)という高速列車です。
1等車両では、お飲み物サービス(無料) 時間帯により食事サービス(有料)があり、
お食事を席までオーダーを取りにきてくださり、いくつかのメニューからチョイスが可能。
暖かい陶器のお皿できちんと調理された美味しいお料理を列車の中で食べれたのは、非常にうれしい限りでした。味抜群です。


列車内の食事の話をしたので追加で、ポルトガル料理のご紹介です。
ポルトガル料理は、なぜだか日本の味と似ている?(というかポルトガル料理が日本に入ってきたのだとおもいますが)シーフードは塩焼きで美味しいし、スープも抜群。お米料理もうまみ成分たっぷり。お肉は特に豚が美味しいです。はい。食べ過ぎましたー美味しいお食事の後は、コーヒー(ビッカ)と デザートで〆なければいけませんね。お食事に困ることは年齢を問わず無いと断言していいと思います。

以上の周遊でポルトガル9日間。1カ国をじっくりまわることのよさをつくづく感じました。9日間あれば、3カ国ぐらいよくばってしまうのですが、ここは交通事情も考えて、
1カ国ゆっくりまわることで、その国のよさを上からも下からもみることができました。
日本だって、北海道の魅力と、九州の魅力はまた違いますからねー。是非、リスボンだけではなくポルトガル周遊の旅。お勧めです。諸外国と違い押し売りも無し、物価も比較的安くお食事も美味しい。きっと今回訪れられなかった 他の街も素敵な場所がある予感がいたします。リスボンから日帰りで行ける小さな町も沢山あるので、好みにあわせていろんな場所に行ける国ポルトガルみなさまも是非ご旅行の訪問地としてチョイスしてみてはいかがでしょうか。
2010年11月  岡野

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