ヨーロッパ一人旅~イタリア&フランス~

ヨーロッパ一人旅~イタリア&フランス~

ファイブ・スター・クラブでは年に1~2回海外研修がある。主に現地係員が全日程案内してくれ、ほぼ全食付きなので自由時間はあまりないがある意味、いやとても楽ちんである。今回の研修先はイタリア、フランス。お客様が参加するこの2つの国のツアーは基本的に現地係員が一切つかない。ということは私も自分で動き回らないといけない?という予感は的中、これが私のヨーロッパデビューとなった。
もともと一人歩きが好きなので日本、海外を問わずはじめて訪れる町でも地図さえあればなんとかなるし、わからなければ聞けばいい。何か起こったときのために事前に最低限の知識を叩き込んでおけばなんとかなる、いやなんとかする。それが私流の考えである。団体行動は正直苦手なので、それなら少々リスキーでも人に気を使わず自分でプランニングできていい。が、今回はローマ、アッシジ、パリを1週間で回るかなりタイトスケジュールの中、ホテルの下見もしなければいけないので少々厄介だ。ま、行って考えればいいと開き直り最初の目的地ローマへ。


ローマ
コロッセオ(ローマ)ローマ到着、天気は雨。この街の見所は古代ローマ皇帝-アウレリウス帝の城壁の中にほとんど収まっている。レオナルド・ダ・ヴィンチ空港(フィウミチーノ空港)から市内まで車で40分、電車でも30分くらい。車やタクシーを捕まえるのもいいがテルミニ駅まで直通電車を利用し、そこからバスやタクシーでホテルへ向かったほうがよさそうである。エールフランスの夜行便を利用したので早い時間にホテフォロロマーノ(ローマ)ルに着いたが、ちょうど泊まる部屋が空いていたのですぐチェックインさせてくれた。念のため追加料金がかかるか確認したが大丈夫であった。(通常午後チェックインになるがホテルが荷物を預かってくれる為問題はない。)
さてさてローマ観光へ出発。コロッセオ、フォロロマーノ、コンスタンティヌス凱旋門、ベネッチア広場、サンピエトロ寺院とサンピエトロ広場にスペイン広場とあまり時間がなかったのとあいにくの雨でこれくらいしか観て回れなかった。
ローマ歩きに欠かせないのはバス、日本の地下鉄並みに街の隅々まで走っているバスは使いこなせればばっちりである。朝5:30くらいから23:00頃まで数分間隔で運行している。バス停には行き先と停まる停留所が書いてある。降りる前にブザーを鳴らすが社内アナウンスはないので慣れるまでは外を見てタイミングを見計らうしかないが、極めてしまったらこっちのものである。
地下鉄(ローマ)次にバスと併用したいのが地下鉄、ローマ市内をX字上に走っていて入り口には「M」という表示が出ているので探しやすいが駅が少ないので要注意。どの駅も地名がついているのでバスの移動が不慣れであれば第2の手段として利用すればいいだろう。例えばスペイン広場へ行きたいとする。バスだと行き方が良く分からないし地下鉄の駅も探せないとすれば、まずヴィットリアーノ(ローマ)テルミニ駅までバスに乗りそこから地下鉄に乗り換えSPAGNA(スパーニャ)で降りる。こんな具合である。イタリアの地下鉄を見て驚いたのは車体の落書き。
一昔前のマンハッタンを走る地下鉄のような感じで窓から外も見えないくらいなので降りる駅がいくつ先かあらかじめ数えてから乗り込めば大丈夫でしょう。やっぱり地下鉄もアナウンスはないのであしからず。
アッシジ
石畳の坂道(アッシジ)雨がしとしと降るローマに別れを告げ、テルミニ駅からペルージャ行きの列車に乗り込み第2の目的地アッシジへ。アッシジへは泊まらず第3目的地フィレンツェへ行く途中3時間ほど立ち寄った。(通常ローマからフィレンツェまでは真上に突っ切る形になるがこのルートではアッシジへは行けないので、ご希望の方は担当スタッフまで。)
レストランのスタッフ(アッシジ)ガイドブックにも4ページほどのスペースしかない小さな街はローマほどすばらしい建築物はないが、細く曲がりくねった石畳の坂道が続く中世の面影が街全体に残ってなんともかわいらしい。まるでおとぎ話の国に迷い込んだような感じ。街を歩くだけで立ち止まって観察したくなる所がたくさんあり、個人的にはローマより楽しかった。残念なことに霧が濃く有名な教会が隠れてしまっていい写真は写せなかった。
アッシジ歩きで困ったのが荷物。駅から街まで行くバスに駆け乗ってしまったからである。
あるお店に入って荷物を預かって欲しいと交渉したが、お店を早くに閉めてしまうのでできないから隣のレストランで預かってもらえば?とすすめてくれた。
言われたとおりレストランへ行って交渉すると即OK!感じのいいお兄ちゃんでお昼はもちろんこのレストランでパスタを食べた。帰り際気持ちでチップを渡したが「そんなつもりで預かったわけじゃないから。」と断られた。ん~すてき♪その変わりに写真を撮らせてもらってお店を後にした。かっくいいお兄ちゃん、グラッチェ。
フィレンツェ
夕方フィレンツェに到着、ホテルで休憩した後街探検に出かけた。
ローマ、アッシジと大きく違ったのは気温。手袋をしないと手が凍りつきそうだった。
しっかり防寒をし、いざ出発。月明かりに照らされたドゥオーモがなんともきれい♪イタリアを象徴するものは?と聞かれて思いつくものはパスタ、芸術にドゥオーモ。特にフィレンツェのドゥオーモはイタリアのパンフレットでもよく表紙を飾っている。街の中心に聳え立つ「サンタ・マリア・デル・フィオーレ」は「花の都」にぴったりだ。どちらかというとローマは人や車が歴史的建築物を覆い尽くしてしまっているが、ここフィレンツェは全てが融合し歴史や人の暖かさが調和しているようであった。フィレンツェ2日目は晴れプラスちょっとの霧、せっかくだからフィレンツェの街を一望しようとドゥオーモの近くにある塔に上った。登りながら何度引き換えそうかと思ったが登って万歳三唱!階段を上りながら「頑張れ~!もう少しでご褒美が待ってるよ。」と励ましてくれた人たちに感謝しなら隣でいちゃいちゃしているカップル横目に目の前に広がる絶景を一人楽しんだ。(笑)そういえば地図もろくに見ず目的もなくうろうろしていると自分の方向感覚のなさにびっくりした。それでもちいさいフィレンツェでは迷子にならず、「あれはなんだろう?」とガイドブックを開くと必ず載っていたり、大好きなルイ・ヴィトンのお店を見つけたりと時間を忘れて街歩きを楽しんだ。ちいさな街なので歩いて回ったがフェレンツェを後にするときは日頃の運動不足がたたりぐったりしていた。
ドゥオーモ(フィレンツェ)ドゥオーモ(フィレンツェ)ドゥオーモ(フィレンツェ)
パリ
ルーブル美術館(パリ)さて、イタリアにばいばいし最終目的地パリへ、またまた雨・・・。到着したときにはとっぷり日も暮れていて寒さがさびしさに追い討ちをかけたが、現地のオペレーターの方にお会いしライトアップされた街を案内してくれたのでとてもよい気晴らしになった。
翌日一日しかないパリを満喫しようといつになく早起きし街歩きをした。パリでは東京並みに走っている地下鉄ライトアップされたラファイエットデパート(パリ)を有効活用し一通りめぼしいところはかなりの急ぎ足で見て回った。ライトアップされたシャンゼリゼ通りもモナリザも町を歩くパリジェンヌも嫌味一つなくとてもすてきだったが、パリを歩いていてとびきりおしゃれだなと思ったものがひとつだけある。地下鉄のホームである。ホームの作りは全部一緒だが駅によって違うベンチの色を使っていたり、いくつかのホームは壁全体広告になっていたりとてもおもしろい。公共施設ライトアップされたシャンゼリゼ通り(パリ)と言ってもここまでおしゃれだと美に対する違いを少し感じた瞬間であった。電車が駅で止まるたびここはどんな色使いだろうと楽しみで仕方なかった。
人それぞれ感受性も違い旅の目的は違うが、ガイドブックに載っていない自分のお気に入りスポットを見つけるのも今後の旅の楽しみのひとつにしようと思った旅になった。
朴 静淑
2002年12月

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