女性中心に相変わらず人気の国、トルコを旅する機会がついにやってきた。ファイブスタークラブで働き始めてたくさんのお客様がトルコに旅行されるのをずっと見てきて、私自身トルコに行きたいと思っていたので、出発前からうきうきしていた。今回、仕事帰りに直接出発できるカタール航空の深夜発を利用し、ドーハで乗り継ぎ、トルコのアンカラへ入るというルートで旅はスタートした。日によってカタール航空のフライトスケジュールが異なるが、この日の乗り継ぎ時間は比較的良く、アンカラ到着はお昼過ぎ。アンカラ到着後、ガイドさんと合流しカッパドキアへ。車でカッパドキアまで移動なのだが、アンカラからは4~5時間かかる。更に途中で、昼食や休憩を入れるとカッパドキア到着は、夜8時頃だった。
アンカラからカッパドキアへ行く途中に、トゥズ湖という塩の湖を通るのだが、休憩場所でもあるこの湖はなかなか面白い。ボリビアのウユニ塩湖とまではいかないが、見渡す限り一面に塩湖が広がっている。ところどころに水溜りはあったが、普通の湖のように水が張っているわけではないので、塩湖の上を歩くことができる。裸足で歩くと気持ちいいとガイドさんに勧められ、周りを見るとちらほら裸足になっている人もいたので、裸足で歩いてみた。冷たいコンクリートの上を歩いている感覚だった。
2日目、早朝からバルーンツアーのショートフライトを観光前に組み込んだ。そのため、朝は5時起き。5時半にホテルまでバルーン会社のスタッフが迎えに来てくれ、まだ日が昇る前の暗い時間から出発。何組か途中でピックアップし、バルーン会社のオフィスへ。オフィスでバルーンの準備が整うまで待機。40~50分待機し、いよいよバルーンの乗り場へ出発。
スタッフの指示通りにいくつかのグループに分かれてバルーンに乗り込みます。着陸の際等の簡単な説明を受け、いよいよ空へ飛び立ちます。
高いところから見下ろす奇岩の景色や、遠くのほうまで良く見えるバレー等、バルーンに乗らなければ見ることができない景色が広がっていて、気持ちよかった。
着陸後は、シャンパンで乾杯。フライトの証明書も名前入りで一人ひとりもらうことができる。
バルーンは風の流れに乗って飛ばなければならないため、着陸する場所も風によってきまる。乾杯をした後、バルーンを直す作業等、思うより時間がかかり、ホテルへ戻れたのは朝9時。1日観光のツアーは9時半からスタートだったので急いで朝食を摂り、次はカッパドキアの1日観光ツアーに出発。
[カイマクル地下都市]
このカイマクル地下都市とは、昔キリスト教徒の人々が隠れ住んだ地下の住居である。蟻の巣のようになっており、敵が侵入してこないよう、落とし穴や石の扉等仕掛けがたくさんあった。地下8階まであり、現在は地下4階までしか観光できないが、約2万人が住んでいたということもあり、想像以上に広くて深く驚いた。
[ウフララ渓谷]
ギョレメやユルギュップからは少し離れているが、時間があれば訪れてほしいところがこのウフララ渓谷である。全長は約12kmあるこの渓谷だが、通常はその中の約3,5kmを散策する。横には道に沿って川が流れており、両端は緑に囲まれ気持ちよい。
[セリメ修道院]
ウフララ渓谷でランチをとった後、近くのセリメ修道院へ向かった。尖った岩が多い地帯にあり、修道院自体も岩をくりぬいて作ったような形で、山のようだった。足の踏み場も迷うような急な斜面や細い道、小さいトンネルなど迷路のようだ。また落とし穴のようなものもあるので、足元に注意して歩かなければいけない。どんどん上っていくと、礼拝所や台所がある。キリスト教の教会があり、数十年前まで使われていたとのこと。礼拝所の近くには馬小屋として使っていた部屋があり、その部屋は今でもまだ馬のにおいが残っていた。
[ハトの谷・ギョレメパノラマ]
セリメ修道院のあと、ハトの谷へ。なぜハトの谷というのかというと単純にハトが谷の上を飛んでいるからだそうで、確かにたくさんハトがいた。ギョレメパノラマは、やはり名前の通り、ギョレメを一望できるスポットなのだ。写真スポットとして立ち寄る程度だが、どちらのスポットも眺めは最高だ。
[ウチヒサル城塞]
順番は前後するが、ハトの谷の次に訪れたのはウチヒサル城塞。城塞の内部は上ることができ、ここから眺めるギョレメの町並みはとても綺麗。また城塞のふもとの洞窟の家には今でも人が住んでいるのである。家の中も自由に見て周ることができる。洞窟の家なので、本棚やその他家具ひとつひとつが可愛く見える。
[陶器工房]
ギョレメより北側アヴァノスは陶芸の村と言われるほど、陶器工房や陶器のお店が多く、この村に住んでいる人のほとんどが陶芸関係の仕事をしているようだ。たくさんある工房の中で、俳優の速水もこみちも陶器制作を習いに来たという陶器工房を案内してもらい、実演制作を見学した。見学のあとなんと無料で5分くらいの陶器制作の体験ができた。足でろくろを回し、手で陶器の形をつくる。なかなか難しい。陶器職人に手伝ってもらいながらなんとか陶器のベース完成。
隣の部屋では数人の職人が、焼き上げた陶器に模様と色をつける作業をしていた。なんと陶器すべてひとつひとつ手作業で模様をつけ、色をつけていくのだ。気が遠くなるような細かい作業で、さすが職人だなと思った。その部屋の隣には出来上がった陶器のお店があり、たくさんの種類の陶器が並んでいた。どれもカラフルでかわいい陶器ばかり。
[洞窟ホテル]
カッパドキアといえば、洞窟!そんなカッパドキアでは、せっかくなので洞窟ホテルに滞在してみてほしい。カッパドキアには現在は約60の洞窟ホテルがあり、ランクはいろいろあるが、普通のホテルと変わらない料金で洞窟部屋を体験できる。また、洞窟ホテルは比較的小さい規模で家族や身内だけで経営しているところが多く、宿泊客一人ひとりへのケアがしっかりしている。洞窟ホテルだから普通のホテルよりデメリットが多いのではと考えがちだが、エアコン・アメニティ・wifi等設備はそろっていて快適に滞在できます。(wifiは使えないホテルもある)
3日目は朝からギョレメ屋外博物館へ。ここにはいくつかの岩窟教会があり、保存状態の良いフレスコ画を見ることができる。ただ、観光客がたくさん訪れるので、一つの教会の中で見学する時間が1グループあたり3分程度と決まっているので、ゆっくり見学することができないが、有名なイエス・キリストの処刑の場面等のフレスコ画を見ることができたり、興味深いものだった。
お昼前からの料理レッスンの時間が迫っているため、ギョレメ屋外博物館を早足で見学し、料理レッスンの準備へ。料理レッスンはまず、料理の材料の買出しから。スーパーに寄って、材料を買う。この日は1週間に1度のバザールがスーパーの前で開催していたので、安くで買える野菜やフルーツ等は市場で買った。
その他、トマトソースや米等はバザールには売っていなかったので、スーパーで購入。さていよいよ材料が揃い、先生の家へ。「着きましたー」というガイドさんの声で、車を降りると見たことのある景色が目の前に広がった。ウチヒサル城塞のふもとの道だ。なんと料理レッスンの先生は昨日観光したウチヒサル城塞のふもとの家の住人だったのだ。早速キッチンへ招かれ、買ってきた材料を先生にチェックしてもらう。今回は時間がなかったので、パン作りは断念。2時間程度で作れる料理を教えてもらうことになり、サラダ・インゲン豆のトマトスープ・マントゥ・ナスと肉のトマトソース煮込みの4つの料理に決まった。
サラダやスープ、ナスと肉の煮込みは簡単に料理をし終えたが、マントゥは少し時間がかかる。マントゥとは、ラビオリのようなもので、大きさは小さく中には肉を詰め、最後はヨーグルトと混ぜて食べる。作るのに時間はかかるがマントゥの作り方が一番面白く、日本に帰ってからもトライしてみたいと思えた。スープや煮込み物を作るにしても日本での手順とは少し違うし、年季が入った調理器具やなべを使って料理するので、普段できない体験ができて良かった。先生は日本語や英語は話せないが、日本語のガイドさんが付いてくれるので安心だ。料理が出来上がった後は、もちろん自分で作った料理が昼食となり、キッチン奥のリビングで先生の家族も交えて昼食を楽んだ。紙にしたレシピをもらえるというわけではないので、料理を作りながら、必要な箇所はメモを取らなければならないので注意が必要だ。今回作った4種類の料理は、難しそうに見えますが作り方は意外と簡単だったので、また日本で作ってみたいと思う。
夕方、カッパドキアの観光では人気のローズバレーの夕陽鑑賞に出かけた。夕陽が落ちるにつれ、続々と観光バスが到着し、観光客でにぎわい出した。やっぱり人気の観光地なんだなと実感したが、ポイントはローズバレーより少しでも離れて、夕陽・ローズバレーを見ること。近すぎるとバレーの色の変化があまり分からない。
夕陽が沈むと1日終わったような気分になるが、まだまだこれから。夕食前にハマムへ行った。体験したのは、1時間半の泥パック・サウナ・アカスリ・泡マッサージ・屋内プール付きのコース。マッサージが始まる前まではタオルもコース料金に含まれるので、水着も必要ない。フロントは男女共同だが、フロントから先は男女別で、女性エリアには女性スタッフのみなので安心。もちろん女性のお客様には必ず女性スタッフが付く。男性のお客様は男性スタッフの中から一人指名することができる。面白い制度だ。
ハマムの後は、ターキッシュナイト。舞台があり、それを囲むように段々に客席がある。夕食をとりながらショーを見ることができる。夜8時半頃からショーがスタートし、トルコの地方のダンスをいろいろ見ることができる。1つのダンスは約5分~10分くらいでダンスとダンスの間には約10分~15分くらい間隔があるので、ダンスも食事も楽しめるようになっている。ショーの最後はやはり有名なベリーダンス。きらびやかでセクシーな衣装で踊る姿は本当に美しく、圧巻だったし、とても盛り上がった。
4日目、この日朝から少しパジャパー地区や、エセンテベの3人娘の岩等奇岩スポットを観光し、パムッカレへ向かった。
パムッカレからカッパドキアまでは、途中コンヤを立ち寄り、全部で約10時間かかる。1日かけての移動だ。カッパドキアとパムッカレのちょうど中間地点のあたりにあるコンヤだが、やはりメヴラーナ博物館が有名だろう。緑の塔がきれいだが、実はここは宗教教団の創始者の墓である。博物館敷地内には、修行場や普段生活していた部屋、実際に使っていた品々が多く残っている。
少し遅めだが、昼食もコンヤで摂ることにした。コンヤの名物といえば、ピデ。ピデとはトルコ風のピザで、特徴はとても長いことだ。4人用のテーブルの端から端までの長さ。ガイドさん、ドライバーさん、私で計3枚注文したが、量が多すぎて食べきれなかった。しかし、今回のトルコ滞在中に食べたものの中で一番おいしく、印象に残った料理である。
再びパムッカレへと向かい、パムッカレのホテルに到着したのは、夜8時前だった。
5日目、昼前には次の滞在地であるボドルムへ出発するため、ハードスケジュールだが、午前からパムッカレ観光だ。パムッカレの観光箇所であるヒエラポリス・パムッカレ温泉・石灰棚は同じ場所に集まっているので、徒歩で観光する。まずは北門の入り口から入り、ネクロポリスという古代の共同墓地がずっと先まで続く。
道の両端にはいろいろな様式の墓が並んでおり、大きさ等は埋葬者の力によって異なるそうだ。ネクロポリスを抜けると、ヒエラポリスが見えてきて、近くには教会や円形劇場も残っている。
遺跡地帯を抜けると、パムッカレ温泉が見えてくる。ここは、水着やタオルが(入り口で買うこともできるが)必要なので、注意してほしい。温泉というほど、お湯は暑くなく屋外プールのようだが、温泉の下には遺跡が転がっており、不思議な感じだった。
温泉を出て、博物館を抜けると、石灰棚が広がる。裸足になり、段々になっている石灰棚を出口の方へひとつひとつ降りていく。足場が悪く、滑りやすいので気をつけないといけないが、水溜りの底には石灰の粉が溜まっており歩くとふわふわした感触だ。
パムッカレの3大名所をひととおり観光し終えた後、エフェスへと向かった。エフェスまでは約3時間。エフェス遺跡は東京ドーム約7個分からいの広さがあり、浴場、公衆トイレ、劇場、図書館など様々な遺跡が形の良い状態で残っている。古代ローマ時代の遺跡にもかかわらず、きれいな形で残っているので、その時代の人々の生活や暮らしをイメージしやすかった。
1時間~1時間半ほど見学した後、この日の最終目的地はボドルムのため再び車で長距離移動。途中休憩を挟みながらだが、ボドルムに到着したのは夜7時頃。1時間ほどホテルの周りを散策した後、町中心部のレストランでシーフードを食べた。10月はすでにシーズンも終わっていたので、欧米人が多かったが人の数は少なく、レストランやバーではにぎやかな声が聞こえるものの比較的静かな町という印象だった。
ただ、シーズンである夏はやはりビーチもあるリゾート地なので、人で溢れかえりかなりにぎやかだそうだ。
6日目、午前中はフリータイムだったので町の中心を散策。昼間は結構観光客が多く、中心部にはたくさんお土産物屋さんが並んでいてにぎわっていた。町の中心にあるマリーナに沿った海岸通りにはたくさんの船(観光客用と漁船)がずらーっと停まっていて、朝とれた魚を船の前で売り出していた。
前の日は夜到着だったので、あまり町の景色が見れなかったのだが、ここボドルムは町全体、家など建物の壁が白で統一されていて、町全体を見渡すとギリシャの島のように美しい。
また中心部から少し離れると小さいビーチがいくつかあり、リゾートライフを楽しむことができる。10月でも暖かく、この日は30度近かったため気持ちよく海に入ることができた。
ビーチで少しゆっくりし、夕方から飛行機でイスタンブールへ飛んだ。イスタンブールのホテルに到着したのは9時頃。イスタンブール最初で最後の夜は夕食のみとなった。
最終日、夕方には帰国のため空港に向かわないといけないので、朝からみっちり観光が詰まっていた。ブルーモスク・アヤソフィア・古代競技場跡・地下宮殿・グランドバザール、すべて旧市街にあり、徒歩で観光ができる。
これまで訪れたカッパドキア・パムッカレ・ボドルムとは違い、イスタンブールは何でもそろう、そんな大都会の印象をもった。実際、街中にはレストランやお店が立ち並び、たくさんの人々で活気がある。東京のようだ。女性の方でイスタンブールに来る目的の大半にショッピングが上げられるだろう。街のいたるところにかわいい雑貨屋さんがあるので、1日ショッピングだけで過ごせそうだ。またグランドバザール内には約4400ものお店が並んでおり、迷子になりそうなくらい。相場をきちんと調べて賢くショッピングできればもっと楽しくなるだろう。
もっとゆっくり見たかったが、帰国の時間が迫っているためショッピングを切り上げ空港へ。
今回トルコを旅してみて、都市ごとにそれぞれ異なった特徴の町並みが広がっていてとても面白い国だなと感じた。そして何よりも、行く先々で気軽に話しかけてくれるトルコ人が多く、日本や日本人が大好きな人達が多い国だということを知った。”こんにちは”のあいさつだけでもトルコ語を使うと、皆とても喜んでくれるし、少しでも多く自分たちの国のことを知ってもらおうといろいろなことを教えてくれる。温かい人たちに出会い、わたしもトルコという国を好きになった。トルコにはまだまだ訪れるべき遺跡や地域がたくさんあり、発掘されていない遺跡も数え切れないほどあり、本当に興味深い国である。
カッパドキアバルーンツアーのパイロットと
ハマム師
パムッカレのホテルスタッフ
ガイドと
2012年10月/栗山