写真映えしかしない2か国巡り!ハネムーン以外のギリシャ、ヨーグルト以外のブルガリア発掘の旅

写真映えしかしない2か国巡り!ハネムーン以外のギリシャ、ヨーグルト以外のブルガリア発掘の旅

『夕陽なんて、毎日落ちてるのに』

森山直太朗だったらこのフレーズだけで名曲が一つ出来上がってしまいそうだが、凡人の私は寒さでぼんやりしてきた頭でそんなことを考えながら、カタカタ震える奥歯を噛みしめ、夕陽が沈んでいくのをじっと見つめていた。
世界中からこの夕陽を見たいと集まってきた人たちは、まるで山のようで、そしてすべての顔が夕陽色に染まって目を輝かせていたのがとても印象に残った。

毎日気づきもせずに過ごしている日々の美しさに気づかせてくれるのが、旅の醍醐味だと思っている。
日本にいたら「そうだ、夕陽を見にいこう!」なんてお洒落な事思いつきもしないけれど、やっぱりここに来たら、夕陽を観ずにはいられない。
旅に出ても人は変ったりしないけれど、物の見方は大きく変わるのかもしれない。


サントリーニ島というと、日本人にとってはハネムーンの旅先というイメージも強いところですが、実際に行ってみると全てのタイプの旅行者をメロメロにしてしまう、魅力しかない場所でした。
冒頭でもお伝えしたように、夕陽の美しさが有名ですが、陽が落ちてくると一気に気温が下がりますので、夏でも羽織ものを持参されることをお勧めいたします。

そして、恐らくほとんどの日本人が、急に「ブルガリア!」と問われたら「え?・・ヨーグルト!!」と答えてしまうであろう、「明治ブルガリアヨーグルト」で有名なブルガリア。
明治ブルガリアヨーグルトをブルガリア人に食べさせてみたら「ブルガリアのヨーグルトより美味しい!」と言ったとか言わなかったとか。
そういえばヨーグルト食べなかったけど、ヨーグルトはどこにあったんだろう・・。
ブルガリアはヨーグルトだけじゃないです!とてもとても素敵な町が私を待っていてくれました。

白い建物と青い空・海、そして夕陽に照らされるオレンジ色の島で心奪われ
古代ギリシャ人の遺跡、美術が溢れる街で目を奪われ
山奥のインスタ映えしかしない美しい僧院で度肝を抜かれ
心身ともにメロメロになって帰ってきたギリシャ・ブルガリア2か国を巡る旅。
皆様のご旅行の参考になりますように。


映え!!!(インスタやってないけど)

【ギリシャ】
ギリシャという名前を聞くだけで、なんだかロマンチックが止まらなくなってしまうのは私だけではないはず。
謎に包まれたギリシャ神話の神々、ハネムーナーに超絶怒涛の人気を誇るサントリーニ島、それではお一人様ですが、ロマンス探しに行ってみましょう!

今回はサントリーニ島2泊とアテネ2泊の日程。
サントリーニ島はハネムーナーに人気だ人気だと前評判を聞いていたのですが、実際行ってみると、ファミリーから女同士、男同士まで様々なスタイルの旅人がいて、実際一人旅をしている人もいたので、一人ぼっちの出張でも全然浮いたりしませんでした。

サントリーニ島への旅行で皆さん悩まれるのが、フィラ地区に泊まるかイア地区に泊まるかではないでしょうか。私もよくこの質問をいただきます。
まぁ正直、旅のスタイルによるな、というのが私の感想です。
私は今回フィラ地区にあるペリカンホテルに滞在したのですが、私は是非またここに泊まりたい。
白いお部屋はサントリーニ島感(?)たっぷりで、シャワーのお湯も十分にでます。
そしてスタッフがフレンドリーなのがとても心強い。バスの時刻表から乗り方、ロバタクシーの乗り方、スーパーの場所からフリータイムの過ごし方まで、色んなことを教えてくれます。


ペリカンホテル

ただ、やっぱりハネムーンなどの記念旅行や、ホテルでの滞在を楽しみたいという方には、ホテルから出なくても十分に楽しめるイアのホテルがお勧めです。
イアは夕日が有名ですが、自分の部屋やプライベートプール、バーでお酒を飲みながらその光景を観ることができるのは、究極の贅沢!


イアの岸壁にはホテルがぎっしり


ホテルカティキエスのプールからの眺めは最高!

イア~フィラ間はバスで簡単に移動できますので、どっちに泊まったからといってどっちは楽しめないという心配はまったくありませんので、お財布と相談しながら決めていただくのが一番です。

そんなサントリーニ島に行ったら必ずやりたいと思っていたのが、ロバタクシー。
フィラ地区にあるオールドポートという港から乗ることができ、20~30分をかけてくねくね道を真青な海をバックにしてロバに乗ることができます。
一人旅だと、こうゆう楽しいことに挑戦するにも心の中のもじもじ君がでてきてちょっと躊躇はしたのですが、結果、非常に面白かった!本当に乗ってよかった!


オールドポートも水が澄んでいて気持ちのいいところ


ロバ乗り場

毎日毎日同じ道を登ったり下りたりしているロバたちは、急に走り出したり、急ブレーキをかけてみたり、隣のロバとおしくらまんじゅうをし始めたり、まぁ何とも自由な子たちばかり!
正直、かなりスリリングな乗り心地です。たまに遠くから悲鳴が聞こえます。
片道5ユーロしますが、サントリーニ島に来られた際にはチャレンジしてみると楽しい思い出になると思います。


前の子のお尻をつっつく


意外とロバって大きい

夕陽・海・空、自然たっぷりなサントリーニ島を満喫した後は国内線でアテネへ。
アテネは想像よりも大きな町でしたが、街並みが可愛らしく一瞬で大好きになりました。
町の中心にあるアクロポリスは、小高い丘の上にあるので町のどこからでもその姿を見上げることができます。
教科書やガイドブックでしか目にしたことが無かったパルテノン神殿の足元に立った時の感激は、言葉にならないほどでした。


おおきい!かっこいい!大好き!


アテネ市内を一望


遠くからみても素敵

海外に行った時は、よっぽどお目当てのものが無い限りは美術館や博物館には行かないのですが、ここアテネにある国立考古学博物館には、是非会いたいと思っていた彼がいたので、治安が悪いと言われるオモニアまで、グラフィティまみれの地下鉄に乗ってちょっとドキドキしながら行ってきました。


海外の美術館にいくと、割と写真が撮り放題なので、日本の美術館に行った時に何で写真撮影ができないんだろうと、歯がゆい思いをする方も多いのではないでしょうか。
こちら国立考古学博物館はもちろん写真撮影OK!
会いたくて会いたくて震えそうになってた彼を自分の目で見て、写真にも納めることができました。



「馬に乗る少年」

めちゃくちゃ可愛くないですか!?
「馬に乗る少年」というブロンズ像なのですが、馬の躍動感が素晴らしいことは言わずもがな、少年の顔が何とも言えない表情で、何故か胸がキュンキュンします。
他のスタッフが出張で撮ってきた写真で見てから、愛おしくてしょうがなく、いつか一緒にポーズを取って写真を撮りたいと思っていた夢が叶って本当に胸いっぱいでした。
私はあまり時間がなかったので、一直線に彼に向かって行き、後の展示はさらっと見ただけだったのですが、恐らく興味がある人だったら心行くまで見て回るのに半日はかかりそうでした。
あぁ。素敵な写真がとれてよかった。今日も彼は同じポーズであの場所にいるかと思うだけで、アテネの地図を見るだけで胸がほっこりします。
町自体がまるで博物館のようなアテネの町ですが、とても素敵な博物館でしたので、是非みなさまもお時間があれば足を延ばしてみてはいかがでしょう。


「古代の夫婦喧嘩(イメージ)」


「酒飲みのお墓の中(イメージ)」


「4月から一年生♪(イメージ)」

【ブルガリア】
大阪万博でブルガリア館が出していたヨーグルトの美味しさに衝撃を受けた明治スタッフの強烈なラブコールにより誕生した、明治ブルガリアヨーグルト。
ブルガリアに行くというと、99パーセントの人に「え、ヨーグルトの?」と言われた。
それほどまでに有名な国名であるのに、実際国としてのブルガリアに何があるかを知っている人の数は少ないんじゃないでしょうか。
日本ではヨーグルトとして有名なブルガリアですが、バラやワインの国として有名です。
バラの香水は高価なものもありますが、化粧水であれば手ごろな値段ですし、ブルガリアワインは美味しいのに驚くほど安いです。お土産に是非ともお勧めしたい逸品です。

日本の3分の1の国土に、9つもの世界遺産を持つ歴史あるブルガリアへの滞在はたった2日のみ。
有名どころだけをピックアップしての滞在となりましたが、ワインは美味しいし観光地は見ごたえがありすぎるし、こちらも大好きな国の一つになりました。

一日目はブルガリア正教のシンボル、リラの僧院へ。
ソフィアから車で約2時間、緑の多い街を抜けて、更に緑ばかりの山の中へ。くねくね道にゆられて眠くなってきたぐらいの頃に、急にリラの僧院の入り口が姿を現します。

寝ぼけ眼のまま入り口をくぐった先に現れたその姿に、一気に目が覚めました。
山奥にまさかこんなものが!と、まるでCGのようにも見えるその姿は、言葉では言い表せないほどの存在感。


山奥に現れる可愛い入り口を抜けると・・


素敵すぎる僧院がどーーん!



「あれ?そんな昔からインスタ映えって言葉あったんだ?」と思ってしまうほど、白黒のストライプの柱に、鮮やかなフレスコ画が美しく、訪れる人の目を奪ってしまう。
インスタ映え寺院と一言で説明してしまうこともできますが、そんな言葉では表現できないほど、ずっと大事にされてきたことが伝わってくる、非常に優しい雰囲気に包まれた居心地の良い寺院でした。
寺院の内部は撮影禁止なので実際に訪れた人だけのご褒美ですが、外観に負けず劣らず教会内にある金色のイコノスタスという宗教画などで飾られた壁は圧巻の美しさです。

訪れた人だけのご褒美というのが私は大好物なのですが、帰りにはこちらも内部が撮影禁止のボヤナ教会へ立ち寄りました。
こちらは外観も素朴な感じで、中もこじんまりとしているのですが、内部のフレスコ画は素晴らしいの一言でした。
2度の増築を繰り返しているため、3つの時代のフレスコ画を見ることができる貴重な教会です。
リラの僧院のような鮮やかな色彩ではないものの、時間を重ねた絵にしかない深みがあります。15分ほどの時間制限もあるのですが、混んでいないときであれば係の方が丁寧に説明をしてくれます。



外見からは想像できない素敵な空間がこの中に・・

そして遂にやってきた出張最終日、朝食をゆっくり味わった私は部屋で荷造りを始めた。
帰りのトルコ航空は21時出発なので急ぐことはない。
ソフィアの町は歩いて十分に回れる大きさなので、まぁ昼ぐらいから出発して美味しいランチでも挟みながらじっくり堪能すればいい。
生憎外は朝早くから雨がしとしと降っているので、チェックアウトぎりぎりまで部屋で準備して出かけよう。
旅先でのこんな優雅な時間を私は堪らなく愛しているのだ。

コーヒーでもいれて、そうだ、オンラインチェックインなんてしてしまおう。
私も旅慣れてきたなぁ。ふふふ。

あれ、おかしい、私のフライト出て来ないんだけど。
どうゆうこと?もしかしてフライトキャンセルになっちゃった?えーうそー、帰れないんじゃない?
そこまで考えた時、私のポンコツな記憶の奥底から航空券の予約担当の方の言葉が浮かび上がってきた。

『帰りの便、16時出発に変更になったからね』

そうそう、日本出発の少し前に夜便がフライトキャンセルになって、夕方便に変更したんでした。
そんなことすっかり忘れてたよ。
あー、うっかりさん。とりあえずコーヒー飲もう。

カタカタカタカタ(震える指先)

いやいや!やばいやばいやばいやばい!
16時ということは、最悪でも1時間後にスーツケースを持ってこのホテルを出発しないと間に合わない!!!!

そこから私は素早く観光用の服装から、長距離フライト用のぶかぶか楽ちんの服装にヒラリと衣替えするとソフィアの町に飛び出した。
ソフィアの町はコンパクトになっていると言っても、さすがに1時間で見て回れるとは口が裂けても言いません。
しかし、「町中を本気ダッシュすれば1時間でもこれだけ見られるんだ、すごーい!」と言ってもらえることを期待して、ソフィア観光をざっくりお伝えします。

まずはセントラルハリというショッピングセンターへ。ここはお肉屋さんからファーストフード店、さらにはスーパーマーケットからお土産屋さんまで入っており、ソフィアでお土産を買うにはばっちりの場所です。ローズウォーターなどバラグッズもたくさん置いてあるので、バラの国ブルガリアならではのお土産が欲しければお勧めです。
私もローズウォーターとローズクリームなるものを購入。後お土産でお勧めなのがブルガリアワイン。ほとんどのワインが日本円で1000円しないぐらいで売っていて美味しいです!


セントラル・ハリ


豊富すぎるバラグッズ

次はセントラル・ハリの向かい側にあるバーニャ・バシ・ジャーミヤへ。
ここはトルコにある世界遺産、セリミエ・ジャーミーと同じ設計者によって建てられたモスクです。
観光客でも中に入ることはできますが、丁度男子学生みたいな人達がコーランを読んでいるところだったので、入り口からチラ見だけしましたが、セリミエ・ジャーミーに比べて規模は小さいものの、その美しさはさすがの一言です。



外も内も美しすぎる!

バーニャ・バシ・ジャーミヤの裏には、温泉が湧き出ています。
蛇口からお湯がでており、みんなそこからお湯をポリタンクに入れて持ち帰ったり、直接飲んでいたり、かなりの賑わいがありました。



無料で飲み放題、汲み放題

同じ通り沿いにはキリスト教の聖ペトカ地下教会があります。
この教会、ほぼ地中と言ってもいいぐらい隠れています。地下鉄の入り口と同じ高さにあるのだから、昔はもっと隠れていたのでしょう。さっき見たばかりのイスラム教の大きなモスクと比べると、いかにオスマン朝時代にキリスト教徒が肩身の狭い思いをしていたかがよくわかります。



写真撮影は禁止ですが、中に入ることもできます。(激狭)

次は聖ニコライ・ロシア教会へ。
緑色の屋根と、タマネギ型の金色のドーム、キレイに手入れされたお庭は、街の中でもひと際メルヘン感を放っています。



見た目に反して、中は意外と薄暗い

最後、もう時間がない!と飛び込んだのはアレクサンダル・ネフスキー寺院。
この時点で既に予定時間をオーバーしていたのですが、あまりの美しさに時間を忘れて見入ってしまいました。
内部はかなり薄暗いため写真を撮るのが難しいですが、蝋燭に照らされたその姿は、まるで時が止まっているような気持ちになります。
何百年も前の空気がそのままその場に残っているような、歴史を感じる佇まいに、一日いても良いような気持ちにさせられます。


雨に濡れてても素敵


入り口の重厚感も素敵




素敵さはレンズ越しには伝わらない・・

ずっといれるような気持ちがしたとしても、フライトは待ってくれません。
後ろ髪を全力で引っ張られるような気持ちで、涙をこらえて寺院から出て腕時計をチェックする。

・・よし!予定の30分オーバー!
これは本気で間に合わないかもしれない。

そこからホテルへの全力で走ったソフィアの町、20キロのスーツケースを持ちながら飛ぶように駆け下りた地下鉄への階段、どうすることもできないそわそわの地下鉄。
頭の中では会社への言い訳と反省文、帰国してからのみんなからの冷たい目線を受ける自分の姿がぐるぐると回り・・・

無事にチェックインできました。
今まで出発の2時間、できれば3時間前に空港に到着するようにしていたほど、ビビりな私。冷や汗と、ダッシュしたことによる汗と、安堵の汗でびっしょり。
時間を持て余すほどゆっくり観光したギリシャと違い、本気ダッシュで回ることになったブルガリアでしたが、たとえ一緒に過ごした時間の長さは違えども、大好きな町になりました!

・・はい、全然上手く言い訳できてないですね。
気を付けます。本当にごめんなさい。
今回の教訓。オンラインチェックイン、忘れちゃダメ、ゼッタイ。

空の青さの果てしなさ、帽子を忘れた頭に感じる太陽の暑さ、一日中歩き回って疲れた体で飛び込むベッドの気持ちよさ、満天の星の下で飲むビールの美味しさ。
毎日の中にちりばめられている幸せな瞬間を、ちゃんと幸せだと気付けるのが旅の醍醐味かもしれない。
日本にいるとそんな事に気づきもせずに毎日を過ごしてしまっている自分に気づかされるような旅だったように思う。

心から、私は旅が好きだなと思う。
自分を探しに海外に行っても、見つかる可能性はほぼ0だと思っているが、海外にいって初めて気づくことができる、日本での自分の幸せはあるかもしれない。
それこそ毎日夕陽は落ちているのだから。

ここまで読んでくださった方が、少しでもギリシャとブルガリア、そして旅に興味を持って下さったら心から幸せです。
ありがとうございました。


さぁ、旅に出かけましょう!

【スタッフおすすめ】
リラの僧院★★★★★
何はなくともブルガリアに行ったら見て欲しい美しさ。

ブルガリアワイン★★★
安い!美味い!だいすき!

サントリーニの夕陽★★★★★
白と青の美しい町が橙色に染まっていく姿は、一見の価値ありです!

2019年4月
大野史子

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