〜モーリシャスって知ってますか?〜

〜モーリシャスって知ってますか?〜

今 回7年ぶりにモーリシャスへ。モーリシャス航空さん主催の研修旅行に誘っていただいたのだが 3 泊 5 日の行程で、観光は一切なしのひたすらホテル視察である。(日中のフリーは合計でわずか 30 分!)モーリシャスへ行けるのは嬉しいけれど、反面リゾート地に来て泳げない&のんびりできない事程辛い事もない・・・。プールサイドやビーチでのんびりとくつろぐヨーロピアンを横目に、彼らの 「何だこいつら?」というような迷惑そうな冷たい視線にひたすら耐える・・・。ビーチリゾートの視察とはいつもこんなものである。(それをあまりに気の毒に思ったモーリシャス航空さんが1時間程のサンセットクルーズをアレンジして下さいました。ありがとう!)


さて旅行好きな人は別として、一般の人達でこのモーリシャスという国を知っている人はいったい どのくらいいるのだろうか?その名前すら聞いたことのない人もいるだろう。
ホテル・ヒルトン
世界地図で見ると、まずアフリカ大陸の右側にポツンとある島、これがマダガスカルで、さらにその右側辺りに位置しているのがモーリシャスである。日本からの直行便はなく、香港・シンガポール・クアラルンプール・ドバイなどで乗り継いで行くのが一般的だ。東京都と同じくらいの大きさながら珊瑚礁の海や美しい白砂ビーチ、緑の山々、火山や渓谷、滝や川、森林など多様な自然があり、サトウキビ畑が一面に広がる。
ホテル・シュガービーチとりわけ「インド洋に浮かぶ緑の楽園」と称されるように、その緑豊かな大地は美しい。
『トムソーヤの冒険』で有名な小説家のマーク・トゥエインがモーリシャスを訪れた際に「神はモーリシャスというパラダイスを創り、それを真似て天国を創った」と言ったとか。これは少し大袈裟かもしれないがそれくらい自然の美しく、のどかな島であるという事。 これがモーリシャス第一の魅力である。
ホテル・ラピローグのプールそれから「インド洋の貴婦人」とも呼ばれるように、一歩リゾートに足を踏み入れると、どことなく気品が漂うような優雅さと、ハイセンスでお洒落な雰囲気と、落ち着いた明るい静けさを感じさせてくれる。昔からヨーロピアン達の憧れの地である為、全体的にヨーロッパの雰囲気が漂いエレガントな落ち着いた感じがするが、だからと言って決して近寄り難いものではない。人々が闊歩するような賑やかなビーチホテル・パラディのプールとはちょっと違い、また海とビーチだけを楽しむナチュラルリゾートとも違う。海 ( 自然 ) とホテルの設備(ハード面)とホテルでのサービス ( ソフト面 ) がうまく調和し、そのどれもを楽しむスタイル。それがモーリシャスのリゾート滞在の魅力であると思う。

ホテル・ディナロビン島の東側と西側の海岸線にいくつものホテルが立ち並んでいるが、そのどれもがオン・ザ・ビーチであり、道を挟んだりせずに、リゾートの敷地内にそのままビーチがある。そのビーチは白く眩しく輝き青い海と青い空、緑の山々とのコントラストがとにかく美しい。みんな思い思いにビーチに寝そべったり、マリンスポーツを楽しんだりしている。ハネムナーはもとより、最近は子供連れのファミリー層にも人気がある。そホテル・ディナロビンれは特にキッズルーム等、子供向けの施設が充実しているからで、単なる「子供一時預かり所」ではなく、まるで保育園がそのままリゾート内にあるようなものである。キッズルーム内には遊具施設はもちろん、子供用のプール、子供用の可愛らしい小さいトイレや、そこでそのまま食事ができる為の独立したレストランまであるのだ。たいてい朝から夜の 10 時・ 11 時くらいまであいていて 2 ・ 3 歳から 11 ・ 12 歳くらいまでの子供を預かってくれる。お絵描やフェホテル・オベロイのプールイスペイントみたいな○○教室みたいなプログラムも充実していて、またその内容も年齢別に分けられたりしている。これだったら安心して一日中子供を預け、自分達の時間をのんびり楽しんだりすることもできる。
ホテルのサービスの充実ぶりで言えば、ウインドサーフィン、カヤック、グラスボトムボート、ペダルボート、シュノーケリングセットの貸出等はもとより、水上スキーのようなエンジンを使うものでも、たいていのマリンスポーツが無料で楽しめる。(ただしパラセイリングやダイビング、ゲームフィッシング等は有料)また、みんなでそろってのジョギングやビーチバレーボール大会、アクアビクス教室やパレオの着方教室や民芸品の作り方教室、ダンス教室などなど、日替わりで無料のプログラムも充実しているので、のんびり派だけでなくアクティブ派も飽きることはない。
海外のリゾート地に行くと表向きは「スポーツジムあり」「キッズルームあり」などとなっていても実際はその設備がかなりお粗末だったり、あまり機能していないようなところも見受けられるが、ここモーリシャスに関しては少なくともそんなことはなく , ホテルの設備やサービスを十分に享受でき、満足したリゾート生活を送ることできるだろう。
あるホテルでの夕食の時の話だが、そこのビュッフェは単にテーブルに並んでいるものを選んで取るのではなく、「アジアンコーナー」「イタリアンコーナー」などいくつかのブースに分かれ、そこにコックが待機しており、ほとんどがその場で調理してくれるのが嬉しいスタイルであった。また一番感動したのは、朝食時、ホットケーキなどに使う蜂蜜がパックされたものや容器に入れられたものではなく、自然のものをそのまま利用しているということである。蜂の巣の形そのままになっているものから蜜がとろとろに流れ出していて、それを器にとってそのままぬって食べることができるのだ。今まで海外のいろんなホテルで食事をしたことがあるが、これは初めてのことだったので、ちょっと感動してしまった。
ホテル・ザ・レジデンス正直な話をすれば、モーリシャスの海は真っ青で美しいけれど、モルディブのようにすぐ目の前に珊瑚の庭が広がっているわけではなく、なだらかな砂地で徐々に深くなっていく感じだ。その砂地の所々にちょっとした岩場なんかもあり、その周辺に魚が集まっているという感じ。だからシュノーケリングツアーで沖へ出ない限りたくさんの珊瑚や魚達に会えるわけではない。またタヒチやモルディブのような水上コテージがホテル・ボーリバージュあるホテルもない。フィジーのように人懐っこい人達が溢れているのともちょっと違うし、アジアのビーチのように熱気が溢れ活気のあるビーチとも違う。それに少し遠い、ツアー代金が高いなんていうイメージももしかしたらあるのかもしれない。そんなところが今ひとつモーリシャス人気に火が点かない理由なのかな?なんて考えたりもするけれど、でも本当にリゾート地としてのレベルは高いと思う。ビーチリゾートと一言でいってもいろんな要素があるし、それぞれそこに求めるものも違うんだろう。モーリシャスは、ホテルとは『単なる寝泊りする為の場所』ではなく『滞在やサービスを楽しむ場所』であることを認識させてくれる。大袈裟な言い方をすれば、それは、アミューズメントパークにもなり得るという事。繰り返しになるが、海と設備とサービス、そのハーモニーを味わって、リゾートホテルで滞在することの楽しさを教えてくれる。
モーリシャスでのリゾートライフを僕なりに言葉にするならば、そんなところだろうか。 ( 難しい! )
ホテル・トゥエスロックさらには島に溢れる豊かな自然に足を伸ばしたり、ウォーターフロントでお洒落な雰囲気を味わいながらショッピングを楽しむこともできるし、ポートルイスのマーケットに行けば、アジア顔負けの熱気溢れる人々の暮らしを目にすることもできる。もともとフランスやイギリスなどの植民地支配をを受けていた国であり、その昔はアフリカ人奴隷が多く連れてこられていた。インドからの移住労働者や中国からの移住者など、アフリカ・インド・アジア・ヨーロッパの様々な文化や要素が混在し、それゆえなかなかエキゾチックな雰囲気や活気を味わうこともできる。エレガントなリゾートとはまた一味違った、人々の生活を覗いてみるのも楽しいだろう。
ホテル・ベルマプラージュ今では大人気のインド洋のモルディブも、 7 ・ 8 年前までは日本人にはあまり馴染みのないリゾートだったし、あまり関係ないが、今や一般の人にも認知されている「K – 1」も 10 年前は「K – 1を見に行く」と言っても「え?競馬に行くの?」と言われる始末であった。世の中そんなもんである。だからこのモーリシャスが日本人からも注目を浴びるようになるのも、そう遠くないのかも知れない !? でもハネムーンや子供連れの旅行には本当にお勧めです!
今までモーリシャスなんて聞いたこともなかった人、知ってたけど特に惹かれてなかった人。少しでも興味を持って、まずは「どんなところかちょっと調べてみようかな?」と思ってくれたら嬉しいです。 いつもの旅の悪戯とはかなり違い、どちらかというと「さわり部分の紹介」みたいになってしまいましたが何せホテルの視察しかしておらず、特に感動体験をしてきた訳ではないのでお許し下さい。かと言って全てのホテルを紹介するのは難しいので・・・。
青沼 潤
2004年4月

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