砂漠の流れ星に願いを★女子旅inモロッコ

砂漠の流れ星に願いを★女子旅inモロッコ




仕事帰りに出発できる便利な夜便を使い、途中乗り継ぎ、計24時間かけてカサブランカに到着。かれこれ2時間近くパスポートコントロールに並ぶ。同じ時間帯にいくつものフライトが到着するらしく、長蛇の列だった。
空港から鉄道駅まで40分ほど、そこから列車でマラケシュへ向かう。定刻から20分程遅れて列車がやってきた。まぁそんなものだろう。1等車は6人掛けのコンパートメント。スナックやお水の車内販売のカートも時々やってくる。


車内のアナウンスはアラビア語だが、マラケシュは終点なので、乗り過ごす心配はない。マラケシュに着いた頃にはもう夜になっていて、さすがにくたくただった。
小腹がすいている程度だったので、ホテルの近くでナッツを買ってきて食べた。お店のおじさんには英語はほとんど通じなかった。
翌朝、早朝からアザーンが鳴り響き、疲れでぐっすり眠っていたのに目が覚めてしまう、というのはよく聞く話だけれど、熟睡していてまったく聞いていなかった。
ジャマエルフナ広場
大道芸人や水売り、ヘビ使いなど様々な人たちが観光客の気をひく。夕方頃からは屋台が立ち並び、激しい客引き合戦がはじまる。大道芸人は見物する観光客を捕まえてはチップを手に入れる。チップは20~50DHくらい、サービスしてくれたら多めに渡すのが良い。毎晩がお祭り騒ぎで、モロッコ中のエネルギッシュな人をみんな集めたような場所だ。もし疲れたら、周囲のカフェから広場を眺めるのも楽しい。2階や3階のテラス席に上がればフナ広場が一望できる。ジューススタンドやジェラートも美味しい。

スーク
たくさんのお店がひしめき合っていて、一度路地に入ったらきっと迷ってしまう。好みの一品を探し歩いたり、値切り交渉を楽しめる。できればいくつかお店をまわって、相場を確認してから買いたいところだ。クトゥビアの方にある伝統工芸館に行けば、値札が付いていて、質の良いものが多い。

お土産にはこんなものを買った。

マジョレル庭園
フランスの画家ジャック・マジョレルが造園し、後にイヴ・サンローランが買い取った庭園。ヤシやサボテンと、カラフルな鉢植え、そしてマジョレル・ブルーと呼ばれる綺麗な青色の建物が素敵で、落ち着ける場所。庭園内にカフェやブティックもある。フナ広場近くから1番のバスで約40分、片道4DH。徒歩だと30分くらい。バスは新市街の中心部を経由するので遠回りだった。料金は上がっても、タクシーの方が効率的だったと思う。


エッサウィラ
マラケシュから日帰りで行かれる港町。市場で採れたての魚を買って、焼いてもらって食べることができるのが魅力。エビを買って半分は焼いて、もう半分は生で頂いた。日本では高級魚のはずののどぐろが安い。この日は霧に包まれていて、神秘的に見えた。




展望台は改修工事中だが、スークがあって、おしゃれなセレクトショップもあって、イタリアンジェラート屋さんもある。時計塔のある港町って、いいなぁ。
マラケシュからの道中で、ワイナリーやアルガンオイルの工房を見学できる。モロッコはイスラムの国だけど、実はワインがおいしい。
マラケシュの次は、アトラス山脈を越えてワルザザートを目指す。アトラスの向こう側は、乾いた山の岩肌の間に細く川が流れていて、マラケシュとはまた違った景色だ。アトラス越えには時間がかかるが、道中で世界遺産のアイト・ベン・ハッドゥに立ち寄ることができる。
小川の向こうに、突如現れる存在感あるカスバがアイト・ベン・ハッドゥだ。カスバというのは砦になっている町のこと。複数の家族が住むこの村は正確にはカスバではなく、クサルと呼ばれる。とは言っても、今はたった4家族しかこの村には残っていないそうだ。赤茶色の日干しレンガで造られ、城壁の中からいくつも塔がのびている。まさに要塞といった雰囲気で、保存状態も良いため、『アラビアのロレンス』をはじめ、数々の映画のロケ地として使われた。迷路のような道、坂、そして階段。頂上まで登るのはちょっと大変だったが、塔に刻まれた模様がよくみえ、対岸の村や辺り一帯を見渡すことができる。


ワルザザートの町に一泊し、今回の旅のハイライトである砂漠へ向かうべくカスバ街道を進む。カスバ街道とは、ワルザザートからエルラシディアまでの、一千近いカスバが残る街道だ。車窓を流れていくレンガのカスバや、ダデス川沿いの渓谷の景色が美しい。
中でもトドラ渓谷はとても印象的だった。左右から迫り来るような岩の壁の迫力。その間に透き通った川が流れている。対岸の岩壁に押しつぶされそうな場所にホテルが建っている。

ようやく砂漠の入り口に到着。日焼け止めを塗って、スカーフを頭に巻いてもらい、ラクダの背中へ。サングラスも準備万端。ここから1時間半のキャメルライドだ。


一面の砂漠を見まわしたり、砂漠にのびるラクダの影に見入ったり、両手を離してみたり、写真撮影をしたり。そんなこんなで案外すぐ着いた。
キャンプにはいくつかテントが張ってあり、絨毯にベッドと電気がついている。中は割と暖かかった。
風が強いので、夕食は大きなテントで食べることに。野菜がごろごろ入ったタジンが美味しい。モロッコではタジンにたくさん野菜が入っているので、海外旅行中でも野菜を摂れるのが嬉しい。
食後はベルベル音楽を聴いて、みんなで楽器を演奏して、楽しいひと時を過ごす。ふと見上げると満天の星空が!キャンプのすぐ外の砂漠にでると、空いっぱいに溢れんばかりの星が輝いている。こんなに広い空とたくさんの星は今まで見たことがなかった。残念ながら、写真には写せなかったけれど。何度か流れ星がみえた。願い叶うかな。
翌朝、日の出を見にまた砂漠へ。とても幻想的な色合いだった。以前、チュニジアの砂漠にも行ったが、チュニジアでは砂漠と言っても色々な景色があった。モロッコのサハラ砂漠は、オレンジ色の砂丘の陰影、ラクダの列、ベルベル民族。こちらの方が、日本人のイメージに近い気がした。


砂漠から一気にフェズまで移動。道中、砂漠とはかけ離れた緑豊かな町や、湖があり、そのギャップに驚かされる。

イフラーンの町

そして青い町シャウエンへ。とても楽しみにしていた町で、でも半信半疑だったのだが、本当に青かった。壁、扉、窓までもが青く塗られている。ハッとするような目を引く青や、落ち着いたトーンの青、涼しい水色、サイダーのような淡い青などたくさんの青色に、カラフルなお土産が並んだり、黒猫が際立っていたり。町並みに夢中で、ひたすら路地を行ったり来たりしていた。


フェズでは半日しかなかったので、ガイドさんを頼んで観光した。メディナの入り組んだスークや、革に染色するタンネリが面白い。おすすめはブー・イナニア・マドラサだ。14世紀に建てられた神学校だが、壁に施された非常に繊細な彫刻に驚かされる。幾何学模様のモザイクタイルも美しく、あまりの繊細さについつい見入ってしまう。当時は2階に学生が住んでいたそうで、こんな綺麗な建物をいつも拝めるなんてうらやましい。


計11日間でモロッコの見どころを一気にまわったが、思っていた以上に色々な側面があり、エリアが変わると町の雰囲気もガラリと変わり、全く飽きることのない国だった。まだたくさんあるのであろうモロッコの知らない部分への興味もあり、そうでなくてもなんとなくまた行きたいと思わせるような、中毒性のある国だと感じた。この魅力を多くの人に味わってもらいたい。
オススメ度
マラケシュ・・・★★★★★エネルギッシュの凝縮された町
エッサウィラ・・・★★★★★とれたて魚の美味しい港町
サハラ砂漠・・・★★★★★まさにイメージ通りの砂漠、満天の星空が最高
シャウエン・・・★★★★★本当に青かった、かわいらしい町
フェズ・・・★★★★★メディナの迷路で迷い歩きが楽しい
(2016年10月 増田里紗)
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