ウズベキスタン- シルクロードの歴史と人々の温かさに触れる旅

ウズベキスタン- シルクロードの歴史と人々の温かさに触れる旅

シャヒジンダ廟(サマルカンド)

今回の旅行はウズベキスタン。2日目にタシケント駅から特急列車に乗り、サマルカンドへ。その日はサマルカンド郊外で、ある家庭にお邪魔することになっていた。サマルカンドから車で約1時間。牛が草を食み、少年がヤギを追う-そんな光景が広がる農村にステイ先はあり、お父さん、お母さんとその子供達と、その孫達が住む大家族だ。お茶をいただいた後、お母さん孫たちとロバに乗ることになった。ロバは驚くほど小さく、「これ、こどものロバ?」ときくと、「普通のロバの大きさはこんなもんですよ。」とガイドさん。せっかくだから乗ったものの、小さいロバに私がのるのもいたたまれなくなり、ちょっと歩いてもらって降りた。子供達もわれ先に、とロバに乗る。一番張りきって乗った子が乗った後怖がってすぐ降ろしてもらったり、仲良く皆でロバに乗る- そんな光景も見ていて楽しい。孫達は朝から晩まで元気に遊び、家族同士が協力をし合って生活をする- 核家族が多い日本では目にすることが少なくなってしまった家族の様子がここにはある。この日は1日、その家族の一員になってウズベキスタンの家庭料理のお手伝いをしたり子供たちと一緒に遊んだり、ウズベキスタンの生活を体験してみた。この国の魅力は歴史だけではなく暖かい人々そのものにある。ウズベキスタンの旅の思い出になる1日だった。


ホームステイ先にてロバに乗る子供(サマルカンド近郊)

ホームステイ先にて飼っている羊と(サマルカンド近郊)

ホームステイ先にて家庭料理のレッスン(サマルカンド近郊)

ホームステイ先にてステイ先の家族と(サマルカンド近郊)

<サマルカンド 歴史が息づく青の都>
紀元前から生き続けるシルクロードの中心都市、サマルカンド。帝王ティムールは遠征先で得た富と技術をこの都につぎ込み、今のような美しい町にした。透きとおる青い空と、深い青のアラベスクを纏うモスクやメドレセ- 「青の都」と呼ばれるが由縁の美しい光景に魅了される。その美しさゆえに今も伝説が残る、ティムールの妻ビビ・ハニムが造ったアジア最大級のモスク、息子に殺されるという非業の最期を迎える天才天文学者ウルグベクの天文台跡など、たくさんの偉人が残した遺産が残る美しい都、サマルカンド。この都を訪れずしてシルクロードの歴史は語れない。
私が一番気に入ったのがシャヒジンダ廟。青い町に迷い込んだような気分になれる。

シャヒジンダ廟(サマルカンド)

シャヒジンダ廟(サマルカンド)

レギスタン広場(サマルカンド)

<シャフリサーブス-帝王ティムールの生誕の町>
緑の町を意味するシャフリサーブスはサマルカンドから約100km離れたオアシスにある町。かの帝王ティムールはこの町で生まれ、広大な帝国を築き上げた後、この地に壮大な宮殿やモスクなどの建築群を次々と建設する。その中に彼が葬られるはずだった墓室もありますが彼の遠征先の突然の死のため、ここに眠る願いは叶わなかった。16世紀にブハラの王にこの町は破壊されてしまいましたが、今も残る宮殿跡に登り、ティムールの築いた緑の町を眺めながら、ティムールの偉業と深い歴史に思いを馳せるのもよい。

ティムール像(シャフリサーブス)

<交易と文化の十字路-ブハラ>
2500年の歴史あるブハラは幾度と侵略されるが、今の町並みはなんと16世紀からほとんど変わってない。交易の中心地でもあり、道の交差点に造られたタキと呼ばれる丸い屋根つきバザール、あのチンギスハンさえも破壊しなかったブハラのシンボルのカラーンミナレット、多くの富がつぎ込まれたモスクやメドレセ、歴代ブハラの王の居城のアルク城- 今も昔とかわらない町並みを歩けば、この町の深い歴史や、多く輩出された偉人の功績を思わずにはいられない。

タキ(ブハラ)

ブハラの子供たち(ブハラ)

カラーン・ミナレット(ブハラ)

<城壁に囲まれた聖都 ヒワ>
17世紀に政治、経済、宗教の中心となったヒワは外敵の侵入を防ぐために町の周りに城壁を造った。モスクやミナレットなど多くの遺跡が残るこの城壁内の町自体が博物館であり、旅人を完全に中世にタイムスリップさせてしまう、ヒワ。この町では自由気ままに町歩きを楽しみたい。未完成のミナレット、カルタ・ミナルを目印に歩けば地図なしでも歩けるので、中世の町の住人になったかのように思わせてくれる。

カルタ・ミナル(ヒワ)

ヒワの子供たち(ヒワ)

イスラムホジャミナレットからの眺望(ヒワ)

メガプラネットという新しいデパート(タシケント)

<タシケント>
もしタシケントで時間があるならモスクやメドレセ以外に、地元の人々が行くデパートに行ってみるのも面白い。面白かったのが、最近できたゲームセンターに10年前にあった日本のシューティングゲームがあったり、マッサージチェアーがあったところ。ゲームセンターにマッサージチェアーって・・・!でもおじいちゃんが腰掛けて気持ちよさそうにしているのを見てなんだか幸せな気分になった。

ライトアップされたヒワの町(ヒワ)

ウズベキスタンは人々も気さくで、ご飯もおいしく日本人の口にとても合う。是非ウズベキスタンに行ってみてください。
2011年10月 辻

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