今回エティハド航空さんとUTIジャパンさんのご協力で、セイシェル・アブダビを旅することとなった。エティハド航空さんは2010年から日本に就航した新しい航空会社で、アラブ首長国連邦国営の航空会社である。まだ就航して2年程度ということで、問い合わせをいただく際にも、「エティハド航空?どこの航空会社?」と聞かれることが多い。ドバイで有名なアラブ首長国連邦の首都、アブダビを拠点としている。
アブダビといえば・・・2010年の大ヒット映画「SEX AND THE CITY 2」の舞台となった都市である。(撮影はモロッコで行われたが・・・)女性のお客様にはそう伝えた方が分かりやすいかもしれない。
成田からアブダビへはおよそ12時間のフライト。パーソナルテレビがあり、日本語で観られる映画も多いため、飽くことなく、あっという間にアブダビへ到着した。アブダビ空港はドバイ空港に比べて小さいが、その分乗換えで迷うことも、あちこち歩き回って疲れることもない。長いトランジットの場合は、有料で利用できるラウンジをオススメしたい。もちろんエティハド航空専用のビジネスクラス・ファーストクラスラウンジもあるので、リッチなお客様はこちらへ。
今回はマヘ島、プララン島、セントアン島(オールインクルーシブの1島1リゾート)のホテルを巡ってきたので、その紹介をしようと思う。
<プララン島のホテル>
○ レムリアリゾート
島の北西部にあるプララン島を代表する5ツ星のデラックスリゾート。一番スタンダードなカテゴリーでもお部屋もバスルームもバルコニーも広く、ゆったりと過ごすことができる。SHISEIDOスパやゴルフ場、テニスコート等あり、マリンアクテビティも充実している。部屋では無料でWI-FIが接続できる。客室がビーチに面しているので、波音が聞こえてきて、リゾートに来たんだなぁと心から実感できる。
○ ココ・ド・メール
島の南東部にあり、フェリー乗り場からも近い、4ツ星クラスのリゾート。ホテルの名の由来となっているココドメール(セイシェルの特徴的な双子ヤシ)の形をしたプールがある。明るい客室内には大きなジャグジー風呂があり、ハネムーナーにはぴったり。別棟にあるスイートタイプのお部屋へのグレードアップもオススメしたい。崖の上に建つ客室棟からの眺めは素晴らしく、またここにあるスパもゲストの誕生日から気質を選び、それにあった施術を行ってくれる。なんといってもマネージャーのホスピタリティが素晴らしく、ゲストには皆声をかけるようにしてくれるので、安心してホテルステイを楽しむことができるだろう。
○ ベルジャヤプラランビーチリゾート
プララン島の中でも比較的ホテルが立ち並ぶ賑やかなビーチエリア、アンス・ヴォルベールに位置するスタンダードクラスのリゾート。カジュアルなホテルで、客室がビーチに面してはいないが、アクセスは悪くない。美しい砂浜が広がるエリアが近く、ダイビングセンターもある。
○ パラダイス・サン
ベルジャヤプラランの近くで、同じくアンス・ヴォルベールに位置する4ツ星クラスのリゾート。敷地は広くはないが、こじんまりとして動きの取りやすいホテルである。客室は少し手狭な感じはあるが、清潔で落ち着いた印象があり、ビーチで過ごしたり、プールで泳いだり、シュノーケリングやダイビングを・・・と活動的に過ごしたい人にはぴったりだ。
○ ラッフルズ・プララン・リゾート
2010年にオープンしたばかりの豪華なラッフルズリゾート。全部屋プライベートプール付のコテージタイプの客室で、とにかく豪華。ベッドルーム、バスルーム、バルコニーどれをとても広々とし、あちこち出かけるのではなく、のんびりホテルステイを楽しみたい、そしてプライバシーを尊重したい人にはオススメしたい。ラッフルズグループでは初めての独自のスパがある。リゾート内を移動する際にはバギーを呼ぶ必要があるほど、リゾート内は広い。部屋では無料でWI-FIが接続できる。
<プララン島の見所>
島中央部に位置している世界遺産に指定されたヴァレ・ド・メ国立公園ではセイシェルのシンボルともいえるココ・ド・メールを見ることができる。フリーで行って、自分で散策することもできるが、ガイドさんに頼んで、オプショナルツアーとしていくことをオススメしたい。これ以外にも特徴的な植物が多数あり、説明がないと何がなんだか分からない状態になってしまうであろう。ガイドさんと一緒であれば、小さな動物や虫を発見してくれるので、海だけではないプララン島の大自然の魅力を感じることができる。
島の北部に位置するアンス・ラジオは島内でも随一の美しいビーチとして知られている。非常に細かい白砂のビーチはあちこちから来たゲストでにぎわってはいるが、プララン島に行くのであれば、是非ここには足を運んで欲しい。レンタカーをして行くという方法もあるが、ホテルでタクシーを呼んでもらい行くのもいいだろう。
<マヘ島のホテル>
○ エフェリア・リゾート
マヘ島の北西部に位置する豪華リゾート。広大な敷地の中に255のスイートとヴィラが点在している。メインエントランス側ではないビーチヴィラの立ち並ぶ北側のプライベートビーチは特に美しく、ここで一日のんびりして、お腹が空いたらビーチレストランで優雅にランチという贅沢な過ごし方をしてみたいと感じた。スパやアクティビティはもちろん充実していて、リゾート内の移動にはバギーや自転車を利用する。
○ メリディアンバーバロン
グラン・ダンスの近くのビーチ沿いのホテル。4ツ星クラスのカジュアルなホテルで、見学当日は満室。ということで客室内を見ることができなかった。ホテルのエントランスを抜けたロビー、レストラン、バーエリアの開放感がすごく気持ちのよいホテル。客室棟の外観は味気ない感はあるが、客室内は木目調のナチュラルな雰囲気があり、ゆったりと過ごすことができる。
○ ケンピンスキー
木目調のナチュラルな雰囲気のあるリゾートで、客室内は広々として落ち着いた印象。面プールがとても広く、ビーチも開放感があり、ゆったりと過ごすことができる。2012年6月現在ではレストランや一部施設でリノベーションを進めているが、敷地が広いので、特別気になることはない。
○フォーシーズン
島の南西部に位置し、マヘ島を代表する高級リゾート。美しいビーチを囲む自然豊かな山の斜面に、高床式の客室があちこちに立ち並ぶ。全室プライベートプール付で、広い客室、ゆったりとしたバルコニー、アンティーク調のオシャレな家具で揃えられ、大人な休日が楽しめる。スパの屋上からの眺めも素晴らしく、ここに滞在するのであれば是非体験していただきたい。
○ ベルジャヤボーバロンベイ
ボーバロンビーチに面したスーペリアクラスのホテル。カジュアルな雰囲気で、イタリアン、中華、鉄板焼きのレストランが入っていて、更にはカジノもあるので、週末になると地元の人も集まり大変にぎわう。ビーチに面した客室はないが、ダイビングセンターがあるので、マリンアクティビティには事足りる。
○ メリディアンフィッシャーマン
個人的には非常に気に入ったホテルのひとつ。ボーバロンビーチに面していて、リゾート自体はこじんまりとしているものの、客室の雰囲気がとてもオシャレでスタイリッシュ。但し、バスルームとシャワールーム、そしてベッドルームとの区切りがないので、男性女性問わず、友達同士やファミリーでの滞在には不向きかなという感はある。ハネムーナー、カップルには良いだろう。
○ コーラルストランド
ボーバロンビーチに面しているスタンダードクラスのホテル。それまでがグレードの高いホテルばかりを見てきていたので、どうかな・・・と思っていたが、客室内はキレイにリノベーションされていて、雰囲気も悪くない。客室自体は狭いが、ビーチへのアクセスも問題ないので、友達や家族でワイワイ楽しみたいという人には向いていると思う。2012年6月現在でリノベーション、客室の建て増しを行っているので、インターネットのつながりが悪かったり、テレビが映らないということがあったが、終了すればより快適な滞在ができるだろう。
<セントアン島について>
ビクトリアの専用ターミナルから船で10分。マヘ島の目の前に見える小さな島がひとつのリゾートになっている。モルディブのように環礁をリゾートにしているのではないので、山あり海ありの楽しみどころ満載のリゾートだ。セイシェルでも現段階で唯一のオールインクルーシブプランが楽しめるのも魅力のひとつ。今回初めてオールインクルーシブを体験したのだが、とにかくお財布を気にせず楽しめるのだから楽でしょうがない。スパやダイビングは有料にはなるが、部屋番号を伝えればチェックアウト時に精算ができるので、貴重品は部屋のセーフティーボックスに預けて、安心して楽しむことができる。お部屋は全てスイートタイプで、ベッドルーム、バスルーム、バルコニー、デッキもとても広い。島内はこれも料金に含まれる自転車で気軽に移動できる。もちろんバギーを頼んでもいい。ビーチが3つあるので、一年を通して楽しめる。
南国のセイシェルを後にして、次はアブダビのショートステイ研修。夜中(といってもほぼ早朝に近い時間)に到着し、1泊だけして次の日の夜には帰国するという滞在時間24時間もない中で、ホテルインスペクションを2件、観光、フェラーリワールド見学を済ませた。
6月のアブダビはなんといっても暑い・・・これが7月8月になると更にというから、想像するだにおそろしい・・・と思いつつも、結局移動はタクシー、ホテルやショッピングモールはエアコンがしっかりきいているので、外に出る時間を極力少なくすれば、観光できないこともないだろうかなと。初アブダビの印象は、とにかく街がキレイ!そして工事中が多い!という感じだ。ドバイはかなりリゾート地として出来上がってきているが、アブダビは土地も資金も潤沢にある分、途方もない伸びしろを感じる。これが5年後、10年後、30年後に来たとしたら、相当変化しているであろう。短い滞在時間の中で訪れた観光地を紹介しよう。
<シェイク・ザイード・モスク>
2007年に完成したばかりの新しいモスクは、遠くから見ても真っ白でキラキラ輝いていた。イスラム教のモスクは異教徒は基本的には入れないが、ここのモスクは入ることができる。但し、女性は肌を露出した格好や体のラインが見える服装がNGのため、モスクに行く際には服装に注意しなければならない。また頭も隠さなければいけないので、ストールやスカーフを持参しなければならない。以前はアバヤを貸し出してくれていたのだが、今後は貸し出しがなくなるそうなので、要注意。たまたま私が行ったときはまだ貸し出してくれたので、全身真っ黒のアバヤを着て、モスクの中に入ることができた。総大理石、柱には美しい宝石の飾り、そして足元には一面のペルシャ絨毯。とにかくお金をかけて造り上げたことがわかる見事なモスクだ。観光客も多く、バシバシ写真を撮ることができた。昼間も美しい姿が見られるが、夜はライトアップされて、更に幻想的な姿を眺めることができるのだそうだ。
<マリーナ・モール>
アブダビのショッピングモールはまだドバイの数、規模には及ばないが、日本のショッピングモールの規模に比べたらやはり大きい。高級ブランドから世界中のファストファッションが揃い、カフェもレストランも充実。カルフールや電器屋さんも入っているので何でも揃う。金の自動販売機があったのには非常に驚いたが、これでこそアブダビ。一体どういう人が自動販売機で金を買うのだろう・・・と色々考えてしまった。暑い時期は皆避暑でショッピングモールにやってくるので、地元の人や観光客でとてもにぎわっていた。逆に冬は外でも遊べるくらいの気候になるので、夏の賑わいは落ち着くそうだ。
<フェラーリワールド>
アブダビで一番楽しみにしていたのがフェラーリワールド。フォーミュラ1好き、車好き、そして絶叫マシン好きにはたまらないテーマパーク。屋内テーマパークなので、暑い夏でも安心して楽しめる。滞在時間が短かったので、時速200㎞出るというフォーミュラロッソというジェットコースターに並んで、乗って、叫んで終わってしまったが、パーク内にはフェラーリの車が展示してあったり、子供も楽しめるアトラクションがあったりと、友達同士でも、家族でも楽しめるスポットになっている。今回の旅の〆はこのフォーミュラロッソ。時速200㎞の区間は今まで体験したことのない重力がかかってきたが、その後はすっかり慣れ、両手を広げて叫び続け、旅の疲れというものをすっかりと発散してきた。前に座ってた男の子にひたすら「この東洋人うるさいな・・・」という視線をなげかけられたことは、いい思い出ということにしておこう。
2012年6月 倉田