自然の奇岩、例えばキノコの形に見える岩は長い年月をかけて、雨や風によって侵食され、造りあげられました。そんな不思議な光景がたくさん残されているのがカッパドキアです。範囲が広く見所が点在していて、できれば2日間くらいかけてゆっくりと見てまわりたいトルコ随一の観光地といえると思います。ギョレメ博物館や当時、何万人もの人々が生活していたカイマクルの地下都市は迷路に迷い込んだ様な気分もあじわえて、かつての修道士や人々の暮らしも垣間見ることもできます。
そんなカッパドキアで宿泊するからには、洞窟ホテルにもとまりたいものです。
自然を生かして個性的な造りをしている事が多く、部屋ごとに造りが違い、雰囲気もあっておすすめです。
そして、カッパドキアでの観光で是非とも体験してみたいのは、自然のスケールの大きさがよくわかるバルーンツアー。かなり早朝からホテルを出かけることにはなりますが、たくさんの気球と奇岩群が広がる幻想的な光景はきっと印象に残るはずです。
次に訪れたのは、古くから温泉地として栄えてきたブルサ。かつてオスマン帝国の首都でもあったこの町は絹織物産業も有名です。標高が高くキュルテュル公園をはじめ、多くの自然が残されていることから町のシンボルカラーは緑となっており、様々な場面で見ることができます。例えば、この町を本拠地とするサッカークラブチームのブルサスポルのユニフォームは緑と白を基調に構成されています。街中にはブルーやグリーンのカラーを基調とした美しいデザインの寺院群を観光することができて、冬にはスキーまで楽しめるリゾート地でもあります。
イスタンブールからも比較的近く、1泊だけのんびりと温泉を満喫して過ごすのも贅沢な楽しみのひとつです。食の名物では、肉料理のケバブが有名ですが、ブルサではヨーグルトをかけて食べるイスケンデルケバブという独特の料理もあります。一見ミスマッチのようですが、さっぱりとしていて意外と癖になる味です。
ブルサでの滞在におすすめのホテルはギョンリュフェラフホテル。
創業100年を超える老舗のホテルでありながら、部屋の色使いや家具のセンスは近未来的な、まるでデザイナーズホテルのようなつくりで、大変綺麗に保たれています。
アメニティグッズも充実しており、快適に過ごすことができます。
温泉地だけに館内には浴槽の付いたハマムも4つ完備されていて、旅の疲れを癒してくれます。ホテル内にはレストラン、ラウンジ、バー、スパなど施設も充実しています。
ブルサの街よりもさらに標高の高いチェキルゲという地区にあるだけあって、部屋やレストランから見える夜景が大変きれいです。とても静かな環境なので、街中の喧騒から少しだけ離れて落ち着いて滞在したいときにお勧めのホテルです。
イスタンブールでは、見所が旧市街に多く集まっており、歩いて観光することができます。
ブルーモスクやアヤソフィア、地下宮殿等、徒歩圏内なので1日あれば見学が可能な範囲です。中でもブルーモスクはスルタンアフメットジャーミィが正式名称で、地名にもなっているイスタンブールの象徴ともいえる寺院です。夜にライトアップされる姿が特に美しく、個人的にはイスタンブールで一番印象に残っています。
屋根付きの市場の意味を持つグランドバザールは、そのお店の数は約4,500とも、世界で最も規模の大きいバザールとも呼ばれています。トルコ石や金、銀などの宝石や絨毯製品、お皿にアクセサリー、チャイグラス、衣類、水タバコ等、トルコでのお土産物はすべてここで揃うと言っても過言ではないほどです。迷路のように広大で色々と目移りしてしまいそうですが、買い物をしなくても歩いて見ているだけでも楽しめる場所です。
行き交う人々の活気や圧倒される品々の数は、バザール自体がひとつの観光になっているようです。日本人にも大変人気があり、日本語での呼びかけも名物のひとつになっています。イスタンブールに来たら一度は見ておきたいものです。
駆け足でのトルコ探訪でしたが、この国にはまだまだたくさんの見所がありそうです。
親日家の方が多く、何度でも行きたくなり、魅了される方が多いのも納得の旅でした。
2011年3月 南口