「スリランカ行くねん」と周りの友人たちに言ってみたところ、1番多かった反応は「スリー・ジャヤワルダナプラコッテの?」でした。小学生の頃その名前の長さから誰もが呪文の様に唱え覚えた、言えないやつはダサかった、その「スリー・ジャヤワルダナプラコッテ」が首都のスリランカ。インドの下に浮かぶ雫型の島スリランカ。そんな南の島へ行ってまいりました。
今回巡ったのはニゴンボ、ポロンナルワ、シギリア、ダンブラ、キャンディ、ヌワラエリヤ、ゴール、ヒッカドゥワ、ワドゥワ、ベントータ、マウントラビニヤ、コロンボ。
主要な観光スポット(世界遺産など)だけではなく体験アクティビティやおしゃれショッピングも盛り込んだ旅好き女子のための欲張り9日間です。そう、女子旅なのです。上司に心配されるほどわずかにしか持ち合わせていない私の女子力で女子旅ができるのか?ちょっと不安な感じではありますが、異国の地で女子を目指してきました。
そ の中よりいくつかpick upしたいと思います。
<キャンディでの星占い>
ポロンナルワ遺跡、シギリアロック、ダンブラの石窟寺院と3つの世界遺産を2日間がっつり観光した後、私が向かったのは古都キャンディ。ぺラデニア植物園、仏歯寺、キャンディの市場、キャンディアンダンスのショー鑑賞など主要ポイントも観光しましたが、ここでのイチオシポイントは「星占い」です。占い好き女子もそうでない女子も是非トライしてみてください。そうでない女子:私も笑って驚いて真剣になって…楽しい体験ができました。
スリランカではこの星占いが重要視されているため、国の主要な行事や祝祭日の日時が星占いで選定されますし、個人の生活(結婚式の日取りだとか)にも大きく影響しています。国民もなにかと占ってもらうことが多いとのことで、彼らは占い師さんの助言をよく聞いているそうです。私が旅した日程は星占い的にお日柄が良かったらしく、各地のホテルで結婚式のパーティーをたくさん見ることができました。ホテルの方に尋ねると「今日は5組あるよ」なんてところも。きれいなサリーを着た花嫁さんたちを見られてラッキーでした!
この星占いは生年月日と時間における星の軌道や位置によって占ってくれるので、事前(旅行前)に自分の生年月日・生まれた時刻・出生地・名前・性別を占い師さんへ伝えてもらいます。そしてその結果を持った占い師さんがホテルのロビーに現れ、私の人生(?)について様々なアドバイスをいただきました。星の軌道や位置やラッキーカラーなどが記載された基本の紙が1枚とレポート用紙4枚に渡って英文でどどーんと書かれた占い結果をいただきました。それらの紙をみながら解説が始まります。
まず性格や性質などについての記述から始まり、向いている仕事、金運、生きかた、結婚、ビジネス、病気、努力すべきこと、訪れるであろう辛い時期、現状とこれから、アドバイスなど詳細に書かれていました。占いの結果を親しい人以外に見せたりするのは良くないとのことですので、結果は内緒です。「なぜそれを知っている…!」な内容から「ホンマですかー!?」な内容まで非常に興味深い結果をいただきました。占い師さんいわく占いは人生のアドバイス、予言ではなく私たちの助けとなるものだそう。私も今後の人生にしっかり役立てたいと思います。
<アフターヌーンティ>
キャンディを満喫した私が次に向かったのは「リトルイングランド」とも呼ばれる高原避暑地ヌワラエリヤです。まぶしい緑の山々に囲まれ、周辺には茶畑が広がり、またイギリス植民地時代の名残をとどめるこの町は爽やかで美しい町です。スリランカの紅茶輸出量は世界一を誇っており、日本で1番飲まれている紅茶もスリランカのものだそうです。ここでは紅茶工場を訪問してみたり、紅茶を買いにでかけたり、美しい景色を眺めながらゆったりとアフタヌーンティを体験してみたり、紅茶系アクティビティがオススメ。スリランカでの優雅な午後はいかがでしょうか?ここで浮かれて紅茶をたくさん購入してしまった私のスーツケースはかなり重くなってしまいました。もはや荷物の半分が紅茶だったのでは…!?これで大阪に戻っても、茶菓子を買ってゆったりと女子会ができるはずです!(時間があれば)
<世界遺産の町ゴールと海亀保護センター>
ヌワラエリア→ゴールまでの長い道のりを絶賛車酔いで終えた私でしたが、到着した世界遺産の町ゴールに感激!
ゴールの町は、砦に囲まれた旧市街とその北側の新市街のふたつに大きく分けられます。港町としての歴史は古く、また植民地時代の面影が色濃く残っています。旧市街にある石造りの時計塔、砦、白い灯台と古い街並み。夕暮れに到着し、素敵な雰囲気の中ゆったりと砦の上を歩いてきました。
翌日はベントータの海亀保護センターへ。スリランカは海亀の産卵地としても有名なのです。途中、ヒッカドゥワへ寄ってもらったのですが、なんと全然波のない穏やかな海でした。あわよくば少し入って波に乗っちゃおうなんて思っていた私はがっかり…、憧れのスリランカ・サーフィンは叶わずでした。ガイドさんいわくスリランカで最もホットなサーフスポットはアルガム・ベイ。次は是非そこへ行きたい、そう思いながら海亀保護センターへ向かいました。ここでは怪我や障害のある海亀や生まれたばかり赤ちゃんガメを保護・飼育しています。
スリランカは、5種類もの海亀が上陸する世界でも珍しい場所です。南西海岸のなかでも遅くまで賑わうホテルなどがないここへ毎晩、海亀が産卵にやってくるのです。しかし放っておけば卵が全滅してしまうため、この施設があります。近隣の海辺で夜に産卵された卵は、毎朝漁師が集めて、この施設に買ってもらい、そして孵化して3日経つと赤ちゃんガメは海へ帰されます。たくさんの小さなかわいい海亀ベイビーたちを見ることができました。また、珍しいアルビノの海亀も保護されています。
<ジェフリー・バワの世界>
スリランカが生んだ熱帯建築のパイオニア「ジェフリー・バワ」。彼は多くの建築家やインテリアデザイナーに影響を与えたアジアが誇る建築家です。あのアマンリゾーツにも大きな影響を与えたと言われています。ガイドも「ここはバワさんのホテルですよ」と誇らしげに案内してくれました。1919年、バワは複数の文化的ルーツを持つ、コロンボの裕福な家庭の下に生まれました。その後、イギリス留学、弁護士、1年半の世界周遊旅行を経て、1957年に38歳のバワは遅咲きの建築家としてそのキャリアをスタートしました。建築家としてのスタートは遅かったのですが、2003年に84歳で亡くなるまで、バワはたくさんの作品を残しています。バワの「熱帯建築」は地域の自然や風土・文化を空間の中に存分に取り入れ、屋外と屋内の連続性にこだわった開放的な造りが特徴です。その魅力はその土地がもつ自然を最大限に引き出している点にあります。
今回私はそのバワ建築のなかの2つのホテルへ行ってきました。
1つはバワ唯一の内陸リゾートである「ヘリタンズ・カンダラマ」、もう1つバワが最後に手がけたホテル「ブルーウォーター」です。
「ヘリタンズ・カンダラマ」
たダンブラの森と湖に囲まれたこのホテルは、ときの流れと共に緑に埋もれてゆくように設計され大型高級ホテルです。ホテルの全長はなんと968メートル!ホテル内はまるで美術館のような雰囲気です。岩肌がむき出しになったロビー、空中を渡る階段とフクロウの彫刻、湖と一体になったかのように見えるプール。ここは自然との境界線をなくしてしまったかのような、自然に溶け込むホテルなのです。プールの端が海面や湖面に溶け込み一体となる「インフィニティーエッジ・プール」のデザインも、今ではリゾートホテルのプールの定番ですが、もともとバワが考案したものといわれています。
客室は木材を多く取り入れたモダンインテリアでスタイリッシュにまとめられていて、インテリアにもこだわるバワのセンスを感じることができます。また、このホテルのスパは、あのシックスセンシズ・スパです。このホテルでの注意点は自然に溶け込んでいるため、鳥やお猿さんや爬虫類までホテルに滞在していること。私も赤ちゃんを抱っこしたママたちに遭遇しました。
「ブルーウォーター」
ワドゥワにありますこのホテルは、「その土地がもつ自然を最大限に引き出す」バワの魅力的な作庭術によって、とても素敵な空間を持っています。バワ建築特有の直線的なデザインと水の組み合わせがいたるところに感じられるホテルです。ロビーを流れる水は、そのままプールへつながり、視線はさらにその先のインド洋へと向かいます。ここはバワが手がけた最後のホテルとなりました。この“超人気”ホテルには各国からの観光客だけではなく、たくさんのスリランカの人々も滞在を楽しんでおられました。
こちらのホテルもインテリアにこだわるバワがセンスよくシンプルな客室をデザインしています。海と建築が一体化しているようなそんな錯覚に陥るこのホテルでの、穏やかなリゾートライフは、忙しい日本でちょっと疲れちゃったときにもおすすめです。私は泊まらなかったのですが、今度もしスリランカを旅行するときには是非バワ建築のホテルに滞在してみたいと思います。
<コロンボでおしゃれ雑貨屋さん巡りとカフェ>
この旅の最終日に訪れたのがスリランカ最大の都市、コロンボ。近年、コロンボでのショッピングが旅行者のあいだで注目を集めているのです。私は今回、「ベアフット」「パラダイスロード」「オデール」へ行ってきました。
「ベアフット」
手織り製品のお店でオリジナルのバッグや服、おもちゃ、雑貨などを扱うお店。本屋さんとカフェも併設。(店内の写真を撮ると店員さん2名が飛んできて、それはそれは怒られたので、写真は外観のみです。)
訪れた4件の中でも私はここが1番気に入りました!ここのショップの特徴はそのカラフルなファブリック。スリランカの美しい自然からインスピレーションを得て、手でつむがれ染められた布は赤や青、オレンジなど明るくカラフルですごくかわいいのです。併設されたカフェもオシャレ。
「パラダイス・ロード、パラダイス・ロード・ザ・ギャラリー・カフェ」
洗練されたエキゾチックなデザインの雑貨や食器、家具、布、アート関連の書籍やCDを扱うここは、おみやげにぴったりな100Rsの雑貨から高級家具まで揃っています。センスの良さは抜群、エキゾチックなF●ANC FRANC、もしくは洗練されたVI●LAGE VANGUARDのような感じです。カフェのほうは、なんとジェフリー・バワ建築のお店なのです。ここにもバワ建築特有の直線的なデザインと水の組み合わせが生かされています。もう是非お茶していただきたい素敵なカフェです。
「オデール」
コロンボで1番人気のショッピングセンターがこちら、オデールです。(こちらも写真厳禁、1枚だけ撮らせてもらいカメラは仕舞うこととなってしまいました。)洋服やアクセサリー、紅茶、お土産などさまざまな商品が揃っています。私が行ったのが12月ということもあって店内にはクリスマスショッピングにやってきたお客様がたくさんおられました。フードコートもあるので、小腹がすいたら休憩もできます。
<民家訪問!サリーの着付けと家庭料理レッスン>
ショッピングとカフェに大満足した私は、ニゴンボへ。ここで美しいサンセットをみたのちに今回お世話になるスリランカ人の民家へお邪魔しました。
今回わたしがお世話になったのはレスター家の皆様。サリーの着付けと家庭料理レッスンを体験させていただきました。
お茶をスリランカの伝統的なお菓子を用意して待っていてくれたので、お茶して雑談してお菓子をいただいて。スリランカのお菓子はとっても甘くて、暑さで消耗したエネルギーを補ってくれるような、そんな味がしました。
お茶してのんびりした後に、サリーの着付け。布をくるくるっと巻いてサリーを着るのです。スリランカでは働く際にサリーを着るのが普通なのだそう。ということはスリランカのOLスタイルはサリー!?ちなみにお女医さんも必ずサリーで、お母さんが子どもの学校を訪れる際もサリーなのだそう。参観日スタイルもサリー!?女子3人できゃーきゃー言いながら着て、撮影大会となってしまいました。成人式を思い出すなあ、なんて思いながら記念撮影。
その後は楽しみにしていた家庭料理レッスン。しかしここで女子にあるまじき痛恨のミス。エプロン忘れた!!先日トルコ女子旅へでかけた弊社スタッフのトルコ家庭料理レッスンのエプロンをつけて料理する写真をみて、「女子や!私もかわいいエプロン買って持っていこう!」なんて思っていたのに忘れました。(そもそも持っていないところが問題?)こんなことならコロンボのかわいい雑貨屋さんでエプロン買っておくべきだったが時すでに遅し。エプロン無しで挑みました。
スリランカの食事はカレーが基本。何種類かのカレーをごはんの周りに取り、まぜて食べるのがスリランカ流です。今夜の献立は、豆のカレーといんげんのカレーと海老のカレーとチキンのカレー。いつも野菜・魚介類・肉のカレーを準備するのだとか。時間の関係で、今回わたしがお手伝いしたのはいんげんのカレーです。当たり前ですが日本のカレーと全く違います。作り方も興味深かったです。独自ブレンドのスパイスをお持ちでびっくりしました。作ったあとはみんなで晩ごはんです。
こうして「観光」も「体験アクティビティ」も「おしゃれショッピング」全て欲張りに楽しんだ旅好き女子のためのスリランカ9日間を終えました。ツアーで周るようなところでは、治安も悪くないし、またスリランカの皆様のお人柄なのかのんびりとした雰囲気を味わうことができました。旅好き女子の皆様、南国スリランカでの女子旅はいかがでしょうか?
2012年12月 増井