今回機会あってタンザニアを視察してきました。2,3月は子育てをする動物達の可愛らしい姿がみられるいいシーズンです。ちょうどこの時期動物が多いといわれる「ンドゥトゥ動物保護区」と、世界的にも有名な「セレンゲッティ国立公園」、さらにセレンゲッティ国立公園の約3倍の広さを持つ「セルー動物保護区」を中心に今回の視察の様子を一部紹介し
2,3月は動物の多いの「ンドゥトゥ動物保護区」でのサファリがおすすめ
この保護区はンゴロンゴロ国立保護区とセレンゲティ国立公園にまたがる保護区で、毎年1月~3月はヌーの大群がこのエリアにやってきて、子供を産んで子育てをします。この場所はこのミネラル分をたっぷり含んだ草が生えていて、ここの草を食べると子どものヌーが早く成長するので、この草を求めてヌーは大移動をしてくるようです。ここで出産し、子供が成長し始めたら、北部のケニアにあるマサイ・マラ国立公園を目指して大移動を開始します。このエリアはオフロードが許可されており、動物の間近までサファリカーで近づくことができます。また、ヌーを狙ったライオンなどの肉食獣の狩りの目撃率も高く、動物写真家達に人気の知る人ぞ知る地域なのです。今回も夥しいヌーの群れ、チーター、ライオン、ジャッカルなど多くの動物を間近で見ることができました。特に印象的だったのがチーターの親子。子どもが母親に甘える姿がとても可愛かったです
圧倒的な動物の存在感!!やっぱりすごかった!セレンゲッティ国立公園
セレンゲッティ国立公園は世界でも有名な野生生物保護区です。セレンゲッティとは「終わりのない平原」を意味するマサイの言葉で、この草原には世界のどこよりも猟銃がたくさんいます。公園内には300万頭以上の大型哺乳動物がいて、いわゆる「ビックファイブ」とよばれるゾウ・サイ・ライオン(2000頭以上)、ヒョウ、バッファローをはじめ35種類の平原に住む動物をみることができるといわれています。まさにサファリに絶好の条件の場所ですので、これで動物が見られないはずはありません。
ただし個人的は2年前に訪れたケニアで運が悪かったのか動物の大群を見ることができず少々消化不良気味だったサファリ。これまでもライオンやチーター、ヒョウなどビッグファイブとよばれる大型動物を見ることはできていたのですが、比較的動物がまばらで、迫力にかけていた感がありました。そのときの天候や運もありますし、動物のことですので絶対はありえないことは十分わかっていても、アフリカのサバンナにきたら、やっぱり圧倒的な数の動物の群れを目の当たりにしたい!その存在感に圧倒されたい!というのが個人的な思いでした。でも今回の視察でやっとその夢が叶いました。特に、「セレンゲッティ国立公園」のシマウマの大群には圧倒されました。どこを見渡してもシマウマだらけ。地平線全体がシマウマの夥しい群れで埋もれていたのです!夢にまでみた動物の大群“これぞ野生の王国”というイメージどおりのアフリカ・サバンナの風景がそこにありました。草原の草をおいしそうに食べるシマウマの子供。水場で気持ちよさそうに水浴びをするシマウマの兄弟。シマウマの親子の群れは見ればみるほど可愛らしくすくすくと育ってほしいと願わずに入られませんでした。もちろんライオンはじめ多数の動物を見ることもでき大満喫のサファリでした。
サバンナでドキドキ・ワクワクの移動式キャンプの滞在も面白い!
アフリカの大自然を余すとこなく満喫したい方には移動式キャンプの滞在もおすすめです。今回ンドゥトゥ動物保護区にある「セレンゲッティ・ンドゥトゥ・カティカティキャンプ」に滞在しました。このキャンプは毎年11月からの6月ごろまでの期間限定で、動物の動きにあわせて設置場所が毎年変わる移動式キャンプで、サバンナの中にあるため、キャンプ近くの目の前にシマウマやヌー、キリンなどが草を食べにやってくる、というナチュラルなキャンプです(その年により営業期間が変わります)。
到着すると、早速キャンプのスタッフより滞在中の注意事項の説明がありました。「水はミネラルウォーターを飲んでください。夕食は夜7:00からです。」などここまではよくある話。ただしここからが本題。
スタッフ:「夕食はホテルスタッフが迎えに行きます。夕食後もスタッフが個室テントまでお送りします。ここは草食動物が多いが稀に草食動物を追って肉食動物がくることがあるので夜の一人歩きは危険です。暗くなったらひとりで外に出ないで下さい。」
私:「・・・・。」「え~!!うそ~!」
もちろんごく稀なことで、テントの中に入っていれば問題ないということでしたが・・・こんな話を聞いたらちょっとドキドキです。
ここのキャンプは、キャンプスタイルではありますが3コース料理の出るレストランも併設され、個室テントも簡素ながら清潔で広さも十分、蚊帳付のベット、洗面台、水洗トイレもアウトドアシャワーもあり、テント内の装備は意外と充実しています。シャンプー・シャワージェルやタオルなどの調度品もこだわっており心地よい滞在をサポートしています。もちろん、ここはサバンナの中のキャンプ。なんでもそろっているわけではありません。電機は電球のみ24時間つきますが、充電はレセプション棟で夜18時から21時の時間限定。またアウトドアシャワーは、アナログ式で、ホットシャワーを浴びたいときにスタッフに依頼し、温かいお湯をシャワー用の容器に用意してもらい、自分でシャワー弁を調整しながら浴びるスタイル。一気に使いすぎるとお湯がなくなってしまうので大事に使います。また、水道も含めここの水はキャンプに程近い、ミネラルを多く含むンドゥトゥ湖などからひいているため少しぬめりがあります。最初はちょっと違和感がありましたがこれが動物の子供たちの成長に必要な栄養になっているのかと思うと感慨深いものがあります。普段蛇口をひねれば、当然のように暖かいシャワーが出てくる生活に慣れてしまっている私たちにとっては、不便さを多少感じるのかもしれませんが、逆にこうした多少の不便さがサバンナでキャンプをしていることに気づかせてくれるのです。このアウトドアな感じ、私はとても気に入りました。
夕食までに時間があったので早速個室テントへ入りホットシャワーを浴びリフレッシュ。
テントの外に出ると、キャンプの目の前ではキリンの親子が木の葉を食べていました。夕飯でしょうか。テントから徒歩数分のレセプション棟へ移動すると、スタッフの粋な計らいか、そこにはアウトドアテーブルとキャンプ・ファイヤ―が用意されていました。促されるままタンザニアワインやビールで乾杯!夕焼けに染まるサバンナは眺めながらの一杯は格別です。その後3コースの夕食。スープ以外は基本的にブッフェスタイル。サバンナの動物たちの声と満天の星空の下の食事は格別で、ついついお酒もすすみます。夕食後はちゃんとスタッフがテントまで送ってくれました。夜動物がきたらどうしようなどと心配をしていたのですが、疲れもあり案外すぐ眠ってしまいました。
少々早起きしてテントの外をみるとサバンナの朝焼けがきれい!!鳥や動物たちの声で目覚め、サバンナの朝の風を感じながらの朝食がとても心地よい。スタッフもホスピタリティに溢れ、忘れられない滞在となりました。
テントというと、日本人は動物が近すぎて怖い、電気やシャワーなどの施設面で快適性にかける、防犯上も心配などと考える方が多く、敬遠される場合が多いとよくホテルスタッフに言われますが、今回滞在したキャンプは多少の不便さはあるももの心地よく快適に過ごせました。危ないということも特にありませんでしたし、蚊などの虫も気になりませんでした。多少の不便さを犠牲にしてもサバンナに滞在するという貴重な体験は“プライスレス”です!。なんでも至れり尽くせりの豪華ロッジに滞在するのもいいですが、たまには非日常の世界にどっぷりつかる体験もいいものです。大自然を満喫したい人に是非おすすめしたいキャンプです。
手付かずの大自然が残るセルー動物保護区へ足を伸ばすのもおすすめ
タンザニアのサファリは、北部のケニアとの国境付近に近いところのセレンゲッティ、ンゴロンゴロ、マニャラ、タランギレ方面が知名度が高く、日本からの観光客も、ほとんどがここに行っているようです。しかしタンザニアの南部にもサファリのできる場所は数多くあるのをご存知だろうか。今回訪れたセルー動物保護区もその1つである。もともとここは狩猟用の動物を保護するために設けられたが、現在は狩猟は禁止されている。今回ダルエスサラームから1泊2日の予定で訪問しましたので少々紹介させていただきます。
この保護区に関して少々説明させていただくと、セレンゲッティの約3倍の約5万平方キロメートルもの面積を誇り、これはタンザニアの面積の約5%に相当するというからいかに巨大かがわかります。密漁などで数は減っているようですがもともとは20万頭を超えるバッファローの群れ、3万頭以上のゾウ、8万頭以上のヌーがいたといわれています。またアフリカン・ワイルドドック(リカオン)、ホオカザリヅルなどの絶滅危惧種もいます。保護区の4分の3は短い草に覆われた平原や様々な種類の森林など緑で覆われていて、蛇行して流れるルフィジ川には多くの魚類やカバ、ワニが生息し多様な生態系を構築しています。こうした多様な生態系などが高く評価され1982年には世界遺産にも登録されたが、密漁が絶えず2014年には危機遺産に認定されています。サファリをする上でこの保護区の利点は、セレンゲッティ、ンゴロンゴロなどと比べ、観光客が現状少ないことから、動物が人馴れしておらずよりいっそう野生感が残っていること。オフロードサファリができ、動物遭遇率が高いこと。また、ここのロッジは規模が小さいこともあり、ロッジの責任者がお客様一人ひとりに話しかけ、希望を聞き、必要な手配をするというパーソナルなサービスをすることが一般的となっていることです。また「ダルエスサラーム」やタンザニア随一の人気のビーチリゾート「ザンジバル」からセスナ機で約1時間半から2時間で行くことができ、大掛かりな車での移動を解さなくてもオプション感覚でお手軽にサファリ体験ができる点です。午前中にセルーに到着すると夕方までサファリドライブをし、翌日ボートサファリをするというのがセルーでのサファリスタイルです。
今回、同じ日に同じ便でセルーへ向かう客は私を入れて4組程度。途中ほかのロッジに泊まる二組を降ろし、私とカナダ人の新婚旅行客2名は午前9時ごろ、サバンナの中にある空港に到着。ガイド暦8年というドライバーガイドが迎えにきており、オリエンテーション。滞在中のスケジュールの確認のほか、見たい動物の希望などを聞いてくれる。途中ボックスランチの昼食をはさみながら、夕方までサファリドライブをしました。今回のドライバーガイドは動植物に関する知識が博識で、動物が群れで生活する理由、トゲをもつアカシアの木と動物たちの関係などとても細かいことまで説明してくれたほか、動物を見ることができているかどうか、写真は取れたか、逐一参加者に確認しながらゆっくり時間をかけて、でも的確に動物がいる場所に案内してくれるプロフェッショナルなガイディングを実践しており、セルーならではのパーソナルなサービスに満足しました。セレンゲッティなどのサファリと違い、サファリカーもオープンカーで、オフロードサファリなので、動物を見つけると、道路を外れて動物に接近することもでき、ライオン、キリン、ゾウ、シマウマ、ヌー、インパラ、ウオーターバック、イボイノシシなど多数の動物を見ることができました。
夕方17:00頃ロッジに到着。今回滞在したのは有名ホテルチェーン・セレナグループの豪華テンテッドロッジ「セレナ・ラグチュアリー・キャンプ」です。このロッジは、動物保護区の山奥にあり、テントの前はヒッポプールとなっている。全室12部屋の個室テントロッジ内は、寝室と水洗トイレ・洗面台・大きなバスタブ・ホットシャワーのある部屋に分かれる。や、ペルシャジュータンが敷かれ、照明はシャンデリア、クロゼットは高級家具と豪華な作りで広さも十分。そぐ近くにあるレセプション棟にはレストランとバーがあり、客がいる限り営業しているとのこと。ワインはヴィンテージモノ含め多数種類がある。小さいもののプールもありました。パスワードが必要ですが無料WiFiの利用可。夕食は夜19:30より、3コースのその日だけの特別メニューが用意され、気に入らない場合は作り直してもらうこともできる徹底振り。さすが豪華ロッジ、山奥にありながら至れり尽くせりという感じ。翌日午前中のボートサファリでカバやアリゲーターのいるフィジ川でボートサファリをしてサファリは終了。絶滅危惧種のリカオンをみることができなかったのは残念でしたが、多数動物をみることができ1泊2日でしたが十分満喫できました。たとえばビーチリゾートのザンジバルをメインに、滞在中にちょっとサファリを楽しみたい方、絶滅危惧種のリカオンなどを見たい方におすすめしたい保護区の1つです。
天気もよく充実の視察となりました。念願の動物に大群をみることができたことが個人的には一番の収穫でした。現地日本語ガイドのアブドラさんにも大変お世話になりました。これでようやくサファリの面白さに目覚めたところで次はできればヌーの川渡りがみたいです。
おすすめ度
セレンゲッティ国立公園★★★★
サファリをするなら300万頭以上の大型哺乳動物がいるこの場所は必見。
ンドゥトゥ動物保護区 ★★★★
2,3月サファリをするなら動物が多いここがおすすめ!!オフロードサファリで動物遭遇率の高めです
セルー動物保護区 ★★★
知る人ぞ知る貴重動物もいる穴場。サファリ好きなら是非!
(2015年2月 渡邊 竜一)
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