私見ハノイ・ホーチミンホテル事情

私見ハノイ・ホーチミンホテル事情

ベトナム航空の研修旅行でハノイとホーチミンに行って来た。今回はいつものような一人旅ではなく、ベトナム航空とお付き合いがある同業他社の方々と一緒の団体旅行である。
ベトナム航空の営業の方が添乗員となり、SARSの影響で、観光客の姿が殆どいない飛行機に乗って出発した。今回のツアーではベトナム航空の主催ではあるが、各旅行会社も現地の取引先と打ち合わせなどのための時間が必要でしょうと、ハノイで半日、ホーチミンで一日のフリータイムがある。その時間を利用して、ハノイとホーチミンのホテルを出来る限り見ることにした。


まずはハノイへ。ハノイ空港は近年改築され、大変きれいになっている。空港から市内までは高速道路を通って約一時間。ホン河にかかる大きな橋を渡るとハノイ市内だ。
今日宿泊するホテルはメリアハノイ。このホテルは町の中心よりやや南に位置するデラックスホテル。部屋数は全306室。ハノイ駅から伸びる道を東に1.5kmほど行ったところに位置する。西隣は活気のある市場で、聞くところによるとハノイ駐在の日本人も生鮮食料品をよく買いに来るそうだ。
ホアビン(外観) ホテルに入った印象はロビーが広くとても明るい。日本人のスタッフがいるので困ったことがあっても安心だ。部屋は広め、浴室は5ツ星ホテルだけあって広さも十分、アメニティも充実している。朝食はビュッフェタイプで、普通のアメリカンタイプのものからベトナムらしくフォーやお粥があったりもする。
2日目の午前のスケジュールを終わらせ、フリータイムの午後、現地レーフォンツーリズムハノイ事務所のスタッフと一緒にハノイのホテルを回り始める。
まず、弊社ツアーでよく利用するホアビンホテルへ。漢字で書くと“和平ホテル”、中国語の和平と同じく平和(peace)という意味だ。場所はメリアハノイからチャンフンダオ通りをさらにホン川に向かい約600m、ホアンキエム湖のやや南側に位置する。部屋数は全90室。1926年、ベトナムがフランスの植民地時代に建てられたホテルなので、ロビー周りは少し暗いイメージだが、部屋は広い。バスルームは部屋によってさまざまだが比較的広めだ。部屋によっては窓が小さく、暗い雰囲気のお部屋のものもある。
ダンチュー(上:外観、下:室内)次はダンチュー、こちらも弊社のツアーではよく使っているスタンダードクラスのホテル。ホアビンホテルと同じように植民地時代に建てられたコロニアル風のホテルだ。場所はホアビンから北に約200m、ホアンキエム湖のすぐ南側を通るチャイティエン通りにある。全54室。部屋はホアビンホテルと同じように比較的広い。ただ建物自体の老朽化が少し目立つような気がした。
さらに日航ハノイを訪問する。場所は市のやや南、ハノイ駅のそばのティアンクアン湖のそばに位置する。こちらはハノイでは唯一の日系ホテル。フロントに日本人スタッフを配置させ、朝食にも日本食を用意するなど日本人向けのサービスを充実させているホテルだ。当然フィットネスジム、プール、ビジネスセンターも備えている。部屋数は全255室。部屋は日航ハノイ(室内)ベットルームよりもバスルームの広さを重視しており、旅のつかれをゆっくり癒せる。私個人の主観だが、日航ハノイもよいホテルではあるのだが、正直言うと宿泊したメリアの方が良い印象を持っている。

さて、さらにハノイのホテルめぐりは続く。次にハノイでも一流の中の一流というか、由緒正しいホテルの筆頭にあげられるソフィテルメトロポールへ。フラ ンス資本のソフィテルグループが経営する伝統と格式を誇るホテルである。場所はダンチューからさらに北に100m、チャンティエン通り、ゴークィン通り、リータイトー通りに囲まれた場所にソフィテルメトロポール(上:外観、下:室内)位置する。部屋数は全244室。旧館の高い天井、コロニアル風の内装や調度品は歴史と上品さを感じさせる。ただ、同じ敷地に新館というかビルディングタイプのお部屋もあり、こちらはメリアや日航ハノイと同じような現代的なスタイルの部屋なので、もしもコロニアル風のお部屋を指定するのならば旧館と指定していただく必要がある(料金はお問い合わせ下さい)。
さて、ハノイのホテル見学の後、一晩おいてホーチミンへ向かう。ホーチミン到着の翌日、一日びっしりとホテルの視察が待っているとの事なので、とりあえずぐっすり眠ろうと思ったのだが、結局レーフォンツーリズムホーチミン事務所の人と飲みに行ってしまい、ホテルにもどったのは未明。
サイゴンプリンス(室内)宿酔い気味ではあるがホテル視察は待ってくれない。まず宿泊しているホーチミンのサイゴンプリンスホテルから。サイゴンプリンスは町の中心を通るグエンフエ通りに面し、ドンコイ通りまでも歩いて数分の距離にある。部屋数は全203室。部屋は広め、バスルームも広めでアメニティも十分そろっている。レストランが二つ、一階にティールームがあり、二階にある日本料理レストラン「膳所一夕」にはいいちこのボトルがずらりと並び、日本の居酒屋のような雰囲気だ。スパも充実しており、マッサージの方法も香港式などいくつかのものがあった。また小さいながらもフィットネスジムがある。(お酒を抜くためにランニングマシーンのお世話にもなりました。)唯一の欠点はプールが無いこと。私の主観ではそれ以外は十分満足できるホテルだった。
次にホテルを出てコンチネンタルホテルへ向かう。コンチネンタルホテルは1880年に創建されたホテルで、市民劇場の横という好ロケーションに位置し、著名人が宿泊したことでも有名な、知名度はホーチミン一ではないかと思われる。私自身、将来ベトナムの旅行を扱う事を全く考えていなかった高校時代から、ベトナム戦争関係の書物を通じて名前だけは知っていたという思い入れのあるホテルだ。どんなホテルなのだろうとかなり大きな期待を持って訪問した。まずロビーに入ると天井が高く、明るい床の色と併せて大変良い印象をもった。エレベーターで上の階にあがり部屋を見せてもらう。部屋数は全83室。建物が古く、電灯が少ないせいか廊下が少し暗い。部屋に入ると天井の高いこと。部屋も広い。ただ古い建物のため随所に歴史を感じさせる、といえば聞こえがよいがちょっとボロっちくなっちゃったなという印象を受けたコンチネンタル(上:外観、中:ロビー、下:室内)。バルコニーに出てみると写真でも有名なCONTINENTALの赤いネオンサインがちょっと古くなって汚くなっているのが見えてしまったりしてちょっと期待はずれ。ただ熱帯の午前中のぎらぎらする太陽の元で見たものなので夕刻もしくは夜に見たのならば全然印象は変わってしまったのかもしれないが。
コンチネンタルの次は北に約100mのアセアンホテルに向かう。部屋数50室。町の中心だからロケーションは抜群、ただ部屋はスタンダードクラスなのでコンチネンタルのお部屋のようには広くない。可もなく不可もない標準的なスタンダードクラスのホテルだった。
次に弊社のツアーではかなりよく利用しているフォンセンホテルへ。場所はアセアンホテルとは反対に位置し、コンチネンタルホテルからサイゴン川側に約200mいった交差点に面した便利なロケーションに位置するスタンダードホテルである。全70室。6階建てで通りに面している部屋には小さながらバルコニーもついている。屋上にテラスバーもある。お部屋の印象はフォンセン(上:外観、下:室内)アセアンホテルと同じような感じで、全く標準的なスタンダードクラスのホテルだ。
さらにホテル巡りは続く。フォンセンからドンコイ通りをさらに200mサイゴン川に向かって歩くと左の角にグランドがある。1930年代に建てられたコロニアル風の建物を改装したもので、白い外観がとても印象的だ。部屋数は全120室。部屋はコンチネンタルのように広くは無いが、調度品はクラシックな雰囲気で、私個人の主観だが、コンチネンタルよりも良グランド(室内)いような気がした。(これは私一人の感覚ではなく、グランドの経営者自身も考えていたようで、2004年から料金が一つ上のクラスと同じくらいになるそうである。)パティオには小さなプールもある。年内までならばコンチネンタルよりもグランドの方がお勧めだ。

コンチネンタルをでて次はサイゴン川のほとりに建つルネッサンスリバーサイドへ。こちらはデラックスタイプのホテル。ロビーは広く大変明るい印象である。全366室。部屋は広々としており、大変明るい感じがした。バスルームのアメニティも充実しており、快適なホテルライフを楽しめそうだ。部屋はサイゴン川に面しているリバービュールームと面していないシティビュールームとに分かれている。そこから見える景色の差は歴然としており、リバービュールームは眼下に流れるように走るバイクやサイゴン川を行きかう船などをながめることができるのだが、シティビュールームになってしまうと前にビジネス用のビルが立ちはだかっており、シティビュルネッサンスリバーサイド(上:外観、下:室内)ーというよりはビルビューという感じで、視界はあまり良くない。宿泊するなら料金は若干高くなるがリバービュールームがお勧めである。
ルネッサンスリバーサイドそばのレストランで昼食を取り、午後もさらにホーチミン市内のホテルを回る。

次はマジェスティックホテルへ向かう。ここはいくつかあるコロニアル風のホテルの中でもデラックスなカテゴリーに入るホテルである。部屋数は全122室。部屋はクラシカルな雰囲気の中にゴージャスさを感じさせる。リバービューの部屋は建物があまり高くないせいか、ホテルの前、ドンドクタン通りを行きかうトラック警笛やバイクの音などちょっとうるさいような感じがした。ただマジェスティック(上:外観、下:室内)それを差し引いても1925年からの歴史を感じさせるデラックスなホテルで、客室棟の谷間には小さなプールもある。私個人の意見だが、コロニアル風のホテルの中で一番はどこかと聞かれたら、即座にマジェスティックと答えられる位良い印象を持ったホテルである。

マジェスティックを出るとスコールがやってきた。すごい土砂降りですぐそばのリバーサイドまでも行くことが出来ない。小止みになったすきをぬって走ってリバーサイドのロビーに飛びこむ。弊社のツアーでもよく使うスタンダードクラスのホテルだ。スコールが来たので表が暗くなってしまった影響もあるのだが、ロビーが少し暗い感じで、ちょっと前に見たマジェスティックと比較してしまうとちょっと見劣りしてしまうが、部屋自体はリバーサイド(上:フロント、下:室内)午前中に見たアセアン、フォンセンなどのスタンダードクラスのホテルとほぼ同じような印象で、通常のスタンダードクラスのホテルの設備は備えている。部屋数は全75室。天気の具合で暗く見えたり明るく見えたりホテルのイメージというのは一回見ただけで判断するのは難しいと思った。

レジェンド(室内)次にサイゴン川沿いのドンドクタン通りをさらに400mほど北に向かい、レジェンドホテル・サイゴンへ向かう。2001年にオープンした新しいデラックスホテル。部屋数は282室。日本人スタッフが何名かいて日本語も通じるので言葉にかんする不安は無い。敷地が広く、プールが中庭にある。ロビーは大変広い。レストランも広東料理あり日本料理あり全部で7つもある。案内してくれた日本人スタッフのおかげもあるのだが、ホーチミンのデラックスホテルの中でも一番良い印象を持ったホテルだ。こちらもリバービュールームとシティビュールームとに分けられる。リバービューの部屋でも防音がしっかりしているので騒音はあまり気にならない。
レックス(室内)レジェンドをはなれコンチネンタルの向かいに位置するカラベルへ。1998年オープンで、場所はコンチネンタルと市民劇場を挟んで反対に位置する。部屋数全335室の大規模ホテル。ロビーが思ったよりもせまく、またフロントからエレベーターに向かう所に柱が建っているなど私の印象ではあまり良いホテルとは思えなかった。ただ最高級のホテルと賞されており、部屋はほかの高級ホテルと何ら劣っている訳ではありません。設計者は何かコンセプトがあってああいう配置にしたのかもしれないし、それを私自身がわからなかっただけかもしれないのであしからず。
さて次はレロイ通りを約100m南西に行ったところにあるレックスホテルへ。こちらは部屋数が全227室あり、コロニアル風のホテルでは一番規模が大きい。王冠マークが目印。屋上にはビアホールがある。一階はブティックなどのテナントが軒を連ねている。部屋はコンチネンタルとよく似た作りだが、コンチネンタルよりもきれいな感じである。マジェスティックと比べても同じくらいのような印象を受けた。
さらにちょっと離れたチャンセリーサイゴンへ。場所は統一会堂の南にある文化公園のそばに位置するスタンダードクラスのホテル。部屋数は全96室。このホテルの特徴はほとんどの部屋がリビング付きのスィートルームで、NHKの衛星放送も受信出来る。フィットネスセンターがあり、レストランも充実している。町の中心までもそう遠くなく、タクシーなら15分位で行くことも可能だ。
最後にニューワールドホテルサイゴンへ。部屋数が全498室と規模の大きさはベトナムでも最大級。場所はチャンセリーサイゴンから文化公園を挟んで反対側というか、ベンタイン市場の南西約300mに位置する。各国のVIPがチャンセリーサイゴン(上:外観、下:室内)滞在することでも有名だ。日本人スタッフも常駐しており言葉の面でも心配は無い。部屋はデラックスホテルだけあってアメニティも充実しており、プールも大きくて、プールサイドにいると都市の喧騒を忘れさせてくれる、町中にありながらリゾート感覚が味わえるホテルという印象を受けた。
11件回ってくたくたになってサイゴンプリンスにもどる。レーフォンツーリズムのガイドさん一緒に回っていただきましてありがとうございました。暑いニューワールド(室内)中(スコールにもあったけど)おつかれさま。
これにて私の「私見ハノイ・ホーチミンホテル事情」は終わりである。私見100%だが今後ハノイ、ホーチミンを訪問しようと考えている方々の参考にもなれば幸いである。
石井 清史
2003年5月

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