イスタンブールで国内線に乗り継ぎカイセリ空港へ。ここから1時間ほどで深夜にカッパドキアへ到着です。翌朝、外に出てみると朝日に照らされた変な形の岩が周りにたくさん!奇岩だらけのギョレメの町中の洞窟ホテルなので、お部屋の中も外も岩だらけで、早くもカッパドキアを満喫。
町の周りには更に奇岩がたくさんです。
ガイドさんはキノコ岩と呼んでいましたが、小さな家のようにも見える気がします。
上と下の黒いところは固い玄武岩で、真ん中の白いところは火山灰なので、火山灰の部分だけ強い風で侵食されて、こんな不思議な形になったそうです。
ラクダ岩、これは持って帰りたいくらいかわいい。
カッパドキアの地下には幾つもの地下都市が眠っているといわれていて、その中で最も大きいカイマクル地下都市に入ってみます。地下5階まであって、ワイナリーや石の扉も残っているし、頭をぶつけないように細い道を降りていくのは、探検気分でとても楽しいです。
ランチはトルコ料理店で。壺焼きケバブは壺を開けるのをテーブルで見せてくれるので見た目も面白いです。
一言でケバブと言っても、他に串刺しのシシケバブや、あのぐるぐる回っているドネルケバブ、さらにはお肉も牛、鶏、羊と様々。
夕方にはローズバレーの夕陽をみるのが鉄板。カッパドキア産のワインを飲みながら、夕陽で奇岩の色が変わっていくのを眺めるのはとても贅沢。です。
翌日はまずコンヤへ向かいます。その途中でキャラバンサライに立ち寄り、4時間くらいでコンヤ到着。
白いスカートをひらひらさせながら、くるくる回る踊りで、神との一体化を目指すメフレヴィー教団。その創始者メブラーナの霊廟やモスクなどが、博物館になっています。
色鮮やかな壁の装飾や様々なコーランが楽しく、見ごたえがあります。預言者ムハンマドのあごひげが入った箱もあるんです。
箱の中身は断食明けのお祭りの3日間だけ公開されるそうで、箱は閉まったまま。見られないと言われると、どんなひげが入っているのか気になってしまいます。
コンヤは「ピデ」と呼ばれるピザが美味しい街。薄い生地にジューシーなお肉がたっぷり。トルコ人はヨーグルトが大好きで、塩気のあるヨーグルトドリンク、アイランもよく見かけます。
ここからさらに車で6時間、何度かチャイ休憩を挟み、パムッカレに到着です。
パムッカレと言えば石灰棚。石灰を含む温泉が流れる途中で、結晶化して台地が白くなったものです。雪山のように白い台地を横目にホテルへ。今夜のホテルにも温泉があります。ここパムホテルはニコラスケイジも撮影で宿泊したのだとか。
翌朝、いざ石灰棚へ。このエリアにはヒエラポリスの遺跡があちこちに残されていて、遺跡や木々の間から白い景色が見えてきます。わくわく。近付くと真っ白の地面が段々畑の形に広がっています。小学校の校庭に引く白いラインと同じで、本当に真っ白。
石灰棚に入れる場所もちゃんとあります。そっと裸足で入ると、お湯はあたたかくて、地面は結構ゴツゴツしています。白いところは滑りやすいので、一歩ずつ確かめながら進みます。以前はもっとあちこちで、青いお湯がたっぷりと溜まっていたそうですが、近くに温泉ホテルができて、お湯がかなり少なくなってしまったそうです。が、甘くみていました。予想以上に深かったのです。
お湯が入っているのはこの区画だけだったのですが、この棚にはパステルブルーのお湯が1番溜まっていて、膝くらいまで。スカートが少し濡れてしまったけれど、たぷたぷのお湯に余計にはしゃいでしまいました。
石灰棚を辿って進むと、パムッカレ温泉が見えてきます。ローマ時代の遺跡がごろごろ転がっている温泉で、柱の上に座ったり、歩いたりしながら青い温泉を楽しめる贅沢な観光スポット。意外と水深が深い場所もあって、歩く時は要注意です。見るだけでも楽しいですが、せっかくなので入ってみるのがおすすめです。水着とタオルをお忘れなく。
麓の湖にはカモがいてかわいい。
パムッカレを存分に楽しんだら、エフィソス遺跡へ。車で3時間くらいです。
広大な土地に古代ギリシャの都市が残るエフェソス遺跡。2万人も収容できる大劇場や神殿、図書館、公衆浴場やトイレまで残っていて、あちこちで古代の人々の暮らしを垣間見ることができます。保存状態も良く、フレスコ画やモザイクも綺麗に残っています。
特に面白いのが売春宿。当時の利用客がこっそり利用できるよう、図書館からの地下通路が作られたそうです。
また、地面にこんな足の形が彫られていて、これは広告なのだとか。
靴屋さんか足つぼマッサージかと思いきや、売春宿の広告だそうです。それぞれ、左足は”左側にある”、左上のハートが”あなたの欲しいもの”、右側の小さな足が”可愛い女の子”、その下の四角が”お金が必要”という意味だそうです。わざと分かりにくくしていたのか、勿論歴史や文化の違いもありますが、古代人の読解力恐るべし。
ここから約3時間でエーゲ海&地中海リゾート、ボドルムへ。この辺りの沿岸部には幾つものリゾート地があり、港町ボドルムもその一つ。斜面に並ぶ真っ白の町並みが眩しく、ハーバーは一体何隻あるのかと思うほど、たくさんのクルーザーで埋め尽くされています。ここから近くのカラ島や、ギリシャのコス島、ロードス島へ渡ることもできます。ボドルム城からの眺めも抜群。
ボドルムは港町でビーチはそこまで綺麗ではないので、ビーチで泳ぐなら隣のギュンベットの町へ。ドルムシュと呼ばれるミニバスも出ています。ビーチにずらっとパラソルが並び、蒼い海が目の前!
所々でシリアからの難民を見かけることがありました。とても小さな子が困り果てて道端にしゃがみこんでいたり、助けを求めるボードを持っていたり。トルコから更にヨーロッパを目指しているのでしょうか。彼らの安全を祈るばかりです。
翌日は早起きして飛行機でイスタンブールへ。
カッパドキアやボドルムよりも、色々な人がたくさん!しかもこの日は日曜日なので、トルコ人の観光客も多く、クルーズやバザールは大勢の人でごった返している様子。そこで予定変更して旧市街を観光することに!
☆ブルーモスク(スルタンアフメット・ジャーミー)
ミナレットが6本もあり、たくさんの輝くステンドグラスとブルーのイズニックタイルがとても綺麗。
☆ヒッポドローム
ブルーモスクの横の広場はヒッポドローム、かつての競技場です。ここにはコンスタンティヌス7世のオベリスク、蛇の柱、テオドシウス1世のオベリスクと、3本の柱が建っているのです。3つ目のテオドシウス1世のオベリスクは、エジプトのカルナック神殿から持ってきてしまったのです。トトメス3世のオベリスクなのに。
ヒエログリフもくっきり残っていて、カルナック神殿に返してくれても良いと思うのですが。でもトルコに来てカルナック神殿の一部が見られたのは良かったです。
☆トプカプ宮殿。
謁見の間や幾つものお庭など広大な敷地で、ボスポラス海峡を見渡せる丘の上に建てられているのでとても見晴らしが良いのです。ハレムや宝物館は常に長蛇の列。世界最大のエメラルドや86カラットのダイヤなど、見応え抜群です。
☆アヤソフィア
「ビザンチン建築の最高傑作」と言われるアヤソフィア。ビザンチン帝国時代に教会として建てられ、その後ローマ・カトリック教会として使われましたが、オスマン帝国の時代にはモスクとして改修され、現在は博物館という歴史を積み重ねてきた建物です。イスラムでは偶像崇拝が禁止されているため、キリスト教時代のモザイク画は上から塗り固められ、ミナレットを建てて、アッラーやカリフ達の名前を装飾したカリグラフィーが飾られました。元が教会なのでメッカの方角を示すミフラープは建物の正面から少しずれてしまっています。
現在ではモザイク画が修復され、キリスト教とイスラム教の混在したアヤソフィアならではの光景がみられるようになっています。
翌日こそはバザールでお買い物です。グランドバザールはものすごい広さで、あれこれ見ていたら迷ってしまいそう。日本語で話しかけてくる店員さんもたくさんいます。ここで下見して、価格帯が安いエジプシャンバザールで本格的にお土産探し。魔除けのナザールや陶器、色とりどりのランプや香辛料、あまーいお菓子も揃っています。
お砂糖入りのお菓子は賞味期限が短かくお土産には向きませんが、ハチミツ入りのお菓子なら短くても1ヶ月くらいはもつし、量り売りで好きな量をビニールでピッタリ個装してくれるので、日本でもバクラワやカダイフといったトルコスイーツが食べられます。
ボスポラス海峡のクルーズで眺めを楽しんだら、ガラタ橋をくぐってアジア側に渡り、カドキョイの街へ。
八百屋さん、お魚屋さんもあり、地元の人々の生活する街。
最近注目が高まっていて、レストラン街には人気のお店も多く、アンティークショップが並ぶ通りもあり、可愛らしいトラムバイが走っています。
ヨーロッパ側からはフェリーで30分くらい、ボスポラス海峡の景色を楽しみながら行くこともできるし、地下鉄と海底トンネルなら10分くらいで便利に渡ることもできます。
最近はイスラーム国の報道を見て、トルコは危険だと思っている人も多いようですが、もちろんそっちの国境近くに行く訳でもないので、実際のところ今回の旅でそういった危険を感じるところはありませんでした。変わった事といえば、シリア難民を見かけたことくらいです。
トルコは広く行っていない街もまだまだあるし、現地で出会えたたくさんの優しい人達にまた会いに来たいなと思います。
オススメ度
カッパドキア ★★★★★・・・様々な奇岩や地下都市など、独特の景色は外せない見所!
パムッカレ ★★★★★・・・真っ白の石灰棚は一見の価値あり
ボドルム ★★★★・・・エーゲ海リゾートでトルコのヨーロッパ風な楽しみ方
イスタンブール ★★★★★・・・数日では見きれないほど、言わずと知れた見所満載の街。
(2015年9月 増田里紗)
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