砂漠の奥地で星の降る空☆砂漠のオアシスと白い街…チュニジア満喫の旅

砂漠の奥地で星の降る空☆砂漠のオアシスと白い街…チュニジア満喫の旅


砂漠のど真ん中、ティンバインにて

2018年、二度目のアフリカ大陸へ!今回の出張先は、北アフリカのチュニジアだ。
アフリカといっても地中海を挟んで対岸はイタリアやマルタが近く、アフリカにあるイスラム教の国で、ヨーロッパとも近い。中東をイメージしたらいいのか、ヨーロッパっぽいのか…とにかく行ってみよー!

今回の行程はスース→トズール→砂漠(ティンバイン)→ケロアン→チュニスと、小さなチュニジアを上下左右に駆け抜けるような日程だ。
一番私の記憶に残ったところといえば、間違いなくティンバインである。
砂漠の入口でもあるドゥーズという街から、4WDで道なき道を走る走る走る…


こんな砂丘を超えていく…

コンクリートの道なんてとうの昔に終わって、コンクリートから砂利に、砂利が砂に、砂が砂丘にと走り続けること約3時間。いくつも砂丘を超えて遠くにまるで蜃気楼のように現れたのが CAMP MARS である。MARSの名を冠するにふさわしいこの景色!

砂漠のキャンプサイト、CAMP MARS

砂漠のど真ん中、もちろん電気・ガス・水道は通っていない。今宵は満点の星空に囲まれて、キャンプファイヤーだ♪ワクワクする~
テントの中はというと、ベッドにソファ、そしてロウソク。足元にはベルベル人の絨毯がひかれていてこれもまたかわいい。布で仕切られた奥は、トイレと洗面台。もちろん水が貴重な砂漠で、トイレを水に流すなんていう愚かな行為は致しません。便器の横にはおが屑があり、用を足した後はこちらをふんわりとかけてあげましょう☆かわいい水桶に貴重な水が入っており、ちゃんとした洗面台の体をなしている。


今宵のテント


テント内部


エコトイレもついている!


砂漠の周辺散策

夜の静寂を楽しみに散歩から帰ると、いかつい4輪バギーのタフガイが現れた!


4輪バギー

こんなストロングガイが次から次へと大量発生し、あっという間にこの砂漠にテントのバーを設営したり、闇夜を煌々と照らすライトを設置したり…
なんだっ?!何しに来た!オーナーさんに聞いたら70人のヨーロピアンが今日からチェックインするとのこと。彼らバギーで砂漠ツアーをやっている真ッ只中なんだとか。


ものすごい荷物の量

キャンプファイヤーの周辺も彼らにすでに占拠されてしまった・・・
えー、静かな砂漠は?キャンプファイヤーで見上げる満点の星空は??悲しみー
早くあのライトを消してくれないかとやきもきしながら、夕飯を食べているとスタッフのベルベル人がベルベルパンを作ってくれるとのこと。パン生地をこねこねしたら、キャンプファイヤーで熱せられた砂漠の砂の中にイン!


ロマンチックなお食事会場


パンをこねこね


砂の中へ


しばらく放置で出来上がり☆

インドのナンのような感じで、ちょっぴりしょっぱくて素朴なお味。気を付けないとたまにジャリっていうけど、これが砂漠の醍醐味。
パンを食べてたら、ストロングガイたちがお酒を分けてくれた。なんだ、こいつらいいヤツじゃん(←ちょろい)しばらくまったりするも、巨大なライトを消してくれる素振りが全く見えない…しょうがない、一度就寝。
そして4時頃目を覚まし、テントの外に出ると数えきれないほどの星空が!!東京でも見ることのできるオリオン座がこちらでも見えるが、オリオン座の周りにこんなにたくさんの星があるなんて。180度の星空だ。まるで星空のお椀をかぶせられて、その中にいる感じ…伝わるだろうか。
やはり砂漠の夜は寒いので星空を堪能した後は朝日が昇り始めるまでテント内で待機。ロウソクに火をつけ、読書をする、そんな時間さえも特別に感じてしまう。


徐々に白む空


息をのむ美しさの砂丘


砂丘に朝日が差す

十分に砂漠を満喫~!チュニジアのキャンプサイトはいくつかあるが、ここほど不便なところはないだろう。でも私はあえてティンバインをお勧めしたい。道中の過酷な道もこの不便さも含めて砂漠を感じてもらいたい!

砂漠を抜け、北アフリカ最大の塩湖、ショット・エル・ジェリドへと向かう。
先が見えないほどに延々と続く一本道、その距離なんと全長96km!!!
この左右が塩湖なのだそうだ。ほとんど水はないが、降りてみると塩の結晶が…

延々と続く一本道


突如現れたシュールなオブジェ


塩の結晶


かわいい公衆トイレ

塩湖を境に南側は砂の砂漠、北側は岩の砂漠と自然環境が異なっているのだ。
そう、ここからは山岳オアシスへの入口となる。
今までの砂砂砂の砂漠とは異なり、ナツメヤシの緑豊かなオアシスや渓谷美が旅のポイントになってくる。
と、その前にスターウォーズのロケ地となったオング・エル・ジュメルに立ち寄る。スターウォーズを見たことのない私にはなんのこっちゃ?という場所である。


オング・エル・ジュメル

残念な事にセットは荒廃が進んでおり、正直びっみょーとしか言いようがないが、ファンの人にとったら興奮モノなのだろうか・・・
セット跡地よりも、そこにたどり着くまでの風景の方がよっぽど素晴らしいと思う。


映画イングリッシュペイシェントの撮影でも使われたラクダ岩


オング・エル・ジュメル周辺の風景

そしてここから、山岳オアシスへ。
山岳オアシスとは主に3つの村からなるタメルザ渓谷の事を指す。3つの村とは、シェビカ、タメルザ、ミデスの3つだ。車で渓谷をドライブしながらそれぞれのオアシスを見ていく。
1969年に起きた大規模な洪水により、村の人々は別の場所に引っ越しており、現在人は済んでいない。
一番最初に訪問し、一番印象的だったのがシェビカ。
荒涼とした砂漠の大地をそれると、急にナツメヤシの群生が現れるのである。
シェビカには40分程のハイキングコースがある。かつて村人が住んでいた廃墟が遺跡の様になっているが、ここから始まり岩山をよじ登って進んでいく。すると見事な岩と岩の美しい谷間が広がる。


シェビカのハイキングコース入り口


美しい谷

そして現れる清らかな泉!湧き水が出ており、ここからきれいな小川に沿いながら、もと来た入り口へと下っていく。

湧き水の溢れる泉

シェビカからタメルザに向かう際には、ダイナミックな地層の大パノラマ!


ビューポイント

タメルザはグランド・カスカドという大滝があるそうなのだが、残念ながら水はチョロチョロとしか流れていなかった…無念。


タメルザ


グランド・カスカド

そして、この絶景が見られるミデスへ。


ミデス

この場所もまた、映画イングリッシュペイシェントの撮影ロケ地になったそうだ。
ここまでに、チュニジアという国の自然の多様性をまざまざと見せつけられた気分だ。

そしてケロアンを経由し、チュニスへと向かう。
チュニスは時間がなく、スース(市場)を散策しただけ…
冬のため、お土産屋さんの営業終了も早く17時半を過ぎると、みな店じまいを始めだす。
チュニジアらしからぬおしゃれなショップを見ていると、店主が自慢のテラスをみせてくれた。
土産屋さんの中には、テラスにあげてくれる店がいくつかあるらしいが、チップを渡すことを忘れずに。チュニジアはどこもかしこもチップだ。テラスからはチュニスの町や、グランド・モスクが一望できる。


チュニスのスース


おしゃれなみやげ物屋さん


ご自慢のテラス

最終日はチュニジア一美しい街といわれる、シティブサイドへ。
白壁と青の窓枠、抜けるような青空…なんときれいな街でしょう。アンダルシアの影響を受けているのか、なるほど、きれいな訳だ。


シティブサイドの街並み

あぁ、なんと素晴らしい風景!どこもかしこも絵葉書のよう!
シティブサイドにはダール・エル・アンナビという昔の豪邸を一般公開している施設がある。かわいい、豪華な一軒家を見学できるので大変おすすめだ。


ダール・エル・アンナビ

こうしてチュニジアの旅は終わりを告げた。
チュニスは想像以上にモダンで、街の人々も洗練されていてかなりおしゃれ。大通りのフランス通りはたくさんのカフェテラスが立ち並び、まるでヨーロッパのような雰囲気だった。
そして砂漠やオアシスなどのダイナミックな自然あり、モスクや遺跡ありの1粒で2度3度とおいしい国。北アフリカからヨーロッパへつながる、グラデーションを感じることのできる国だった。

スース ★★★★ ヨーロピアンも訪れるビーチリゾート。きれいな海と歴史あるスースは必見
ティンバイン ★★★★★ 電気も水道も通っていない、砂漠のど真ん中!忘れ得ぬ体験!
山岳オアシス ★★★★ 砂漠とは違った趣。ダイナミックな絶景が楽しめる
シティ・ブ・サイド ★★★★★ どこを切り取っても絵になる、映えスポット!

(2018年11月 久保井)

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