エジプト感動旅行記

エジプト感動旅行記

私はインディージョーンズが好きで、実家の犬の名前も「インディー」だ。と、いうことはさて置いて、神秘的で不思議な国・エジプトはとっても遠くてどんな国だか想像し難いところだった。ピラミッドとスフィンクスしかすぐに思い出せず、エジプトってどんな国だろう?といろいろ考えながらエジプトへの旅は始まった。


1日目 
今回私はトルコ航空でエジプトに行くことにした。朝伊丹を発ち、成田で国際線に乗る。イスタンブールまでは約12時間半、かなりの時間である。飛行機内では3本映画が上映され、3回食事のサービスがあった。寝たり食べたり飲んだり見たり、あまりにも長い時間を飛行機で過ごし、イスタンブールに着くころにはちょっとどこに行っているのか忘れてかけてしまっていた。そして乗り換えカイロへ。カイロに到着したのは夜中である。
BAGGAGEを取りに行く手前(入国審査の手前)で、もうすでにいろいろな会社のガイドさんがカードを持って立っている。飛行機を降りた直後である。私の空港担当ガイドはベンジャミンさん。ベンジャミンさんは少しかっちりした格好をした英語ガイド。ここから彼が案内してくれる。入国審査へも一緒にならんでくれ、慣れた手つきでエジプトビザ(切手にすごく似たもの)をぺロッと舐めてぺタッと貼ってくれる。入国審査も彼がパスポートを審査員に渡してくれる。カバンも流れてきたらさっと持って、先導してくれる。なんて簡単なのだろう。全てお任せでしてくれる。バッグを持って空港外に出ようとすると、パスポートの確認があり、他のアラブ人達はたくさんバッグを開けられて、奥のほうまで調べられていた。でも私は日本人パスポートでそのまま簡単に通過。
車で空港からホテルまで向かうのだが、もう夜中の1時半くらいだというのにあたりはまだにぎやかで、車の通りもとても多く日中のようである。ホテルの近くの大通りもまだにぎやか。店も明々と電気が点いており、散歩をしている人もたくさんいた。夜中なのに?!と思いつつ、半分寝ぼけながらホテルに到着。
今夜のホテルはデルタピラミッドである。ベンジャミンさんは空港専門ガイドなので、ここでお別れ。今度はホテル専門のミッシェルさん。ホテルに到着したら WELCOME DRINKにハイビスカスの赤いジュースをいただく。そしてミッシェルさんからホテルの説明、これからの日程を案内されてその後やっとお部屋へ。ポーターが荷物を部屋まで運んでくれたのだが、窓を指して[明日の朝にはここからピラミッドが見えるよ]と教えてくれた。窓から目を凝らしてピラミッドを探したが、真っ暗なのでやっぱり見えない。明日がとても楽しみだ。長い長い一日が終わり、横になったのは午前2時半だった。外は2時半にもかかわらず、車のクラクションが鳴っていた。
2日目
何度も目が覚めて、結局起きたのは7時過ぎ。外は明るい。カーテンの隙間から強い日差しが部屋に入っている。ドキドキしながらカーテンを思いっきり開けてみる。「おおーっ!」思わず一人で歓声を上げた。ピラミッドが二つ、窓からきれいに見える。想像していたよりはっきりと、大きく姿を表していた。相変わらず車のクラクションは鳴りっぱなしである。車のクラクションを聞きながら、盛り上がった砂漠の中にある二つのピラミッドを見ていると、何とも不思議な気持ちになった。でも、あー、エジプトに来たんだなーって改めて感動。
昨日のミッシェルさんはやはりホテル担当の案内人。今日は一日日本語ガイドのターレックさんが案内してくれる。彼の日本語は完璧である。と、いうより立ち居振舞いもなんだか日本人みたい。
ピラミッドとスフィンクス
ピラミッド(ギザ)さて、窓から見えたピラミッドへの観光だ。ホテルから車でピラミッドまで行くのだが、話しながら行ったらなんだかあっという間であった。気が付いたらピラミッドが目の前にある。一番大きなピラミッドは第二ピラミッド。次に大きいのが第一ピラミッドで三番目が第三ピラミッドである。今回中に入ったのは第三ピラミッドである。チケットを入り口で白装束を身にまとった係員の人に渡す。中に入ると外の日差しピラミッド(ギザ)はウソのようにとても涼しい。中には部屋が三つあったがなんにも置いていない。なんだか薄暗くて、他のお客さんが皆出てしまった後だったので、少し怖くて早々に外に出てしまった。
ピラミッドを見た時も感動したが、スフィンクスを見た時もまた感動した。テレビや本でスフィンクスを見て大きいものだと思っていたのだが、そこまで大きくはなかった。でも、ピラミッドを背景にスフィンクスの座っている画を見ていると、またまた感動だ。感動しっぱなしである。
エジプト考古学博物館
エジプトの歴史をもっと感じ取られるのがここだ。大きいものから小さいものまでたくさんのものが所狭しと置かれている。もっとあるそうで、他のものは倉庫にしまってあるらしい。もったいない。今新しい大きな博物館を作っている最中だそうだ。この博物館でも印象に残っているのはツタンカーメンの面とミイラだ。
ツタンカーメンの面は金に輝き、薄暗い部屋の中の中心に置かれているそれは、人をひきつける力を持っていた。しばらくポーッと見とれててしまった。
そしてミイラ。私は追加料金(40ポンド)を係の人に支払い、ミイラの置かれている部屋に入った。博物館の一般展示室にあるミイラは棺のふたがしてあったりして中があまりみられないようになっているのだが、ここのミイラは違う。髪の毛とか足とか、包帯の隙間からはみ出た体の一部が見ることができる。ミイラは一つの部屋の中に棺の中に寝かされた形で置いてあり、ふたはしてない。もちろんガラスケースの中に入っているけど。つめとかも見ることができ、あまりじっと見ていると吸い込まれそうになる。危ない。ただ、部屋はその一部屋なのでミイラにあまり興味がないとか、夜夢に見てしまうかも・・・と考える人は行くのは止めておいたほうがいいかも。
モハメド・アリ・モスク
ブルーモスクトルコのブルーモスクのエジプトバージョンがこのモハメド・アリ・モスク。トルコのブルーモスクは途中で柵のようなものがしてあって奥まで入ることは出来ないが、ここは比較的奥まで入ることができるし、ブルーモスクのような大きな柱も中にはあまりないのでだだっぴろく感じられる。天井はとてもきれいで、落ち着く雰囲気だった。
ハーンハリーリ
ハーンハリーリここは客引きがものすごいスークである。私はガイドさんに一緒について来てもらったのだが、それでも日本語で「いらっしゃーい!」とか「1ドルよー!」とかあっちこっちからお声がかかる。後を振り返ったら結構人がついてきている。私が行った時も結構な人ごみではあったのだが、ガイドさんに言わせるととても人が少ない日だそうだ。もっとたくさんの人が休みの日にはごった返すという。売っているものは水タバコの装置(?)やかわいい入れ物、パピルス、香辛料等みやげ物は何でもそろう。でもお値段は、要交渉!最初は高い値段で持ちかけてくるのでうまーく値段を下げていこう!値切らなければ損をしてしまう。

3日目

今日は早朝飛行機にてカイロからルクソールへ!ピラミッドに興奮したのかミイラが目に焼き付いていたのか、なかなか眠れず本日起きたのは午前4時過ぎ。まあ飛行機の出発時間が早いので寝坊しなくて良かったけど、ちょっと寝不足。やっぱり外はクラクションが鳴っている。カーテンを開けたらもう道路は車がどんどん走っている。エジプト人はいつ寝ているのだろう?
暑い!飛行機がカイロから飛び立ってルクソールに着き、外にでた途端に「暑いっ!」と思わず言ってしまうほど暑い。本日のガイドはアイマンさん。帽子がトレードマークの27歳である。ルクソールの空港からそのまま王家の谷への観光だ。車で王家の谷へ行く途中、町の様子をじっくり見たが、カイロに比べてとても田舎だ。カイロは車がばんばん走っていて、いわゆる都会という感じがした。しかしルクソールは車もほどほどで、ロバなんかが道の端っこを歩いていたりする。農村が結構たくさんあり、畑仕事をしている人もいる。クーラーのきいた車の中から、暑い中畑仕事をしているエジプトの人を見ると頭が下がる思いである。しかしガイドさんに聞くと、畑仕事ではあまり稼げず観光業を目指す人がたくさんいるということである。

王家の谷

王家の谷いっときの間、車は走って王家の谷へ。高い砂漠の砂山の間、整備された道を行く。そして、すぐに整備された駐車場に着く。車を降りたらこれまた暑い!真っ青な空からの光と砂漠の真っ白な砂の照り返しで本当に暑い。帽子が必需品なのがものすごくよく分かる。全部で60個以上の墓がここでは発見されているが、中を見ることが出来るのは一部である。今回私が見せてもらったのがセティー2世の墓とラムセス3世の墓、ラムセス4世の墓である。中でもラムセス4世の墓は完成形で、一番見応えがあった。壁中に象形文字といろいろな絵が刻まれてあり、当時の人の一生懸命彫った姿が目に浮かぶ。奥のほうに行くと真っ青な天井が姿を表した。ものすごくきれいなブルーだ。空をイメージして描かれており、星も描かれてある。赤や青や黄色など、鮮やかなこの色達は砂や卵の黄身や血を使って作られたという。今までずっと残っているこれらは本当にすごい!是非見に行くべき場所の一つだ。
ハトシェプスト女王葬祭殿とメムノンの巨像
ひろーい砂漠の中に大きな乳白色の葬祭殿がどどーんと建っているのを見ると、映画の世界に入ったようだ。あっちからこっちから眺めて見てはすごいと感動。
そして普通の道路沿いにポツンと建っているメムノンの巨像。ここは見学無料。普通に道を走っているとでっかい像が二つ、ぽつんと建っている。ここで記念写真を皆撮る。残念ながら「像の歌」は聞こえなかった。
カルナック宮殿とルクソール宮殿
ルクソール宮殿ここは今回のエジプトの旅でピラミッドに次ぐ感動を覚えた場所だ。外の門をくぐっていくと第一・第二塔門があり、その奥へ行ったところにある大列柱室がすごい!134本あるこの巨柱のレリーフがまた美しい。きれいに並んだ巨大な柱は本当に見応えがある!ここにも白装束を身にまとった警備のおじさんがいるのだが、私が写真を撮っているとこっちから撮ったらもっときれいだよと、言わんばかりに写真を撮る真似をして指差す。でも、バクシーシを要求されるのがイヤだったので、そこは笑顔でかわしてしまう。あぁそういえば、ハトシェプス女王葬祭殿でこんな光景を見た。ヨーロッパからの観光客の中にいた小さな女の子が、警備員のおじさんに「写真を撮っていい?」と笑顔で聞いた。そしたらおじさんは笑顔でうれしそうに写真を撮ってもらった。そのときおじさんはなんだかとてもやさしそうな笑顔をしていたので、やっぱり子供にはバクシーシを要求したりしないんだなぁと思っていたのだが、やっぱりそこはエジプト。女の子の親に身振り手振りで写真を撮られたことを伝え、バクシーシを要求していた。全てとは言わないが、ほとんどのことにはバクシーシが必要なので小額紙幣(25ピアストルくらい)はエジプトの旅には必需品である。
旅を終えて
エジプト人は夜行性だ。カイロなんかは夜になっても車がバンバン通り、人も外を歩いている。カイロの車社会のすごさに驚き、そして携帯電話の普及率にも驚いた。カイロからルクソールへ行く飛行機に乗ったときも、ルクソールの空港に着いた途端にあっちこっちで携帯の音が鳴り始め、大きな身体にとても小さな携帯電話で話している。町自体はそこまで現代的ではないのだが、車と携帯電話の多さにはとてもびっくりさせられた。
今回私は、エジプトの古代の勉強はあまりせずに、ピラミッドとかスフィンクスなどの有名なものを見に行く!という感じで乗り込んだ。しかし、行ってみて思ったのだが、現地のガイドさんはとてもよく勉強をしており、次々に時代の名前や王様の名前が出てくる。時代の流れをもっと勉強していたらまた違った思いでそれぞれの遺跡を巡ることができたのになーと少し思った。
エジプトは、古代文明と現代文化がいろいろなところで感じ取られるとても面白い国である。インディージョーンズ好きの人・ミイラ好きの人、是非ともエジプトへ!!!
里村 麻由子
2003年6月

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