【驚きがいっぱい!列車でめぐる北インド周遊の旅】

【驚きがいっぱい!列車でめぐる北インド周遊の旅】

ついに来た、来てしまった、インド。
いつか来たいとは思っていたが、ついに叶ってしまった!!
全日空の直行便に乗り約10時間。
往路はスターウォーズ仕様の機材のため、旅立ちのBGMはスターウォーズのテーマ曲で華々しいスタートになった!が、しかし全く目的地のイメージに合っていない。
R2D2のエプロンをしたCAさんが可愛かったなあ…
この時はまだインドで様々な出会いがあり、まだ見ぬ体験するなんて想像もつかなかっただろう。



インドは広い。そのせいかインドに暮らす人も動物も心が広いというか、自由に生きているのがお国柄によく表れている。
日本にはないごちゃごちゃした空間に最初は緊張していたが、いつの間にか大きな声で話すヒンディー語も、どこでもお構いなしに流すインド音楽も、何にも縛られずに生きる野良犬や野良牛たちも何となく受け入れている自分がいた。
***今回の9日間の北インド周遊の旅程***
1日目 深夜到着    <デリー泊>
2日目 デリー観光    <寝台列車泊>
3日目 列車移動 <ブッダガヤ泊>
4日目 ブッダガヤ観光 ベナレスへ列車移動
<ベナレス泊>
5日目 ベナレス観光 <寝台列車泊>
6日目 列車移動 <オルチャ泊>
7日目 オルチャ観光、アグラへ列車移動
<アグラ泊>
8日目 アグラ観光 <機中泊>
9日間 帰国


到着日に不可欠なのが両替。
インドルピーは日本で両替できないので必ずインドで行う。
空港内にある両替所はどこも大行列。
2016年12月現在、先日ニュースで突然発表された500ルピー紙幣と1000ルピー紙幣が使えなくなるという経済政策が旅行者にもこんな打撃を与えているなんて。
空港両替所のルールは毎日変わるらしいが、私が行った時は5000ルピーを上限にすることに加え9000円以上の両替を求められた。ちなみにこの時は住所や電話番号を記入する用紙の提出も必要だった。
(よく変わるようなので、今はもう変わっているかもしれない)
結局両替に1時間程かかった。最近は混んでいると2時間以上かかることもあるらしい・・・。
その後空港からホテルに向かう途中、市内のATMには夜中2時過ぎ頃なのに大行列ができていた。
なんでも1日に引き出せる金額に上限があってなかなか苦労している様子。
早く安定することを心から願う。
さて、とりあえず入国までクリア。
2日目からはついに観光が始まる!
この時期のインドはとにかく朝晩の濃霧がひどい。夜は空港からホテルへ向かう道なんて真っ白で何にも見えなかった。朝はガイドさんが30分だけ出発時間を遅らせてスタートしてくれて少しでも霧の影響を受けないように気を使ってくれた。ラージガート、レッドフォート、インド門、タンドリーチキンのランチ、フマユーン廟、クトゥブミナール、という感じで定番観光へ。
初インドの私にとっては時代背景を連想させる壮大な遺跡の数々に興奮が止まなかった。

レッドフォートの出口ゲート。

レッドフォートのラングマハル。細かい彫刻や絵が美しい。

フマユーン廟

クトゥブミナール

そんな順調な観光とは裏腹に、インドの第一関門がやってきた、、、寝台列車だ。
濃霧のせいで仕方ないが3時間半の遅延。遅延するのは重々わかっていたから気長に列車の旅を楽しむことにする。23時にやっと出発。疲れていた私はすぐに眠ってしまった。

出発前の寝台列車

朝、ふと目が覚めた。静かだった。
電車は止まっている。あれ。動いたと思ったらのろのろ運転。
ガイドさんと合流して話を聞いたらその時点でトータル8時間遅延だという…
まじか、、、声に出てしまっていた。
デリーからガヤまで普通に行っても17時間くらいかかるのに、さらに8時間…。
乗っても乗っても着かない電車の中ではいろんな音がする。
あっちからもこっちからも、目の前のガイドさんのケータイからも
どんな時であろうとインド音楽ががちゃがちゃと響く車内。
車内販売の掛け声も騒がしい。お弁当を売るおじさんの掛け声は何回聞いても「カネクレカネクレ~」にしか聞こえてこない。笑 (ほんとは「ご飯売るご飯売るー」と言っているらしい。)
車内の食事はほぼカレー弁当だった。いくつか種類があってごはんやナンも選べる。

車内販売のカレーのお弁当

そういえば食事のときに、隣のおばちゃんから家庭料理のお裾分けもいただいた!
サモサと一緒に食べるレモンのすっぱい付け合せ、とても美味しい!人の温かさにふれて心から気持ちが安らいだ。インドのこういうところは好きだ。
そんなこんなでやっとこ列車が到着。なんと全部で28時間の列車の旅となった、長い…。
翌日、早朝からブッダガヤの観光。デリーよりとても冷える。
ここはブッダが覚りを開いた地で、仏教徒にとっては最強の聖地でもあるのだ。
スジャータ村、スジャータ寺、マーハボディ寺。
マーハボディ寺にはタイやミャンマー、チベット、スリランカ、などなど色んな国の人が集っている。ちなみにここは携帯電話の持ち込みは禁止されているので預ける必要がある。
ブッダが覚りを開く際のキーパーソンとなったスジャータという女性に出会う場所から、
実際に覚りを開いたところまで同じ道を1つ1つ辿っていく。
これこそ本物の聖地巡礼だ!!仏教信者でなくてもなんだかパワーを感じてしまう。
ブッダガヤはものすごいパワースポットかもしれない。

マーハボディ寺

寺院内の仏像


覚りを開いた菩提樹のお供え

その後、ガヤからベナレスへ。
ベナレスでは早起きが基本。ガンジス川のボートに乗るからだ!
本当は朝日とともに聖なるガンジス川を拝む予定だったがやっぱり霧がひどい。
噂によるとイルカがいるらしい。ガイドさんも見たと言っていたが本当だろうか。


生と死が行き交う聖なる地、母なるガンジス川。
目の前で火葬されていく光景。お祈りをしながら沐浴をする人々。
岸に辿り着く動物の死骸。ボートで魚を釣る人々。
川の上を優雅に舞うシベリアから来る渡り鳥の群れ。
霧の中に神秘的に浮かび上がるそれらをボートからゆっくり眺めた。
この河で沐浴すればすべての罪が報われるらしい。
その日、バラナシの定番の場所へも訪れた。
バラーナスヒンデゥー大学、インドの模型が見られる寺院、ラームナガル城、サルナート。

バラーナスヒンデゥー大学

BraratMata寺院

ファイブスターのステッカー発見!

ラームナガル城

ラームナガル城の近くで有名だというラッシー屋さんにも立ち寄る。

日本人の感覚からするとこれがラッシー??という見た目だがおそるおそる口をつけると予想外に美味しい!甘いヨーグルトドリンクにチーズや豆腐のような食感のものが混ざっているのが特徴。
全部飲み干すとあとあとお腹を壊す気がしたので途中まで飲んだところで申し訳ないがおわりにした。
そのあとはサルナート。
サルナートはブッダガヤのあとに訪れることに非常に意味がある。
ブッダがブッダガヤで覚りを得たあとにサルナートを訪れて、かつての弟子たちと出会う場所なのだ。


ベナレスにてホテルをいくつか見学したのでご紹介します。
①ラマダプラザホテル(すぐ隣がショッピングモールで立地◎)
スタンダードルーム

②ゲートウェイホテル(警察が近くにあるらしく警察官が多く宿泊していた。安全性◎)
エグゼクティブルーム

③SURYAUDAY HAVELI(ガンジス川沿いのホテル。レストランはベジタリアンミールのみだが、宿泊者はヨガ体験もできる。こぢんまりとした女性が好きそうなかわいいホテル!)
デラックスルーム


さて、この夜は2度目の寝台列車!!!
1度目散々な目に遭ったのでまさか2度はないだろう、なんて思っていたらさっそく3時間遅延とのこと。駅に着くと人でごった返している。ああ、このパターン…案の定、もっと遅れるようだ。もともとの予定は17:45。深夜0時を回っても電車がこない。眠気と寒さに耐えていたがそれに加えて突然停電する駅!さすがインド!笑
そんな状況を乗り越えて深夜02:00ついに電車が!!!即寝ました。
ちょっと硬めの寝台列車のベッドにももう慣れたものでゆっくり休むことができた。
それにしてもインド人の忍耐強さは本当にすごい。あんなに寒いホームで全然電車が来ないのにみんな何時間もじっと待っている。こんなに何時間も予定が狂ってみんな大丈夫なのだろうか?不思議だ。

夜のジャンシー駅

ジャンシー駅に到着し、オルチャまでは車で約30分ほど。夜でも入れるラームラージャ寺院に行ってみた。多くの参拝客を集めるイスラム教の寺院だったが、驚くほどのキラッキラの装飾が…!でも中に入ると熱心な信者みんなお祈りをするまじめな寺院だった。(寺院内は撮影禁止でした。)

キラッキラなラームラージャ寺院

意外にきれいな噴水ライトアップ

翌朝、前日に行けなかったオルチャの宮殿群へ。




ラージマハル&ギャハーンギールマハル
予想していたよりも大きな宮殿でその存在感に圧倒された。
イスラム・ヒンドゥーなど様々な建築様式を融合したムガル帝国時代の建築。
宮殿を取り囲む大きな壁も、宮殿内の彫刻や色鮮やかな壁画も比較的綺麗に残っていた。鍵がかかっているところ以外は自由にみることが可能だがまるで迷路のようだった。
その後、お馴染みの列車でアグラへ。もちろん遅延している。

列車/ジャンシー駅にて

ひたすら列車を待つ人々

夜には到着したので、アグラのホテルをいくつか見学させてもらった。
①フォーポインツシェラトン(新しいホテルでとにかく設備がきれい)
□エグゼクティブルーム/タージビュー(窓からタージマハルが見れる部屋もあり)

②アマールヴィラス(アグラで一番のホテル。サービス・立地・お部屋全て文句なし!)
スイートルーム(バスルームからタージマハルを見ることができる贅沢な部屋)


③ジャイピーパレス(すべての部屋がガーデンビュー!ホテル内の施設も充実)
□デラックスルーム

最終日、早朝からサリーを着付けてもらい憧れの姿に!アグラ城とタージマハルをるんるんで観光させてもらった。

タージマハルは王様が妃のために巨額な予算をつぎこんで建てたお墓。それだけ聞くと勝手だなあと思うかもしれないけれど、本当に愛する人のためにだけ作った王様からの最後の贈り物だと思うとなんだか切なくて美しささえ感じる。(でもそのあと国力が傾いてしまったらしい。。。)
大理石で造られた大きなお墓。細かい装飾の絵や彫刻は何百年経った今でも色褪せない。
インドで一番有名かつ定番の観光地とはいえ、心から美しいと感じてしまう。

朝方のアグラ城



アグラをあとにして向かったのはマトゥラー。地球の歩き方にも半ページしか載っていないこの場所。ヒンドゥー教4大聖地のひとつでヴィシュリヌ神巡礼の中心地。熱心なヒンドゥー信者が生命力に溢れて熱心にお祈りをしていた。
クリシュナ誕生の地であるクリシュナジャンマブーミーではカメラ、ケータイなど持ち込み禁止。バッグから財布とパスポートだけを抜き取ってすべてクロークに預ける。靴と靴下も脱いで寺院へ。
神様が生まれたところと言われるとやはりパワーを感じざるを得なかった。
ちなみにこの町のレストランは全てベジメニューらしい。

博物館

クリシュナジャンマブーミー

町の人々

続いてヴリンダーバン。こちらはもっっっと強烈!!小さな町だがメインロードは密度でいうと新宿や渋谷と並ぶのではないかと思うくらいの人々で溢れかえっている。圧倒されすぎてその場に5分いるのも辛かった。
ここではなんと22kmもある距離をひれ伏しては拝んで、というのを繰り返して何時間もかけて聖地を目指すという人々がたくさんいる。しかもしかも地元の人は毎日やっているとか!驚いて何も言えなかったし、その場のエネルギーが強すぎて立っているのが精一杯だった。。




マトゥラーでは初めてオートリクシャーとサイクルリクシャーに乗ったがそこらのアトラクションより数百倍怖かった!笑
安全性バッチリの設備とシートベルトをつけてカーブや段差でキャッ!と楽しめる日本のテーマパークとは違い、何の安全の保証もない乗り物でズボンに穴の開いたおじいさんが立ち乗りで漕いでくれるサイクルリクシャーはスリル満点もいいところだ!なかなか乗ることもないだろうししがみついて楽しんだ。走行中は危険すぎてあまり写真を撮る余裕がなかった。

観光を終えてやっとこデリーに戻る。ああ9日間。なんて濃いんだろう…。
率直な気持ちでいうと、私はまだインドを好きになりきれていない。笑
でもなんというか、クセのある食べ物をまた食べたくなるような中毒性は感じた。
まだ帰国してないうちに次回はここに行きたい!と具体的に考えてしまうくらいに。
かなりパンチ効いた旅だなあと思ったがガイドさんと共に色んな初めてを体験して、インド独特の文化に触れるのはとても面白かった。
昨今インドのイメージは悪くなるばかりで日本人観光客も昔に比べて減っているのは事実。でもこんなに素晴らしい遺跡や興味深い文化、ちょっとクセのあるインド人たちとの触れ合いをしないのはもったいない。1度じゃまわりきれない大きさだからこそ、きっと何度行っても新しい発見があるに違いない。
“人生観を変える旅”というのをインドなら叶えられると実感!
スリル満点な旅をありがとうインド!

***スタッフおすすめ度***
*ブッダガヤ  ★★★★
ブッダの歩んだ道を辿ることができる。世界の仏教徒が集う最強の場所!
*タージマハル ★★★★★
インドに行ったら欠かせない!ため息が出るほど美しい大理石の宮殿は必見!
*オルチャ宮殿群★★★★★
彩り豊かな壁画は見どころ。ムガル帝国時代の建築が今も綺麗に残っている。
*マトゥラー  ★★★★
博物館ではクシャーナ朝やグプタ朝時代の貴重な展示品も見ることができる。
(2016年12月 柳舞美)
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