スイスの車窓から-冬-

スイスの車窓から-冬-

今回スイス政府観光局とレイルヨーロッパのご招待により、スイスへ行く機会を得た。
スイスといえば夏、という固定概念をひっくり返したスイスの冬旅。シンと空気が張り詰めた美しい銀世界は冬だけの姿。そういえば旅の途中に出逢ったスイスに何度も通っているという日本人の奥様は、スイスは冬が1番好きと言っていた。

クリスマスマーケット ホットワインやさん

今回私が訪れたのは、ルツェルン→インターラーケン→モントルー→ツェルマット→チューリッヒ。その中でも雪山ユングフラウヨッホと、今回好きになった街、モントルーを紹介する。


今回2つ雪山に登ったが高いほうの山、ユングフラウヨッホを紹介しよう。ちょっと面白い名前、ユングフラウは乙女や若い娘、ヨッホは肩や鞍部と訳される。ユングフラウヨッホは3,400mほどの山で、インターラーケンからであればまずユングフラウヨッホの麓の駅、クライネ・シャイデック駅までおよそ1時間半。それから隣のホームの電車に乗り換え、いよいよおよそ50分かけて3,400mを登っていく。ユングフラウヨッホはヨーロッパ一標高の高いところにある駅で、トップ・オブ・ヨーロッパと呼ばれる。ユングフラウヨッホまでは2回ほど、展望台で停車し、そこからはアイガーを横からみることができる。

スイスの雪山

クライネ・シャイデック駅からアイガーと

展望台より氷河をみる(雪の下の薄い水色が氷河)

クライネ・シャイデック駅から、アイガーは充分見ることができる。1番の観光シーズンの夏には、この駅が観光客でごった返すそうだが、冬のいまは観光客もそこそこだった。
ものすごく薄着に見えるが、ここはマイナスの世界。ぜひともみなさんにはしっかりとした上着をお勧めしたい。また、ホテルの部屋もあまり暖房は効かない。部屋の中でも着られるような上着は準備したい。私はあろうことか布団を被らずにベッドで仮眠をとってしまい、風邪をひいて、辛い旅になってしまった。
電車に乗ると次第に頭が痛くなってきて、心臓がバクバク動いているのが分かるようになった。顔色も悪かったらしく、この時すでに風邪をひいていた私は軽い高山病にかかってしまったのだった。だが軽ければ心配することなどない。上にいるときはゆっくりと行動し、高度を下げればすぐに症状はなくなる。
ユングフラウヨッホでは気温がマイナスで、しかもその日は猛吹雪で景色がまったく見えない状態だった。ただ展望台ときけば立ってみたいのが人間の性!!私たちは果敢に展望台へと繰り出す。なかにはスキー用の分厚いジャケットズボンを着ている人がいる中、私はタイツにショートパンツという自然をバカにしたありえない格好をしていたのでこの有様。マイナスの世界で突風が吹くから3秒いられれば上等の世界。

寒い!!痛い!!息が出来ない!!!!!

ユングフラウヨッホにはレストランもあるが、少し料金は高めなので別の階のフードコートが人気なんだそう。また、ユングフラウヨッホには日本の郵便ポストがある。ここで絵葉書を投函すればユングフラウヨッホの消印が押してもらえる。おすすめだ。

そして今回気に入った街はモントルー。モントルーはインターラーケンからゴールデンパス・ラインという展望列車を利用し、およそ3時間半ほどで到着する。3時間半といえば長時間に感じるかもしれないが、そこは展望列車、ザ!スイス!な車窓を楽しんでいる間にあっという間にモントルーに到着する。1番の見所は、モントルー到着の30分前ほどからモントルーの背後にある山を下るときの車窓。モントルーとレマン湖を上から見ることができる最高の車窓だ。

ゴールデン・パスライン


モントルーとレマン湖を臨む

レマン湖にそって作られた小さな街が愛らしい。レマン湖の対岸はもうフランスだ。モントルーはこのレマン湖と背後の山に守られ、冬でも他の地域より暖かいという。それでも寒かったが、レマン湖畔で最も気候と景色がいいとされるモントルーは、昔から貴族にも人気のリゾート地。スイスで最初にホテル(民宿)ができたのも、モントルーといわれるほどだ。
モントルーは歩いて充分周ることができる街。湖に沿ってメインストリートがあり、メインストリートに沿ってお店が建ち並ぶ。

モントルーで1番の観光の目玉はシヨン城。街中からバスで10分かからないところにそれはある。湖の上に建ってるようにみえるシヨン城は厳かな雰囲気が漂う。日本語の解説CDもあるので充分に私たちでも楽しむことができるだろう。
正直なことをいうとあまり期待していなかったシヨン城だったが、厳かな雰囲気もありなかなか楽しかった。お土産やさんにはシヨン城で保管されている、シヨン城でしか売っていないワインも販売されているので必見。買うつもりは全くなかったのに買ってしまった。

シヨン城


ワイン保管庫

クリスマスの時期なので夜にはクリスマスマーケットが開かれる。全部で200くらいはお店があるかもしれない。ホットワインやソーセージ、ラクレットと呼ばれるスイスのチーズ料理、キャンドルやガラス工芸などのお店が立ち並ぶ。
スイスの物価は高い。日本の1.5倍~2倍と考えていいだろう。マクドナルドのビッグマックセットが日本円にして¥1,800くらいとのこと。(2014年12月現在) ペットボトルのジュースや紅茶が1本400円ほどする。

ガラスやさん

ランプやさん

この旅を通じて、スイスの列車は本当に隅々まで走っていること、またそれが観光客にとても利用しやすいことを実感することができた。夏のスイスもいいが、日本人が少ない冬のスイスもおすすめだ。

色々なチーズ

<スタッフおすすめ度>
ユングフラウヨッホ・・★★★★ 山好きはぜひ!冬の防寒対策はきっちりと
モントルー・・★★★★ 湖畔に広がる素敵な街。人と違うスイス旅を望む人におすすめ
2014年12月 楠本悠子
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