飛んでイスタンブール2016春

飛んでイスタンブール2016春


ここ数年テロの影響で観光客が激減してしまっているトルコ。かつてはランクが常に上位の観光国なのにここ数年はとても残念な状態が続いている。そんな中、ターキッシュエアラインさん主催のファムツアーに参加した。
今回の主な目的は現在の安全状況を確認するというもの。私たち旅行者が安心して観光できるよう警備体制を強化していることをこの目で確かめるために出発した。
地中海最大級のリゾート・アンタルヤ
最初に訪れたのはアンタルヤ。イスタンブールで乗り換えておよそ1時間半。
地中海と切り立った山々に囲まれた人口約80万のトルコ有数の観光都市。年間300日も太陽の恵みを受けるほど雨が少ないらしい。冬でも平均気温10度を下回らない温暖な土地で6月から9月のハイシーズンはトルコ国内のみならずヨーロッパ諸国から多くの観光客が訪れる。

観光の中心はカレイチと呼ばれる旧市街。

入口のハドリアヌス門をくぐり細く曲がりくねった通りをカラアリオウル公園まで。ショッピングや名物トルコアイスを頬張りながら軽めの散策。




日本人が珍しいのか、地元の家族連れに話かけられ最後は記念撮影まで頼まれた。


アンタルヤエキスポ2016視察
アンタルヤで4月23日から10月30日まで開催予定のトルコアンタルヤ国際園芸博覧会の視察に行った。テーマは花と子供たち、次世代のための緑の地球。トルコ史上初の開催となる国際博覧会として国内外からの期待が高まっており800万人の動員を見込んでいるそうだ。日本も出展予定があってテーマは江戸時代に花開いた園芸技術と花文化を世界・未来へ。
工事中のため下車視察は出来なかったがオープンまであと1か月くらいなのにまだ途中。大丈夫なのだろうか・・



広大なペルゲ遺跡といまだなお現役の古代ローマ劇場・アスペンドス遺跡
アンタルヤの近郊には有名な遺跡が2つある。
最初に訪れたペルゲ遺跡はローマ時代の都市遺跡のひとつ。
劇場や競技場、アゴラ、ローマ浴場、噴水などが広範囲に点在している。



次いで訪れたアスペンドス遺跡は2世紀に建てられた円形の古代ローマ劇場。ほぼ完璧に状態で保存されている
ことに驚く。1万5千から2万人近く収容できる大きな野外劇場は音響効果がすばらしくてステージの声が上の方の客席まで聞こえるといわれている。試しに声を出してみて納得。良く響く。
ここは毎年夏にアスペンドス国際オペラバレエフェスティバルが開催されて世界中から大勢の観光客が集まる、
いわゆる「現役」の劇場。そのため、遺跡と呼ぶのはふさわしくないかもしれない。
想像以上に階段が急なので最上段まで登ると息切れするくらいきつい。でも上る価値がある。
最上席から見下ろす眺めは迫力があった。


地下鉄乗車体験
20年前に来たときは地下鉄なんてあったかな? 調べたら1本あった、というくらい移動は不便であったイスタンブールがここ数年の工事・開通ラッシュで飛躍的に便利になった。さらに新路線が開通する予定。東京並みのネットワークで空港から市内のアクセスもしやすい。もちろんフリータイムもメトロをうまく使えば、効率よく
自由に観光が楽しめる。


ボスポラス海峡とトルコ民謡ウスクダラ
地下鉄でアジア側の中心地ウスクダール(ユスキュダル)へ。

クルーズはこの駅の近くからスタート。

イスタンブールに来たなら絶対外せないのがこのボスポラス海峡クルーズ。黒海とマルマラ海を結び、アジアとヨーロッパを分ける長さ約30キロメートルのボスポラス海峡は世界で最も美しい海峡のひとつと言われている。

朝から激しい腰痛に悩まされていたことと、天気が悪いためデッキに出るのは断念。船内からひたすらぼーっと眺めることに。しばらくすると船内ではガイドがどこから仕入れてきたのか、日本語の歌を流し始めた。最初に流れたのが昭和28年に流行った(らしい)江利チエミさんのウスクダル。さすがにリアルタイムでは聴いていないのだがトルコの有名な民謡で、いつかどこかで聴いたことのあるメロディに心を奪われた。古いけどこれがなかなか琴線を刺激する歌詞とソウルフルなボーカル。日本に帰ってネットで歌詞を検索し、サビなのであろう次のフレーズを復習。 ”町じゅうの女を自慢の腕で 恋の虜にしてみせようと 粋ななりして出かけてみたが 虜になったのは男だったとさ ” という昔の色恋の話なのだがそのサウンドと独特な唱法は船の中ではとても新鮮だった。遠く離れたトルコの小さな町の名前をタイトルにした歌が紅白で歌われるほど日本で流行ったとは興味深い。次に私の期待を裏切ることなく飛んでイスタンブールがかかり、まさに昭和懐メロクルーズであった。


エジプシャンバザール
ガラタ橋の近くにある市場。エジプトからの貢物を集めてつくられたことからエジプシャンバザールと呼ばれる。またの名をスパイスバザールといわれるくらい香辛料を扱った店が多く並ぶ。ここには日本人女性と結婚してお店を経営している人が多いと聞いた。


おすすめ日本料理店 UDONYA
トルコで食べるからこそ美味しい日本食ではなく日本にあっても通いたくなるお勧めのお店。
屋号はうどんやだがメインは寿司などの魚料理。天ぷらもとても美味い。
場所は新市街でタクシム広場のすぐそば。

ターキッシュエアライン本社訪問
想像以上に立派なビルで警備もしっかりされている。
公開予定の映画”バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生”のスポンサーを務めるターキッシュ
エアライン。ここで私たち日本の旅行会社との意見交換が行われた。


イスタンブール空港ビジネスラウンジ
世界一の規模を誇る。2フロアあってシャワールームはもちろんのこと、シアタールームやゲームコーナー、
珍しいところではゴルフのシュミレーションルームまである。



ビジネスクラス利用またはスターアライアンスゴールドと同等の資格があれば利用可能。
平和の願い
最も印象的でゆっくり歩きたいと感じたのがイスティクラール通りです。


ライブ演奏をしながら走る路面電車こそがまさに平和の証と感じましたが
残念なことに訪れた5日後にここで自爆テロがあり多くの被害者が出てしまいました。
今回、イスタンブールの県知事、警察、空港警備の方たちとのミーティングを通じて彼らが並々ならぬ思いで安全に力を注いでいることを知りました。そんな関係者の皆さんの努力の隙をついた事件が起きてしまった
ことは非常に悲しいことです。かつてのように安心して旅行できるよう、より一層の警備の強化を期待し、
テロのない平和な日が戻ることを祈っています。

アンタルヤ・アスペンドス遺跡★★★★★
遺跡でありながら現在もイベントが行われているのが凄い。
最上階からの眺めは必見。
アンタルヤ旧市街(カレイチ)★★★★
狭い路地に並ぶお店をのぞきながらカラアリオウル公園、
アンタルヤの港、ヨットハーバーあたりまでの散策が楽しい。
ボスポラス海峡クルーズ★★★
イスタンブールに行ったら外せない。
手軽に楽しめるショートクルーズがお勧め。
(2016年3月 櫻本竜市)
このエリアへのツアーはこちら

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