トルコといえばファイブスターのツアーの中でも特に人気がある国の1つである。
だが最近トルコの国際空港でテロがあり、クーデターがあり、よくない話ばかり聞くようになってしまった。私の出張中にもイスタンブールで爆発があった。早く情勢が落ち着くことを願うばかりである。
私の趣味の1つは散歩だ。イスタンブールは散歩に丁度よい街だった。
今回は散歩をするようにトルコを紹介したい。
<朝昼>
トルコの朝は遅い。休みの日は午後2時頃にゆっくり起きて、朝食を食べる人も多いのだとか。
イスタンブールはボスポラス海峡によってヨーロッパ側地区とアジア側地区に分けられている。アジア側にあるカドキョイ地区では商店や雰囲気のよいカフェが多く立ち並び、一日中人々が食事を楽しんでいる。
私もカドキョイ地区でトルコのチャイをたしなみ、午後の日差しを浴びながらのんびりと過ごした。
ちなみに、トルコではチャイを事あるごとに飲む。数時間に1回は飲むペースだ。しかも暑くてもホットを飲む。冷たいのは好まれないそう。インドのチャイとはまた違い、ストレートで甘くないのが特徴だ。観光客用に甘いリンゴ味のチャイもある。スーパーにもたくさんチャイは売っているのでお土産にも最適。
アジア側からヨーロッパ側へ渡るのは、ボスポラス海峡クルーズがおすすめ。言わずと知れたボスポラス海峡。その海峡をクルーズする。所要時間は約90分。頻繁に本数は走っていないので、乗りたい便を逃すと1時間待ちということもありえる。
風が気持ち良い。いい意味で、まさに「私って観光客だなあああ」という気分を味わえる。
景色は単調ではなく、モスクや教会があったり、丘の上に豪邸が見えたり、人々が釣りをしている様子を見れたりと、退屈することはない。海峡というだけあって、大きな橋も臨むことができる。
カモメが空を横切っていった。
<夕暮れ、夜>
イスタンブールに来たらぜひ行きたいのがヨーロッパ側にあるブルーモスクとアヤソフィアだ。昼間ももちろん美しいのだが、夕暮れ時の美しさは筆舌に尽くしがたい。私の写真の腕では伝えられないのがもどかしい・・・
眠れない夜はブルーモスクにやってきた。イスラム教でない私は中には入れないが、外の広場には入ることができる。外の広場には中に入りきれなかった人々が、夜の祈りを捧げていた。トルコはイスラム色が強くはないが、モスクにやってくると人々の敬虔な祈りに触れ、心が震える。
スピーカーからアザーン(礼拝への呼びかけ)が大音量で流れ、そのうち「アッラー・・」とスピーカーから流れると人々はザーアッと地面にひれ伏した。五体投地。まだ礼拝をしないため床に寝かされた小さな女の子が、見慣れない日本人の私を大きな目で見つめていた。
お酒が好きな人は新市街に進出しよう。新市街はヨーロッパ側にあり、ブルーモスクなどがある旧市街からトラムで簡単にアクセスすることができる。旧市街からは所要時間20分ほど。新市街にはクラブやバー、おしゃれなお店も多い。
トルコにはラキという、水で割ると白く濁るお酒がある。焼酎を甘くしたような独特な味だ。
おやすみなさい。
ここでカッパドキアの空中散歩にも触れる。
<カッパドキアバルーン>
カッパドキアといえば、世界遺産に登録されているトルコの観光地の1つだ。きのこの形をした奇妙な岩がゴロゴロとそのあたりに生えている。この岩を昼間、地上から眺めるのは普通に楽しいのだが上から眺めてみたい・・・というのが人の性。朝に弱い私もちょっと頑張って早起きして、熱気球に乗ってみた。
ただこのバルーン、いつでも乗れるわけではない。以前事故があったため、天候に恵まれないとバルーンを飛ばすことができないのだ。晴れていても風が強ければ飛ばない。それで私は1日目、早起きしたにもかかわらずバルーンに乗ることができなかった。なんということだろう・・・・ニュージーランド出張で星空観賞が悪天候のため催行中止になった悪夢がよみがえる。笑 日頃の行いがよかったのだろう、2日目は風もおさまり、まあ毎回言っていることなのだろうけれど、ガイドさん曰く、とても珍しい好天に恵まれ、私たちは空へと飛んだ。
飛んだ。確かに飛べたはいいが一気に飛びすぎ、地上から一気に700mまで上昇した。私は高所恐怖症ではない。なのにめちゃくちゃ怖い。一応、腰にかよわい安全紐は巻きつけられている。みんな狂喜乱舞しているさなか、私はバルーンの籠にひたすらつかまっていた。しかも700mに到達したと思ったら、横の台湾人が携帯電話で自撮りを始め、あろうことか興奮して籠を揺らし始めた。もう私の頭の中は真っ白である。台湾人は気のすむまで籠を揺らし、何も悪いことをしていない私を怖がらせ、景色よりも自分自身を撮った。いったいトルコまで何をしにきているのだ。しかも700m上空まで。だが私は仕事で700mまで上がったのだ。仕事をせねば。。とやっと正気を取戻し、周りを見渡せば、朝陽に照らされた美しいカッパドキアが眼下に広がった。
フライトの後はシャンパンの乾杯。
<おまけにラマダン>
ラマダンといえば、イスラム教が信者に課している五行のうちの1つである。日の出から日の入りまで、一切の飲食を立つことだ。水はもちろん、たばこもだめ。1年のうち、限られた期間にそのラマダンは行われるのだが、今年は6月6日から7月5日まで。日の出は午前3時頃、日の入りは午後8時頃。なんという苦行だろう・・・。ちなみに今回の私の出張、トルコ到着日1日目がラマダン1日目であった。こんなの滅多にないチャンス!ラッキー!!と思ったものの、結論からいえばトルコはあまり戒律が厳しくなく、普段と変わらない様子であった。トルコ中部の一部の地域、コンヤなどは、昼の間レストランが閉まってしまうが、イスタンブールやカッパドキアなど、代表的な観光地では飲食の心配は全くない。現地のガイドさんも、昼間からタバコをふかし、お酒をのみ、食事を楽しんでいた。
☆おすすめ度☆
イスタンブール旧市街★★★★★
イスタンブールに来てここに立ち寄らない人はいないでしょう。見どころ詰まった必見スポット。
カッパドキア★★★★
時間が許せばぜひ立ち寄りたいカッパドキア。地下都市や修道院を巡り、トルコの歴史に思いを馳せます
(2016年5月 楠本)
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