モンゴルでトナカイ遊牧民と大草原乗馬を堪能!

モンゴルでトナカイ遊牧民と大草原乗馬を堪能!

馬のガイドさんと(ウンドゥルシレット)

6月末にトナカイを遊牧する珍しい民族、ツァータンとモンゴルらしい自然が楽しめるウンドゥルシレットに行ってきました。モンゴルと言えばなんといっても大自然!弊社ツアーでも大草原での乗馬ツアーは大人気ですが、それ以外にも幻の遺跡カラコルムや南にあるゴビ砂漠などモンゴルの魅力はたくさんありますが、乗馬はなるほどと思いつつトナカイ遊牧民??と今までに聞いたことのない民族なだけにどんなものやらと出張してきました。


フブスグル湖

まずはトナカイ遊牧民ツァータンに会いにフブスグル湖へ行きました。フブスグル湖はモンゴルの中央北部にある湖で、淡水湖ではモンゴル最大の湖です。なんと透明度は世界第2位とのこと。また、モンゴルのスイスと言われるほどの景勝地で、モンゴル人であれば一生に一度は行ってみたいところの一つだそうです。ただし、行くまでに非常に時間がかかります。まずはウランバートルよりムルンという所まで国内線で1時間30分、ムルンから車で移動をしますがムルンの町から300mで舗装路は終わり、後はあとはひたすらでこぼこ道。ムルンから約3時間30分~5時間30分かかります。時間の幅に2時間ありますが、車の通った轍の道がいくつもあり、それによってルートも決まる為ドライバーによって時間が変わります。今回も行きは尾根をいくつも越えて約5時間30分、帰りはほかのドライバーに聞いたらしく比較的まっすぐな道を通ったので3時間30分とかなり時間が違います。一応舗装をしようと工事はしているらしいのですが、一向に進んでないらしく帰りの早い道も今後の工事の状況では使えなくなるらしく、ウランバートルから1日がかりの移動を考えた方がよさそうです。

ムルンからフブスグル湖への道のり

この移動さえ終わればモンゴル1の景勝地フブスグル湖へ到着です。なるほどもちろん本家スイスの方がすばらしいですが、大草原や乗馬などイメージしていたモンゴルとは一味違ってのんびりとしたリゾートらしい雰囲気はとてもお勧めです。ちなみに夏でも涼しく、ウランバートルに着いた時は正直日本の温度をさほど変わらず暑かったですがフブスグル湖は昼間でも肌寒く、夜は寒いほど。宿泊はツーリストゲルになるので夜中も寒く何度も薪ストーブに薪をくべていました。避暑地としてもお勧めかもしれません。また乗馬や釣りなどもできるので今までのモンゴルとは違った楽しみ方もできそうです。ゲルに1泊した後はお目当てのツァータンの遊牧地へ。

トナカイに乗るツァータン

ツァータンは世界でも稀なトナカイを遊牧する民族で、トナカイとともに移動・生活をしています。ゲルと同じような作りのウルツを作りその中で生活しトナカイの骨で工芸品を作ったり、砂金を売って生活資金としています。実はトナカイは非常に暑さに弱く、夜は寒いくらいのフブスグル湖の6~7月の気候でもトナカイにとっては非常につらく、今回見学したツァータンは観光客からお金をもらって写真を撮らせたり、骨の工芸品を売ったりしてお金を稼ぐ1家族で、他のグループはすでにもっと温度の低い標高の高い方へ移動してしまっているとのことです。それでも8月になるとさすがにトナカイも限界らしく山に移動するとのことでした。トナカイが弱り切っている為、大人が乗る体力がなくツァータンの子供にトナカイに乗ってもらい写真を撮らせてもらいました。まあお金目当てと言ってもめちゃめちゃぼったくられるわけでもなく、写真取り放題で日本円で300円位です。写真の他にトナカイのミルクティーをごちそうしてもらったり、ウツルの中でお話しを聞いたりと十分納得できる金額だと思います。ツァータンはシャーマニズム信仰で日本のアイヌ民族のように木や土地にいろいろな神様がいて、シャーマンと呼ばれる人が独得の儀式を行ったり占いをしたりするそうです。今回残っていた家族のお母さんが非常に有名なシャーマンでなんと世界各国に40人ほどの弟子がいるそうです。近くの町にはオランダ人の弟子が住んでいると言ってました。さらにこのお母さんのお母さんがモンゴルでも1番のシャーマンだそうです。モンゴルでは占いが非常にポヒュラーでシャーマンの占いも一般的だそうです。日本の地震のことも心配してくれていて、海や土地の神様にお祈りをしなかったせいで地震がおきたと言っておられました。そんな偉大な方に占ってよ!なんて言うこともできずせめてシャーマンの衣装を着て写真を撮らせてくれとお願いしたところ、なんと日本円で約15,000円とのことで丁重にお断りさせていただきました。モンゴルの一般的な月収は約40,000円くらいです。ふう、さすが40人の弟子を持つシャーマン母さんです。あんまり日本で普通に生活しているとトナカイなど見ないので、結構楽しく時間を過ごしました。

ナーダムの練習風景(ウンドゥルシレット)

また1日かけてウランバートルに戻ったあと、今度はモンゴル定番の大草原や乗馬を楽しみにウンドゥシレットへ移動です。ウランバートルからは約4時間30分、こちらもなかなかの移動時間です。ウンドゥシレットは映画やCMの舞台となり、大草原・山・川などいろいろな自然を一挙に楽しめるところです。ウンドゥルシレットで泊るゲルには日本人もいて何かと安心です。通常ゲルはシャワー・トイレ共同や電気は21時~23時のみとかなり不便ではありますが、逆に考えれば電信柱や電線もなく大自然のど真ん中にいる感じが楽しめます。昼にはトーラ川で水を飲む動物や草原・山など大自然が満喫でき、夜には満天の星空が楽しめるなんともモンゴルのイメージらしい所です。今回のウンドゥシレットの目的はなんといっても乗馬。モンゴルの馬は一回り小さく、初めて乗馬をする人でも気軽に楽しめるとのことです。最初は本当かい??と疑っていましたがこわごわ乗ってみると意外なほど簡単で、手綱さばきと進めの合図“チョー”を覚えるだけで本当に簡単に乗馬ができました!最初の数分は馬方さんに引っ張ってもらい歩いたあと、後は自分ひとりで乗ります。もちろんベテランの馬方さん、日本語ガイドも一緒に乗馬していますので安心です。初日1時間ほど次の日の為に練習しましたが、1時間もかからないうちに駆け足もできるようになりました。結構最初は怖いですが馬もやさしい性格で安心して乗れば馬も答えてくれるそうです。次の日は日中の日差しの強い時間を除いて約6時間の乗馬トレッキングへ。遊牧民のゲルに行ったり、小高い山に登ってウンドゥシレットを一望したり乗馬トレッキングを楽しみました。大草原を馬で疾走するのは初めての経験でなんとも言えず、癖になる経験でした。また国民的なお祭りのナーダムも近く、その競馬の練習風景なども見てきました。大自然や馬、星空などゲルの不便さをおもいっきり上回る楽しい体験ができました。

夜は満天の星空(ウンドゥルシレット)

弊社ツアーでもそうですが大自然や乗馬がメインのモンゴルですが、今回のように珍しい遊牧民や湖などを見るのもお勧めの一つです。ただゲルでの食事は肉がメインです。モンゴル人はいまでさえ野菜も食べるようになったそうですが、ほぼ100%肉料理になります。魚は土地柄ほぼありません。正直肉は大好きですが、さすがにちょっと飽きました。味も塩味などが多いため、カップラーメンの1つくらいは持って行ってもよいかも知れません。モンゴルでも日本のカップラーメンを買うことはできるそうですが、すべて売り切れでした。何か気分転換程度に食料があるとよいと思います。今回はトナカイと湖、大自然と乗馬とジャンルの違うモンゴル研修でしたが、また行きたくなるような素晴らしい国でした。
2011年6月 菅原

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