紺碧の海と大自然、壮大なローマ遺跡・・・ ~魅力溢れる南エーゲ海地方を視察して~

紺碧の海と大自然、壮大なローマ遺跡・・・ ~魅力溢れる南エーゲ海地方を視察して~

エーゲ海リゾート・ボドルム

ティレ・キョフテ(トルコ風ハンバーグ)を賞味(ティレ)

山中でさくらんぼ狩り(ティレ)

伝統舞踊「ゼイベク」を鑑賞(シリンジュ)

パムッカレバルーン(パムッカレ)

サクルケント渓谷にて

泥温泉にて(ダルヤン)

トルコ大使館及び南エーゲ開発機構のご招待を受けまして、トルコ南エーゲ海沿岸地方視察旅行に参加してきました。
最近のトルコは、イスタンブールのデモなどのニュースで物騒なイメージがありますが、この南エーゲ海地方はイスタンブールから約900キロも離れていて、そんなデモの雰囲気のかけらも感じられない、平和なリゾート地。世界遺産、エメラルドに輝く海、アウトドア天国、世界三大グルメ、温泉……欲張りな旅行先がトルコなのに、現地ガイドさんの言葉を借りると「日本人はイスタンブールとカッパドキア止まりで、ここまで足を伸ばす人はほとんどいないんだよ。もっと日本人にも来てもらいたいなぁ」ということでした。確かにその通りなのです!2回目のトルコ訪問で感じたのは確かに熱気あふれるイスタンブール、奇岩のカッパドキアもいいですが、それとは別にキャニオニングやラフティングが楽しめる大自然、エーゲ海沿岸の白い町ボドルム、一面ブドウ畑の中で試飲ができるワイナリー、泥温泉などにとても魅力を感じました。
以下、今回訪問した南エーゲ海沿岸地方のうち、特に印象的だった観光地を一部ご紹介いたします


可愛らしい、情緒あふれる村「シリンジェ」

かわいい町シリンジェ

古代ギリシャ人によって建設された都市遺跡エフェスから車で20分の場所に、この最近密かな人気を呼んでいる村シリンジュがあります。
エフェスからの途中、オリーブ林や桃の畑などを眺めながら、くねくね山道をゆき、もうそろそろかなぁと思った頃、山の斜面に白壁にテラコッタ色をした屋根の家々が見えてきます。そこがシリンジェ村です。トルコ語で、〝可愛い〟を意味する「シリン」な村。 その名の通りの可愛らしい雰囲気のする、温かい村です。
ここは山間の人口1000人弱の村で、丘の斜面にはブドウ、桃、イチジク等の果樹園が広がるのどかな村です。山あいの斜面にギリシャ風の古い町並みが美しく残っていることから、最近は雑誌で紹介されるなど、トルコでは密かな人気のスポットの1つ。なにがあるというわけではないのですが、何が魅力って、とにかく村の雰囲気がめちゃくちゃかわいいのです!!

風情のある石畳が続く村(シリンジェ)

メインストリートである狭い石畳の道沿いには、カフェ、ワイン、手刺繍品、オリーブ製品等の土産物店がずらりと並んでいます。「アルバニアの石畳」と呼ばれ、何ともいえぬいい風情を醸し出している石畳がずっと村の奥まで続いていて、店の合間の路地には、白壁に濃い茶色の格子窓がはまった独特の様式のギリシャ式の家々が建ち並んでおり、トルコでは見られぬ独特の景観を作っています。かつて、ギリシャに住んでいたトルコ人とシリンジェ村に住んでいたギリシャ人とで住民交換が行われ、それ以降、トルコ人が暮らし始めたという歴史がこの景観を作り出しているようです。

フルーツワインが豊富なワインショップ(シリンジェ)

フルーツワインが豊富なワインショップ(シリンジェ)

試飲して好きなワインを見つけよう(シリンジェ)

かつてギリシャ人が生活していたこの村は今でもワインの生産が盛んです。
ワインといっても葡萄酒よりは、フルーツワインのボトルが数多く並んでいました。
現在料はブルーベリー、ブラックベリー、青りんご、りんご、苺、マンゴー、ざくろ、メロン、ピーチ、チェリー、ライチなど。
たまたま入ったワインショップの店員に薦められるまま10種類以上のワインをティスティングしましたがそれぞれフルーツの香りが美味しさを引き立てる。ジュースの様に甘い優しい口当たりのものが多かったです。お酒は苦手な人でも飲めるワインです。
民家の脇には、オレンジの木が植わっていたり、庭には色んなハーブが生えていたり、ロバや羊に遭遇したりと、本当にの~んびりのどかな村。
外国人ツーリストの多くは古代ギリシャ文明の壮大な遺跡エフェスを見るだけで次の目的地に進んでしまいますが、今回訪れてみてシリンジェを訪問するためにもう1日滞在を延ばす価値はあると思いました。
パムッカレバルーンで朝日に染まる石灰棚を鑑賞!

バルーンツアーにて(パムッカレ)

バルーンツアーにて朝日に染まる石灰棚を見学(パムッカレ)

上空から見た石灰棚(パムッカレ)

バールンのパイロットと記念撮影(パムッカレ)

カッパドキアでなじみのバルーンツアーが、なんとパムッカレでも楽しめるようになりました。まだ8ヶ月前に始まったばかりで、現状催行している会社は1社のみのため、事前予約が必要です。今回折角なので参加してみました。朝日に染まる石灰棚を鑑賞するためには朝のバルーンツアーに参加する必要があります。バルーン乗り場はカルハヤット村の麦畑近くにあります。ホテルからそこまでに移動し、早速乗ります。バルーンは村の上空から石灰棚の上へ。朝日が昇りピンク色に染まる石灰棚は絶景です。ぜひ参加してみては。
パムッカレワインはワイナリーで

パムッカレワインのワイナリーにて(ギュネイ)

パムッカレワインのワイナリーにて(ギュネイ)

パムッカレワインのワイナリーにて(ギュネイ)

パムッカレワインのワイナリーにて(ギュネイ)

ワイナリーの貯蔵庫(ギュネイ)

ワイナリーのスタッフと

パムッカレより約1時間半、パムッカレワインのワイナリーのあるギュネイへ。
少々遠いのですが訪問の価値ありのワイナリーです。
ワイナリーにつくと早速工場内を見学。ワイン造りの行程をワイナリーのスタッフの解説付きで学びます。数々の賞をもらっている老舗のワイナリーで、工場にはオールドヴィンテージワインの樽も所狭しと並んでました。

貯蔵庫のオールドヴィンテージワイン(ギュネイ)

カネベネ・ソーヴィニオンのブドウ畑(ギュネイ)

パムッカレワイン「TRIO」(ギュネイ)

夕日に染まるブドウ畑を見ながらの試飲は格別(ギュネイ)

ワイナリーの工場で蒸留の工程を見学した跡、ワイナリーの主人の粋なはからいで、ブドウ畑へ移動し試飲しました。一面ブドウ畑で囲まれた場所で、サンセットを見ながらの試飲は格別でした。
女神アフロディテゆかりの古代遺跡「アフロディスィアス」も見逃せない!

オデオン(音楽堂)は圧巻!(アフロディシアス)

儀式や祭典に使われていたテトラピオンにて(アフロディシアス)

古代競技場にて(アフロディシアス)

パムッカレ滞在中に日帰りで訪れることもできるアフロディスィアス遺跡は、エフェス遺跡ほどの知名度はないですが、その素晴らしさはエフェス遺跡に決して引けを取らないほどなのです。
紀元前から町として栄えたアフロディシアスは、5世紀にはカリアの首都となり、医学と哲学の都市として知られていたという。紀元前1世紀に造られた劇場や、1世紀から2世紀にかけて造られたスタジアム、神殿、浴場、オデオン、学校、アゴラなど今も残る遺跡からは学問が盛んだった当時の雰囲気が伝わってくるようだ。劇場やスタジアムはかなり保存状態もよい。5世紀には教会として使われていたアフロディテの神殿跡からは3メートルもの巨大なアフロディテ像が発掘されている。見ごたえ十分の保存状態も良い遺跡で遺跡好きでなくともぜひ訪れたい。
ひんやり気持ちがいい!白い大渓谷<サクルケント峡谷>をトレッキング!

「ヒドゥン・バレー」サクルケント渓谷にてキャニオニング(サクルケント)

入場券売り場のおしさんと(サクルケント)

“隠れた渓谷”サクルケント峡谷はキャニオニングやラフティングを楽しめる欧米人にはおなじみの観光地です。羊飼いが今から15年ほど前に偶然見つけたこの峡谷は、全長約15kmでヨーロッパでも指折りの規模を誇る。発見者の羊飼いはトルコ政府から49年契約でこの場所をリースし観光客に入場料をとって開放し、コーヒーショップを公園内で経営しているんだとか。

「ヒドゥン・バレー」サクルケント渓谷にてキャニオニング(サクルケント)

「ヒドゥン・バレー」サクルケント渓谷にてラフティング(サクルケント)

「ヒドゥン・バレー」サクルケント渓谷にてジープサファリ(サクルケント)

トルコ絨毯のしきつめられた川床休憩所にて(サクルケント)

峡谷をトレッキングするにはブラブラ歩いて往復で30~40分ほど。日が当たらない峡谷はひんやりしていて心地よく、南エーゲのガンガン照りつける日差しにやられていた私にはありがたい。歩きたくない人や、ぬれたくない人はトルコ絨毯のしきつめられた川床休憩所でお昼寝したり、冷たい飲み物でゆっくりおくつろぎを。ここでのビールは格別です
泥温泉でつやつや卵肌?断崖絶壁の遺跡やウミガメが来る砂浜も訪問
ダルヤンの泥温泉とウミガメの海岸ツアー

ボートツアー(ダルヤン)

カウノス遺跡(ダルヤン)

地震が多いことで有名なトルコは良質の温泉に恵まれている。日本のツアーだと、パムッカレの温泉が有名ですが、今回訪れたダルヤンという町で入ったのはなんと「泥温泉」!
硫黄分をたっぷり含む泥は、ぬるぬる、べたぁーっとしていて、なんともいえない感触。毎日つかっていたらゆで卵のようなお肌をキープできるかも。今回の視察日程では、時間がなくゆっくりつかる時間がないのが残念。訪問時間が閉園間際のため、客はほとどんといなかったが、日中は老いも若きもキャーキャーと大喜びで灰緑色の泥につかって、そこはまるでカバの楽園状態なんだとか。

泥温泉(ダルヤン)

泥温泉(ダルヤン)

絶滅種のカメ「カレッタ・カレッタ」(ダルヤン)

ダルヤン名物アオガニを賞味(ダルヤン)

カメの産卵場所ともなるイズトゥズ・ビーチ(ダルヤン)

泥温泉の後は、小船に乗って、絶滅種に指定されるウミガメで有名なIztuzu 海岸までデルタ地帯を川下り。途中、紀元前3、4世紀前後につくられたカウノス遺跡(CaunosまたはKaunosと綴る)を水上から見学。ここはカリア王国とリキア王国の交差点にあり、両文化の影響を色濃く受け継いでいる。このあたりで最も有名なこの断崖絶壁に位置する貴族の墓は、カリア人によって建設されたといわれるが、様式はリキアなんだとか。
最終目的はウミガメ海岸。国の特別自然保護区に指定されており、Caretta Carettaという絶滅種のウミガメが産卵しにくるため、夜間は立ち入り禁止とのことでした。
温泉に、遺跡に、ビーチと、満足度の高いツアーはおすすめの1つです。
ボドルム近郊・チョマクダー村で伝統的な結婚式再現ツアーに参加
フィナーレは村人みんなでダンス!ダンス!ダンス!
今回ボドルムの近郊のチョマクダー村でトルコの村の結婚式の様子を再現したものを見学するツアーに参加しました。トルコの結婚式は本来4日間にわたって行われるものですが、観光客用に約3時間ぐらいに凝縮されツアー化されているものです。伝統的な衣装をまとったおばちゃんたちはフォトジェニックで愛らしい。

村の民族衣装をきたおばちゃんはフォトジェニックで愛らしい(チョマグダー村)

伝統的音楽でおもてなし(チョマグダー村)

村の伝統料理でおもてなし(チョマグダー村)

村人が広場に集まり、伝統的な音楽が演奏され、食事が振る舞われ、数々の婚礼の儀が行われます。儀礼が済むと村人みんなで民族舞踊を踊り、婚礼の成功を祝うのです。ダンスは最初はゆっくりとしたテンポで始まり、フィナーレへ向けテンポが速くなり参加者の興奮は最高潮を迎えます

村の伝統的結婚式を再現!ダンスする女の子がかわいい(チョマグダー村)

村の伝統的結婚式を再現!ダンスする女の子がかわいい(チョマグダー村)

村の伝統的結婚式を再現!ダンスする女の子がかわいい(チョマグダー村)

研修を終えて

エフェス遺跡にて(エフェス)

ヒエラポリス博物館にて校外学習の子供たちと(パムッカレ)

1年360日のうち300日晴れるという触れ込み通り、天気に恵まれ充実の研修となりました。トルコは観光立国として現在観光産業への大規模投資が行われておりプロモーション活動にも力を入れているようです。まだまだ観光地としては未整備の場所もありましたが数年後きっと新たな観光地として生まれ変わっていることでしょう。とても楽しみです。
今回の研修を踏まえ新たなトルコの魅力をご紹介できればと思っております。南エーゲ開発機構のソネルさんやトルコ大使館の和田さんには大変お世話になりました。ありがとうございました。

ボドルムのヨットハーバー(ボドルム)

ヨートハーバーで佇む船長さん(ボドルム)

のんびりな雰囲気のビーチ(ボドルム)

こんな愛らしい看板も似合う(ボドルム)

【スタッフおススメ度】
アフロディシアス遺跡★★★★ 隠れた名跡
シリンジェ★★★★★ かわいい街並みがGOOD!
ダルヤンの泥温泉★★★スティング、ダスティン・ホフマン、ジャック・ニコルソンなど有名人が多く訪れている泥風呂はおすすめ
サクルケント渓谷★★★アドベンチャー好きの方にオススメ!
(2014年5月  渡邊 竜一)
このエリアへのツアーはこちら

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