少数民族が大部分、な貴州省を先取りしてきました ~2009年社員旅行<B班>~

少数民族が大部分、な貴州省を先取りしてきました ~2009年社員旅行<B班>~


今回訪れた貴州省は、人口の4割を17の少数民族が占めるという、民族の小るつぼである。
その土地は「天に三日の晴れなし、地に三里の平地なし」と表されるように、曇りの多い天候と山がちな地形で、特に天候に関しては、年に150日も曇っているとも言われる。
はずなのだが・・・しかし・・・!!
このB班の旅程中は、申し訳ないくらい毎日気持ちの良い晴天に恵まれたところを見ると、B班には誰かとんでもない晴れ男・晴れ女がいたに違いない。


1日目:
貴陽に到着後、高速道路を走って安順へ移動。

夕食は、プイ族料理。どんどん運ばれてくる料理の中で我々の眼を釘付けにしたのは、スズメ。おそるおそる小さいものを食してみると、焼き鳥のような(確かに鳥である)、意外とクセのないお味。その他も、野菜を中心にしたお料理の数々をいただき、ホテルへ。
2日目:
この日は、前半組のA班と一緒に、六枝長角ミャオ族の村へ。ミャオ族は、中国では貴州省に最も多く住んでいるが、ミャオ族と一口に言っても様々な種類に分かれている。
サスペンションがきいていないのか、皆ぴょこぴょこ跳ねながらのバス道中。


到着すると、村の入り口に民族衣装をまとった女の子たちがお出迎え。歓迎の焼酎を飲ませてもらい入村、歌や踊りの歓迎を受ける。
刺繍が得意なミャオ族の村では、刺繍をほどこした布やそれを使ったバッグなどをお土産用に売っている場合もある。が、売り子のお母さんたちには英語はもちろん、手書きのアラビア数字も通じない・・。標準北京語の数字のみでなんとか交渉しなければならないため、イー・アー・サン・スー・・・はマスターしておきたい。
夜は、現地旅行社のセッティングしてくださった宴会で、貴州特産の茅台(マオタイ)酒で乾杯をしたが、さすがにアルコール53度の“杯を乾す”のは至難の業だ。茅台酒は、毛沢東や周恩来が外国の要人をもてなす時に歓迎のお酒として用いた高級酒だそうだが、あまりの強烈さに、お酒もそこそこにおいしい貴陽の料理をたらふくいただいた。
3日目:
朝早くバスで出発、高速道路で玉屏を経由して鳳凰へ。
ところで、この旅は移動距離が長く、中国の国土の広大さを感じた。バス移動が長いと気になるのがやはりトイレ。途中何度かトイレ休憩があるが、トイレットペーパーホルダーがあっても紙はない・栓はあっても水が流れない・扉はあったりなかったり、という状況。つまり、トイレットペーパー・ウェットティッシュ・少々の根性が必須アイテムである。(個室扉のない“ニーハオトイレ”も多い中、運良く個室扉があったとしても、扉が閉まらないケースも。ホテルのトイレ以外ではペーパーは備え付けられていなかった。)
延々と長い移動の末、鳳凰に到着。鳳凰は貴州省のお隣の湖南省西部にある。特に鳳凰古城は、沱江沿いの楼閣や虹橋、お土産屋さんや食べ物の屋台が立ち並ぶ通りなど、散策がとても楽しい。夜になると、川沿いの家や民宿の軒先の赤いちょうちんが灯り、建物の輪郭も電飾でライトアップされる。それが川面に映りこんでとても美しく、夜の町歩きもまた楽しめる。





4日目:
例のごとくバスでゴトゴト走って新寨ミャオ族村を訪問。村の中は階段の上り下りが多く迷路のようになっている、外敵から攻撃されたときの防衛のためだったそうだ。古い家を見せてもらい、村を流れる川で小船に乗っていると、どこからともなく子供たちが連れ立って集まってくる。我々はミャオ族の生活を見学していたつもりが、彼らは訪問者であるもの珍しい外国人を見学していたようだ。



そして鎮遠の町に到着。こちらも町自体は小さいが、お店が並ぶ石畳の通りが美しい。町の真ん中を流れる舞陽河沿いの夕暮れの景色は必見。日が暮れると、こちらも赤い提灯が灯りムード満点の町並となる。



5日目:
鎮遠で青龍洞を見学。舞陽河の川辺に張り付いている建物で、河にかかった橋と楼閣、周りの山と一緒にもやがかかったその雄大な光景は、水墨画のようで、まさに“中国”のイメージそのものである。



そしてこの旅最後のミャオ族訪問。銀細工の里でもある施洞ミャオ族の村へ移動。笑顔の素敵な多くのお母さん方が歌って踊って歓迎してくださった。歓迎式のあと、お母さん方が地元の民謡(らしき歌)を披露してくれた。歓迎の歌を歌ってもらうと、その歌に対してこちらからも歌を贈るのが習慣のようだが、ちょっと困った。というのは、日本の歌はどうもゆったり短調気味でピンとこないのか受けが悪かった。唯一、六甲おろしだけは、ミャオのお母さんたちの心に響いたのか、聞きまねで歌い返してくれた。何かこれはというお返しの歌を準備しておくと、お母さんたちとの掛け合いが楽しくなること請け合いだ。




6日目:
早起きで貴陽空港へ。北京乗継ぎで帰路につく。
お世話になった現地旅行社の姚(ヤォ)さんとお別れ。旅行の仕事が大好きで生きがいのように思っていて、日本語も物腰も日本人以上に柔らかく、気配りの鬼ぶりにはもう感服するばかり。旅行中ずっとお世話になりっぱなしだった、本当にありがとうございました!
乗継ぎの北京では、天安門広場と北京ダックの昼食のため市内に出た。貴州の小さな町々とはうって変わっての大都会、高いビルが立ち並びきれいな車やバスが時間帯によっては大渋滞を起こすという道路、中国は広いと改めて感じた。その一方で、貴州で見てきたゆったりした昔ながらの風景には、いつまでもそのまま変わらず人々を和ませてほしいと思った。
貴州省は、まだまだ日本では認知度が低いかもしれないが、中国国内でも旅行先としての人気が上がってきているそうだ。素朴であたたかい人や町、少数民族にたくさん出会える魅力的な場所なので、これからますます注目されることだろう。
我々の経験が、みなさんの貴州省への旅のきっかけになればと思う。
2009年11月 中島

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