中東の秘境リゾートと近代的な都市アブダビへ

中東の秘境リゾートと近代的な都市アブダビへ

オマーンのジギーベイ、と聞いても知っている人は少ないでしょう。まさに秘境のリゾートといえるシックスセンシズ・ジギーベイを視察できる機会を、エティハド航空さん、シックスセンシズリゾートさんのご協力のもと頂く事ができました。


エティハド航空は日本では2010年から就航したアラブ首長国連邦国営の設立も比較的新しい航空会社です。航空会社をリサーチするイギリスの会社、スカイトラックス社の「ワールドベストビジネスクラス」にも選出された評判の航空会社なのです。
そして有りがたい事に今回のフライトはビジネスクラスとエコノミークラスの両方を体験させて頂く事ができました。ビジネスクラスはグリーンを基調とした癒される配色、全席が通路に面しているような造りで、真ん中の列はカップルシートでした。機内食もメニューの種類が豊富で、デザートも充実しています。シートはピッチが208cmと長く、就寝時にはフルフラットになるのもあって驚くほど快適に眠れることができ、アブダビまでの約13時間のフライト時間はあっという間に過ぎていきました。
もちろんエコノミーの席でも、細かいところまで行き届くサービスの良さを感じられます。アイマスク、耳栓、靴下等、アメニティがつくのも嬉しい気配りですし、個々にモニターもついているので退屈せず過ごせるのです。



アブダビ空港に到着し、ドバイを経由して車で走る事およそ5時間。国境を越えオマーンへ、ムサンダム半島に入り、そびえ立つ殺風景な岩山を4WDで抜ければ、そこにはまるで別世界のようなリゾートが待っています。突然現れる様子はまるで砂漠のなかのオアシスのようです。近くには漁村くらいしないような土地なので、隠れ家的な大人のリゾートであり、非日常的な世界を演出しているのがシックスセンシズ・ジギーベイです。
シックスセンシズグループならではのデザインは自然を活かす事をコンセプトとしており、シンプルながらセンスの良いアメニティがそろっていて、私はとても好きなつくりでした。全82部屋あるうちの、今回宿泊したのはジギープールヴィラ2ベッドルームでした。2階建のヴィラタイプです。広さはなんと334平方メートルもあり、開放的でゆったりしたつくりです。各フロアにシャワー、トイレも完備されていて便利なのでファミリーのお客様にも大変おすすめです。自然の光が差し込む心地よいバルコニーでは、海の景色を楽しんだり、日光浴をしたりとのんびりと過ごして癒されます。部屋の入り口の扉も、鍵も木でできており、開けるのにちょっとコツが要るのですが、それもまたモダンなホテルをよくご利用いただく方にも新鮮で面白いと思います。プライベートプールも備わっていてカップル、ハネムーナー、ファミリーとあらゆる方にお楽しみ頂けると思います。
お部屋のプールとは別にも近い大きなプールが敷地内にあって、幅25メートルはあり、大人でもかなり広く感じられるので久々に本格的に長時間泳ぐ体験もできました。現在、さらに新しいプールを建設しているとの事でその様子も見ました。
大変敷地が大変広いので、歩くだけではなく、各部屋に貸し出されている自転車での散策も可能。リゾート全体がビーチの目の前なのでお食事はシーフードもありますし、敷地内にはオーガニックガーデンもあり野菜を育てているだけあって、新鮮でおいしいのです。南国の樹木が植えられているのにその向こうには荒々しい岩山も同時に見える、といった印象的な風景を見られるのもここならではでしょうか。またお子様連れのお客様にはキッズプログラムもあります。おもちゃの球技やヤギへのエサやり等色々あるのですが、ヤギへのエサやりを体験しました。ホテル周辺にはなぜかヤギが多く生息していて、ホテルスタッフの案内でヤギにエサをあげるだけの内容ですが子供には好評でした。









夕暮れ時になると明かりが灯され、リゾート全体が幻想的な雰囲気でつつまれムード満点です。夜になると欧米人のお客さんが多いのですが、バーにみんなが集まってきます。野外なのでおいしく感じられました。シックスセンシズ・ジギーベイはチェックインの方法も変わっており、岩山の道路を4DWで到着する通常の方法、海からスピードボートを利用する方法、あとは有料ではありますが、岩山の頂上からパラグライダーで降りていくというとてもユニークな方法もあります。実際飛んでいる方を見ると確かに気持ちよさそうではあります。勇気のある方は是非トライしては?海もエメラルドグリーンで透明なジギーベイ。中東のイメージを超えたまだガイドブックにも載っていなくて、これから有名になっていくリゾートなのですが、まだ日本人やアジア系のお客様もまだ現在は多くなく、気兼ねなく優雅な時間が過ごせるので時間を訪れてみる価値があると思います。



今回はエティハド航空での旅だったので、拠点のアブダビとともにドバイの視察もしてきました。そこで特に印象に残ったホテルをご紹介します。まず世界でも屈指の豪華ホテル、エミレーツパレス。
7つ星ホテルと評され世界中から注目を集める豪華絢爛な様にはただ驚かされるばかりです。金で統一された内部はゴージャスと呼ぶにふさわしく、開放的な吹き抜けの高い天井も煌びやかで歩いているだけでもアラブの王族になったかのような気分になります。これだけ広いのに歩き疲れないのは、天井が高く、通路も広いので解放感があるからと感じられますし、あくまでも金で徹底する風景が珍しく思えるからでしょう。例えば日本ではまず見ることのできない金の自動販売機も名物。ホテル内の定番写真スポットにもなっているのです。
そして気になるお部屋ですが、コーラルルーム、パールルーム、ダイアモンドルームとランクにより呼び名が変わるお部屋も金が施されており、どの部屋もその豪華さには目をひかれ、一生に一度は泊まってみたいものです。ホテルの敷地も大変広いのも特徴で、白砂のプライベートビーチは全長1300メートルを誇ります。また、オープンスペースにあるカフェでは、金粉を惜しげもなく乗せたエミレーツパレスカプチーノが日本のテレビで紹介されたこともあって有名で話のネタとしては面白いです。






そしてエミレーツパレスのすぐ近くにあるのは2011年11月に誕生した新しいタワー型のモダンなデザインのエティハドタワーホテルです。アブダビ空港から車でおよそ30分、5つのタワーから構成される近未来的な外観でその高さはなんと280メートルもあります。かなり遠くからでもよく目立ちます。専用のシャワーブースもあり、広々とした48平方メートルのお部屋は全てがオーシャンビューで、眺望を満喫するために海側の壁は床から天井まで全面ガラス張りになっていて抜群の見晴しです。おすすめは上層階にあるバー。ここから見るマリーナモールやアブダビ市内は見事にきれいで、アブダビ屈指の夜景だと思います。プライベートビーチ、ビーチの目の前にある屋外プール、13室のトリートメントルームのあるスパも完備されています。長期滞在をする方も多いそうですがそれも納得できるおすすめホテルです。




2012年7月にジュメイラグループの新しいホテルとしてオープンしたのはジュメイラ・クリークサイド・ホテル。ドバイクリーク沿いのモダンなデザインのホテルです。
空港から車で10分程度の距離にあり、レジャーはもちろん、ビジネスで利用する方も多いホテルです。24時間いつでも好きな時間にチェックインしその時間から24時間滞在できるという便利さもあります。
全292室のお部屋は赤を基調としていてそのスタイリッシュで斬新さには驚きます。宿泊者へのワイルドワディウォーターパークへの入場無料特典も嬉しいポイントです。




最後に、アブダビ市内の見どころにもふれておきます。まだ歴史が浅い国であり、ドバイに比べるとややイメージがしにくい点はありますが定番の観光ポイントだってあります。
車の好きな方にとってはフェラーリワールドがおすすめです。フェラーリ関連の屋内テーマパークとなっていて、特に有名なのがフォーミュラ・ロッサです。4人乗りのジェットコースターで最大速度が240km/hで世界最速です。ショップやアトラクションが充実しています。
ショッピングならマリーナモールが便利です。レストラン、カフェに映画館やボウリング場までそろっていて、1日過ごす事もできます。2007年にできたシェークザイ―ドモスクは観光の目玉で、イスラム教徒以外にも中に入って見学する事が認められています。大理石とイスラム式の彫刻、装飾が印象的でアブダビのシンボルとも言えると思いました。近代的な高層ビルが多い中、ここに来ると、やはりアラブの国だなと実感します。世界でも3番目に大きいとされているモスクで、中でも巨大なシャンデリアは必見。





昔ながらのイスラムの世界、高層ホテル、優雅なリゾートを一度の旅行で体験できる中東は他の地域にはない独特な魅力があるので
是非、より多くの方に知ってもらいたい地域のひとつです。
2012年10月 南口

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