車で往復10時間・山を歩くこと4時間!それでも一度会いたい ゴリラトレッキング
今回6月上旬にウガンダ・ルワンダへ行ってきました。これまで隣国のケニアやタンザニアでサファリの経験はありますが、ウガンダ・ルワンダといえばやはりマウンテンゴリラです。ゴリ達を見ずには帰れません。
また今回ゴリラだけではなくウガンダ北部のマチソンフォールズ国立公園やサイの保護区にも訪れました。さらに動物達だけではなくウガンダではカンパラ近郊の農家のお家に家庭訪問したり、ルワンダでは日本の原爆ドームやアウシュビッツに並ぶ負の遺産ジェノサイド・メモリアル・センターへも訪れました。
旅行してみるとウガンダとルワンダは旅行先としてはまだまだ馴染みはないかもしれませんが、意外にも初めてアフリカに行く方にもお勧めできる魅力いっぱいの国でした。アフリカへ動物メインで考えていらっしゃる方に是非参考になれば幸いです。
以下が今回旅した行程です。
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1日目 東京発
2日目 エンテベ着 カンパラのホテルへ /カンパラ泊
3日目 車でマチソンフォールズ国立公園へ 午後はサファリドライブ /マチソンフォールズ国立公園泊
4日目 朝はサファリドライブ 午後はボートサファリ /マチソンフォールズ国立公園泊
5日目 マチソンフォールズ(滝)観光、途中農家訪問しながらエンテベ空港へ 飛行機でキガリへ /キガリ泊
6日目 キガリから国境を越えブウィンディ国立公園近くのホテルへ /ブウィンディ国立公園近く泊
7日目 ゴリラトレッキング その後キガリへ /キガリ泊
8日目 キガリ観光後、空港へ 帰途
9日目 東京着
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◆1日目・2日目 エンテベ到着、カンパラを散歩する
【カタール航空でエンテベへ】
深夜のカタール航空羽田空港便に乗るため夜8時に自宅を出て空港へ。
空港に到着したのは夜10時手前。日曜日夜のこの時間にもかかわらず羽田空港は沢山の旅行客でいっぱい。
カタール航空のチェックインはエコノミーとビジネス、オンラインチェックインのレーンに分かれていたので、オンラインチェックインのレーンに並びながらスマホでチェックインをした。
出国前に両替を済ませ、手荷物検査をすませて指定されたゲートへ。カタール航空はチェックインの際に事前に聞いていた通り、約10分程度の遅れで出発。
乗ってから約1時間半後に夕食が出た。深夜2時の夕食、匂いだけで胃が持たれそうだった。和食の魚料理が選べたのでそちらを選んだところなかなかの美味で完食した。
それから映画を少し見たあと、グッスリ寝てあっと言う間にドーハへ。
ドーハでは乗り継ぎ時間が1時間50分だったので早め目に手荷物検査をへてエンテベ行きのゲートを探す。エンテベ行きのゲートが見つからないのでインフォメーションの人に確認した、E21だった。エンテベ行きのフライトはどうやらキガリ行きの経由地となっているようだ。さっそくゲートに向かうと、当然なのだが待っている乗客はアフリカ人ばかり。その中には中国人らしき人たちもいる。おそらく旅行者か仕事で行く人々か。日本人はおそらく私一人。欧米客もあまり多くはなかったようだった。
ドーハからエンテベは約6時間のフライト。出発するとこちらも約1時間半程度後に朝食が出た。パンケーキかスクランブルエッグ&ソーセージ。
私がスマホで電子書籍を読んでいると、隣のアフリカ系のいかつ目のお兄さんが「聖書を読んでいるのか」と尋ねてきた。いや普通の日本語の本だよ、と答え興味本位でどこに向かうのかと聞いたら、休暇のために実家に帰るそうだ。どうやらイラクのバグダットのセキュリティーで働いているそうな。バグダットで働くウガンダ人。。。世の中には自分が知らないだけで色々な事情があるものだなあと考えにふけった。
軽食として出された暖かいチキンパイを食べた後しばらくしてエンテベに到着。
エンテベの空港は想像よりも立派だった。しかし徐々に歩みを進めていると中は薄暗く、お店も少ない。企業の広告もそれほどは多くなかった。国際的なビジネスマンが使うと言うよりも地元民や旅行客が大半なのかもしれない。
入管審査のレーンは4つほどあった。「ウガンダ人」「東アフリカ人」「その他」「E-VISA」。私はE-VISAのレーンに並ぶも、なぜか入管スタッフが途中で抜けてしまったので他のレーン「OTHER」に並び直した。自分の番になったらあんたは別のレーンだよと言われて、改めて「E-VISA」のレーンに並びなおした。少し分かりにくい。
レーンで少しまごついたが意外にも入国や税関審査は特に厳しくなく、比較的簡単に通過できた。
空港の建物外にミーティングスポットがありそこで無事今回のドライバーガイドさんのチェスさんと合流。今回のウガンダの旅の移動の相棒は、年季の入ったランドクルーザー。
ウガンダ空港を出発したのは、午後2時の到着から1時間経過した、午後3時。
この日の目的地であるカンパラのホテルに到着したのは午後5時頃。
本来、エンテベの空港からカンパラまでは1時間少しだが、帰宅ラッシュの人々で街はごったがえしかなり混雑していた。
【両替】
ホテルへ向かう途中、カンパラの街中のカジノで両替をした。ドライバーガイドのチェスさんが言うには空港よりも街中の方が、少しレートが良いらしい。ホテルなど旅行向けの施設では米ドルでも使えないこともないそうなのだが、米ドルだと結局お釣りがウガンダシリングで渡されるそうだ。そう考えると今回ウガンダに4泊ほどするのでウガンダシリングに適度に両替しておいて、余ったらチップ等にしようと思い、60ドル両替した。
【MESTIL HOTEL】
この日の宿泊はカンパラのホテルは町の中心部、カンパラ駅の裏手にある丘の中腹にあるMESTIL HOTELだ。
溢れる車と人のエネルギッシュなアフリカの街には少し似つかわしくない、高級感溢れるモダンなホテル。厳重なセキュリティーを通過して、スーツをビシッと決めたフロントのスタッフにチェックイン手続き。カードキーを渡され、室内へ向かう。
部屋は3名でも泊まれそうなダブル+シングルベッドの大きめなお部屋。ミニキッチンに、ウォークインクローゼットあり。冷蔵庫に電子レンジ、アイロン、セーフティーボックス、無料のWIFI、ドライヤー、スリッパまでも揃っている。バスタブはなくシャワーのみ。
その他、ホテルの施設としてはスパやサウナにプール、もちろん館内にはカフェにレストラン、バーまで完備。まるでヨーロッパの高級ホテルに来ているかのようだ。
【カンパラの街を散歩、写真はウェルカムではない】
チェスさんにお願いして、カンパラの街の周辺を少し歩かせてもらった。
カンパラはウガンダの首都。英国統治時代には空港のあるエンテべがウガンダの中心だったが独立してからカンパラへ遷都されたそうだ。そのためウガンダの公用語は英語。街中の看板も英語だ。多民族国家で各民族にそれぞれ言語があるウガンダにとって英語は共通の言語なのだ。そのためウガンダの学校では英語を教え、ウガンダの市民のほとんどが英語を話せるそう。
首都に相応しく、ホテルのある高台からは高層ビルがいくつか見え発展著しいウガンダの一面を象徴しているように見える。しかしビルの麓に広がる街には、スーツをビシッと来ているようなビジネスマンの姿は少なく下町風情を残している。たわわに実った緑のバナナをどこかに運ぶ商売人、野菜や生肉を売るマーケット、巨大なコーラの看板、携帯電話のマークが壁に描かれたショップ、ガソリンスタンド、客引きをしているハイエースの乗合バス、行き交う車の間を縫うように走り抜けるバイクタクシー。男の人も女の人も分け隔てなく、街を歩いている。闊達な雰囲気溢れるカンパラの街だが、街中にいたるところにポリスが立っている。
ホテルから駅の方に向かってチェスさんと散歩しながら写真をとっていたら、それが警官に見つかり、大変怒られた。チェスさんからは「風景はいいけど人の顔などはなるべく写さないで」と言われていた矢先のことだった、何気無く撮影した写真に警官が写っていたのだ。多分警官は「カメラぶっ壊すよ、マジで」と言っていたと思う。政府関係のものを写すなということらしいが、そこまで気に留めることだろうか。周りはのどかな田園風景で、さして問題になるような施設は見受けられなかった。とにかく政府(ポリス)の力が強いことだけは身に染みてわかった。
以前旅行したマダガスカルでは夜中タクシーに乗っていたら呼び止められ、ビザにいちゃもんをつけられ、お金を支払ってその場を凌いだ経験があるのでアフリカの警官に関してはいまいち信用ならない。
【ウガンダのB級グルメ① ナイルパーチフライとドブ水のようなローカルビール】
チェスさんにお願いして、ホテルの隣にある地元の人々が暮らす小さな村も見せてもらった。
今にも吹き飛びそうな壊れかけのバラックが立ち並び、舗装されていない土がむきだしのでこぼこ路地。子供達が縦横無尽に走り回り、家畜の鶏が鳴き、村の中には晩ご飯の魚や油の匂いが充満している。あまり裕福そうではない村だが、どこか懐かしさを感じるそんな村だ。
村を歩いているとナイルパーチの魚のフライを売っている屋台があったので、のぞいてみる。折角なので食べてみようと思い購入する。魚の大きさによって300シリングから5000シリングほど料金が変わる。私はちょうど1000シリングがあったので、1000シリングの中くらいのサイズを購入。1000シリングは日本円に直すと大体30円くらいだ。お店のおばちゃんがそこで座って食べていいよ、というので隣の靴屋さんのベンチに座り魚をいただいた(靴屋さんはいい迷惑だ)。
とにかく骨ばっていて食べにくい、骨を指でほじくって身を取り出して食べる。白身魚の淡白な味わい、油の香ばしい香りとカリカリとした食感が合わさった絶妙なハーモニー。普通に美味しい。
さらに村の中を進んでいくと、何やら酒場のようなところにたどり着いた。アルコールの匂いが鼻孔をくすぐる。現地の女性が手招きをするので中に入らせて貰うと異様な光景が。バケツを真ん中にし、それを取り囲むように酒場の客達が座り、木のストローでちゅうちゅうとバケツの中のドブ水のような液体を吸い上げているのだ。これがウガンダの酒場か・・・。これまでエチオピアやマダガスカルの居酒屋に行った事があるがこんなローカルなものは初めて。想定の範囲を遥かに越えた光景だった。
是非この酒場に集まっている人々の様子を写真に撮りたいと思いとっていいかを聞くと「酒を買ってくれたらいいよ」とのこと。バケツ1杯は8000シリング(約240円)らしい。わずかな金なので、まぁいいやと思い財布を取り出すも両替したばかりなので8000シリングはなく、ほとんどが20000シリング札(600円くらい)。12000シリングのお釣りをもらおうと20000シリングを取り出すと村人は大喜び。お釣りはくれなかった。
思ったよりもたくさん払いすぎたが、村人が喜んで写真を撮らせてくれるのでまぁ結果オーライ。村人も気を良くして私に飲め飲めと自分がちゅうちゅう吸った木のストローを差し出すもんだから、ちょっと嫌だったが、招かれた客なので断るのもすげないかな、と思い、木のストローを受け取り、バケツに溢れんばかりのローカルビール(ドブ水)を吸い込む。吸い込みが足りないのか、ちゅうちゅう吸っても出てこない。あれおかしいな、という仕草をすると村人達も大喜び。もっと吸いこめば出てくるのかしらと、疑問に思い、さらに強くちゅうちゅう吸い込むと出てきたどドブ水!舌の上に放たれたローカルビールの味わいは、少し酸っぱい素朴な味。飲んでいると舌には原材料となった穀物の粒が残る。きっと穀物をろ過するためにこの木のストローは使っているんだな。正直ガブガブ飲みたい味ではない。
夜も更けてきたのでホテルに戻り、チェスさんとお別れ。私はホテルのサウナで疲れを癒し、レストランで夕食(豆カレー)を食べて就寝した。
なお夕食のメニューはアラカルトかブッフェ。アラカルトの場合、メインの料理の予算が大体30000シリングから50000シリング(日本円で1000円〜1500円ほど)。ブッフェの場合は80000シリング(2400円)だった。ビールは10000シリング(300円くらい)。おおよその予算は掴めていただけただろうか。
◆3日目 カンパラからマチソンフォールズ国立公園へ
【カンパラからマチソンフォールズへの道のり】
朝7時半にホテルを出発。この日はカンパラから一路マチソンフォールズ国立公園へ。
通勤ラッシュで混み合うカンパラの街を横目に、アスファルトの幹線道路を北上していく。
出発して約1時間半でウオブレンジー村に到着。本来はここの民家でウガンダの国民食「マトケ」をご馳走になる予定だったが、カンパラに戻る5日目の行程に時間があまりそうなので、とりあえず今日はトイレ休憩だけさせてもらった。マトケよちょっと待っとけってね。
さらに車を走らせる事約1時間半。マチソンフォールズ国立公園の手前の街、マシンディを通り過ぎるとアスファルト道は消えて、舗装されていない赤土の道となる。
赤土の道は鬱蒼とした森に入り込み、さらにひた走る事數十分、ほとんど正午丁度にマチソンフォールズ国立公園の入り口に到着。
【ウガンダのB級グルメ② 焼きキャッサバと串焼き】
ウオブレンジー村を少し過ぎたあたりで、チェスさんお勧めのB級グルメを食べさせてもらった。焼きキャッサバだ。焼き芋のようなホクホクした食感だが甘さはない。食べていると口の中の水分が持っていかれて水が欲しくなる。塩をかけて食べるのがウガンダ流。合わせて牛肉の串焼きも買ってもらう。シンプルに牛肉を炭火焼きにし塩を振った串焼きなのだが、不味いわけがなく、淡白なキャッサバと良くあう。どちらも1つ1000シリング(30円)。今日の昼飯これでいいや、と思うくらい大満足。財布に優しいのも嬉しい。
ちなみにウガンダの主食は民族によって様々だ。バナナやイモ類もあれば、米やパンもある。旅行者向けのレストランであればパスタも出してくれる。また海は無いがビクトリア湖では魚が取れる、肉の種類も豊富だ。とにかくバリエーションが豊かな食事が楽しめるのがウガンダの嬉しいところである。
【PARAA SAFARI LODGE】
マチソンフォールズ国立公園に入場し、30キロほど車を走らせた白ナイル川を渡ってすぐの所にある老舗ロッジ。
私達は午後2時のフェリーに乗るために白ナイル川のフェリー乗り場で30分ほど待機(フェリーは車も載せられる平たい形状もの)。フェリーに乗ってものの10分で対岸へ。対岸からは車で約5分、ホテルに到着。
1954年に建てられただけあり、エントランスはクラシックな造り。2階にはナイル川を見渡せるレストランとバーがあって良い雰囲気。1階にはプールやプールバー、ジムにスパの施設まである。2階の部屋はほとんどがナイル川向きに建てられているリバービューで開放感がある。室内にはセーフティーボックス、スリッパ、ドライヤー、エアコン、湯沸かし器。室内にはTVやWIFIは無いがレストランなどの共有スペースにはWIFIがある(ただしとても遅い)。
豪華さは無いものクラシックな高級感が漂うマチソンフォールズを代表するホテルである。
ホテルで午後2時半前の遅めの昼食をいただいた後に午後のゲームドライブへ出発。
【マチソンフォールズ国立公園 午後のゲームドライブ】
マチソンフォールズ国立公園はウガンダで最大規模の約3985キロ平方メートルもの広さをもつ国立公園である。国立公園は真ん中を流れる白ナイル川で北側と南側に二分でき、北側はサバンナが広がる草原地帯で野生動物達の楽園だ。ゲームドライブも北部で行われる。対して南部は森林が生い茂り、チンパンジーが生息する地域となっている。またナイル川の流れる沿岸は水辺に住む動物と鳥たちが多いことで知られており、60種類もの野鳥の生息が確認されている。このマチソンフォールズ国立公園の観光は動物たちだけではない。公園中央部を流れる川幅100mのナイル川が5〜6mまで縮められ、落差45mもの高さから轟音と共に流れ落ちるマチソンフォールズ(滝)はまさに圧巻、観光の目玉になっている。そのため、マチソンフォールズ国立公園のホテルは観光拠点の白ナイル沿岸に位置している。
午後3時半にドライバーガイドのチェスさんとホテルロビーにて合流。
マチソンフォールズ国立公園のサファリドライブへ出発。
車を走らせているとまず姿を見せたのがアフリカゾウ。アフリカゾウはこのマチソンフォールズを代表する動物で、たくさんのアフリカゾウをこれでもかと見ることができた。群れで生活しているため子象の姿も確認できた。
次に見つけたのが木陰に隠れていたのがハーテビースト。レイヨウ類の中ではかなり走るのが早い動物とのと。その後水に住むことから名が付いたウォーターバックも発見。
そしてマチソンフォールズを代表するもう一つの動物、ロスチャイルドキリンを発見。
ロスチャイルドキリンは希少動物として知られており、ケニアではジラフセンターで保護している種類で、通常野生でみることはできない。しかし、ここウガンダであれば野生で生息しているロスチャイルドキリンがたくさん見られる。キリンは群れで生活しているので子供のキリンを見ることもできたし、前足を広げて水を飲むキリンの姿も拝見できた。
珍しい鳥類もサファリ中に発見できた。アオツラジサイチョウは真っ黒な体に真っ赤なのどを持つカラフルなユニークな身体を持っている。赤いのどを持つのがオスで一方メスは青いのどを持っている。これまた不思議な配色。
そしてビッグファイブの一つであるバッファローも姿を現した。
ドライバーガイドのチェスさんはガイド仲間と連絡を取り合ってライオンがどこにいるかを探してくれたようだが、あいにくこの日ライオンは見当たらず、サバンナに沈む夕日を見た後はホテルに戻った。
◆4日目 マチソンフォールズ国立公園にてサファリとボートサファリ
【マチソンフォールズ国立公園 朝のゲームドライブ】
ホテルで事前に予約しておいた朝食BOXを受け取って、ホテルを朝6時半に出て、サファリに向かう。
まず出会ったのは朝食のために水辺から出てきていたカバ。カバは明るい時間帯は水面の中に身体を沈めているので全身を見れるのは比較的珍しい。
そしてアフリカゾウやキリン、バッファローなど昨日のサファリで見かけた動物たちと再会の後に目にしたのは大量のウガンダコブの群。ウガンダコブはウガンダを代表する国の動物だ。オスは立派なツイストしたツノを持っている。その後、つぶらな瞳のオリビに遭遇。オリビはウガンダコブに似ているがサイズが小さめ。
この日のハイライトとなるライオンをついに発見。ライオンは数頭の群れで生活しており、ハンティングが終わったためが草原の上でのんびり休んでいるように見える。
ライオンがいることを知ってか知らずかライオンの群れの方向に進むキリンの群れ。一触即発の事態だったが、見張り役のライオンがキリンの群れを注意深く監視。ライオンがいることに気づくとスタスタ逃げるキリン。キリンも群れになっているので頑張ればライオンに勝てなくともないが無用な争いは避けた方がお互いにとって良い選択だったのだと思う。
最後にカバたちの住処になっているナイル川沿いへ移動。
カバたちは体温を保つために群れになって身体を寄せ合い水の中で休んでいる。
時折、呼吸のためかブシューと耳を高速で回転させながら水面に顔を出す。
帰り道に鶴をカラフルにしたようなクラハシコウと呼ばれるコウノトリの仲間をみてホテルに戻った。
★★★マチソンフォールズ国立公園で2回のサファリで見れた動物は以下の通り★★★
アフリカゾウ
ハーテビースト
ウォーターバック
イボイノシシ
ロスチャイルドキリン
アオツラジサイチョウ
バッファロー
カバ
ウガンダコブ
オリビ
ライオン
サンショクウミワシ(アフリカンフィッシュイーグル
クラハシコウ
【マチソンフォールズ国立公園でボートサファリ】
昼食の後に行ったのが、マチソンフォールズ国立公園でのボートサファリ。
車で行うサファリドライブと違い水辺の動物、特に鳥類が観察できるのがボートサファリの特徴だ。特にこのマチソンフォールズは鳥類が豊富に生息していることで知られている。また雄大なマチソンフォールズ(滝)が水面の高さから眺められるのがこのボートサファリの魅力。希望者はこのボートサファリのツアーの後半に滝を上から眺めるトレッキングツアーに参加できる(別料金15$)。
私が乗った船は合計12人乗りくらいの小さなモーターボート。風を切って進むモーターボートでのツアーは涼しくて爽やか。日中のサファリドライブは正直暑いので、午前中にサファリドライブをしたならば、午後はボートサファリで身体を休めるのが良いだろう。
ボートに乗った我々をまず出迎えてくれたのはカバ。
ボートサファリの特性上、地上で観察したときよりも近づいて、カバの目線で観察できるのが嬉しい。水辺で遊ぶゾウも見かけた。通常ゾウは群れで行動するものだが、このゾウはなぜか一匹。ボートのガイドがいうには喧嘩に負けたか、独身のゾウとのこと。一人で行動したい時もあるよね。
鳥類では首の長いロングテールコモラントやオニアオサギ、白黒の配色が特徴的な小さな鳥・ヒメヤマセミ、さらにアフリカンフィッシュイーグルやエジプシャングース、カラフルなビーイーター、アマラカイキングフィッシャーにも遭遇。特にビーイーターは巣を木の上に作るのではなく、崖に穴を掘ってねぐらにするそうで、断崖には無数のビーイーターの穴ポコだらけで興味深い。他には昼寝中のクロコダイルの姿も見ることができた。
我々を乗せたボートは最後に船上からマチソンフォールズの全景を見渡せるスポットまで連れて行ってくれる。ここで滝の上までハイキングする人とこのままボートで岸まで戻る人で別れる。
私は明日滝の上まで車で行く予定なので、この日はこのままボートで帰ることを選択した。
船から降りる際に船長にチップを渡して、迎えにきていたチェスさんと合流してホテルに戻った。
★★★マチソンフォールズ国立公園のボートサファリで見れた動物は以下の通り★★★
カバ
ロングテールコモラント(鵜
オニアオサギ(ゴライアスヘロン
ヒメヤマセミ
アフリカゾウ
エジプシャングース
ビーイーター
アマラカイキングフィッシャー
サンショクウミワシ(アフリカンフィッシュイーグル
クロコダイル
◆5日目 マチソンフォールズ国立公園の滝観光とサイの保護区を観光
【マチソンフォールズの滝を観光】
この日は朝6:45にホテルを出発した。朝食BOXを受け取り、ナイル川の渡し船(フェリー)の乗り場には朝7時前には到着。7時を少し過ぎたあたりに対岸からフェリーがやってきて車ごと乗り込む。フェリーを降りたら未舗装の道路をひた走ること約1時間、滝を真上から見下ろせるポイントに到着。ホテルでもらった朝食を食べた後、滝のビューポイントへ歩いて移動。川幅100mものナイル川がここで約5mもの幅に狭められ一気に42mもの落差の滝壺に流れ込むのは流石の大迫力。あまりの水量が勢いよく流れ込むので滝の周囲は水しぶきで水浸しだ。運がよければ虹も見える。
ビクトリア湖から注ぐナイル川はこのマチソンフォールズをへて、スーダンを経由しエジプトへ流れ込む。一大文明を築いた母なる川ナイルの旅路を思うと感慨深いものがある。
マチソンフォールズを後にして未舗装の道路を走ること約2時間。ようやくマチソンフォールズ国立公園のゲートに到着。ここからしばらく走るとマシンディの村へ到着。
【サイのサンクチュアリでウォーキングサファリ】
マシンディの村から車で約1時間。ここにあるのがサイの保護区であるジワ・ライノサンクチュアリー。実はウガンダではサイは1983年に乱獲などの事情によって絶滅してしまっていたが、2001年、再びウガンダにサイを戻そうと隣国のケニアから初めてサイを導入し、2009年初めて繁殖に成功。繁殖に成功した最初の子供は、ケニア出身のオスとアメリカ出身のメスのサイからの子供なのでオバマと名付けられたそうだ。その後も繁殖に成功して、現在では15頭ほどまでの規模になった。この保護区の広さは70キロ平米、サイの種類はシロサイのみとなっている。
最初にサンクチュアリのスタッフとブリーフィング。ウォーキングサファリ中の注意を受ける。話す時は静かに話す、近づき過ぎないなどそこまで厳格ではない。
私とヨーロッパからのカップルでウォーキングサファリに出発。まずは車で群れのテリトリーがあると思われるところまで移動し、そこから徒歩で向かう。レンジャーのスタッフはまだ新しい足跡やフンを見つけて、近くにいる筈だという。期待が高まる。
茂みをかき分けてレンジャーが歩くあとをつけていくと、木の下に灰色のうごめくものを発見。サイの群れだ。サイの身体は鎧のように頑丈そうで体当たりでもされたらひとたまりもないが、目はつぶらで動きはとても遅い。刺激さえしなければ優しい動物なのだろう。
サイの群れを2つ見学し、約1時間半程度でウォーキングサファリは終了。レンジャーにチップを渡してお別れした。
ウガンダでサイはここでしか見られない。またケニアなどのサファリでもサイは観察できるがここまで近く、同じ目線で観察することはできないので、今回のウォーキングサファリは大変貴重な体験となった。ウガンダにお立ち寄りの際にはぜひ参加されることをお勧めしたい。
サイのサンクチュアリを後にして、近くのレストランでピザをテイクアウトし、車の中で食べる。
【ウオブレンジー村の農家訪問】
次に向かったのがウオブレンジー村の農家の家。もともとマチソンフォールズ国立公園に向かう途中に立ち寄る予定だったが、その日は午後のサファリのため少し急いでいたため、この日に立ち寄ることにした。
出迎えてくれたお母さんに挨拶して、農園を見せてもらう。
育てていたのはバナナ、マンゴー、キャッサバ、じゃがいも、トウモロコシ、コーヒーなどの豆類。さらに豚や鶏などの家畜も育てている。日本のように整然と種類ごとに分けて育てているわけではなく、その辺は割とウガンダの人はアバウトでトウモロコシが生えているすぐ隣にジャガイモの苗が植えてあったり、特に区画のようなものやルールがあるわけではなさそうだ。
育てた野菜や果物は市場に売ってお金にするのだそうだ。またブダなどの家畜も農園にとっては大事なサイクルの一つを担っている。日々の料理で出た野菜の切れ端や野菜の葉っぱなどを家畜の食料とし、家畜の糞尿を農園の肥料としている。そしてすくすく育った豚は高値で売られていく。そして元気なおばあちゃんはトウモロコシの葉っぱで器を手作業でつくっている。もちろんこういった工芸品も売り物になるそうだ。本当に一つも無駄がなく感心した。
残念ながらマトケは時間がなくて、食べられなかったが次回までマットケ〜。ということでカンパラの街を目指す。
【事故、そして空港へ】
ウオブレンジー村からカンパラの街を目指す。本来であれば約1時間でつくはずだが、帰宅ラッシュのためかカンパラの街中はおびただしい数の車とバイクで大混雑。
カンパラではお世話になっている現地旅行社のスタッフに挨拶に行く予定だったため、営業終了時刻の17:30を目指して少し焦っていたのだろう、ドライバーが前の車と衝突事故を起こしてしまった。前方不注意による停止中の車との衝突だったので衝撃はさほどなく、怪我はなかった。ドライバーのチェスさんはショックだったろう、表情が冴えなかった。
ウガンダでは明らかに一方のドライバーに過失があった交通事故の場合、警察は呼ばず、示談で済ませるようだ。約30分の話し合いの後、車を走らせて出発した。被害者のドライバーに後日に約1万円の金額を補償金として振り込むそうだ。我々からすると事故で1万円の補償金というのはそこまで高くはないが、おそらくウガンダの価値基準としては我々の5倍から10倍くらいの感覚なのだろう。しかしウガンダの街では結構ボロボロな車が多いので、今回の衝突事故くらいのへこみだったら特段何でもなさそうな感じだ。
カンパラの街でお世話になっている旅行社のスタッフに挨拶をした。ウガンダのオフィスでは業務終了後、パソコンなどは盗難を防ぐために金庫に入れて隠すそうで、オフィスの中はかなり綺麗に片付いていた。
カンパラからエンテベ空港までは約1時間半。空港に到着したのは午後8時半の少し前。すでに夜の10時から2時間前を少し過ぎていたがチェックインは問題ないだろう。
ウガンダでお世話になったチェスさんとはここでお別れ。
【ルワンダエアーにチェックイン、そしてキガリ到着】
エンテベ空港の中に入り、ルワンダエアーにチェックイン。荷物検査はさほど厳しくはない。無事出国審査をすませて搭乗ゲートへ。エンテベ空港の中の店はそこまで数は多くなかったが、カフェがあったのでそこで夕食を簡単にとった。キガリ行きの便はプロペラ機。乗客のほとんどはアフリカ人。私の隣に座ったおばさんはウガンダで働いているルワンダ人のおばちゃんだった。これから実家に帰るのだそうだ。
キガリまでは飛行機で約1時間、ウガンダとルワンダでは1時間の時差があるので夜中の10時に出発したウガンダの飛行機は、キガリには同時刻の午後10時に到着する。
キガリの空港はエンテベの空港よりもかなり近代的で新しい。入国審査もウガンダ同様さほど難しいものではなくスムーズに入国できた。荷物をピックアップし、税関を抜けてこの日からガイドを務めてくれるアイザックさんと合流。アイザックさんは歳30手前だが、声が低く威厳のある感じの方だ。
【GORILLAS GOLF HOTEL】
空港から約10分程度の距離にあるこの日のホテルに向かう。GORILLAS GOLF HOTELは中規模のビジネスホテル。市内までは少し離れているがホテルの質やサービスに関しては申し分ない。館内にはレストランやバー、プールも備わっている。室内は広めで、テレビにエアコン、バスタブ、無料のWIFI、冷蔵庫、セーフティーボックス、湯沸かし器がある。ドライヤーは室内にはなかった。
アイザックさんは、今日は疲れただろうと、私のことを察し、明日の集合時間を9:30にしてくれた。
◆6日目 国境を越えてブウィンディ国立公園近くの宿へ
この日は朝9時半にホテルのロビーにてアイザックさんと合流して、ウガンダとルワンダの国境近くにあるブウィンディ国立公園の宿を目指す。昨日ウガンダからルワンダに来たというのに今日改めてウガンダに入国するわけである。
【上品なキガリのアップタウンを抜けて北上】
キガリの街中を抜けて、北上して行く。キガリの街は大変美しい。お隣のウガンダは「アフリカの真珠」とも評されているが、ルワンダの首都にもそれに負けない自然の豊かさ、そしてウガンダにはない品の良さがある。キガリの街は丘の中腹にあるアップタウンと丘の麓に広がるダウンタウンに別れている。アップタウンは高級住宅街となっている。綺麗に舗装されたアスファルトの道路、道路の脇にはヤシの木が涼しげに揺れている、そんな風景が続いている。そして街中を走る車もピカピカ。ウガンダではボコボコの車体で赤土に汚れた車体が大半だったが、少なくともキガリのアップタウンにはそういった車は無かった。ちなみにウガンダでは車の90%はトヨタだった。ルワンダでは80%がトヨタ製。なぜかルワンダ・ウガンダともトヨタのシェアが凄いことになっている。ルワンダでは他にはベンツやアウディを見かけた(後からドライバーガイドのアイザックさんに聞いたところトヨタ製は部品が手に入りやすく修理がしやすいとのこと。トヨタ製以外は部品が手に入りにくいのでお金持ちの一部の人が購入しているそうだ)。
一方ダウンタウンはバイクタクシーや乗合バスが入り乱れ、下町風情に溢れ活気がある。いかにもアフリカの街という感じがするのがダウンタウンだ。
【なぜヴォルカン国立公園でなくブウィンディ国立公園を目指すのか】
ルワンダにもヴォルカン国立公園というこちらもマウンテンゴリラで有名な国立公園がある。キガリからはヴォルカン国立公園の方がキガリから約2時間と近い(ブウィンディ国立公園は車で4、5時間かかる)。まず第1にブウィンディ国立公園の方がゴリラの個体数が多い。ブウィンディ国立公園にて世界に生息するマウンテンゴリラの約半数が生息しているという。その個体数約440頭。そのためゴリラに遭遇できる確率は98%とも言われている。また第2にヴォルカン国立公園と比べブウィンディ国立公園の方が公園の入り口まで歩く距離が短いと言われている。第3に(これが一番大事)、数年前にヴォルカン国立公園のゴリラパーミンション料金が1500USDと非常に高額となってしまった。対してブウィンディ国立公園のゴリラパーミンション料金は600USDと数年間変わっていない。可能性、体力、料金的にもブウィンディ国立公園を選ぶのが一般的になっているのだ。
【ルワンダからウガンダへ 陸路で入国】
途中のドライブインで休みを挟みつつ、キガリの街から北上すること約3時間。くねくねしたアスファルトの山道すりぬけて、ようやくたどり着いたのがウガンダとの国境。
ドライバーのアイザックに促されて、私は降りて徒歩で国境を抜ける。
まずはルワンダサイドでパスポートチェック。パスポートをペラペラめくってチェックされて、今後の行程を簡単に聞かれる。その後、ルワンダの観光局のような組織の方からどのくらいルワンダに滞在したかなどを聞かれた。これは出入国というよりもただの調査だった。
その後、履物を消毒と手洗いを指示され、ウガンダサイドでのパスポートチェック。職業やこれからの行程を簡単に聞かれる。その後、イミグレーションの窓口に行き、まずルワンダのカウンターで出国スタンプを押してもらう。そしてウガンダのカウンターに行き入国スタンプを押される。これで無事ウガンダへ入国できた。全ての手続きで約30分くらいだろうか、思ったよりも時間はかからなかった。ウガンダの入国を終えて、ドライバーがくるのを待っていたら、国境付近で日向ぼっこをしていると思っていたお兄さんがやってきて、両替しないかと問いかけてきた。なるほど闇両替の人だったんだな。この旅行の最初の到着の時点でウガンダにて両替をすませていたので特に私は両替しなかった。もしキガリから入国したとしても、こういった両替商がいるのでウガンダシリングへの両替は問題なさそうだ。
【LAKE MULEHE GORILLA LODGE】
ウガンダの国境からさらに1時間強。途中にあるキソロという村を抜けて見えてくるムタンガ湖とマルへ湖の2つの湖。その内のマルへ湖を臨むように山の中腹に建てられているのがこのLAKE MULEHE GORILLA LODGEだ。湖を眺めるのは絶好のロケーション。キソロからはかなりの田舎道を辿ってこのホテルに到着するので、宿泊するゲストはこんな田舎の山奥にホテルがあるか不安になってくるはずだが、到着すれば一転「素敵なホテルがあるなんて!」と感激することだろう。
宿泊する建物は独立したヴィラになっており、全て湖側に向かって建っている。室内はかなり広めでアフリカらしいカラフルなデザイン。設備は新しくはないが可愛い彩りで好感が持てる。室内にはテレビや無料のWIFI、セーフティーボックス、湯沸し器などはない。また電力状況が不安定でしばらく停電になることも多い。しかし立派なバスタブつきのシャワールームやホスピタリティー溢れるスタッフの対応など、他にはない特別感があり個人的には大変気に入ったホテルだ。
ホテルには到着したのは午後3時。かなり遅めの昼食を食べた後は写真の整理や明日のゴリラトレッキングの準備をした。
◆7日目 感動の出会い ゴリラトレッキングへ
朝5時半に起床して朝食。ゴリラトレッキングに持って行くBOXランチもホテルで受け取る。
ホテルをチェックアウトしてゴリラトレッキングへさぁ出発。
【ブウィンディ国立公園のゴリラトレッキング】
標高1150〜2600mに位置し、総面積331平方キロメールの広大なブウィンディ国立公園は現在生存するマウンテンゴリラ約800頭の内、約半数が生息すると言われているマウンテンゴリラの聖地のような場所だ。マウンテンゴリラはウガンダのみならずコンゴ、ルワンダにも生息しているが観光地としてもっとも整備され、高い確率で遭遇できることで定評がある。ゴリラトレッキングに参加できるゴリラパーミッションは一人600USDという高額にも関わらず世界中から観光客が押し寄せ、予約できないこともあるほど大盛況だ。
1993年から始まったゴリラトレッキングは評判を呼び、もともとは北側のBUHOMAゲートのみだったが、現在トレッキングの出発地点は北側2つと南側の2つの計4カ所へと数を増やしている。
我々は宿泊したLAKE MULEHE GORILLA LODGEから車で山道をひた走ること約1時間のNKURINGOゲートへ。
NKURINGOゲートに到着したのは朝7時すぎ。到着してトイレを済ませカメラなどを準備を整えた。またドライバーガイドのアイザックが気を利かせてくれて私のために自分の履いていた登山靴を貸してくれた。私の履いていたサンダルを見ていたのだろう。いや、サンダルと言っても私の履いてたのはKEENだし、軽い運動でも耐えられるモノなんだけどなぁと思っていたがあとあと登山靴に変えて大正解だったと思い知ることになる。
徐々にツーリスト達がゴリラトレッキングのブリーフィングが行われるコテージ(?)に集まってきた。椅子は30人分くらい用意されていたが、それでも入り切らないほどの人がやってきた。トータルで50人近い人がこの日参加しにきていただろう。
中には大丈夫かしらとこちらが心配になるほど巨漢な人もいた。話をしたところデンバーからやってきたアメリカ人とのこと。こういった人も参加するほどだからさほどハードではないのだろうなと感じた(のだが実際は、結構ハードだった)。
午前8時を少し過ぎたあたりから迷彩服を着たレンジャーの方がコテージ前方に立って、ゴリラトレッキングの説明を始めた。全編英語なのですべては理解できなかったが、基本的なルールがガイドブックに書いてあったので、きっとそのことを言っているのだろうな、と推測した。
また特に強調して言っていた内容としては、ポーターを必ずつけろ、ということ。今は歩いていてさほど重くは感じないかもしれないが、山道を歩いているとまるで荷物が100キロくらいに感じるはずだという。ちなみに私は望遠のカメラと広角のカメラの2台持ちで挑むつもりだったので、ポーターを雇った。私のような一眼レフカメラを持って行かなくとも6時間以上歩くこともあるそうなので、必ず食事と水をたっぷりもっていけば結構な重量になるはずだ。
ブリーフィングの後に指定されたチームに分かれて、それぞれにリーダー格のレンジャーとサポート役のレンジャー2人の合計3名がつく。
私のチームの参加者はスウェーデンからの老夫婦2組とフランスからの老夫婦1組と私の合計7人。フランスの老夫婦以外は全員ポーターを雇った。私を担当してくれるポーターはジョージという20歳の男性だった。ポーターといってもムキムキの山男という感じではなく、痩せ型で背もあまり高くなく、ちょっぴりフェミニンな感じだった。話を聞くと麓の村の出身で、まだ学生らしく、ポーターは割りの良いバイトとして働いているそうだ。
朝8時半にゴリラトレッキングスタート!荷物はすべてポーターのジョージに持ってもらっているので足取りも軽い。我々一行はどんどん山奥へ入って行く。山道の途中には崖に近いような険しい坂道のほかに、ぬかるみや沢もある。サンダルで来ていたらきっと開始早々、靴下まで泥まみれになっていたことだろう。そのまま長時間のトレッキングをしていたと思うとゾッとする。登山靴を貸してくれたアイザック本当にありがとう。
1時間も歩いているとポーターを頼まなかったフランスの老夫婦に遅れが出て来た。やはりポーターがいるといないでは体力の消費量に大きな違いがでるのだろう。またレンジャーの歩くスピードはトレッキングに慣れているせいか、とても早く感じた。今回の参加者の中では私はまだ若い方だが、ポーターを頼んでなかったらきっと置いていかれたであろう。
とにかく歩くことだけに集中できるのでポーターは必ずオーダーすることをお勧めする。
1時間半ほど歩いたところで、ポーターと別れてツーリストのみの少人数でゴリラの群れに向かう。どうやらゴリラが近いようだ。生い茂る草むらを切り分け進み、レンジャーがふと立ち止まりゴリラの鳴き真似をする。そうすると茂みの奥からガサゴソと草木の揺れる音が聞こえてくる。音の方向に目をこらすと何やら固そうな黒い毛に全身覆われたモノが視界に入った。ゴリラだ。ゴリラがいた。
森の中で見かけたゴリラになぜか自分でも思っていた以上に心打たれてしまった。
動物園でしか見たことのなかったゴリラがすぐ目の前にいる。森の中に突如現れた全身毛むくじゃらの巨大な猿がとても現実のものとは思えなかった。
決して機敏でもなく、猛毒を持っているわけでもない、体のサイズもゾウやキリンと比べればはるかに小さいこの動物達が何千年と生きながらえている事実が目の前に。夢中でシャッターを切ったのだった。
写真を撮られている間、ゴリラはじっとしているわけではない。草をむしゃむしゃ食べては思いついたようにどこかに移動してしまう。我々はそれを追って、さらに道無き道を突き進む。何度かゴリラに追いついて撮影を繰り返すこと約1時間。ゴリラの撮影タイムは終了。たまにゴリラは茂みの中に隠れてしまうのだがレンジャーが、ゴリラが逃げないよう、うまい具合に生い茂る植物を掻き分けて視界を確保してくれたお陰で満足がいく撮影もできた。
感激のゴリラとの対面の後は山の中腹でランチタイム。ホテルでパックしてもらったサンドウィッチをほうばる。ポーターのジョージにもおすそ分け。
ランチの後さらに歩くこと1時間、ようやくブリーフィングが行われた出発地点に帰還。
往復の移動3時間とゴリラに遭遇してから約1時間の合計4時間。ずっと動きっぱなしだったので疲れた。でも雨も降らず天候にも恵まれ、何より目的であるゴリラとの遭遇ができたので大満足。
最後にゴリラトレッキングの証明書を発行してもらい、受け取ったら終了。とても楽しかった。最後にポーターを務めてくれたジョージとお別れ。ジョージは険しい坂道や沼があるところを先導し、さらに私の手を引っ張ってくれた。思っていた以上に手を握ってくれるので何だかこっちが恥ずかしくなるほどだったが彼のサポート無くしては、私のゴリラトレッキングの思い出はさも良いものにはならなかったかもしれない。感謝している。
ポーターの相場は10〜20ドルらしいので、ポーターの代として20ドル+チップとして10ドル。合計30ドル渡した。
ゴリラトレッキングの後は、LAKE MULEHE GORILLA LODGEに戻りシャワーを浴びさせてもらった。またお昼ご飯としてスパゲッティを出してくれた。ランチボックスも作ってもらったから2回目の昼食である。
午後3時にLAKE MULEHE GORILLA LODGEを出て、キガリに向けて出発。
途中、ウガンダからルワンダへの国境を越える。手順は往路と同様。
まずウガンダ側で警察のパスポートチェックと行程の確認などがある。
ルワンダ側で手洗いなどの消毒をした後、イミグレーションで判子をもらう。
なおルワンダ側の入国の際には荷物検査があった(ウガンダでは荷物検査はなかった)。
といってもどれもさほど厳しいものではなく、すべて含めた所要時間は30分程度。
ルワンダの国境付近で両替をしようとしたがあまりレートが良くないのでやめて市内で両替することにした。
ルワンダに入国した後は一路キガリへ。キガリまで約3時間のドライブ。
この日のGORILLAS GOLF HOTELに到着したのは午後7時。といっても時差の影響でウガンダ時間では午後8時なのでまる5時間の長距離ドライブ。ドライバーのアイザックにとってはしんどかったことだろう。
GORILLAS GOLF HOTELはキガリに初日宿泊したホテルと同じホテルだ。
ホテルのレストランで夕食をとり就寝。明日がこの旅の最終日だ。
◆8日目 キガリ市内観光と帰国の途へ
【ガイドが3時間半の遅刻】
朝8時のロビー集合に合わせてホテルの入り口で待っていたが一行にドライバーガイドのアイザックがやってこない。時間を間違えたかなぁと思い、30分くらいそのまま待っていたがやはりくる気配がない。これはおかしいと思い、現地の緊急連絡先へホテルスタッフに電話してもらう。
現地旅行社を通じてアイザックと連絡がついた。どうやら今日はキガリのマラソン大会で中心部の道路が通行止めになっており、すんなり来れないらしい。ホテルのスタッフがどのようにきたら良いかをレクチャーして結局アイザックと合流できたのが午前11時半ごろ。アイザックの家から集合場所のホテルは本来10分程度で到着できる距離なのだが、相当迂回してくる羽目になり尚且つバイクタクシーの運転手に裏道を聞いてようやく辿り着いたのだそうだ。もう何というかお気の毒としか言えない。
本来であればキガリ最大のマーケットである「キミロンコマーケット」にも立ち寄る予定だったが時間がおしていていたため「キガリ虐殺記念館」と「ホテル・ミルコリンズ」の2箇所のみに行くことになった。
【キガリ虐殺記念館】
ルワンダ国内の民族対立により、約8分の1に当たる約100万人もの人々が殺戮された、1994年に起きた痛ましい事件を記録した博物館。この博物館の目的は大きく分けて2つ。一つ目は2度と繰り返してはならないこの事件を記録にとどめ後世に伝えるため。二つ目が虐殺で亡くなった人々を追悼するため。そのため記念館では虐殺の遠因から直接の引き金になった出来事の調査、そして亡くなった人々の衣服から人骨の展示、さらにはナチスやコソボ紛争など他の虐殺の例まで多角的に分析をしている。そして何より心が打たれるのは罪なく殺された人々のポートレイト。決して彼ら・彼女らは100万分の1ではなく1分の1で、それぞれに家族がいて、友人もいて、物語があったのだと痛感させられる。あらゆる人々に開かれているこの博物館の入場は無料。キガリに滞在したなら必ず訪れてほしい場所である。
なおオーディオガイドは有料で20USD。日本語はない。
虐殺記念館を後にして向かったのがホテル・ミルコリンズ。
【ホテル・ミルコリンズ】
キガリで最も有名なホテルといってもいいだろう。「ホテル・ルワンダ」として小説や映画に登場するモデルで虐殺から逃げてきた人々をかくまったホテルとして知られている。面影はなく駐車場に記念碑がある程度だが、観光客が絶えない。
ホテルとしてはキガリの中心部にあり、プールやテニスコートを備え開放的な雰囲気。シックなレストランなど雰囲気は抜群なので観光としてだけではなくホテルとしてもおすすめ。
私とアイザックはこのホテルのレストランのブッフェでランチを食べてから空港へ向かった。
ちなみにブッフェの料金は白ワイン1杯込みで2700フラン、約30USD。うーん、いいお値段。でも美味しかったぁ。
ホテルを後にして空港へ出発。無事カタール航空出発の2時間前に到着。
チェックインの列に並ぶもカウンターのスタッフの動きが遅い。チェックインを済ませたのは出発1時間前。ルワンダの出国審査をすませて荷物検査。すでに搭乗手続きが始まっていたのでそのまま搭乗。無事キガリを出発した。
■旅行を終えて・・・・
実はもともとゴリラトレッキングは興味少しあったもののそこまで大きな感動は期待していませんでした。しかし実際やってみると、想像以上に面白い!出会えるかワクワク・ドキドキ、ゴリラトレッキングの間は少年の心が戻ったような気持ちでした。
もちろんゴリラトレッキングのみならず、マチソンフォールズ国立公園でもケニアやタンザニアのサファリに負けていないので、初めてのサファリ旅行としてもおすすめです。今回、ビックファイブの内、ヒョウを除く、ゾウ・ライオン・バッファロー・サイをしっかり見ることができました。ヒョウはケニアやタンザニアでも遭遇するのはレアな動物なので、まぁこれはしょうがない(でも実はマチソンフォールズ国立公園でヒョウのしっぽだけ見ました)。
またケニアやタンザニアと違って、カンパラやキガリは治安がよく独り歩きが楽しめます。街ゆく人々の感じもフレンドリー、目が合うと微笑み返してくれます。写真が厳しいのがちょっと残念ですが。。。ウガンダもルワンダも公用語として英語が広く使われているのも、オススメの理由。現地の言葉を知らなくとも英語でコミュニケーションができます。
あとこれは意外でしたが、ウガンダ・ルワンダとも食事が美味しい。牛肉や鶏肉はもちろん、ビクトリア湖から魚も取れるので肉ばかりで飽きることはありません。果物や野菜も、植物の美しい国だけあってフレッシュです。主食はウガンダが食用バナナ、ルワンダがポテトですが、パンや米もあります。イタリアンも人気があるらしくピザやパスタも広く食べられています。さらに驚いたことにインド風のカレーを出すレストランも多く見かけました、しかも美味しい。飲み物に関していうと、ナイルスペシャルなどの代表的なビールの銘柄は、日本のビールと口当たりが似ており、スッキリ飲みやすい。コーヒーは原産国として有名なだけあってハズレがありませんでした。
野生動物、人々のホスピタリティー、食事の美味しさなどあらゆる角度から期待以上の驚きと感動を与えてくれたウガンダ・ルワンダの旅。また同じ旅行をしてみたいかと問われれば答えはYESです。観光客が押し寄せる前に行かれることをお勧めします!
■スタッフおすすめ度
ゴリラトレッキング ★★★★★L 比較的ハードな4時間だったが、ゴリラとの遭遇で感動。疲れも何処へやら。まだ歩きたいと思わせる不思議な幸福感。
マチソンフォールズ国立公園 ★★★★★ ゲームドライブ・ボートサファリ ・滝・チンパンジートレッキングなど2泊いても足りないバラエティ豊かな楽しみ方ができる国立公園。
ジワ・ライノサンクチュアリー ★★★★ 世界でも貴重なサイのウォーキングサファリ。間近にサイの姿が見られる。
キガリ虐殺記念館 ★★★★ 原爆ドーム・アウシュビッツ等に並ぶ負の遺産。自分にもっと英語の読解力があれば、もっと時間をかけてまわりたかった。
2019年6月 橋本