インドネシアは第2の故郷と言っても過言ではないんです。
私事ですが、社会人として一番最初に就職をしたのがバリ島専門店の旅行会社でした。入社するまで、インドネシアには、全く知識も興味もなかったのですが、今では渡航回数が何と30回以上を数えるまでに・・・。
インドネシアは約1万3千島からなるとても大きな国です。
最も有名な島と言えば、バリ島です。今回は、バリ島をはじめ、不思議な生態系のジャングルと世界最大級のドロップオフで、世界のダイバーを魅了する島スラウェシ島、コモドオオトカゲで有名なコモド島を10日間で周遊してきました。まだまだ底知れない魅力があるインドネシア。微力ではありますが、第二の故郷を少しご紹介したいと思います。
●古くから香辛料貿易で栄えた港町「メナド」
まず、最初に向かったのは、日本からシンガポールを経由して、スラウェシ島のミナハサ半島最北端に位置する北スラウェシ州の州都である、「メナド」(ガイドブックなどでは、マナドとも書かれています。)です。
ここに訪れる旅行者の目的は、世界最大級とも言われる水深1500m以上から急激に立ち上がった、豪快なドロップオフで、世界中のダイバー達が「一度は潜りたい海!」として知られるメナド沖のブナケン国立海洋公園です。
私は、かれこれ20年ほど前にダイビングのライセンスを取得してから、ほとんど潜っていない、いわゆるペーパーダイバーなので、今回はシュノーケリングを楽しんできました。(笑)
ブナケン国立海洋公園には、ホテルもあり宿泊も可能。
是非、ダイビングライセンスをお持ちの方は、朝から1日ダイビング三昧がお勧めです。もちろん、ライセンスをお持ちでない方でも、ホテル前のビーチや、ボートに乗って少し離れたポイントに出てのシュノーケリングでも十分にメナドの海を体感する事が出来、最高です。珊瑚の種類は70以上、魚の種類は何と250以上とも言われています。メナドからは日帰りトリップも可能です。
●不思議な生態系が見れる「タンココ自然保護区」に行ってきました。
メナドの市内から車で約2時間ほど走った、マルク海沿いの小さな漁村パトゥプティ村から数分歩いた所に、8800ヘクタールの広大なタンココ自然保護区があります。アジア区の動物で世界最小だったサル「タルシウス」やアフリカのヒヒを連想される黒ザル「マカカ」、さらにクスクスなどの有袋類も見る事が出来る、世界的にも非常に特殊な生態系の森で、世界の生物学者さんや、各国のテレビ取材なども多くくる場所です。
宿泊は、タンココ自然保護区から数分のロッジに宿泊。
綺麗なロッジで、エアコンも完備。ただ、電力が村に多く供給されておらず
夜はエアコンかけると停電が何度も起きるというハプニングも。シャワーはちなみに、水シャワーですが暑い場所なので問題ないと思います。
保護区内へは、日没(夕方17時頃)に合わせて地元のレンジャーガイドさんと一緒にジャングルトレッキングを楽しみながら、動物探し探検の開始です。
少し険しい山道を歩くと突然レンジャーガイドさんが、上を見ろ!というので
見上げてみると、有袋類の「クスクス」が木のかなり上の方にいる事が確認出来ます。(後で聞いたら、クスクスはなかなか見る事が出来ないそうで、とても貴重な体験が出来たそうです。ホンマかいな!?)
さらに、ジャングルを進むと、サルの鳴き声が大きくなってきたと思った瞬間気が付いたら、黒猿「マカカ」の群れに囲まれてしまう事に・・・。
驚く事に、餌付けなど一切されていないのに、猿の方から私に近づいてくるのです。(おい、ボス猿ちゃうで~!?)何でも、ジャングルの中にはいくつかの群れが存在するらしく、群れの順路が決まっていて、決まった時間にその場所にどれかの群れが現れるとかで。かなりの確率でその群れに遭遇するとの事。
しかも、数分の間、人間がいるにも関わらずその場所を離れずにまるでどこかのお猿さんショーを見ているかのように、いろんな表情やポーズを取ってくれるんです。(笑)そこで、急所、黒猿「マカカ」のグラビア撮影会をする事に。
いくつかいいショットをご紹介。カメラを向けると、本当にポーズ取るんですよ。赤ちゃんマカカも発見!どーですか、このショット!!
※ちなみに、写真を撮り終えた瞬間に群れ達は、瞬く間に消えていきました。
自然のものなので、今回のような写真が撮れるか、また群れに遭遇出来るかは
100%補償は出来ないとの事です。(地元のレンジャーガイドさんいわく。)
しかし、かなりの確率で遭遇させてみせるぜ~と言ってました。(ワイルドだろ)
撮影会が終了した頃には、すかり日も落ち辺りは真っ暗に。さらに奥地に行くという事でしばらく歩くと、大きな木の前でガイドさんが立ち止り、ペンライトで木を照らすと世界最小の猿と言われている「タルシウス」の巣を発見!
すると木の間から、本当に小さな猿が数匹確認出来ました。しかし、あたりも
真っ暗で木の上にある巣はかなり高いところにあり、なかなかシャッターチャンスがなく、あきらめて帰路につこうとした瞬間奇跡が・・・。
何と、つがいのタルシウスが木から出てきて、木の枝につかまったのです!
先ほどのマカカと違い、声を出したり、光を当てたりするとすぐに逃げてしまうようで、シャッターチャンスは数秒のみと言われて、撮れた写真が下記です。
どうですか?ガイドさんが、地元のwebページに投稿出来るよ!と言ってくれました。(ホンマかいな!?)でも、自画自賛のベストショットが撮れましたよ。
夢中になってジャングルトレッキングを楽しんでいて時間を忘れてしまうくらいでしたが、約3時間の探検でした。今回は、タイミングよく、タンココ自然保護区にいる3大動物が1回のチャンスで見る事が出来、とてもラッキーでした。1泊2日のメナドからのショートトリップですので、もし夕方見れなくても翌朝にも再チャレンジが可能です。実際に、翌朝ビーチにマカカが現れるかも?というので早起きしてレンジャーさんと一緒に出掛けてみましたが、残念ながら遭遇する事は出来ませんでした。(涙)
●世界自然遺産に登録された、オオトカゲが生息する島
次に向かったのは、世界大のトカゲ「コモドオオトカゲ」の生息地として有名な島コモド島です。コモド島へは、バリ島から飛行機で空港のあるラブハンバジョまで行きます。(約1時間30分)ちなみに、ラブハンバジョにはコモドドラゴンはいません。コモド滞在の楽しみ方は2パターン。1つはホテルに宿泊する方法と、もう1つは船に宿泊する方法です。今回は、船に滞在するパターンを体験してきましたので、ご紹介します。
空港から港まで車で移動(約10~15分)し、いざ乗船です。
※まずは、船内をチェック。(今回は、視察という事で特別に1名で乗船をしてきましたが、普段は1名様での乗船は不可となります。2名様以上でのご参加が条件となります。)宿泊スペースは、2名で寝るにはちょっと狭めですが、ダブルベットで、お部屋にはエアコン、ファンが完備。また、シャワー(水のみ)、水洗トイレ、洗面台、ドライヤー、タオルなども完備しています。石鹸、シャンプーなどは持参して下さい。船の後方にはレストランスペースや、2階のデッキではお昼寝が出来る、デイベットも完備で、快適な船の旅が楽しめます。
船内チェックが終了したら、いよいよ出向です。ここからコモド島へ向けて1泊2日のクルージングがスタートします。まずは、数多くの島々を眺めながらゆったりと船の旅。最初の目的地「リンチャ島」へは2時間ほど。ベットでお昼寝するもよし、船からの景色を楽しむもよし、ゆっくたりとくつろぐ事が出来ます。
いよいよ島へ上陸です。上陸した瞬間に、「気を付けてコモドオオトカゲに注意して!」の看板が・・・。コモドオオトカゲの大きなゲートをくぐった瞬間ガイドさんが、コモドオオトカゲのう○ち跡発見!(ホンマかいな!?)まるであの恐竜映画を思い出すような雰囲気でテンションはMAXに。
すると早速入園受付の建物の下で発見。島では、レンジャーガイドさんと一緒にトレッキングを楽しむ事が出来ます。コモドオオトカゲを探すトレッキングスタートです。この日はかなり暑かったので、バテてましたよ。
トレッキングでは、コモドオオトカゲの他に、島に生息する猿、蛇、鳥などさまざまな動物達に遭遇する事が出来ます。また、大きな樹木、コモドオオトカゲの巣なども見る事が出来て充実したトレッキングが楽しめます。ちなみに、コモドオオトカゲは人を食べる危険もある為、決してレンジャーガイドさんがいう距離以上は近づかないように注意して下さいね。本当に。島には水牛がいるみたいですが、牛をまるまるペロリと1頭食べるらしいですよ。(怖)
ガイドさんが日本語で「コモドノコドモ!」って指さした先には、子供のコモドが現れました。子供は何と親に食べられてしまうらしいので、普段は木に登っているそうです。木に登っていない子供の貴重な写真も撮れました。しかし親に食べられてしまうとは・・・恐るべし、コモドドラゴン!!
コモドオオトカゲを満喫した後は、再び船に戻りちょっと遅めのランチ。
食事は、1泊2日のプランの場合、昼食、夕食、朝食の3食が付き、全て船の上での食事となります。かなり本格的インドネシア料理を楽しむ事が出来るので船での食事も楽しめますよ。(夕食はかなり凄いスコールの為、写真撮れませんでした。すみません。大雨でも美味しく頂けましたよ。)
食事を楽しんだ後は、ビーチへ!船に備え付けしてある小型ボートに乗り換え無人島へ上陸。シュノーケリングを楽しむ事が出来ます。ちなみに、コモド島の海はとても綺麗で透明度が高いです。また、先にご紹介したシラウェシ島と一緒でダイビングスポットとしても有名な場所です。オオトカゲだけでなくダイビング目的で訪れる世界中の方も多い島です。
2日目は、ラブハンバジョに戻り、下船後、「BATU CERMIN CAVE」という洞窟観光へ。その後、地元の市場を散策後、お土産店に立ち寄り空港へという流れになります。ダイビングをされる方は2泊以上がお勧め。ダイビングなしの方は1泊でも十分に満喫出来る観光です。昔にタイムスリップしたような島へ是非、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?お勧めです。
●故郷インドネシアの最後はやっぱりバリ島
ちょっと待って、ちょっと待ってお兄さん!やっぱり、バリ島の紹介も忘れちゃダメよ~ダメダメ。って事で、近年新しく世界遺産として、バリの伝統水利システム「スバック」が登録され、その関連した地域として、オプショナルツアーの人気寺院だった、タマンアユン寺院と、パノラミックな棚田が圧巻な「ジャティルイ」をご紹介いたします。そもそも、スバックって何ですの?
古来、棚田に農業用水を行き渡らせることは、バリの農家の人々にとっては死活問題でした。そこで、水の分配を平等に行うために「スバック」という水利システムが活用されたのだそうです。そして、この「スバック」の根源にある思想というのが、バリヒンドゥーの哲学とされる「トリヒタカラナ」というものです。教理は、人間の平和と自由は三つの調和された関係を敬い実行する事によって得られる。
1、神々によって与えられた命が自然を創造した。
2、自然は生存に必要な食料や環境を人間に与える
3、人間は村の組織を作り、礼拝する寺院を造り、奉納儀式を行い、自然保護に努め、そして問題を討議し力を合わせて解決する義務を負う。
とされており、バリの人々が心柱とする神や自然との深い係わりというものが理解できます。(だそうです。)
※タマンアユン寺院
バリ島で2番目に大きな寺院で境内を掘割が囲み、アグン山をイメージした10基の美しいメルが建ち並ぶバリ島で最も優美と言われている寺院です。
普段は中に入る事が出来ませんが、囲われている壁が低い為、外からでも中の全貌が見る事が出来ます。しっかり、スバックシステムが使われていましたよ。
※ジャティルイの棚田
バトゥカウ山保護地区に位置し、水利システム「スバック」で作られたパノラミックな棚田は圧巻です。ジャティルイは現地語で、「本当に素晴らしい」という意味だそうです。ライステラスの中を、お散歩出来るようになってます。
しっかりと、スバックシステムが使われてました。
●総括
約3年ぶりのインドネシア訪問。しかも今回は、これまで訪れた事がない場所が多く、新しい発見、体験が出来た旅になりました。やっぱり、ナシゴレンやミーゴレン、サテなどを食べるとどことなく落ち着き、他の海外では味わえない感覚になるのが、インドネシアです。バリ島などは大変リピーターが多い島ですが、今回ご紹介したバリ島以外のメナド、コモドなどもまだまだ情報が少ない場所ではありますが、日本の方は気に入ると思います。そして、まだまだ未知数な自然と広大な面積を誇るインドネシアはかなり奥深い国だなあと改めて実感しました。また機会があれば他の場所にも、是非足を運びたいと思ってます。リゾート派?動物派?観光派?どれでもOKです。是非、皆様も、インドネシアへ足を運んでみませんか? テ・リ・マ・カ・シ!!
<スタッフおすすめ度>
○スラウェシ島(ブナケン島)★★★
世界最大級のドロップオフと、珊瑚、魚の数は圧巻
○スラウェシ島(タンココ自然保護区) ★★★★★
世界でも不思議な生態系がみれるジャングル。マカカとタルシウスに会える
○コモド島 ★★★★
恐竜の生き残り?コモドオオトカゲは迫力満点
○バリ島(タマンアユン寺院&ジャティルイ) ★★★
バリ島観光に、世界遺産の新名所。パノラミック棚田は圧巻
(2015年4月 池田 知隆)
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