「濃い海の青にマルタ・ストーンの蜂蜜色が映え美しい。地中海に浮かぶ国、マルタ共和国に行ってきました。」

「濃い海の青にマルタ・ストーンの蜂蜜色が映え美しい。地中海に浮かぶ国、マルタ共和国に行ってきました。」

いわずとしれた青の洞門

私は、年を取ったら海の近くに住みたいと思っている。海とは縁遠い人生を送ってきたからだろうか、クロールも満足にできないけれど、私にとって海は永遠の憧れだ。今回私が訪れたマルタ共和国は、淡路島の半分ほどの面積しかない島国。島のどこにいても、たいてい海を臨むことができる国だった。まさに私にとって理想の国(?)。いわずとしれた大国イタリアの南にちょこんとある小粒な国だが、歴史がとてつもなく深いことを知り、そのギャップに私はすぐに魅了されてしまった。
歴史的に謎の多い巨石群といえばエジプトのピラミッドが、やはり1番有名かもしれない。けれどマルタにある巨石神殿は、ピラミッドよりも1,000年ほど古く、というよりマルタのゴゾ島にある巨石群は世界で最古らしく、研究がうまくいかないほど古く(笑)、謎が全く解明されていないらしい。なんとまぁ古代ロマン溢れるお話だろう!!!今回は1日半というスケジュールでマルタを周ることになっていたため、それらの神殿群の中の見学は叶わなかったが、外から短時間の見学をすることができた。シンボリックな三角錐などではなく、石を平坦に積み上げた素朴な佇まいに、ただただ紀元前3,000年前というよく分からない時間を感じた。比べるものではないけれど、エジプトのピラミッドの派手さよりも素朴で人も少ない、こちらの方が私は好みだったのである。

向こうの白いのが巨石・・


なんでも、神殿の中の、ある部分に太陽光線がうまく当たったときが春分の日らしく、昔の人々はその光線によって春分の日を知るという、つまり暦の役割も果たしていたのである。
まったく昔の人は賢いことこの上ないが、その日がたまたま曇っていたらどうしたのだろうか、という凡人の疑問は残る。

またマルタは騎士団とのかかわりも歴史において重要だ。十字軍の負傷者と病人の看護、貧者の救済に貢献していた聖ヨハネ騎士団は、追われ追われて移動を繰り返していたが、14世紀にマルタへ降りたった。騎士団はマルタの商業と貿易の振興に努め、島民も建設作業などの仕事を得ることになりマルタ経済は発展を遂げた。現在もマルタにいると騎士団との歴史を色濃く感じる機会が多い。
マルタの見どころは大きく分けて、スリーマとセント・ジュリアン、ヴァレッタ、イムディーナがある。スリーマやセント・ジュリアンはホテルやレストランが多く、賑やかな界隈だ。
それぞれの町への移動はバスが主流だろう。首都のヴァレッタからそれぞれへ走っている。少し郊外へ行く場合は本数が少なかったり、終バスが早い場合があるので事前に確認しておくことが重要だ。ちなみに「となりのトトロ」の猫バスのモデルになったともいわれる旧型のバスは今走っていない。残念だ・・
それから、例えばフェリーの方が早くて快適なこともある。スリーマから多くのフェリーが発着しているのでチェックしてみても面白い。
ヴァレッタはマルタ・ストーンとも呼ばれる特産の蜂蜜色の石灰岩の建物が並び、昔ながらの景観を留める町。1980年にユネスコの世界遺産に登録された。カフェや土産店が並ぶ繁華街は経済、政治の中心地でもあり、国随一のにぎわいも見せる。

ヴァレッタの街角



イムディーナは島の北側にあるスリーマやセント・ジュリアン、ヴァレッタとは離れて島の中央部、小高い丘の上にたたずむ町だ。16世紀には首都が置かれたものの、今では人もまばらで、城壁の門をくぐるとどこまでもくねくねとした狭い小路が続き「オールドシティ」との名がふさわしい、過去から時が止まったような魅力的な町である。
夜には路地に小さな街灯が灯り、騎士が角から出てきそうなほど雰囲気が良くなるそう。見どころとしては多くなく、小さな町だが私は1日いられると思った。素敵なレストランでも見つけて、ぼんやりしたいものである。

お洒落なノッカー


こんな素敵なカフェもある。


よく晴れた日にはシチリア島が見えるそう!

一切猫の話をしていないけれど、マルタは猫が有名でしょ?と思うかもしれない。その通りだ。マルタには猫が70万匹ほどいて、人口の倍ほどいるとされている。まるでニュージーランドの羊のようだ・・だがしかし私のマルタ滞在の1日半の間、ほとんどまったく猫は見られなかった。6匹ほどだろうか。週末は人が多く、猫も出てこないのかもしれないとのこと。人より多い猫がいったいどこに隠れていたのか・・・とにかく残念極まりない。数少ない入魂の猫写真をご紹介しよう。猫好きの方がマルタに行った際は、猫が出てくるように祈るばかりである。ところで私は犬派である。

ヴァレッタの売店に悠然といた

人馴れしている

マルタは食事もおいしい。海が近いのでシーフードはもちろん、変わった食べ物であればウサギも好んで食べられている。味付けとしてはイタリアが近いからか、イタリア料理に近いものを感じる。スリーマには海岸沿いの雰囲気のよいレストランも多いので、お気に入りを探してみるのもおもしろい。ちなみにウサギの味は、鶏肉に似ていて、美味しかった。

うさちゃん。


近年はスマートフォンも普及し海外でもwifiを利用してインターネットを利用する人が多いが、マルタは残念ながら他のヨーロッパ諸国と比べてネット環境は良いとはいえない。ホテルやレストランでも有料であることが多い。仕事などで頻繁に利用したい方はルーターを用意した方がいいだろう。
マルタは建物の蜂蜜色と、海の青が対照的な美しい国だ。1日半しか滞在できなかったが、その魅力は充分すぎるほど感じられ、もっとずっと滞在したいと思った。マルタは日本人に最近こそ知名度が上がってきているものの、まだまだだと感じる。ヨーロッパだけれども他のヨーロッパ諸国とは一線を画すマルタに、ぜひ訪れていただきたいと思う。

ホームステイ先にて

※語学学校に興味のある方※
語学学校にも1レッスンですが参加してきました。10人ほどのグループレッスンです。日本人だけでなく、世界各国から英語を勉強するためにマルタへやってきた人達で構成されています。私は27歳ですが、私が参加したグループは中級で、18歳から33歳くらいまでの生徒さんで構成されていました。国籍はコロンビアや韓国、スペインなどでした。先生によって授業の進め方は多少異なると思いますが、教科書に沿って先生が一方的に説明をする方法ではなく、会話重視の授業で、時間内で充分に生徒全員が英語を話すことができるように工夫されています。具体的にはペアを作って、それぞれ議題に沿った話をしたり、発表させたりなどです。生徒全員が楽しく英語を話す機会を作るよう心掛けているようでした。退屈することもなく、新しい英語の言い回しなども勉強でき、有意義な時間でした。学校自体はパソコンルームや売店、ラウンジなど設備も整っており、清潔で快適です。私の参加したクラスでは日本人は私だけでしたが、休み時間に廊下へ出ると日本人もぽつぽつといました。午前中は授業を受けて、午後はマルタ観光に繰り出すという過ごし方がおすすめです。週替わりで、放課後の有料オプショナルツアーが組まれているので申し込んでみても面白いでしょう。

1階受付

教室

売店

<スタッフおすすめ>
ヴァレッタ★★★★★・・・マルタの活気が感じられる町。
イムディーナ★★★★★・・・時が止まったような静かな町。かなりオススメ。必ず訪れるべし
スリーマ★★★★・・滞在におすすめ。近代的な町。
(2017年4月 楠本悠子)
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