私は約17年前にベトナムで一年程現地ガイドとして働いていた事があります。当時は日本におけるベトナムブームが始まった頃で、可愛いアジアン雑貨を求めて観光客が増えた頃です。帰国後、ホーチミン、ハノイには数回訪れていましたが、その他の都市へはなかなか行けず記憶は当時のまま。今回その止まっている記憶の更新と、各都市で目まぐるしくオープンしているホテルの視察を目的としてベトナムを訪れることになりました。
① 11年ぶりのフーコック島
ホーチミン到着後、荷物をピックアップしたら出口を出て右方向に向かうと国内線ターミナルがあります。ベトナム航空のチェックインカウンターは一番奥です。
まだ雨季が明けていないので天気を心配していましたが、晴れていたのでフライトもオンタイム、無事フーコック島に到着しました。旧空港は海に近かったため、着陸する時に海すれすれで少し怖かったのを覚えていますが、2012年に開港した新空港は内陸の為、ドキドキする事もなくスムーズに着陸しました。
フーコックのホテルに到着したのは17時過ぎ、東京から同日の夕方に島まで来られるのが嬉しいところ。今回の宿泊はまだ真新しい『ソル・ビーチ・ハウス』、スペイン資本のメリアグループのリゾートホテルです。
客室は白基調にパステルカラーでアクセントがあり、明るい雰囲気。全室バルコニー付きで海からの風も気持ちがいい。
フーコック島の11年前には数軒しかなかったホテルも今や何十軒にも増え、リゾート島としてヨーロッパからの観光客も増えてきました。
いくつかリゾートを紹介します。
【カッシア・コテージCASSIA COTAGE】
スパイスガーデンを持つ温かみのあるリゾート。2016年に新しい建物が出来、更に快適に。インフィニティプール、ビーチと両方楽しめます。
【マンゴーベイMANGO BAY】
ナチュラルを大切にし、テレビやエアコンもないバンガロータイプのリゾート。海岸沿いのテラスレストランからの眺めは最高、プライベートロングビーチも楽しめます。
【ココパームCOCO PALM】
綺麗に整えられたガーデンにバンガローが建てられた、こじんまりとしたリゾートです。
【キム・ホアKIM HOA】
スタンダードクラスのお手頃リゾート。ユードン中心部近くにあるのでレストランなども徒歩圏内にあり便利。部屋はバンガロータイプとビルディングタイプがあり、バンガロータイプは海が目の前です。建設中のビルディングが完成すればプールも出来、更に快適なリゾートになる予定です。
② 8年ぶりのホーチミン
最後に訪れてから8年も経ってしまったホーチミン。現在地下鉄も建設中で益々都会になりそう・・・。
ホーチミンに来たら泊まって頂きたいのがコロニアルホテル。フランス統治時代、まだサイゴンと呼ばれていた時代に建てられた歴史あるホテル達。インテリアはとても落ち着いて趣きがあります。古き良き時代に想いを馳せてみるのも旅の楽しみの一つです。
【マジェスティック・ホテルMAJESTIC】
言わずと知れた老舗高級ホテル。創業は1925年と様々な長い歴史を見てきたサイゴン時代のホテルです。おすすめは旧館、広くゆったりとしていています。
【コンチネンタルCONTINENTAL】
ドンコイ通りとレロイ通りに面する1880年創業の老舗ホテル。各国の著名人が宿泊した歴史を持ち、広々とした部屋と調度品が古き良き時代を好む旅行客に人気です。
【グランドGRAND】
ドンコイ通りに面した1930年創業のクラッシックなホテル。旧館にはアンティークエレベーターが健在し、四方に囲まれたパティオにあるプールはサイゴン時代の雰囲気そのまま。コロニアル好きにはたまらないホテルです。
【レックスREX】
1927年に建てられてから様々な役割を果たし、最後には王冠マークのホテルとなったレックス。人民委員会庁舎向かいにあり、サイゴン時代を過ごしてきた貴重なホテルです。2008年に新館増設&全面リニューアルを完了し、5つ星ホテルと生まれ変わりました。
そして、今回訪れたおすすめSPAは「YURI SPA」。ドンコイ通りから横に外れてすぐの2階にあり、日本語が出来るスタッフがいる心強いスパです。そしておすすめなのはその価格、2時間全身スパコースで、約1,000,000ドン(約5,000円)と他のスパより断然お得です。こちらはオプションでご用意する予定です。
③ 初ブンタウ
ホーチミンから車利用約2時間で行けるブンタウ。特にこれといった観光地はないけれど、綺麗な白砂ビーチが楽しめるリゾートです。日帰りでシーフードを楽しむもよし、1泊して海を楽しむもよし、ホーチミンだけでは物足りなくなったら是非行ってみて頂きたい町です。
ここブンタウでステイしたいリゾートホテルをご紹介。
【プルマン・ブンタウPULLMAN VUNG TAU】
まだオープンして2年のスタイリッシュなホテル。ビジネスで使われる事も多いですが、シーフード目的でブンタウを訪れる時は選択したいホテルです。
【インペリアルTHE IMPERIAL】
ブンタウのロングビーチに位置するビーチリゾートホテル。目の前のビーチにはプライベートビーチとプライベートプールがあり、一日中のんびり出来ます。もちろんビーチのレストランではシーフードも楽しめます。ブンタウにビーチを求めるなら泊まりたいホテルです。
観光地としてはさほど見所のないブンタウですが、せっかくならキリスト像に登ってみるのもおすすめです。キリスト像の腕の所まで登れ、ブンタウの町が見渡せます。(800段約20分結構キツイです。)
④ 17年ぶりのニャチャン
今回もっとも長い間行けてなかったのがニャチャン。約半年住んでいたにもかかわらず、その後来る事がありませんでした。うわさには聞いていましたが、全く違う雰囲気の町に!ニャチャンのメインストリートのチャオフンダオ通りにはよく手入れされた広場がビーチに沿って出来、向かい側には海を見下ろす高層ホテルが建ち並んでいます。
ビーチリゾートとして立派に成長しているのはいい事なのですが、残念なのはダム市場がクローズしてしまっている事。とうとう来年取り壊されるとか…。大きなショッピングセンターもある今、市場は廃れてしまった様です。少し寂しそうに佇んでいました。
ニャチャンでもホテルを色々見てきました。
【シックス・センシズ・ニンヴァン・ベイSIX SENSES NINH VAN BAY】
ニャチャンの市内から車で30の船着場からスピードボートで15分の半島にある高級リゾート。ニャチャンの海は沖に出るほど美しく透明度が高くなります。ここに泊まったゲストだけが体験出来る極上の時間をお過ごしください。
【エバソン・アナマンダラEVASON ANA MANDARA】
ニャチャンで毎日の様に通ったリゾート。懐かしく、あまり、変わっていない姿にホッとしました。ニャチャンの町に近いオンザビーチのリゾートホテルはアナマンダラのみ。唯一で貴重なリゾートです。いつまでもこのままでいて欲しい温かみのあるホテルです。
【サンライズ・ニャチャン・ビーチ・リゾートSUNRISE NHA TRANG BEACH HOTEL & SPA】
ニャチャンビーチに建つ老舗ホテル。外観は洋風に作られ、高級感があります。ホテルの目の前のビーチはプライベートビーチ、プールもゆったり出来る雰囲気です。老舗ながら古さを感じさせません。
【シェラトン・ニャチャン・ホテル&スパSHERATON NHA TRANG HOTEL & SPA】
お馴染みの安心シェラトンですが、ニャチャンでもロケーション、お部屋、レストランと申し分なしのデラックスホテルです。窓が大きくとられ、光がたっぷり入るのでとても気持ちがいい客室。お部屋でゆっくりもしたいホテルです。
【インターコンチネンタル・ニャチャンINTERCONTINENTAL NHA TRANG】
こちらもお馴染み世界的に有名なインターコンチネンタル。高級感漂うモダンなインテリアで、リゾートながらお洒落に過ごせる雰囲気。もちろん海は目の前なので眺めは最高です。
17年ぶりのニャチャンでしたが、やっぱりリゾートはゆっくりしないとわかりません。また、近いうちに来ようと誓いました。
⑤ 1年半ぶりのダナン&ホイアン
昨年1月に涼しい(寒い)ダナンを体験してから1年半ぶりに9月の雨季の始まりそうな暑いダナンへとやってきました。
今回はホテルインスペクション中心です。
★まず、ダナンのホテル
【アラカルト】
ダナンの中心に近いミーケービーチが目の前のビルディングタイプのブティックホテル。屋上のインフィニティプールや、ルーフトップバーからの眺めがいいと人気です。
【ハイアット・リージェンシー】
いつでも観光客で混んでいる人気のリゾートホテル。敷地は広くプールも広々、プライベートビーチも長く約700mあります。目の前には徒歩で行ける五行山が聳え、ホイアンへも車で約20分の便利な立地です。
【セントラ・サンデー・ビーチ】
高級リゾートは高いからもっとカジュアルにダナンのリゾートを楽しみたい人におすすめしたいリゾートホテルです。
★次にホイアンのホテルです。
【ヴィクトリア・ホイアンVICTORIA HOI AN BEACH RESORT & SPA】
クアダイ・ビーチに位置する老舗リゾートホテル。フレンチコロニアルスタイルとベトナミーズスタイルの外装に、日本風のインテリアも取り入れた古き良きホイアンの雰囲気のあるリゾートです。
【アナンタラ・ホイアン・リゾートANANTARA HOI AN RESORT】
トゥンボ川沿いに建つコロニアルスタイルのリゾートホテル。ホイアン旧市街にも徒歩圏内でリゾートも味わえるおすすめのホテルです。
【アルマ二ティALMANITY】
ホイアン旧市街へも徒歩圏内のスパを楽しめるリゾートホテルです。エコ&ナチュラルからプールの消毒も塩のみ使用とのこだわり。スパも町歩きもリゾート気分で楽しみたい人におすすめのホテルです。
【ビンフン1・ヘリテージVINH HUNG 1 HERITAGE】
旧市街にある築200年以上の中国式家屋を利用したホテルです。外装も内装も当時の雰囲気。それなりに古さを感じますが、世界遺産の中で泊まる贅沢を味わえます。
【その他のビンフンホテルVINH HUNG2・3・4】
ホイアン内にいくつもある3星〜4星のホテル。立地の割に値段も安く、コストパフォーマンスがいいホテルです。
夜のホイアンは必見です。優しいランタンの灯りに照らされた旧市街はとても幻想的。古い建物を生かしたレストランもカラフルなランタンの灯りによりさらに幻想的な雰囲気に。トゥンボ川では小舟からホイアンの町を眺められると沢山の観光客で賑わっていました。
ダナンの各リゾートからはホイアンまでのシャトルバスがありますが本数が少ないので、ホイアンもたっぷり楽しみたい人にはホイアンのホテル又はリゾートホテルをおすすめします。
⑥ 4年ぶりのハノイ
最後に来てから4年も経っていたハノイ。それでも変化は甚だしい。まずメインストリートの歩道でのカフェやフォーの営業禁止。そう歩道が綺麗で歩き易くなっていました。また、ホアンキエム湖の周りの道は金曜夜から車両通行禁止、夜遅くまで沢山の人が出ていて賑やかです。
町はどんどん変わりますが、時々変わらずに続く景色もありました。
さて、今回初めて訪れたのはドゥンラム村。ハノイから1時間半弱で行ける、何百年も時が止まったような昔から伝わる文化が受け継がれている村です。
町中にはレンガ敷きの小道が残り、ちょっとした路地に和みます。
この村では昔からバイン・チェラム作りが行われています。バイン・チェラムとはもち米に砂糖、ピーナッツ、生姜、ゴマを混ぜ込んだお菓子です。出来立てはまだ柔らかく優しい甘みと生姜のピリっとした感じが癖になる美味しさです。
ドゥンラム村はまだあまり観光客が来ていないので素朴なベトナムの田舎の人達に触れ合えるちょっとした近郊ツアーとしておすすめです。
★ハノイのホテルをご紹介
【ソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイSOFITEL LEGEND METROPLE HANOI】
ハノイの長い歴史を共に歩み、各国の著名人も泊まってきた由緒正しきコロニアルスタイルホテル。旧館と新館とありますが、旧館は当時のアンティーク家具を利用し、古き良き時代の雰囲気を残します。外の騒音をシャットダウンした中庭のプールもゆったりしていて、暑い日中にはここでのんびりするのも素敵です。
【インターコンチネンタル・ハノイINTERCONTINENTAL HANOI WESTLAKE】
タイ湖のほとりに浮かぶ様に建てられた、眺めが素晴らしいホテルです。メインビィルディングとパビリオン棟があり、レイクビューが人気です。
【メリア・ハノイMELIA HANOI】
ハノイ市内中心にあるデラックスホテル。最近リノベーションをしたのでより綺麗で使い勝手も良くなりました。日本人スタッフも駐在しているので安心です。
【ホテル・ニッコー・ハノイHOTEL NIKKO HANOI】
日本人が7割を占める日系ホテルの老舗。日本食レストラン弁慶も人気です。日本人スタッフも数名いるので安心です。
【シルク・パスSILK PATH】
旧市街ハンボン通りにある便利な4つ星ホテル。シンプルですが快適に過ごせるホテルです。
【クック・ホアQUOC HOA】
旧市街ハンボー通りにある観光に便利な3つ星ホテル。最近増築され、ますます快適になりそうです。
【ボス・レジェンドBOSS LEGEND】
旧市街ハントゥン通りにある3つ星ホテル。ブティックホテル風なお洒落な客室。
画像:最上階のレストラン
今回ベトナム南部から北部まで7都市を巡りましたが、どこの町にも必ずいいところがありました。縦に長いベトナムは場所によって季節も違います。食べ物も味付けが違っていて、どこも美味しい。何度行っても飽きる事のないベトナムです。
そして、また近々行こうと思います。
≪この町のここがいい≫
・フーコック・・・のんびり、素朴★★★★★
・ホーチミン・・・活気溢れる、雑貨&お洒落★★★★★L
・ブンタウ・・・平日観光客のいないビーチを独り占めできる★★★★
・ニャチャン・・・ロングビーチが気持ちいい!適度に町がある★★★★★L
・ダナン・・・リゾートホテルで一日中のんびりしたい人にはおすすめ★★★★★
・ホイアン・・・雰囲気が最高!特に夜はいくべし★★★★★L
・ハノイ・・・湖が沢山あるのでせかせかしていない、適度に都会★★★★★L
(2017年9月能祖文子)
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