見どころ満載、そして奥が深い、イタリア北部紀行9日間

見どころ満載、そして奥が深い、イタリア北部紀行9日間

今回の研修先はイタリア。ミラノ・ベネチアの大都市と地方のジェノバ、ボローニャ、ラヴェンナ、サンマリノを訪れイタリアの奥深さを知り、パルマハムで有名なオーベルジュで食を堪能してまいりました。



まず降り立ったミラノは三大ファッションショーが行われる最先端の街ですが同時に何百年もの歴史ある建築物が息づいている街でもあります。ミラノでのメインイベントは「最後の晩餐」鑑賞。予約も取れとても楽しみにしていたのですが・・・「最後の晩餐」があるサンタマリア・デッレ・グラツィエ教会に到着すると何と当日は職員によるストライキで休館に!しばし茫然とし、その場を動けませんでした(泣)。


最後の晩餐の入り口は左側の扉

ストライキの案内

実はパリでも事情がありルーブル美術館に行けず「モナリザ」を見られずにいたので、レオナルド・ダ・ヴィンチに縁がないのかも・・・。
サンタマリア・デッレ・グラツィエ教会自体も歴史あるルネサンス様式の教会で着工から完成まで約200年かかっています。この建物を含めて世界遺産なので、今回は教会をじっくり見学しました。


そしてミラノ中心部へ戻りゴシック建築の大傑作ドゥオーモへ。私はイタリアが舞台の小説「冷静と情熱のあいだに」が好きなのですが、そこに『世界一美しいドゥオーモ』と記されている言葉のとおり、その美しさは圧巻です。14世紀後半から約500年の年月をかけて完成したということは、今でいうスペインのサグラダ・ファミリアのような状況だったのですね。

朝は人もまばら




屋上テラスへはエレベーターか階段で登ることができます(方法により料金が異なる)が、屋上まで緻密に施された彫刻は、その数トータルで2245体。想像しただけで気が遠くなるような作業です。





昼近くになるとこの人出

ドゥオーモの隣にある王宮内にある博物館ではその彫刻のオリジナルや模型などが展示されていて、その緻密さをより間近に見ることができます。
他にもガレリアや中世の貴族の屋敷など歴史的な建築物がドゥオーモ周辺に集中していて歩くだけで楽しく、中には美術館になっている建物もあるのですが外観を見るだけで精いっぱいでした。
ガレリア




レオナルド・ダ・ヴィンチ広場

スフォルツァ城



中世の建物数々




コロンブスとマルコのふるさとジェノバ
ジェノバと聞いて思い出すのは「母をたずねて三千里」。主人公マルコがお母さんのいるアルゼンチンへ旅立った地です。港町というイメージしか持っていなかった私は豪奢な邸宅群に驚きを隠せませんでした。
中世には海洋貿易で栄えたジェノバはベネチアと覇権を争うほどで、その華麗なる栄光は現在でも「la Superba(誇り高い都)」と呼ばれます。そして繁栄の時代コロンブスもこの港から旅立ちました。
ジェノバ・プリンチペ駅前のバルビ通りは狭い道幅の両側に高い建物が並び薄暗い雰囲気で少し怖いような気もしたのですが、この通りは1.5kmにわたるストラーデ・ヌオーヴェと呼ばれる邸宅群の一部なのです。



そのストラーデ・ヌオーヴェの中でも特にガリバルディ通りは必見。ミラノとはまた違い豪華かつ重厚という感じも受けました。







個人的に好きなのは地下鉄サンジョルジョ駅からフェッラーリ広場周辺です。こちらは教会や官公庁街ですが邸宅群にも負けず劣らずの立派さです。






そして遺跡好きの目に留まったのはソプラーナ門。ここは中世ジェノバの入り口でした。その麓にはコロンブスの生家が復元されています。


そのコロンブスや航海の歴史はポルトアンティコ(古い港)と呼ばれる港エリアにある海の上の博物館でみることができます。ちょうど行きの飛行機で「白鯨との戦い」という映画を見たばかりだったのでイメージはわきやすかったのですが(その映画は19世紀が舞台なので時代が違いますが)、とてつもない気力が必要で当時の人々の国外に向ける思いに頭が下がります。




ポルトアンティコは他に潜水艦や水族館、観光ガレー船など海に関する開発が進む注目のエリアです。マーケットが開かれたり、ベンチでゆっくりしたり、観光客はもちろん地元の人たちの憩いの場となっています。今回このジェノバの天気が今一つで、この風景を青空の下で見るとまた格別だろうと思いつつ、この町をあとにしました。







もう一つの海洋国家、ベネチア
中世時代ジェノバと合わせて海洋国家として栄えたベネチアはジェノバとはまた違った趣で「水の都」「アドリア海の真珠」という言葉どおりの優雅さ。路地を曲がったり、運河にかかる橋を渡るたびにテレビなどで見た光景が次々に現れ、自分の目で見ていることが信じられないくらいでした。着いた時には曇っていた空が、お昼頃には「オ~、ソレミオ~(私の太陽)」と歌いたいくらいくらいの快晴となり(ちなみにこれはナポリ民謡らしいのですが、なぜかベネチアのイメージ)、気分はますます盛り上がります。天気がいいというだけで得した気分。
曇りの場合



晴れの場合



本島をかなり歩き回り「ここはどこ?」状態になったりしたのですが、ガイドブックには載っていない、いろいろな発見もまた楽しいひと時です。運河を渡す洗濯物でさえ絵になります。





島内の大運河を移動するヴァポレットにも乗ってみました。運河上から見る景色もまた格別です。






「一度訪れたものにはまた何度でも来たいと思わせる」の言葉のとおり、また訪れてゆっくり夢の世界に浸りたいと思ったのでした。
ボローニャ・ラヴェンナ・サンマリノにも立ち寄り
ボローニャも中世の古都で、豪華ではないですが、ルネサンス、バロック時代の趣が感じられる、他の町と名また違った雰囲気があります。ボローニャの斜塔と呼ばれる塔に上ると景色がよいということだったので頑張って上ってきました。





「降りてくる人がいたら踊り場で待ってください」と注意を受けるくらい狭い階段を498段上ると赤とオレンジのまさに中世という光景が目の前に広がりました。




ラヴェンナはモザイクの宝庫。5~6世紀のビザンチン時代のもっとも完成されたモザイク画として有名で、モザイク画と言えばラヴェンナというくらい重要な町なのです。これが全部モザイク!?というくらい綿密に描かれ、見応えは十分。かのダンテはこの地で「神曲」を書き上げ、モザイクの美しさを称賛しています。






ラヴェンナ郊外のクラッセ聖堂は羊がモチーフ(?)






サンマリノは世界で5番目に小さな国(面積は山手線の内側と同じ)で、最古の共和国でもあり、標高750mのティターノ山頂にある旧市街は城砦をはじめとする全ての歴史的建造物が当時のまま残されています。
そしてサンマリノは税金が高いヨーロッパにあって消費税がないので買い物もおすすめ。当時の建物にお土産屋やレストランが軒を連ねています。またツーリストインフォメーションでは5ユーロで入国記念のビザをスタンプしてくれます。







アグリツーリズモを提唱する素敵なオーベルジュで食を堪能





イタリアの楽しみといえば食も外せません。今回はパルマ郊外の素敵なオーベルジュに宿泊しました。アンティカコルテ・パラヴィチーナは、ミシュラン1つ星を獲得したレストランを持ち、その料理に使用する食材は野菜、お肉(鶏、豚、牛)は、パスタに使う小麦粉、バターなどなど、ほぼ自家製なのです。特に生ハムはこのオーベルジュへ世界中から注文が入るほどで地下の倉庫には熟成中のハムたちがその時を待っています。



今回クッキングレッスンでパスタを習うことができました。シェフから習えるということもすごいのですが新鮮な食材を目の前で見ることができ、一緒に成形までさせてもらえるのでかなりお勧めのアクティビティです。







できたてパスタはその場で調理し試食タイム。もちろん絶品、「ボーノ」です。


ディナーでは有名な生ハムをもちろんいただきました。口の中でとろけます。本当においしい、幸せ。


スタッフもホスピタリティにあふれ居心地がよく、今度はプライベートでまた来たいと思える素敵なオーベルジュを是非体験してみてください。
イタリアは初めてで入門編というところですが、まだまだ見たいところはたくさん。
「ボンジョルノ~」と言えば温かく迎えてくれる人々にまた会いに行きたい気持ちになる旅でした。
お勧め度
ミラノ・ベネチア ★★★★★ まさにイタリア!町自体が芸術品
ボローニャ・ラヴェンナ・サンマリノ ★★★★ 時間があれば是非お勧めしたい
ジェノバ ★★★★ 豪華な邸宅群は必見
生ハム ★★★★★ 絶品です
(2016年4月 平田真美)
このエリアへのツアーはこちら

ヨーロッパカテゴリの最新記事