アフリカサファリの定番、ケニアへ出張の機会が訪れました。
ケニアと言えば、ナイロビの危険なイメージを持たれる方も多いと思います。ここ最近、エボラ出血熱やテロ等いろいろな悪いイメージが先行してしまい、アフリカ旅行を懸念される方が多かったように感じますが、実際に現地へ行ってみるとサファリで楽しむ国立公園は、宿泊する部屋の鍵をかけなくても良いくらい安全な場所でした。
今回はアンボセリ国立公園→ナイバシャ湖→マサイマラ国立保護区→ナクル湖のルートでサファリを堪能してきました!
ナイロビの空港に到着後、スルーガイドとして案内してもらうため、ドライバーガイドさんにサファリカーでお出迎えしてもらい、そのままアンボセリ国立公園へ。
空港からは5時間ほどかかります。アンボセリ国立公園に着く頃はすっかり夕方でした。翌日は朝から夕方までずっと国立公園内でサファリ。国立公園のゲートを入るとすぐにガゼルやヌー、シマウマがお出迎えです。
草食動物を動物園でしか見たことのない私は、こんなに近くで野生の動物を見れること、更にシマウマの多さ等、初っ端から驚きの連続でした。
アンボセリ国立公園は、ゾウ、キリン、ヌー、シマウマ、ガゼル、ダチョウ等主に草食動物にたくさん出会えます。
文豪であるヘミングウェイがハンティングと執筆のために住んだ地として知られるアンボセリ国立公園。アフリカ最高峰のキリマンジャロ山の麓に広がる国立公園としても有名で、滞在中には朝焼けや夕焼けを見ることもできます。天気の良い日であれば、キリマンジャロ山を眺めながらサファリを楽しみ、キリマンジャロ山を背景に動物の写真を撮ることもできるので他の国立公園より特別感があります。
オブザベーションヒルからは水場に集まる象やシマウマを観察できるのもこの国立公園ならでは。近郊には多くのマサイ族が住んでいるので、足を延ばしてマサイ村も訪問しました。マサイ族が歌とジャンプで歓迎してくれて、家の中まで案内してくれたり火の起こし方を見せてくれたり、貴重な体験でした
アンボセリからナイバシャ湖までは、1日がかりの移動です。途中で広大なグレートリフトバレー(大地溝帯)を通ります。
北は死海から南はモザンビークまで東アフリカの大地を縦断する巨大な大地溝帯。地球の割れ目とも言われ現在も活動が続いているこの大地溝帯は広大な草原や森林が広がり、多種類の動物、また人々も住んでいます。フラミンゴで有名なボゴリア湖やナクル湖もこの大地溝帯にあり、鳥や大型動物もたくさん生息するので生態研究等に適した大地だと言われています。大地溝帯のビューポイントからは、広大な大地溝帯を見渡せます。
ナイバシャ湖は国立公園ではありませんが、早朝に湖をボートでサファリすることができます。ここでは多種類の鳥やカバに出会えます。
また、ボートサファリの途中には、オプションで三日月島に上陸し、ウォーキングサファリも楽しめるのです。基本的にサファリをする国立公園内は車から降りることはできませんが、この三日月島は自ら歩いてサファリすることができるので動物に近づけるチャンスです。
この日、ボートサファリ中にあいにく雨が降ってしまい傘を差しながらのウォーキングサファリでしたが、動物達は雨に喜び、嬉しそうに走り回っていました。(動き回るので写真はブレブレなのは残念でしたが・・)
次の目的地、マサイマラは今回の旅の中ではメインの国立保護区です。
広大な草原が広がるこのマサイマラ国立保護区は、観察できる動物の種類、数ともにケニア一を誇ります。特にライオンやチーター等の大型動物を目的にするサファリには最適です。早速保護区内に入り、大物を狙います。サファリカーには無線が付いていて、ドライバーさんはこの無線で他のサファリカーと情報交換をしながら、協力して動物を探します。
終日サファリの日程では、タンザニアとの国境まで行くこともでき、マラ川でたくさんのカバやワニの観察もできます。国立保護区の規模が大きく様々な表情の動物を観察できるチャンスが多いです。更にライオン王国と言われるマサイマラですので高確率でライオン、やチーターに出会うことができます。
今回私は体験しませんでしたがバルーンサファリもおすすめです。肉食動物は早朝からハンティングを行うので、日中とは違う動物の姿を見る事ができるかもしれません。
日の出から夕方までいろんな姿の動物を見るには、2泊以上の滞在は必須だと感じました。
その他、マサイマラでは本当に図鑑が作れるほどたくさんの動物に出会えました。どの動物も表情が生き生きしていて不思議ですがパワーをもらったような感覚です。
最後のサファリ地、ナクル湖まではマサイマラから車で6~7時間かかります。ナクル湖は数年前までフラミンゴで有名でしたが、現在は湖畔で数十羽ほどしか見る事ができません。フラミンゴはプランクトンがたくさんいるアルカリ性の湖に生息しますが、ナクル湖は水位が上昇し、プランクトンも減ってしまったため、別の湖に移動してしまったのです。
ナクル湖国立公園の展望台からナクル湖を一望できますが、一目で水位が上昇しているのが分かります。現在ナクル湖の湖畔にあったゲートは水没して入れなくなっていますし国立公園内の道も一部通れなくなっています。しかし、このナクル湖にはもう一種、お目当てとなる動物、シロサイがたくさん住んでいるのです。大きな体ですが、足の膝以上の高さの段差に登れない可愛らしい動物です。1日目は1匹しか見れませんでしたが、翌日の最終日に再チャレンジでサイの家族(?)に出会うことができました。
ケニアの人々は私が訪れた国の中で、ベスト3に入るほどフレンドリーで親切だと感じました。子供からお年寄りまで車に乗っていても手を振ってくれるし、「ジャンボ」「アサンテ」「ハクナマタタ」この言葉だけで誰とでも仲良くなれる、そんな温かい国でした。ケニアは動物達の楽園であり、そんな動物達と共存するケニアの人々は日本人とは異なるゆっくりとした生活をし、皆幸せそうに生きているように感じました。
ケニアに行く前までは未知の世界で不安でいっぱいだった私ですが、時間を忘れてしまうほどサファリに夢中になり、ガイドさんをはじめケニアで出会ったたくさんの人々のおかげで楽しく素晴らしい旅でした。
アンボセリ国立公園★★★★★ 草食動物にたくさん出会えます。キリマンジャロ山の朝焼け・夕焼けも必見です。
ナイバシャ湖 ★★★★★ ボートサファリで訪れる三日月島は必訪!ウォーキングサファリでより動物に近づけるチャンス有りです。
マサイマラ国立保護区 ★★★★★ 動物の種類・数ともにケニア一を誇るマサイマラ。ライオン王国とも言われるマサイマラでビッグ5制覇を目指せます。
ナクル湖国立公園 ★★★★ 現在フラミンゴは数十羽程ですがシロサイに出会える確率は高く、多種類の鳥も観察できるので依然人気があります。
(2015年10月 栗山智美)
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