菜の花紀行 北ドイツ ビールが飲めなくても楽しいメルヘンの旅

菜の花紀行 北ドイツ ビールが飲めなくても楽しいメルヘンの旅




今回カタール航空さんのご招待で北ドイツを訪れました。ドイツと言えばライン川クルーズにノイシュバンシュタイン城が日本人観光客にとってはメジャーな場所ですが、ドイツの魅力はまだまだある、自然や中世の時代に触れてきました。


<ドーハ・ハマド新空港>
カタールのドーハ空港は昨年、ハマド新空港がお目見え。まだ建設途中の箇所もありますが、トランジットホテルやプール、スパ施設もある巨大な空港になりました。

トランジットホテル

空港内プール

空港内ジム

空港中央に鎮座している巨大な熊は本物のテディベアでン億円!王室がお買い求めになったものですが置き場に困り空港に設置されたそうです。王室は規模が違いますね。

空港はレストランエリアにフードコート、ショッピングエリアが充実していて乗継時間が過ごしやすい空間でした。
<ドイツ・ポーランド国境エリア>
ベルリン南東のリューベナウは大小約300の運河に囲まれた美しい水郷の町。その町があるシュプレ―バルト(ドイツ語でシュプレー川の森)はユネスコ生物圏保護区に指定されています。
ここでの人気アクティビティは運河クルーズ。船頭さんが漕ぐので船はゆっくり進んでいきます。ここではカヌーも借りられるので運河の地図を片手に気ままに巡るのも楽しそうでした。




この地域は野鳥保護区でもあるので、いろいろな野鳥のさえずりに癒され、森の緑や周辺のかわいい家々に日々の忙しさを忘れ、ほっとするひと時でした。





リューベナウはピクルスも有名な町。途中でピクルスとパンのセットを買うことができます。パンにはラードを塗るのが一般的とか。試してみるとしつこくなく、ピクルスとの相性も抜群です。



そして足を延ばして、ゲルリッツへ。中世の3500あまりの建造物が入念に修復された町並みはドイツで最も美しいとも言われます。かつては塩や麻の取引を営む取引所や商人の家でした。どこを歩いても絵になる街並みは映画「グランドブタペストホテル」のロケ地にもなりました。





ナイセ川の対岸はポーランドです。この日はお天気がよく、ポーランド料理に舌鼓をうちながらゲルリッツの風景を眺めるという贅沢なひと時を味わいました。

対岸はポーランド


スープとポーランド風餃子、ロールキャベツ

<バルト海を望むメクレンブルグ州~ハンブルグへ>
ノイシュバンシュタイン城と並ぶ名城、シュベリーン城はバルト海に近い湖水地帯にあります。シュベリーン城は640部屋からなる華麗なお城で、そのうち図書室、玉座の間など26部屋が公開されています。美しい寄木細工でつくられた床や豪華な調度品、肖像画などに、当時の豪勢な暮らしぶりに目を奪われます。城内にはマイセン博物館も併設されているので、さらに豪華な食器にも注目です。





階下にはかつての温室(オランジェリー)がレストランとして利用されています。この時期はホワイトアスパラが旬ということで、いただきました。生ハムとあわせて絶品の一品です。


お城はお庭も素晴らしい。あいにくのお天気でしたが、花の色が一層引き立って華やかでした。





今回初めてSLに乗りました。SLが走っているのは北ドイツの町キュールングボルンからバート・ドーベラン。その名はSLモリー号です。電車とは違うのんびりとした乗り心地で、汽笛も旅情を誘います。車窓には菜の花畑や小麦畑が見え、一瞬ですがバルト海も見ることができます。ドイツに海のイメージはないですが、本当に北の方にいるんだなぁと実感できました。のんびり列車の旅は次々に違う景色を見せてくれるのでまったく飽きることなくあっという間の45分でした。






路面電車のように町中も走る

リューベックはSLの終点、バード・ドーベランから車で約1時間半。13~14世紀のハンザ同盟の中心として繁栄した町です。まず目に付くのは旧市街の入り口にある町のシンボル、ホルステン門。どっしりとした二つの塔からなる城門です。

旧市街にはれんが造りの建物が多く残っていて、当時の様子が垣間見られます。町の中心のマルクト広場には市庁舎やマリエン教会、当時のハンザ商人たちの館が立ち並ぶ通りもあり、趣がある町になっています。この時は雨模様でしたが市が立っていてにぎやかでした。







マリエン教会の入り口近くにはかわいい悪魔のオブジェがあります。オブジェは新しいものですが、言い伝えによるとこの悪魔はお酒が大好きで、マリエン教会を建設するとき、この悪魔は酒屋ができると思って一生懸命手伝ったそうです。しかしできてみれば教会。怒った悪魔は教会を壊そうとしましたが、町の人々が周りに酒屋をいっぱい造るから、となだめたということです。さしずめドイツの酒呑童子(?)でしょうか。

そしてハンブルグへ。ハンブルグはドイツ最大の港湾都市で、こちらもハンザ同盟の有力都市でした。当時の町並みは戦争や火事でほとんど残っていませんが、ここはあのビートルズがクラブで演奏したという縁の町でもあります。

ハンブルグで一番古い路地(1189年)

ビートルズが訪れたというオールド・コマーシャル・ルームというレストランにはラブスカウスといういくつもの賞を名物料理があります。コンビーフ、ジャガイモ、玉ねぎを混ぜた料理は食べやすく、ビートルズも同じものを食べたかも、と想像するとさらにおいしく感じました。


ハンブルグの新しい人気スポット、倉庫街のれんがの建物の中に世界最大級の鉄道模型のジオラマワールドが広がるミニチュアワンダーランドがあります。10万点以上のミニチュアの世界がコンピューター制御され、鉄道やジオラマ好きな人はもちろん、そうでない人もこの精巧な世界に引き込まれること間違いなしです。





<ハルツ地方のメルヘンの町へ>
ハルツ地方は旧東西ドイツの国境地帯にあり、統一前は近づくことができない地域でした。現在は緑広がる丘陵地帯になっています。この地方で最も高い山は標高1142mのブロッケン山。標高は低いですが「ブロッケン現象」という自然現象の元になった山で、この現象がよく観測されたことが由来とされています。



その地域の古い歴史を残す2つの町、ゴスラーとヴェルニゲローデの旧市街はメルヘンいっぱいの町で、まるで童話の世界に迷い込んだようです。
どちらも旧市街はマルクト広場を中心に木組みの家々が並んでいます。町を散策するだけでも楽しい、どこを見ても絵になる町です。実際に住んでいる人たちは数年ごとに家の色を塗り直し(色を変更することは違法)、景観に努めているとのことですが、窓辺は通りを歩く人に向けて、かわいく飾り付けがされていて、この町に住む人々は楽しんで住んでいるんだな、と感じました。中には観光客向けに滞在できるホテル(京都で言う町屋滞在のようなもの)もあるとのことで、今度はゆっくりこの町に滞在したいと思いました。





ゴスラー






ヴェルニゲローデ

一番小さな家

傾いた家

この地方には魔女の伝説もあり、ブロッケン山では4月30日から5月1日にかけての夜、魔女たちが冬の終わりを祝って悪魔と饗宴を催すというものに由来して、町には魔女グッズもあります。顔はちょっと怖くてリアリティがありました。



ドイツには古城ホテルが数多くありますが、今回カッセル近郊のヴァルデックでドイツ最古の古城ホテル、ヴァルデックに宿泊しました。エーダーゼー湖を眼下に望むお城は堅固でまさに城塞。お部屋は現代にリノベーションされていて快適で、部屋からの眺望は最高です。

お城全景






今回は菜の花ベストシーズンに訪れましたが、葉の花だけではなく、春まっさかりであちこちでかわいい花を見かけました。





ドイツと言えば、のソーセージももちろん食してまいりました。
肉汁たっぷりでやっぱり本場はおいしい!



カレーソーセージ

緑と森の国ドイツは、目も心もお腹も大満足。ビールは飲めなくても大のお気に入りの国になりました。
お勧め度
リューベナウ ★★★★★
ゲルリッツ ★★★★
シュベリーン等北ドイツ ★★★★
ゴスラー&ヴェルニゲローデ ★★★★★
(2015年5月 平田真美)
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