ワイルドだろぉ?ジャングル生活INボルネオ島

ワイルドだろぉ?ジャングル生活INボルネオ島

今回、私はボルネオ島(マレーシア・ブルネイ)に行ってきた。
場所は、サンダカンから行くアバイ村とスカウ村、そしてテンブロン国立公園。一言で表すなら、ジャングル。
滅多に経験できないであろうジャングル生活にワクワクしながら、私は魅惑のワイルドジャーニーへと出発した。(虫の写真にご注意を。)

プロペラ機でサンダカンへ向かう


<セピロック・オラウータン保護区>
マレーシア・コタキナバルから飛行機で約40分、サンダカンへ着く。現地英語ガイドと合流しセピロック・オラウータン保護区へ。
出迎えてくれたのは、緑生い茂るジャングル。早速、ジャングルに潜入だ。

セピロック・オラウータン保護区

ここでは、母親を亡くしたり、生き別れになったオラウータンを保護し、森へ帰って自立できるようにトレーニングしている。ツアーでは、オラウータンの餌やりを見学することができる。ガイドとともに保護区の中に作られた歩道を歩き、様々な生き物や植物を見ながらオラウータンの餌やり場まで向かう。保護区といっても、そこは大自然のジャングル。見たこともないような奇妙な虫や動物たちが自由気ままにうごめいていた。
メインのオラウータンはというと、出てくるまでに大分待った。出て来ない日もあるそうだ。今回は、ありがたいことに元気な2匹のオラウータンが現れ、私たちの目の前まで来てくれた。彼らが歩道を進むとぞろぞろと観光客も進む。その光景を面白がっているかのようだった。しかし、ほぼ野性のオラウータンであることには変わりなく、真横を通るときは、噛まれないかとひやひやした。それくらい近くでみることができた。

オラウータンがやってくる

逆さまの状態でフルーツを食べる

とても近くで見ることができる

見たことのない昆虫

<アバイ村ジャングルロッジ>
アバイ村への交通手段はボートのみである。サンダカンからボートに乗り荒波と向かい風に耐えてキナバタンガン川を進み、1時間ほどでアバイ村に着く。

移動中のボート

今回、滞在するアバイジャングルロッジは、その名の通りジャングルに包まれているロッジで、入口にはカラフルな花々が飾られており、南国に来たという雰囲気を感じさせてくれる。レストランの中では靴を脱いでと言われたが、正直どこが境なのかわからず、どこでも裸足でいることを選んだ。
部屋の設備は最低限だが、木の床に寝転ぶと気持ちがよく快適だ。お湯もでる。バスルームに蜘蛛がいて、食物連鎖のあれこれを見せられた以外はとても過ごしやすいロッジだった。

ジャングルロッジのデッキ

ジャングルロッジの部屋

ともに過ごしたバスルームの蜘蛛さん

また、このロッジにはジャングルを散策できる遊歩道が4コースほど設置されている。手つかずのジャングルを1人で歩くのは危険すぎてできないが、これなら気軽に一周することができる。運が良ければ、ワニや象、ウンピョウ、オラウータンと出くわすこともあるという。夜は真っ暗になるが、この遊歩道をガイドと一緒に散策するナイトツアーに参加することができるのでおススメだ。涼しくなったジャングルでは活動的になった昆虫や、野生のブタ、眠たそうなカワセミなどを見ることができた。

ロッジの遊歩道

きれいな花

ここから見えるのはジャングルのみ

ナイトツアーで見つけた蜘蛛

<キナバタンガン川クルーズ>
*夕方クルーズ*
アバイ村に来た目的はもちろん、キナバタンガン川クルーズだ。アバイ村でやることといったらボートに乗ってひたすら動物を探すことと言っても過言ではないかもしれない。
夕方ロッジから屋根なしボートで出発する。日差しはまだ強く、帽子、サングラスを持ってこなかったことをかなり後悔した。ボートで出発してすぐ、マカウ(尾長ザル)の群れに出会った。

クルーズ用のボート

その後も、テングザル、カワセミ、サイチョウ、スネークバード(首が蛇のように長い鳥)、トカゲなど、次々にガイドが見つけてくれる。小さなボートなので、川岸まで近づきエンジンを止めゆっくりと観察させてくれるが、絶対に双眼鏡を持っていくべきだ。特にテングザルは高い木の上にいるので、肉眼ではトレードマークの大きな鼻も良くわからないからだ。
しばらくクルーズを続けていると、運よく、アジア象の群れに会うことができた。川辺の草を食べ、水を飲みに来たようだ。ボートの上で象を眺めながらコーヒーとクッキーを食べる。なんて贅沢なジャングルカフェ。

テングザルの家族

隠れている(?)トカゲ

アジア象の親子

アジア象

象を眺めているうちにだんだんと日が落ちてきて、真っ暗になってしまった。しかし、ここからが私のおススメポイントだ。夜空には今まで見たことがないほどたくさんの星が!そして、その輝きに負けず劣らず、キラキラと光っている1本の木が!!!星空ばかり見ていたので、ボートが近づくまで気が付かなかった。キラキラ光る正体は、蛍だ。なんてロマンチックなんだろうと感動した。写真に撮ることはできなかったが、とても印象に残っている光景だ。この天然クリスマスツリーはアバイ村に泊まるからこそ見ることができるものだと思う。ちなみに日が落ちたあとのクルーズは非常に寒いので上着を持っていくといい。
*早朝クルーズ*

ロッジから見る日の出

ジャングルの賑やかな声で目覚めると、朝食の前にオーエックス湖までクルーズだ。オーエックス湖とは三日月湖という意味だ。湖が浮き草で覆われて細くなってしまったのでその名が付いたそうだ。オーエックス湖で飲むモーニングコーヒーも格別!一度、ロッジに戻ると、敷地内のジャングルの中で朝食をとることができる。サバイバル方式ではなくちゃんとデッキとキッチンがあるのでご安心を…。その後はまた船に乗り対岸で植林体験をする。こちらは、ちょっとした思い出作りにと始めたようだ。ナンバープレートをつけるので、自分の植えた苗の成長を見にまたアバイ村に訪れるのもいいかもしれない。

オーエックス湖

ロッジのジャングルで朝食

植林体験

植林体験

<スカウ村リバーサイドロッジ>
アバイ村からさらにキナバタンガン川を1時間ほど進むとスカウ村に着く。この途中でも私は、アジア象の群れに出会うことができた。昨日よりも間近で、しかも大きな群れだった。象は移動する動物なので、いつもそこにいるわけではない。2日続けて象に会えたことはすごくラッキーだと思う。運を使い果たしたのか、スカウ村でのリバークルーズでは、大量のマカウ(尾長ザル)に出会うのみで、生い茂るジャングルを見つめ続けるクルーズとなった。

アジア象の群れに出会う

アジア象の家族

尾長ザルの家族

いろんなポーズをとってくれたサル

リバーサイドロッジは欧米からの団体客で賑わっていた。レストランも広くキナバタンガン川のクルーズで多くの観光客が訪れるだけあるなと感じる。ここでは、事前に頼んでおけばサプライズのバースデーケーキや、ウェディングパーティーも準備してくれると言う。私が滞在したときも欧米人のグループがバースデーパーティーをしていた。ケーキはどこから持ってきたかと言うと…サンダカンの町から船に乗って2時間かけてやってくる。お腹を壊さなければいいのだけれど。
夜は、ロッジのスタッフに敷地内を案内してもらった。木で寝ているサイチョウを間近で見ることができたり、池のある広場で満点の星を眺めることができたりロッジ内でも楽しむことができた。ちなみにこのスタッフは真っ暗な草むらも裸足で歩いていた。超ワイルドだ。

リバーサイドロッジ

夕食時には伝統衣装のサリを着る

ロッジのスタッフはとても気さく

<テンブロン1泊2日レインフォレストロッジ>
テンブロン国立公園のある町テンブロンに行くには、ブルネイの首都バンダルスリブガワンから水上バスに乗り45分、そこから車で30分くらいだ。テンブロンでは今回泊まるレインフォレストロッジのスタッフがさまざまな名所へと案内もしてくれる。スタッフと合流し、早速今回泊まるレインフォレストロッジに向かうのか・・・と思いきや、いきなりハイキングに案内されることに。
*アポイの丘ハイキング*
アポイの丘はブルネイとマレーシアの境を一望することのできる丘である。ツアー内容では“アポイの丘ハイキング”となっていたが、普段ちっとも運動していない私にとっては山登り訓練だった。途中ではいろいろな植物の説明も聞くことができるし、森林浴はとても気持ちがいい。けれども、木の根につまづいたり、丸太を渡ったり、ロープを掴んで岩を登ったりで1.8キロ。丘の頂上に着いた時には大汗をかいていた。帰りは下り坂。楽かと思いきや、私は何度も足を滑らせ転びそうになった。本当に良いエクササイズになった。

丸太を渡って進むところも

向こう側はマレーシア


*レインフォレストロッジ*
テンブロン国立公園へのツアー参加者が昼食や休憩に使うのがこのロッジだ。ほとんどの人は日帰りツアーなので宿泊する人はあまりいない。しかし、自然の中で遊びつくすならぜひ泊まることをおススメする。ロッジは森林に囲まれており、目の前にはきれいな川も流れているので好きに泳ぐことができる。また、敷地内にはアスレチックも用意されていて、スタッフに頼めば遊び方を教えてくれるそうだ。その他にもカヤックや釣りなど様々なアクティビティを体験することができる。もちろんロッジでゆっくりコーヒーの飲むのもありだ。と、自然をたっぷり楽しむには日帰りでは足りないのだ。

レインフォレストロッジ

今回1泊2日のツアーに参加していたのは私と、ブルネイ在住のフィリピン人男性の合計2人だけだった。
私の部屋は、ベッドと机、クローゼットがあるだけのシンプルな内装。もう一方の部屋は2段ベッドが3つあるドミトリータイプだそうだ。トイレとシャワーはロッジの2階にあり男女別の共有だが、とても清潔感があった。裸足で入るのも抵抗がないくらいである。

部屋の様子

シャワールーム

ロッジにはスタッフも滞在するが、皆のんびり気ままな雰囲気でどこかの家庭にお泊りをしているような気分になった。アポイの丘でくたくたになったものの、時間はまだまだいるので川で遊んでみた。意外と流れが速く、川底は滑るので何度も転びそうになったがとても気持ちが良かった。川で遊んだあとは、ロングハウス見学や、手漕ぎボートでサルを探しに行ったりと1日遊びつくした。

ロッジのボート

犬も泳ぐ

ロングハウスのお土産

*テンブロン国立公園*
次の日は、いよいよテンブロン国立公園へ。レインフォレストロッジから木のボートで1時間川を上ったところにある。ボートは浸水しているし、ちょっとバランスを崩したらひっくり返るだろうなという感じだった。そのハラハラ感がワイルドムードを盛り上げてくれるのは言うまでもない。
まず、挑戦するのはキャノピーウォーク。そこに行くまでも30分ほど階段を登る。段差は低いが800段ほどあるので侮れない。キャノピーウォークでは鉄製の階段をひたすらぐるぐる登り、高さ30メートル以上から熱帯雨林を眺めることができる。橋は1度に2人しか渡ってはいけないなど決まりがあり、スリル満点だ。鉄パイプを握り登ったり下りたりしていると気分はオラウータンだったが、帰りの階段では膝が笑ってしまい一苦労だった。

キャノピーウォーク

意外と高さがあり、足場は狭い

次に行ったのは、滝トレッキング。川の中を歩いて30分ほどで滝が現れる。なぜかその間たくさんの悲鳴が遠くから聞こえてきたがその時はわからなかった。滝に着くと滝つぼがプールのようになっているので水遊びをしていいという。私たちが来る前に団体客が入っていたようで水が濁って深さもわからない状態だったが、気にせず入った私…。足に違和感。何かがぶつかった!痛い!!そう、ここは自然のドクターフィッシュがいる滝つぼだったのだ。しかもデカい。そして、私も悲鳴をあげたのだった。

魚に突かれながら滝の水を飲む

1泊2日テンブロンツアーもいよいよ終盤。最後は、国立公園の前の川で川泳ぎ。流れが速いので逆らって泳ぐとかなりのトレーニングになる。水も滴るいい女(ワイルドバージョン)になれただろうか・・・。ロッジまではこの川を下って戻るのだが、途中でクロコダイルに出くわした。そんな川で泳いでいたのか私は。

スタッフと一緒に川で泳ぐ

このボートで移動していた

<ジャングル生活の感想>
日常では体験できないようなことが体験できるジャングル生活。私は非常に気に入った。周りでは、毛虫に刺されたり、蟻に噛まれたり、植物のトゲにやられる人もいた。動物を全く見られなかった人もいた。私は運が良かっただけかもしれない。けれどもテレビも電波もないところで、裸足で生活してみたり、川で髪の毛洗ってみたり、動物を見たり、昆虫と生活したり…。もうしばらくこの中にいたいと思える旅であった。
ワイルドだろぉ?

ワイルドなオラウータン

<おまけ>
今回は、ブルネイの首都バンダルスリブガワンでおまかせカットをしてきた。

バンダルスリブガワンの美容室

カット(10$)とシャンプー(8$)を頼んでみた。合わせて1400円といったところだろうか。ブルネイでもお手頃な値段だそうだ。ストレートとレイヤーどちらにするかと、どの辺まで切るかを聞かれたので、ストレートで鎖骨のあたりまでと頼んでみた。
あとは丁寧に黙々と切ってくれた。

カット中

こうなった。

 ブルネイの美容室は安心して大丈夫だろう。

以上
2014年 3月 鈴木 美冬
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