今年も社員旅行にいってまいりました。今年は、ネパール。
私たちはB班、後発組です。A班から3日後ろにずれた、23日から28日までの旅でした。
旅立つ前に「ネパールってどこ?」と多くの友人に尋ねられ、私自身も“ヒマラヤ”のイメージしかなかったネパール。よく知らない、よく分からないこそワクワクする!初めての社員旅行ともあって少々緊張しながら日本を発った。
★まずは首都、カトマンズ★
ネパールで最初に訪れた街は、首都カトマンズ。アジアらしい喧騒が、旅にきたことを実感させる。交通量が多く、外を歩けば車やバイクのクラクションが耳に飛び込んでくる。
クラクションは鳴り止むことはなく、私からみると好き勝手に走っているとしか思えない車たち。それでも旅行中の6日間は事故をみかけることはなかった恐るべしネパール。
赤レンガ造りの建物が主で、道も風も砂っぽい。露店に並ぶ商品もどこかザラザラだ。全体的に赤い景色の中に、タルチョと呼ばれる五色の旗がヒラヒラと舞う。
赤いカトマンズ、早朝や夕方は本当に美しい景色に出逢える。ネパールでの2日目、初めての朝、ホテルの窓のカーテンを開けた。時間に余裕はないはずなのに、時間を忘れてしばらく見入ってしまうほど素晴らしい眺めだった。少し砂っぽい、赤い朝。眼下の民家の屋上では洗濯物が干され、縄跳びをする人やお花に水をやる人、掃除をする人などがいた。ネパールの日常生活がそこにあった。
カトマンズで1番印象にのこっている場所は、パシュパティナートというネパール最大のヒンドゥー教寺院、その中にある火葬場だ。
日本ではあまり考えられないが、街のほぼ中心に位置し、かなりオープンな青空火葬場だ。
火葬台がいくつか設けられ、その前には川が流れる。その川はバグマティ川と呼ばれ、ガンジス川の支流であり聖なる川とされている。
ネパールでの遺体処理方法は火葬の他に土葬、鳥葬があるが、一般的な方法は火葬なのだそうだ。私たちが到着したときにちょうど、遺体が運ばれ火葬作業が始まった。
川の横の火葬台に薪を組み、その上に遺体をのせる。何時間もかけて焼却し、残った灰を目の前の川へ流す。遺族なのか、20人ほどが火葬台の周りに集まっていた。
ここには猿も多くいて、何十匹と生息しているようだ。その猿たちが、灰のながれる川の横で食事をしていた。そこには生と死がさりげなく、確かに存在する。
横の階段をのぼると、街が一望できる。その頃はちょうど夕暮れ時で火葬中の煙と山、夕暮れが何ともいえず美しく輝いていた。
★ポカラへ★
3日目にポカラへ移動。ポカラはカトマンズから西へ200km、国内線で30分ほどだ。30人ほどが乗れる小さな飛行機に乗って、ヒマラヤをほぼ同じ視線で眺めながらポカラへと向かう。
機内では30分ほどのフライトであるが、飴と耳栓、インスタントコーヒーも配られ、快適だ。
そして国内線を降りると1番に目に飛び込んでくるのが、そう!ヒマラヤ!!!
富士山を間近で見たことも、日常的に登山の習慣もない私は、これが世界一の山脈といわれても今ひとつ実感としてピンとこなかったが、その美しさだけはそんな私でも感じることができた。思いっきり主観であるが、日本の山は全体的に丸く優しいイメージの一方、ヒマラヤは頂上が尖っているように見え、凛として強く、スッとそびえていた。
ポカラは首都のカトマンズに比べ、ずっとのどかだ。交通量は比較的すくなく、ピンクや薄い緑など、カラフルな外壁のお家を見ることができる。
ポカラにはフェワ湖という湖があり、ボートに乗ってヒマラヤを眺めることができる。
ボートが久しぶりの私は、乗り込むだけでユラユラ揺れるボートに大興奮!!
この旅で実はボートが1番楽しかったことはあまり大きな声では言えない。
ポカラから宿泊先、「はなのいえ」があるアスタムまでは何人かに分かれ、ジープで向かう。カトマンズからガタガタ道には慣れ始めていたものの、途中からは想像以上のガタガタ道!!!
首が右へ左へ、身体も右へ左へ時々上へ!!この状態で横は崖の狭い山道を進むので、最初はびくびくしていたものの、毎日のことなのだろう、ドライバーの腕は本物。ときおりなぜか笑顔を見せながら進んでゆく。運転酔いしやすい方には注意が必要だが、乗りなれると不思議と眠くなってくる。
アスタムにつくと、ヒマラヤがポカラよりも近くに見える気がした。
アスタム2日目の朝は6時に集合し、ヒマラヤの朝日をみることに。前日の夜は少し曇っていたため不安があったが、朝はきれいに晴れた。山脈の右のほうから太陽が上がっていき、山の上の雪が太陽に照らされ赤く染まってゆく。
はなのいえでは日本食をいただくことができる。
野菜炒めがとくにおいしかった。何とも幸せなひととき。
ポカラ2日目は、はなのいえがあるアスタムから、ダンプスまでトレッキング!
はなのいえから1時間ほどジープで向かったところからスタート。あまりハードではないコースだとA班から聞いていたものの、途中からは普段運動をあまりしない私にとっては結構ハード。前の人が踏んだところを目で追いながら無心で登ってゆく。頂上ではビールが待っていると聞き、足取りが軽く軽く!!1時間半ほどで目的地到着!
残念ながら、アンナプルナもマチャプチャレも雲に隠れて一部しかみることができなかったが、エベレストビールを飲みながら達成感に浸った。
トレッキング以外にも、宿泊先の「はなのいえ」ではろうそく作りやバター作り、農作業の体験をすることができる。
旅の終わりは、再びカトマンズへ。
お鍋に焼きそばにチャーハンにモモと呼ばれる水餃子に、と盛りだくさんのチベット料理をいただき、もうおなじみ、エベレストビールで乾杯。
お土産にはフェルトのかわいい人形や、紅茶、置物もたくさん買って・・・
もうすぐ旅も終わりだ。
ネパールは、ヒマラヤだけの国ではなかった!
賑やかな砂の赤、カトマンズと、静かな空と山、湖の青いポカラ、アスタム。国内線で30分という近さで存在するこの違いに、ネパールの奥深さを感じた。まだまだこの国にも、知らないことがたくさんありそうだ。
2012年11月 B班楠本