お洒落の本家はベルギー?

お洒落の本家はベルギー?

世界遺産グラン・プラス

ゴディバのチョコレート

メリーのチョコレート

ベルギービール

ベルギーの出張が決まると、周りの人たちは口を揃えて「えーいいねー、私も行きたい」と言う。何がそんなにも行きたい気持ちにさせるのか。ゴディバに代表される高級チョコレートがお目当てなのか、本場ベルギービールを飲めるからか、それとも溢れる芸術作品に対面できるからだろうか。私自身もいつかは行ってみたいと思っていたので、カタール航空主催の研修旅行に参加でき幸運だった。


小便小僧

グラン・プラス

ライトアップされたグラン・プラス

美味しいビールをついでくれたボーイ

カタール航空の快適なフライトを楽しみ、ベルギーの首都・ブリュッセルに降り立った。まずはあの有名な「小便小僧」の像へ。沢山の観光客が別名・ジュリアン君をバックに記念撮影をおさめていく。小さな像だが、人気のほうは今も絶大だ。周りにはワッフルやお土産やさんが建ち並んでいる。ここから10分ほど歩くと、世界遺産の「グラン・プラス」に行きあたる。レ・ミゼラブルの作者・ヴィクトル・ユーゴが「世界で一番美しい広場」と称した広場だ。110mx70mの長方形広場はきらびやかなギルドハウスに囲まれている。時代を超え中世のままの姿で存在する不思議な空間だ。なぜか心がわくわくして、嬉しくなってくる。建物の美しさなのか、丁度良い広さなのか、喜びに満ち溢れた人々がかもしだす雰囲気が広場に充満しているからなのか、いつまでも離れたくない気持ちになる。ねばったかいがあり、なんと夜10時から突然ライトアップが始まった。赤、青、黄色、緑、紫と変幻する10分間のファンタジーショーだ。突然のプレゼントに思わず拍手。感動にかこつけて何杯もの乾杯のグラスを夜遅くまで傾けてしまった。

ノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂

ノートルダム大聖堂

市庁舎

ブラボーの像

翌日は商業・金融の中心地アントワープへ。ブリュッセルが首都・東京とすればここは大阪にあたるかもしれない。ベルギーで一番大きなゴシック教会「ノートルダム大聖堂」は1352年から約170年もの歳月をかけて建てられ、高さは120m以上もありその威容に圧倒される。内部には「フランダースの犬」のネロ少年を魅了したであろうルーベンスの最高傑作の祭壇画「キリストの昇架」「キリストの降架」がある。すぐ近くのルネッサンス建築の市庁舎は1600年代のもので実に優雅だ。市庁舎前広場には市の名前の由来になった、巨人の手(アント)を投げた(ワープ)というブラボーの像がある。今まさに巨人の手を投げようとしている。ルーベンスの家、モレトゥス博物館、マイエル美術館、チョコレートライン宮殿など見所、食べ所ふんだんの街だ。

ブルグ広場・市庁舎

ベギン会修道院

運河クルーズ

運河クルーズ

運河クルーズ

イケメンボーイ

次の日はベルギーの旅に絶対欠かせない街・ブルージュを訪れる。12、13世紀には西ヨーロッパ第一の貿易港だったが、15世紀ごろ北海とを結ぶ水路が浅くなり、商船が出入りできなくなってしまった。それ以降まるで時間が止まったかのような街になった。しかし今や、その中世そのままの落ちぶれた街が多くの人の郷愁をそそり、こぞって訪れるとはなんと皮肉というか、喝采というか歴史のいたずらにただただ驚くばかりだ。マルクト広場とブルグ広場を中心に拡がる街を散策すると、まるで中世に戻ったかのような錯覚に陥る。ここブルージュを回るには運河クルーズがおすすめ。古い街並みの間をぬって大聖堂や教会などを眺めながら、さながらテーマパークの遊覧ボートのごとく波を切っていく。夜はもちろんベルギービールをイケメンボーイの給仕で十分楽しんだことは云うまでもない。

レイエ川沿いのギルドハウス

レイエ川沿いのギルドハウス

鐘楼

最終日は、派手さは無いがしっとり落ち着いた趣の街、ゲントへ。ゲントを有名にしているのはレイエ川に沿って並ぶ華々しいギルドハウス群だ。もちろん中世の建物で実に優雅で実直な外観だ。川とボートとのバランスも絶妙だ。「神秘の仔羊」が鑑賞できる聖バーフ大聖堂、鐘楼、市庁舎など見ごたえ十分だ。

グラン・プラス

今回の旅は、なぜベルギーにみんなが行きたいかの理由を探す探求の旅だったが、その理由は王室ご用達のゴディバ、メリー、ノイハウス、ガレーから庶民派チョコレートまで勢揃いのチョコレートも一つだろう。続いて、800種類以上もあるビールや本場ワッフルもそうかもしれない。またその中世の景観も大きな理由だろう。しかし短い間であったが、ベルギーをベルギーならしめているのは本物を見極める人々の目、文化ではないだろうかと思った。北はオランダ、東にドイツ、南にフランスに囲まれながらバランスをとりながら生き延び、ある意味ヨーロッパの中心として存在するだけの術が育まれたのではないだろうか。そんな街、空間、時間の中で我々もまるでゆりかごの中にいるような安心感を感じるのではないだろうか。背伸びせず、しっかり足を地に着け、それでいてどこかお洒落なベルギーに乾杯。

香川

ザッケローニ

最後に今回はビッグなおまけがついていた。帰路ドーハに立ち寄り、ワールドカップ最終予選、日本・イラク戦のスタジアムに行けたのだ。まじかで見る香川、本田、ザッケローニに大感激。カタール航空さん、本当にありがとうございました。
2013年6月
本山泰久
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